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甘い関係 17

Category: 甘い関係  


出勤するとデスクの上に雑誌が積み上げられていた。

いよいよ、出来たか……。
そう思ったと同時に、玉城が
「刷り上がってきました。
表紙の道明寺さん、かっこいいですね。」
と、彼氏の俺からしたら妬けるセリフ。

けど、その雑誌を一部手に取り眺めると、
その表紙には道明寺司という人物の魅力が一面に写し出されている。

「近藤、おはよう。
それ、なかなかいい出来じゃないか?」

「部長、おはようございます。
思った以上にいいですね。」

「今日、先方に見せに行くんだろ?」

「はい。
道明寺さんにも確認して頂きます。」


今日は、午後から道明寺さんとアポをとってある。
再来週の発売前に、本人に目を通してもらいOKをもらいたい。

「私も一緒に行っちゃだめですか?」

「ダメだ。自分の仕事があるだろ。」

「ケチっ……。」

誰にも聞こえないようにそう言って抗議する玉城に、

「彼女が他の男に会うのに浮かれてるのを良しとする男はいないぞ。」

と、少しだけ彼氏の顔をのぞかせてやる。





道明寺さんとの約束の時間に会社へ向かうと、いつもの西田さんという秘書の方がオフィスへ通してくれた。

「会議が長引いておりまして、10分ほどお待ち頂くかと思いますがよろしいでしょうか?」

「もちろんです。」

西田さんが出ていったあと、
持参した出来上がったばかりの雑誌を応接テーブルに置き、出されたコーヒーを飲んで時間を潰しながら、オフィス内をキョロキョロと眺める。

シンプルにまとめられた家具。
そのどれもが一級品なのだろう。

壁に設置された大きなガラス張りの棚には、
たくさんの盾が並べられている。

俺は立ち上がり棚まで歩いていくと、その並べられた盾を観察してみる。

英語で書かれたそれらは、俺には解読できないものばかりだけれど、経営学を修めた者に与えられるMBAの盾もあり、きっとここにある全てがものすごく価値のある資格なのだろう。

ゆっくりとその棚を観察していると、
ふとその場に不釣り合いな物を発見する。

棚の上から2段目に飾られている観葉植物。
その植物の枝に何かが巻き付けられているのだ。

それは、よく神社などで見られる
「おみくじ」

おみくじを引いて、中を見たあと、神社にある木の枝にそれをぐるりと巻いて帰ったことは俺にもある。

そのおみくじが、この棚の小さな観葉植物にくくりつけられているのだ。

しかも、このおみくじはどこかで見たことがある。


そう思った時、
オフィスの扉が開き、
「お待たせしました。」
と、道明寺さんが入ってきた。

スーツのボタンを外しラフに着こなしている姿に
男の俺でも目を奪われるほど。

棚の前に立っている俺に少し驚いたような顔をした道明寺さん。
それに慌てて俺は言った。

「すごいですね、こんなに盾や表彰状があって。」

「まぁ、どれもが受ければ貰える資格です。」

と、道明寺さんは謙遜したが、そんなはずはない事ぐらい分かる。

道明寺さんが俺のそばまで来て、
棚の中を眺めながら、
「だいぶ古いやつもあるので。」
と、優しく笑う。

その顔が、なんだかいつもより穏やかで、
まるで牧野にだけ見せるような表情をしている。

だからか、俺は言わなくてもいい事まで言ってしまった。

「これは、おみくじですか?」

「あー、それ、……そうです。」

「これって、京都の○○神社のものですよね?」

縁結びで有名なその神社の名をいった俺に、
「よくご存知ですね。」
と、小さく笑う道明寺さん。



その神社のおみくじは少し他のものとは
違っていて、
紙自体がほんのりピンク色をしている
おみくじなのだ。

観葉植物にくくりつけられたそれも、
同じピンク色。

そして、俺がなぜそんな事を道明寺さんに
確かめたかというと。

「このおみくじを大事に持っている人を
知っているので。」

「……これを?」

「そうです。
ここに書かれていることをいつまでも信じて、
大事にお財布に入れてるんですよ。」


そのバカな同僚は、
入社2年目の時、同期の飲み会で、
他の部の奴にしつこく言い寄られていた。

それを俺が悪ふざけして、
「付き合っちまえ!」と言ったら、
いつになく怒って、そして泣きそうな顔で言った。

「ずっと好きな人がいる。
勇気が出たら、気持を打ち明ける。」

そう言って財布から取り出して見せたのが
このピンクのおみくじ。

あれからずっと、牧野の財布には
このおみくじが入っているはずだろう。



「もしかして、牧野か?」

「そうです。一度だけ見せてもらったことがあるんですよ。
たぶん今も大事に持ってると思います。
そこに書かれた言葉を信じてるから。」


俺がそう言うと、道明寺さんは棚の扉を開け
そのおみくじを枝から外した。
そして、綺麗に折りたたまれたそれを広げて
見つめながら、

「俺もこの言葉を信じてたから。」
甘い顔で、そうつぶやいた気がする。



いつも応接ありがとうございます!

ラストに向けて爆走中です。

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 2019_12_27


Comments

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    2019-12-27 07:58  

そうです! 

本日、我が家の息子さん、
3歳の誕生日です★
同じ日なんですね!
お誕生日おめでとうございます。
覚えて頂けたなんて嬉しいです。
また、来年、こうしてお話できるよう
頑張って書き続けたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします★
司一筋  URL   2019-12-27 08:28  

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    2019-12-27 12:43  

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    2019-12-27 15:16  

Re: 初めまして! 

こんにちは。
司一筋です。
「ごめんなさい!」というタイトルに
どした?どした?と気になって笑
お邪魔させて頂きました。
体調、早く回復されますように★
わざわざ、コメントありがとうございました〜
司一筋  URL   2019-12-27 16:54  

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    2019-12-28 14:14  

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    2019-12-28 14:14  

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司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

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