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大学4年目はNYに行くと決めた俺。
残された時間は1か月もなかった。

ここ数日はババァの帰国と重なり、唯一牧野と過ごせる大学のカフェテリアに足を運ぶことが出来ていなかった俺は、久しぶりに昼休憩に顔を出した。

いつもの場所にやつらがいる。
が、あいつがいねえ。

「牧野は?」
いつもつるんでる桜子と滋に聞くと、

「それが、ここ数日顔を見てないんです。
電話しても電波が届かないところにいるらしくて通じないし。
どうしたんでしょう、牧野先輩。」
桜子が心配そうに話す。

「大学にも来てねーのかよ?」

「そうみたいです。昨日、マンションにも行ってみたんですけど、会えませんでした。」

「でも、5日前まではつくし元気だったよ~。
だって、例のアイドルコンサートに一緒に行ったんだからっ。」

そうだった。
滋と一緒に行くと張り切っていたコンサートがつい先日だったはず。

「とりあえず、あいつから連絡あったら俺に知らせてくれ。」

まぁ、あいつのことだからまたバイトでも増やしたのかもしれねぇ。
もしかしたら、両親のいる実家に帰ってるのか。
だとしても、一応、一応、彼氏、いや元彼氏の俺に連絡ぐらいしてもいいんじゃねーのかっ。

その後、邸に戻ってからもソワソワと落ち着かねぇ俺に、
「大きな図体でウロウロしないでくださいな。」
と、タマから叱られながらも、
常に思考は牧野へと注がれる。


何度も何度も携帯を鳴らすが、繋がることがないそれに痺れを切らして、俺は牧野のマンションへと向かった。

夜の9時。
マンションの明かりは…………消えている。
部屋にいないのは確かなようだが、もしかしたらあいつが帰ってくるかもしれねぇと、そこから動くことが出来ず、結局一時間以上も寒空の中待っている俺。

ポケットに手を突っ込み、コートの襟元を立てて、寒さを忍ぶように下を向いていた俺に、
「…………道明寺さん?」
と、男の声がした。

その声に顔をあげると、懐かしい顔があった。
「おう、弟。」

「どうしたんですかっ?って、それより、道明寺さん記憶戻ったんですか?」

「ああ。2か月前にな。」

「そうなんですか。良かった。」
そう言って、相変わらず屈託なく笑う弟。

「弟、牧野知らねーか?ずっと連絡が取れねぇから心配してんだ。」

「えっ、あっ、姉ちゃん道明寺さんに言ってないんですね……。」
不味い顔をして頭をかく弟。

それを聞いて、
「どういうことだ?あいつになんかあったのか?」
少し強めにでかい声を出しちまった俺。

「いや、落ち着いて下さい道明寺さん。
実は姉ちゃん今入院してます。
腰の痛みが悪化して…………。」


弟の話では入院して3日目。
昨日までは両親も来てたが、仕事の都合で帰ったらしい。
今日は牧野に頼まれたものを弟が部屋に取りに来たところで、俺と会ったようだ。

30分ほど弟と話した俺は、
「弟、荷物は俺が届ける。」
そう話し、弟から牧野の荷物を預かると、病院へと急いだ。







弟に教えられた病室。
二人部屋らしいが、入っているのは牧野だけ。
もうとっくに面会時間は過ぎてるが、そこはちゃんと手を回してきた。

もともとここは俺も定期診察を受けている総合病院で、道明寺財閥からの多額の寄付金で最先端の医療技術が賄えているところでもある。

だから、事故で運ばれてきたときも、通院して検診を受けているときも、俺はこの病院では超VIPの有名人だった。

看護士も医師も俺を知らないやつはいない。
だから、この病室に来る前に、わざわざナースステーションに寄り、
「牧野つくしは俺の知り合いだ。今日は朝まで俺が病室で付き添う。」アピールをしてきた。
だから万全だ。
俺は今日は帰らない、牧野の側にいる。





病室をそっと開けると暗闇の中、カーテンで仕切られている。
奥のベットに近付き、カーテンを少しだけ開くと、ベッドに横たわる牧野の姿。

「…………牧野。」
眠ってるかもしれねぇと思ったが、小さく声をかけると、

首だけ少し動かして
「道明寺?」
と返ってきた。

やっぱり起きてたか。
そう思いながらベッドの横にある簡素な椅子に腰かけた。

「どうして?」
寝たままの格好で目線だけ俺に向けた牧野が聞いてくる。

「おまえのマンションの前で弟に会った。
なんで、連絡しねーんだよ。
滋も桜子もF3も心配してたぞ。」
ベッドに横たわる牧野を前に、柄にもなくすげー優しい声が出る。

