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欲しいのは「イエス」だけ




新連載です

と言っても、あまり長編ではないと思いま〜す。
お付き合いください


……………………………………




あの日、
朝から何度も鏡の前に立ち、
お気に入りのコロンをつけ、
赤いバラ30本を手に、向かったのは、
好きだと自覚したばかりの女の家だった。

古いマンションの一室のベルを鳴らすと、
中から険しい表情で女が出てきて一言言った。

「あんた、何してるの?」

そんなこいつに俺は怯むことなく言う。

「今日から俺と付き合え。」

人生初めての告白。
それなのに、この女は俺を睨みつけ言った。

「はぁー、もういい加減にしてよ。」

「なんだよそれ。おまえ、まさか照れ隠しか?」

「……あり得ないっつーの。」

上目遣いで俺を睨んだあと、そう呟いて部屋に戻ろうとするこいつの手を掴み、

「返事は?イエスか?」
と聞いてやる。

「はぁ?」

「だからっ、こ、こ、告白の返事だよ。」

「告白って…、」

「付き合うだろ?俺たち。」

「……。」

その目はなんだよ。
ため息までつくんじゃねーよ。

「もう一度言うぞ。俺と…」

「ノー」

「……あ?」

「だから、ノーよ。」

仁王立ちで「ノー」と叫ぶこいつ。

「イエスしか受け付けねぇ。」

「はぁ?」

「おまえはイエスって言ってこのバラを受け取ればいいんだよ。
他のことは色々考えるな。
とにかくイエスって言え。」

「あんたって……イカれてる。」

「あ?
おまえ、この俺様が付き合おうって言ってんだぞ。
嬉しくねーのかよ。」

「嬉しくない。」

「ふざけんなっ。
普通の女なら泣いて喜ぶ状況だろ。」

「それは失礼しましたっ。
でも、あたしは嬉しくないの!
だから、泣いて喜んでくれる他の女性をあたって。」


どうしてこうなるんだよ。
いつもそうだ。
こいつと一緒にいると、いつも言い合いになって
喧嘩ばかりの俺たち。

でも、俺はこいつが気になって、
目で追いかけて、近寄りたくて。
それが好きだって感情だと気づいてからは
想いが止まらない。


「分かった。
とりあえず、今日は帰る。
けどな、またすぐ出直してくるからな。」

「何度来ても答えは同じだから。」

「考え直せ。」

「変わらない。」

「おまえな……。
ったく、男に告られてんだから、少しは嬉しそうな顔しろよ。」

「べ、別に…頼んでないし。」

「はぁーー。可愛くねぇ女。」

こいつのこういう強気な所も、めちゃくちゃ可愛いと思ってるくせに、売り言葉に買い言葉だ。

「可愛くなくて悪かったわね!」

「ああ。素直にイエスって言えば許してやるよ。」

「だから、ノーって言ってるでしょ。」

それでも、何かを言おうとする俺に向かって、こいつはまっすぐに俺を見返して言った。

「ちゃんと、ちゃんと好きだと思える人が出来たら自分から言うつもりっ。
イエスかどうかは、自分で決めるから!」





あれから1年
俺の隣には未だにあいつはいねぇ。

「おい、司。
今日のパーティ来るだろ?」 

「行かねーよ。毎回、俺を誘うな。」

「俺らはおまえが来るまで何度でも誘うぞ。
だって、おまえはキスだって未経験のお子ちゃまだろー。」

大学のキャンパス内。
いくらVIP限定の場所だからといって、
他の奴らに聞かれないとは限らない。

「うるせぇバカ。」

「いってぇ、蹴るなよ司。」

総二郎のケツを軽く蹴ってやった俺に、
あきらがマジな顔で言いやがる。

「司、牧野とはどうなってる?」

「あ?」

「進展ありか?」

「……ねーよ。」

一年前のあの日から、俺らの関係は進みも下がりもしてねぇ。

「好きになったら牧野から告るから、それまで近寄るなって言われたんだろ?クッ…まじで半端ねーなあいつ。」

「総二郎、もう一発蹴られてーのか?」

「落ち着けって司。
でもよ、俺から見たら、お前ら悪くねーと思うんだけどな。
まぁ、これだけ司におされても落ちねぇ牧野がある意味すげぇよ。」


確かにそうだ。
あの日、振られたとはいえ、
この1年俺の気持ちは変わることなく、いやむしろ
あいつへの想いは膨らむ一方で、

それをなにかにつけて牧野に伝えてきたつもりだ。
あいつが言う、
「好きになったら自分から言う。」
というのを待ちながら、

おまえは俺の特別な女だと自覚させるよう、
態度で示してきたつもりだ。





はじめてあいつと話したのは俺が大学一年のとき。
英徳高校の卒業式のダンスパーティーで、
大勢の生徒を前に類が牧野の手を取り踊ったのがきっかけだった。

どこかの令嬢か?
と、気にも止めなかったが、その後牧野が英徳大学に来てからは会う機会が増えていった。

いつも俺に対して突っかかってくる女も初めてだったし、俺を道明寺財閥の御曹司としてではなく、一人の男として見ている女はこいつぐらいだった。

だから、俺が牧野に落ちるのも時間はかからなかった。
唯一、気になったのは、牧野の初恋が類で、
類には一度好きだと告白したこともあるという。

その時類には静という好きな女がいたから、
恋愛に発展することはなかったけれど、
他の奴らが見れば疑うくらい、類と牧野の
「友情」というやつは理解し難い。

いつ類に取られるか…と焦った俺は、
あいつを好きだと自覚してすぐに
マンションに押し掛けて告白し、
こっぴどく振られたのだ。




今思えば、あれは失敗だったな。
好きだという気持ちだけで暴走しまくった。

でも、一年たった今、
あの頃よりも強く思う。

牧野が好きだ。



だから、俺はいつまでも待つつもりなんだよ。
あいつがイエスと言ってくる日まで。




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ジレジレ、甘々の新連載でいきまーす。
毎日更新はできないと思いますので、
時々、お暇なときに覗いてみてください★
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 2020_01_23


Comments

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    2020-01-23 22:57  

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2020-01-24 01:52  

 

更新ありがとうございます!!
連載スタート、とっても嬉しいです楽しみができました(^_^)♪
司、頑張れ(*^o^*)今からどんな風にお話が進んでいくのかワクワクしてます^ ^
しおり  URL   2020-01-24 01:55  

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