俺のその言葉にコクコクと首だけ動かして聞いている牧野の目が赤い。

「いてーのか?」

「…………ううん。」

「ったく、嘘つくな。」

俺は着ていたコートを脱ぎ、その下のセーターも脱ぎ捨てた。
そして、薄いTシャツ姿になると、ゆっくりと牧野のベッドに体を滑り込ませた。

「っ!道明寺っ、なにしてんのよ!」

「うるせー、他の患者の迷惑だろ。」

「ちょっと!」

「いいから、動くな。」
俺はそう言って、牧野の頭の下に腕を通し、体を横向きにさせてやる。
そして、腰のところを優しくゆっくり撫でていく。

「痛くて眠れてねーんだろ?
俺がさすっててやるから少し寝ろ。」

「…………。」

「牧野、ごめんな。
俺のせいでこうなったんだろ?」

「違っ。」



弟からさっき聞いた。
俺が事故に遭ったとき、意識が朦朧として崩れ落ちる俺の体を、必死にこのちっせー体で支えた牧野。
その時に腰を痛めて辛かったはずなのに、自分は病院にも行かず、ひたすら俺の見舞いに来てたこと。
症状を放置してたことが祟って、今でも無理をすると激痛が走るらしい。


「さっきおまえの主治医と話してきた。
手術は必要ないそうだけど、毎日決められたストレッチをすることと腰に負担のかかることは極力させるようにって言ってたぞ。
どんだけ盛り上がったんだよ、コンサートっ。」

そう、今回の牧野の腰痛の原因は、コンサートに行って飛んだり跳ねたりし過ぎたことらしい。

「いや、そうでもないよ……。」

「そうでもなくて、こんな入院になるかよ、バカ。ったく。そんなに楽しかったのか?」

「…………ん、まあね。」

「無理して腰痛めて、将来子供産めなくなったらどうするんだよ。」

「っ、子供って、なんの話よ。」

「…………俺とおまえの話だよ。」

「…………。」

「なぁ、牧野…………、
俺はおまえが司法試験に合格するまで待つことに決めた。
それまで、俺もおまえに釣り合うような男になるために…………修業してくる。」


「…………修業?」


「ああ。……来月からNYに……行ってくる。
たぶんすぐには戻れねぇ。
おまえが司法試験に合格する頃には、いい男になってる保証はする。
だから、……だから、俺を信じて待っててくれねぇか?」

牧野が今どんな顔でこれを聞いているか分からないが、腕の中の牧野は確かに温かい。

「司法試験受からなかったらどうしよう。」
消え入りそうな声で呟く牧野。

「それは、頑張ってもらわなきゃ俺が困るんだよっ。おまえが言い出したんだからな、司法試験受かるまでは恋愛禁止だって。
自信がねーなら、撤回してもいいぞ。
俺は今すぐにでもおまえと恋愛がしてぇから。」

この頑固な牧野が自分で言ったことを撤回するはずがねぇことは俺が一番知っている。
そして、撤回しないくせに、更に俺を追い詰める発言をしてきやがる。

「ううん。撤回はしないっ。
合格するまでは勉強に打ち込むっ。
だって、…………ご褒美は一番欲しいものが手に入るって思うと頑張れるでしょ。」

「牧野、……それって、ご褒美は俺ってことだよな?
一番欲しいものは俺ってことでいいんだよな?」

「道明寺、うるさい。
患者さんに迷惑だから、声のトーンを……、
んっ………ん、やっ、…………道明寺っ、」







たぶん、まだ付き合っていない俺たち。
だけど、夜遅く病院のひとつのベッドに二人で入り込み、体をくっ付けあいながら濃厚なキスをする。
恋人とか、彼氏とか、そんな名称はどうでもいい。
現実に、今牧野に一番近いのは俺だから。







「やっ、ちょっと、道明寺っ!」
病室にくぐもった声が響く。

「動くなって、腰いてーんだろ?」

「だから、痛いからやめてって言ってるの!」

「おまえが暴れなきゃ痛くねぇから。」

「ん…………やっ、…………道明寺ぃ」

久しぶりに触る牧野の体。
病衣の下は硬い金具の下着もなく、手には弾力のある膨らみが吸い付いてくる。

「牧野、見せて。」

「っ、いや、ダメっ。」

その声を聞きながら、俺はそっと牧野の体を上に向かせ、乱れた病衣を捲し上げると、きれいなお椀型の胸が現れる。

俺は吸い寄せられるようにその胸に唇をのせた。
舌で転がすように頂を刺激すると、硬さを増すと同時に牧野から小さな声が漏れる。

この場所でどこまで許される?
そんなことを思いながら柔らかい膨らみを揉み、軽い抵抗をする牧野にキスを繰り返していると、

「道明寺、もう、ダメ。
ほんとに、これ以上は無理。」
と、ストップがかかる。

俺もその言葉に少しだけ冷静さを取り戻し、牧野の病衣を直してやるが、一度興奮した下半身はすぐには収まりがきかねぇ。

再び牧野を腕に抱き腰を擦ってやると、俺の硬く主張した部分が牧野に当たり、軽く腕で俺の胸を押し返してくる。

「しょーがねーだろ。男なら普通の現象なんだよ。好きな女の体さわってこうなってないやつの方がおかしいんだぞ。」
男の性を教えてやる俺に、

牧野が
「…………痛そう。」と呟いた。
確かにこれだけカチカチに硬けりゃそう思うかもしれねぇ。

「あ?…………痛くねぇけど、辛いかな。」

「…………辛い?」

「ああ。吐き出したいっつーか、解放させたいっつーか。
いやっ、おまえは分からなくていい。
男の問題だから、気にすんな。」
慌てて付け加えたが、女にこんなことを説明するほどデリカシーのない男じゃねぇ。


「いいから、もう寝ろ。」
そっと腕時計を見ると、もう12時を過ぎていた。

あと牧野といられるのは残り20日ほど。
そう思うと自然に腕に力が入る。
ギュッと抱き締めた俺に、
牧野が言った。





「明後日、退院するから、
そしたら、うちに泊まりに来る?」




こいつの心臓の音がすげー大きく伝わってくる。
どれだけ勇気を出して、どれだけ緊張して、この言葉を発したか。

だから、俺も一言返すのがやっとだった。




「ああ。待ったはなしだからな。」









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 2015_03_13






記憶を取り戻して1ヶ月半が立とうとしていた頃、ババァがNYから一時帰国した。
ババァに会うのは半年ぶりだ。

「記憶が戻ったそうね。」

そう言われて、はじめてババァに報告してなかったことに気付く。

「ああ。思い出した。」

「そう、それは良かったわね。」

なんの感情も感じられない声で、まるでビジネスの話をしているかのようにかけられた言葉。
所詮、こいつにとって俺の記憶が戻ろうが関係ない。
そう思ったとき、ババァから一つの提案が、いや命令が下された。

「4月から向こうの大学に編入してもらいます。」
突然のことに頭が付いていかねえ。

「あ?」

「NYの大学に編入する手続きが完了したので、準備しておくように。」

「どういうことだよっ。あと1か月もねーじゃんかっ!勝手なことすんなっ!」

「あら、お忘れですか?
半年前にも話したはずよ。
そろそろ、道明寺財閥の後継者として仕事にも携わって貰わないと困ります。
それに、得なきゃいけない資格も沢山あるのよ。」

確かに、そんなことを以前も言われたような気がする。
大学卒業までの1年間はNYで仕事を手伝いながらMBAや語学、ビジネスマナーなどあらゆる教育を再教育し、完璧な状態で道明寺財閥の後継者として会社に入る。

でも、今と違ってたことは、その話をされたときは、俺の中に牧野の存在が無かったということだ。
記憶のない俺は、日本に残る未練もなかったし、ビジネス以外での将来像なんてこれっぽっちもなかった。

だけど、今は違う。
せっかく元に戻りつつある俺らの関係なのに、また離れ離れになる。
会いたくてもすぐに会える距離でもねえ。


そんなことを考え黙ってる俺に、
「そういえば、牧野さんはお元気?」
唐突にババァが聞いてきた。

ババァから牧野の名前が出るときはろくなことがねぇと分かってる俺は、視線を反らさずババァをまっすぐ睨み付ける。

「そんなに警戒しなくてもいいでしょ。
私はあなたたちの交際にもう反対していません。
むしろ、あの子は大物になるかもしれないわね。
聞いたところによると、大学では常にトップの成績で、司法試験も現役で合格すると勉強に励んでいるそうね。
もしかしたら、あの子なら国際弁護士の資格もとって、将来道明寺財閥のために尽くしてくれるかもしれないわ。」

成績トップ…………牧野がそこまでだとは思ってなかった。
英徳の法学部はかなりレベルが高い。
そこでトップということは…………。

「あなたも、負けていられないわよ。
このままだと彼女に見捨てられるかもしれない。
牧野さんに釣り合う男になるため、やるしかないわよね?」

ババァの不適な笑みには腹が立つが、確かにそうかもしれねぇ。
このままあと1年、日本でのんびり大学生活を続け卒業しても、いざビジネスの世界に入ったところで役に立たねぇことは一目瞭然だ。
NYでババァの仕事を学びながら、資格を習得しておけば、来年には少しは使い物になるだろう。

ただ、ひとつだけ後ろ髪をひかれるのは、やっぱり牧野の存在だ。
牧野に釣り合う男になりたいとは思う反面、牧野と離れて過ごすことに耐えられる自信がねぇ。



「少し考えさせてくれ。」
今はこれしか言えねぇ俺に、

「そうね、よく考えることね。」
ババァはそれだけ言って微かに笑った。









そして、ババァが1週間の滞在を終えてNYに戻る前日、あるパーティーにババァと揃って招待されていた俺は、少し遅れて会場に入った。

ホテルを貸しきって行われているそのパーティーには財界の有名人から芸能人、スポーツ選手まで幅広く招待されていて、先に会場入りしているババァを探すのにも一苦労だ。

やっと、パーティーが1時間ほど経過したところで、
「皆さんにご挨拶は済んだの?」
と、後ろからババァの声がした。

「おう、探してたんだぞ。」

「あら、そう。
私はそろそろ失礼するわ。」
まだまだ続きそうな宴なのに、もう帰り支度をはじめるババァ。

「なんだよ、もう帰るのか?
いいのかよ、天下の道明寺社長がそんな早々に抜けて。」
嫌味たらしく言ってやると、

「今日、ここに来た目的は果たしましたから、もう帰ります。
あなたはゆっくりしていって。
それと、あとで私にお礼の電話待ってるわ。」
ババァが意味のわからねぇことを言ってくる。

「あ?お礼の電話?」

「そう。バカ息子のために私がしたことを知ったら、あなたはお礼が言いたくなるはずよ。」
ますますわからねぇことを言ったババァは、軽く右手を挙げて会場をあとにした。







ババァが帰ってからしばらくして、ひとけの少ないバルコニーで夜風に当たっていると、一人の紳士がやって来た。
久しぶりに会う…………佐々倉社長だった。



「お久しぶりです。」
俺は姿勢を正して深く頭を下げたが、佐々倉社長は何も言わず俺のとなりに立った。

「佐々倉社長、」
あずさとのことをどう伝えようか……そう思ったとき、

「僕はね、残酷な父親かもしれない。」
そう佐々倉社長が話はじめた。

「え?」

「司くんがあずさと付き合ってると聞いて、とても喜んだよ。
君は優秀だしなんと言ってもかっこいい。
そんな君が私の娘を選んでくれたと思うと、ほんとに嬉しかった。
だけど、君が事故に遭って1年半、何度も同じ噂を耳にした。
『君には心から愛している女性がいた。でも、事故でその女性のことを忘れてしまった。』
最初は気の毒だと思ったが、徐々に残酷な考えが浮かんだ。
一生、思い出さなければいい。
そうすれば、あずさは司くんの側にいられる。」

静かに語る社長は、まるで独り言のようにまっすぐ夜景を見つめながら話し続けた。

「この間、あずさから聞いたよ。
君の記憶が戻ったと。そして別れたいと言われたことも。」

「…………すいません。」

「僕はね、その時娘に言ったんだ。
記憶なんて上書きすればいい。
愛だけがすべてじゃない。
このまま司くんの側にいれば、いつかは……」

そこまで言って声をつまらせる社長。

「…………社長、」

「でも、その数日後、あずさが泣いて帰ってきた。
この1年半、誰よりも司くんの側にいたはずなのに、だめだったと。
パパは愛がすべてじゃないって言ったけど、愛されてる彼女にはどうやっても敵わないと。

残酷だよ。僕は残酷な父親だ。
愛する娘に、不幸な道を選ばせるところだった。
だから、あずさのためにも別れてくれて感謝している。

ただ……一つ。」
そう言って、俺の方に目線を移した社長。


「はい?」


「あずさは本気で君を好きだったようだ。
だから、…………父親として許せないっ。」

そう言った社長は、不意打ちに思いっきり俺を殴った。
ついこの間類に殴られた時と同じ場所にヒットしたそれは、あの時よりも強烈で、社長の拳にも俺の血痕が付いた。

「申し訳ない。」
社長が小さく呟き頭を下げた。

「いえ、当然です。
こちらこそ、あずささんに申し訳ないことをしました。」

その言葉に社長の顔が和らぐ。
「一般家庭の女性だそうだね?」

「え?……あ、はい。」
牧野のことを言われたと気づき慌てて返事を返す。

「貧乏で、負けん気が強くて、ガリ勉なんだって?」
笑いながら聞いてくる社長。

「…………あー、はい。
って、どうしてそれを?」

「さっき、君のお母様、楓社長にも頭を下げられたよ。
『息子の不甲斐なさを許してやって欲しい』ってね。そして、うちの息子は趣味が悪くて、貧乏で負けん気が強くて、ガリ勉の女にしか興味がないんですって。
だから、あずささんが悪い訳じゃないですからって。
それ聞いて、なんだか気分が晴れたよ。
司くんの好みのタイプにはどう頑張ってもあずさはなれそうにないからね。」

そう言って俺の肩をポンポンと叩いて社長はその場を去っていった。









さっきババァが言ってたのはこのことか。
お礼の電話?そんなもの、しねーよっ!
その代わり、やってやるよ。









牧野のためにもババァのためにも、
NYで修業して、完璧な男になってやる。





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 2015_03_12





「また、牧野らしいとんでもない目標を立てちまったな。」

「でも、そうさせたのは道明寺さんのせいでもありますよ。」

「そうだな。司が牧野のことを忘れてほっとくから、牧野は勉強一筋になったわけだろ?」

「そうそう。男なんて信用できない。
自分の将来は自ら切り開くのよっ!
って、なったのもしょーがねーな。」


こいつら、好き勝手話しやがって。
大学のカフェテリア。
昼時にF3と桜子が集まって、俺を前に言いたい放題だ。


「でも、司法試験って、いくら牧野でもそう簡単に受からねーだろ。」

「法学部卒業とともに受かったとしても、あと2年はあるぞ。」

「それまで恋愛はおあずけだね、司。」



もうこれ以上、聞いてらんねぇ。

「うるせーーー!!おまえらっ!
類っ、嬉しそうな顔すんなっ! 」






せっかく記憶が戻って、晴れて牧野の彼氏に戻れると思ってた俺だが、当のあいつは勉強とバイトに追われ、全然俺の前に姿を見せねぇ。

ここ一週間、まともに会えるのはこのカフェテリアで昼飯を食うときぐらいだ。
今日も俺はここであいつを待っている。

そこに、滋と話ながらカフェテリアに牧野が入ってきた。
あいつの姿を見ただけで、顔が緩むのを抑えられねぇ俺。

「なぁ、牧野。
今日の夜、出かけようぜ。」
強引に隣に座らせた牧野に、俺はすかさず誘うが、

「無理。」
の一言で片付けやがる。

「何でだよ。」

「バイト。」

「おまえさ、バイトしすぎ。
おまえの両親も田舎でちゃんと働いてんだろ?
少しぐらい大学生活楽しめよ。
なぁ?俺とデートしようぜ。
うまいもん食って、映画でも見て、綺麗な夜景でも、」

「そんな暇じゃないし、あたし、これでも充分大学生活楽しんでるから心配しないで。
法学部の友達は知識が豊富で、話を聞いてるだけでも楽しいよ。あっ、あたしは全然入っていけないけどね。それに、カフェテリアのランチも安くて美味しいし~。ほんと幸せー。
家計は苦しいけど、大学生になってよかったぁ。
あたし、そういうわけで、大学生活満喫中だからっ。」

牧野の返事に、その場にいたF3と滋、桜子が気の毒そうに俺を見る。
やめろ、おまえらの視線がキツい。

「つくし~、そういえば来月のあの約束忘れてないよねー?」
滋が牧野に聞いている。

「もちろんっ。バイトも休みいれたから!」
いつになく目をキラキラさせてる牧野。

「あれって、なんだよ。」
俺が間に割って入ると、

「来月、つくしとアイドルのコンサートに行く予定なのー!」
滋も興奮気味。

「牧野にそういう趣味はねーだろ。」
あきらも口を開くが、

「そのアイドルっていうのが、滋ちゃんの友達なのよー。旧家のお嬢様なんだけど、その素性は内緒でアイドル活動してるの。
たまたまつくしのことを紹介したら、仲良くなっちゃって、是非一緒にコンサートに来てほしいって、チケットも送ってくれて。
ねっ、楽しみだよね~。」

「あたし、コンサートとかはじめてだからドキドキしちゃう。
滋さん、当日なに着ていこうっ。新しいスカートでも買おうかなっ。」

見たこともねぇぐらいテンション高めの牧野。


「おまえさー、俺とのデートにもそれぐらいウキウキしろよなっ。
俺がバイト休めって言っても絶対拒否するくせにもう来月の休みとったのかよ…………。
1回でいいからそんな風に目キラキラさせて、俺に会いたいって言ってみろよっ。」

かっこわりぃのは分かってるが、
好きで好きでどうしようもねぇのに、
デートさえもしてもらえないのかと思うと、
愚痴りたくもなる。

そんな俺の様子に、少し考え込んだ牧野が、
「道明寺も…………一緒に行く?コンサート。」
そう言いやがった。


「ぶっはぁー。」
「ぶっ!!」
同時にお祭りコンビが吹き出す。

「牧野っ、それはさすがにないだろっ。
司も可哀想なやつだな。
デートがアイドルのコンサートって…………。」




はぁーーー、いいさ、いいんだ。
おまえにとって、俺はそれぐらいの存在に成り下がっちまったんだよな。
どこぞのアイドルに会いに行く時間はあっても、
天下の天下の道明寺司には会う暇がねえっていう女だったなおまえは。



俺は不機嫌なまま黙り混む。
その時、1時を示すチャイムが校内に流れた。

「あっ、もうこんな時間。
あたし、次の講義があるから行くね。」
そう言ってバタバタと牧野が立ち上がる。
そして、まだ不機嫌なままの俺に、
すげー可愛い笑顔で言いやがった。







「道明寺、明日もこの時間に会おうねっ。」


「お、おう。待ってる。」




情けねぇけど、俺の機嫌はお前次第だ。
明日も会える。
それだけで、満たされる。







「なぁ、あきら。
牧野は、天性の猛獣使いだな。」

「ああ。怒らせたり喜ばせたり、すごいテクニックだぞ。」

「ある意味、司よりも恐ろしい…………。」





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 2015_03_10






ボロいアパートの前。
昔よりは良くなったが、相変わらず貧乏は変わらねぇらしい。

両親は牧野の高校卒業とともに、田舎に戻って働きはじめ、弟は都内の全寮制高校に入っている。
ということは、牧野は今は独り暮らしだ。

10時を過ぎたこの時間、さすがに部屋に居るだろう。
牧野の部屋の前で立ち止まると、一つ大きく息を吐く。

咄嗟に走り出したはいいが、牧野に会って何を話すかなんて考えてなかった。
ただ、顔が見れればいい。

ふぅーーー。
ピンポーン。


「…………はい?」
小さいが確かに牧野の声。

「牧野、…………俺だ。」

「…………。」

「話がある。開けろ。」

「道明寺?…………なに話って?」
いつもとなにか違う牧野の声。
なんか食ってんのか?

「このまま話すのかよっ。いいから開けろ。」

すると、薄くドアが開いた。
すげー警戒した顔で俺を見る牧野は、部屋着なのかトレーナーとショートパンツ姿。
そのスラッと伸びた脚を見ただけで胸が鳴るってどんだけなんだよ。
でも、視線を上に向けると、手にはなぜか
……ハブラシ。
口許にもうっすら歯みがき粉がついている。


「……まずは歯みがき済ませてこい。」

「……うん。」

こいつに会ったら第一声はどんなことを話そうか……そんな妄想はしなくてよかった。
まさか、歯みがきしてこい、なんてどんな再会だ。

パタパタと部屋のなかに消えていった牧野を眺めていた俺も、玄関で靴を脱ぐ。
部屋は牧野らしく綺麗に片付けてあり、ローテーブルにはいくつもの本とノートが広げられている。

洗面所らしいドアから水が流れる音が止まったあと、タオルを口にあて、あわてて出てくる牧野。


「わっ、びっくりした!
なんで、勝手に部屋に入ってんのよっ!」
ローテーブルの横に胡座をかいて座る俺を見て、でけー声をあげるこいつ。

「さみーから入ってきた。」

「入ってきたってあんた…………。
今、何時だと思ってんの!
…………道明寺、……それどうしたの?」
怒ってたかと思いきや、急に俺の顔を見て近付いてくる。

「あ?」
何を聞かれたか分からねぇ俺。
それを無視して牧野は俺の正面に座り、俺の顔に手を伸ばしてきた。


「血?……口が切れてる。」
さっき類に殴られたところを言ってんだろう。
そっと俺の唇を触る牧野に背筋がゾワッとする。


「牧野、思い出した。」

「……え?」

「全部、思い出した。」

「…………。」

「記憶が戻ったんだよ。」

俺が発したその言葉に牧野は固まった。
そして、次の瞬間、パッと俺の側から離れた。

「なんだよ。」
不機嫌な声が出る。

「よ、よ、よかったね。そうなんだぁー。
なんで?え、なんで?どうして思い出したの?
また頭強く打ったとか?
あっ、誰かに殴られて思い出した?
それって、すごいねー、そんな荒治療があったんだぁー、へぇー、それはすごいよ。」

俺から視線を反らしたままペラペラ喋る牧野。

「牧野。」
俺は優しく呼び掛ける。

「それで、こんな時間に伝えに来てくれたわけ?あ、ありがと。
みんなには伝えた?
びっくりしてたでしょ。急にこんなことってあるんだねー、ほんとびっくりっ、」

「牧野っ。」

その俺の声にビクッと肩を震わせてやっと黙ったこいつ。

「牧野、こっち向けよ。」

「……やだ。」

「向け。」

「…………。」

それでも固まってるこいつに、俺はそっと手を伸ばした。

「ごめん。ほんとごめん牧野。」
そう言いながら、1年半ぶりに抱き締める体。
牧野の匂い、柔らかさ、ぬくもり、
そのどれもが俺を満たしていく。


でも、こいつは何も言わずに黙ったまま……。
そして、
「道明寺……とりあえず今日は帰って。
あたし、頭が混乱してて……。
今は無理みたいなの…………。」
そう言って俺の腕のなか器用に上目使いで訴える牧野に、眠ってた本能が動きだしちまった。




ちょうど俺の方を向いていた牧野に、襲いかかるように俺は唇を重ねた。
「んっ……や、……道明寺っ。」

抗議の声を漏らすため開かれたはずの唇に、舌を入り込ませ口内を掻き回しながら、牧野から溢れでる唾液を吸いとっていく。

しっかりとホールドされた俺の腕の中から、なんとか逃げ出そうと牧野が動くたび、その柔らかな体が俺に刺激を与え、興奮が増していった。

そして、俺はそのまま牧野を押し倒した。
執拗なキスを繰り返しながら、手は服の上から膨らみをとらえていく。

記憶をなくす前は、この辺までは許された関係だった俺たち。
二人きりになればキスをして、服の中に手を差し入れて何度もブラの金具を外した覚えがある。

その記憶が甦ってきて止まらない。
このまま最後まで…………。




そう思ったとき、
「うっ………ん……うっうっ。」
牧野が両腕を交差させるようにして顔を隠し、………泣きはじめた。

「牧野っ。」
俺はその両腕を取り、牧野の顔を見ると、両目から涙が溢れていく。

「わりぃ。ごめんな。
ごめん、泣くな。」
咄嗟に子供をあやすように頭をよしよししてやる俺。

「嫌だったか?ほんとごめん。
もうしねーから泣くな。」

「……バカ、バカ、バカっ。
あんた、全然記憶戻ってない。」
泣きながら首をイヤイヤと振る牧野。

「あんたにとってはもう普通のことかもしれないけど、あたしにとってはこういうことは…………まだ…………。
エッチがしたいなら、彼女のあずささんがいるでしょっ!
帰って……帰ってバカ!」

俺の体の下で、でけー目で俺を睨みながら言う牧野。

「わかった、わかったから睨むなって。
おまえさ、完全に誤解してるし、誤解させるような態度を取ったのは俺だから謝るけどよ、
佐々倉とはそんな関係じゃねーよ。
エッチなんてしてねーし、いやキスだって、手だって繋いだことねーよ。」

「嘘つくなバカ。」

「嘘じゃねーって。俺が信用できねーか?」

「あんたのどこを信用できると思ってんの?」
確かに返す言葉が見つからない。

「あたし、…………見たもん。
あんたとあずささんが…………。」

そこまで言って、またジワッと涙を溜める牧野がすげー可愛くて、俺は懲りずに軽くチュッと唇にキスをする。

「やっ!」

「あれは芝居だ。
おまえに見せつけるためにそういう芝居をしただけだ。」

「信用できないっ。」

「嘘じゃねーって。
もし俺が嘘ついてたらボコボコにしていいぞ。
いつでもおまえのサンドバックになってやる。」

「そういうの、全然嬉しくないし……。」







こうやってこの距離で話す俺らは1年半前に戻ったようだ。
可愛くねえことばっかり言いやがるこいつは、俺にとって誰よりも可愛い存在。



「なぁ、おまえは言ってくれねーの?
おかえりって。」


「言うかバカっ!
はやくこの体勢からどけてよっ。
住居侵入罪と強姦罪で訴えるわよっ。」


「勉強しすぎなんだよ、おまえは。
少しは息抜きしようぜ。」


そう言って牧野にキスしようとした俺に、
とんでもない発言をかましたこいつ。








「あたし決めたの。
司法試験に受かるまで、恋愛はしないって。
だから、道明寺も邪魔しないでね。」


司法試験に受かるまでって、どんだけ時間があると思ってんだよ。
それに、おまえの頭を疑ってるわけじゃねーけど、受からないってことだってあるんだぞ。

けど、すげー嫌な予感だけはする。
確か、類も言ってたよな。
頑固なおまえは、一度決めた考えは曲げねーんだよ。
それが、恋愛って…………。

おまえがその期間、恋愛しないってことは、必然的に俺も出来ねえってことだろ?
だって、俺の相手はおまえしかいねーから。





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司の想いを受け入れないつくし、というどろどろした展開も考えましたが、ここまで司には頑張ってもらいましたのでキスのご褒美ですよっ。

でも、つくしさん勉強オタクですから、まだまだ司の苦労は絶えません。


 2015_03_08






約束通り、類の家に来た俺。
久しぶりに訪れたそこは、懐かしい香りがした。
昔、この屋敷でF4とかくれんぼをしたり、カードゲームをした記憶が甦ってくる。

今日、もしかしたら俺たちの関係は変わるかもしれねえ。
この屋敷に招かれるのも最後かもしれねえ。
そう思うと、目の奥が熱くなってくるのがわかった。




トントン
「類、俺だ。」

「入って。」

いつも通りの類の声。

類の部屋の扉を空けると、白を基調としたインテリアの真ん中に、白のジーンズとセーターを着た類が立っていた。

「司、遅かったね。」

「ああ。わりぃ、……佐々倉と会ってた。」

「それで?決着はついたの?」

「俺の気持ちは伝えた。」

「そっかぁ。司の気持ちね……。」

「類。おまえの返事を聞きに来た。
俺は昨日話した通り、牧野を諦めることは出来ねぇ。
もし類もそうなら、……俺たち戦うしかねぇ。」

そこまで言ったとき、類が俺に近付いてきた。
「司、昨日同じリングに立ちたいって言ったでしょ。」

「ああ。」

「俺は嫌なんだよね。」

「類っ!」

「だから、フライングだけどさせてもらうよ。」
類の言ってる意味を理解できない俺に、不意打ちに右頬に1発衝撃が走った。

「いってぇーっ。」
右頬を殴られた俺は、その勢いで床に膝をつく。
唇の端が切れたのか、白い床に真っ赤な血痕が丸く模様を付けていった。

「司、俺はリングになんて立たないよ。
痛いの嫌いだし、決闘なんてカッコ悪いでしょ。
そもそも、なんで俺と司が戦うの?
俺、司に決闘申し込まれるようなことした覚えはないけど。」

そう言って、殴った手を擦りながら話す類は、いつものオフ状態の類だった。

「類……、おまえ牧野と……。」
付き合ってんだろ?そう聞こうとした俺に、

「まだ勘違いしてるみたいだから、あきらからも説明してやって!」

いきなりでけー声で話し出す類。
その言葉に、奥の部屋からあいつらが出てきた。

「いやー、類のパンチも意外と効くなー。」
「俺なら、もう少しボコボコにしてやるのに。」

好き勝手なことを話ながら、類とハイタッチをするお祭りコンビ。


「てめぇーら、どういうことだよっ!」
やつらの声をか消すように怒鳴った俺に、
一斉に振り向いて奴らが言った。







「おかえり、司。おせーんだよっ。」








「それにしても、記憶をなくしたおまえは酷かったなぁ。」
類の部屋のソファにいつもの配置で座った俺らは、使用人が用意してくれた酒やワインで久しぶりに乾杯をした。

次々と料理やワインが運ばれてくるのを見ると、類が事前に用意させていたんだろうと胸が熱くなる。

「ところで、佐々倉とはどうなった?」
乾杯のあと、真面目な顔であきらが切り出した。

「別れたいって伝えた。」

「あいつはなんて?」

「はっきりとした返事は聞けてねぇけど、分かってくれたとは思う。」
そう言いながら、さっきのあずさの涙を思い出す。

「あいつも可哀想だな。
記憶を取り戻したら、すぐに捨てられるとは。
でも、もっと遅かったら大変なことになってたぞ。
佐々倉と結婚でもしてたら、別れられなかったはずだし、牧野も誰かのもんになってたかもしれねーしな。
まぁ、この1年半、子供とか作ってなくてよかったな。それが一番心配だったよ、俺らは。
なぁ、あきら。」
そう言ってにやっと笑う総二郎に、

「うるせー、作るわけねーだろ。」
俺はそう言ってグラスを一気にあけた。

「でも、実際佐々倉がその気だったらどうにでもなってたかもしれねーんだぞ。
子供が出来るように細工することなんて、女でも簡単だ。」
あきらの心配げな声が響くが、

「細工も何も、服すら脱いでねーっつーのに、どうやったらガキができんだよ。」
そう言ってやる俺。



その俺の言葉に、3人の動きが完全に止まった。

「いやいや、ちょっと待てよ。
えっ?ん?司くん?」


「あ?なんだよ気持ちわりぃーなっ。」

「司、もしかして、佐々倉とはプラトニックか?」

「あ?プ、プ、」

「プラトニックだよっ!」
3人の声が重なった。

「おまえ、まさか佐々倉とはヤッてねーの?」

「ああ。そんな仲じゃねーよ。」

「はぁーーー、マジかよ。
ますます佐々倉が気の毒だなっ。
司さー、おまえには女を抱きたいっつー欲求はねーのかよ。
佐々倉ほどの女は滅多にいねーよ。
どうやったら、1年半もプラトニックでいられるんだよ。
マジで、理解できねーわ。」
そう言って総二郎がソファにふんぞり返る。

「うるせーなっ。
俺の方が聞きてーよ。」
俺も不貞腐れて言い返す。

「やっぱ、司はさー、記憶をなくしても牧野にしか反応しないんじゃない?
牧野に対しては猛獣のように襲いかかるくせに、他の女には全く興味ないんだもんね。」
俺と総二郎のやり取りを聞いていた類が、ボソッと呟いた。


俺はそんな類の顔をじっと見る。
これを聞いたからって、俺の気持ちは変わらねぇとは思ってるが、本人から聞くのは相当勇気がいる。
けど、聞くしかねぇ。

「類、おまえと牧野はどこまでの関係だ?」

俺の質問に、さすがのお祭りコンビも息を飲む。

「関係?んー、牧野の体のことについては詳しいかな俺。」
平然と言う類に、

「類っ!」
あきらが止めにはいる。

「いいんだ、あきら。……覚悟してたから。」
俺は深く息を吐いた。

すると、
「牧野の腰のストレッチにはいつも付き合ってるからね、俺。
牧野の体については専属トレーナーみたいなもんかな。
牧野さー、俺には全然警戒心ないの。
温泉のときもすんなり牧野の部屋に入れてくれるし、ストレッチを教えてあげてもいい声出すしね。
男って意識がないんだろうね俺には。
これが司なら、警戒しまくりで近付くのも許されないだろうなー。」
好物のリンゴをかじりながら話す類。

「類っ、おまえと牧野は、」

「ずっと前からと・も・だ・ちだよ。
司が心配してるようなことは一切ない。
まぁ、牧野がその気になれば俺はいつでも、」

「サンキュっ、類!
わりぃ、俺、行くわ!」









類の話を聞いて、俺は無性にあの女に会いたくて堪らない。
避けられても、嫌われてもいい。
もう一度、好きだと伝えたい。





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 2015_03_07




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プロフィール

司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
CPはつかつくオンリーです。
司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

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