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エンドライン 19

Category: エンドライン  



「で?牧野とはどうよ。」

「……。」

「ほんとおまえら……、結ばれるのに何年かかるんだよ。このまま行ったら死ぬ頃にやっとカップルか?」

「うるせー、あきらそいつどーにかしろよ。」

総二郎の言いたい事も分かる。
俺だって攻めて無いわけじゃねーんだよ。
けど、……

「牧野が『うん』って言わねーのか?」
あきらが心配そうに俺に聞く。

「まぁ、…それもあるけどよ…」

「けど?」

「……怖ぇんだよ。
ようやく俺の電話にも出るようになったし、誘えば二人で出掛けれるようになったのに、
あいつにこれ以上の『答え』を求めたら、また俺から離れていきそうで…怖ぇ。」

素直に気持ちを吐き出すと、あきらが痛そうな顔をする。

牧野とは最近頻繁に会っている。
会えば愛しくて、会えない時間は更に想いが増す。

この時間が永遠に続けばいい。
だから、その先を求める事が怖い。
情けねえのは分かってる。けど、俺はあいつにだけは臆病だ。

そんな俺に総二郎が真面目に言いやがる。

「司に怖いとか言わせる女は牧野だけだな。マジで最強すぎるだろ、あいつ。
でも、おまえらしくねーじゃん。
牧野と、その先の関係になりてぇんじゃねーのか?」


なりてぇに決まってるだろ。
好きだと言ってこの腕の中にあいつを抱きたい。
それができる関係に進みたい。


「しょーがねーな。俺らが一肌脱ぐか?」
「おー、あきらいい事言うね〜。」
そう言って、お祭りコンビがハイタッチしだして、慌てて、
「おまえらは出てくるなっ」
と、言っても遅い。

「牧野、ここに呼べよ。」
あきらのその言葉に、すかさず、

「今日は他に予定があって会えねぇって断られたたから無理だ。」
と、答えると、

「俺に任せろよ〜。」
と、すげぇ得意気に携帯を取り出す総二郎。

「今日の牧野のデートの相手、教えてやろうか?」

「あ?デート?」

「今からそこに乗り込もうぜ。」

そう言って電話をどこかに掛ける総二郎。

「もしもし、どーも、西門です。
……優紀ちゃん、今どこ?
うん、……俺達も合流してもいい?……オッケー、あっ、俺達が行くこと牧野には内緒にして。あいつ、逃げるかもしんねーから。じゃあ、今から向かうね、今日は俺がご馳走するから、好きなものたくさん注文しておきな〜。」

電話を切ったあと、俺に
「いくぞ。」
と、顎で指図しやがる。

「牧野、ダチといるのか?」

「そう。優紀ちゃんから聞いてたんだよ、今日牧野と久しぶりに会うって。
行くか?行かねーのか?」

「……。」

「牧野に会いたくねーのかよ。」

「会いてぇに決まってるだろっ。行くぞっ!」







牧野のダチから聞いた店に到着すると、店の前で見知った顔が立っている。

「類、なんでおまえまでいるんだよ。」

「だって、おもしろそーじゃん。」

「面白がるなっ。」

「俺も牧野に会いたいし。」

「てめぇ。」

そんな俺と類に、
「仲良くやれよ、行くぞ。」
と、総二郎が肩を抱き店に入っていった。


落ち着いた雰囲気の居酒屋。
俺達4人が入っていくと、店員が一瞬固まったあと、
「個室にどうぞ。」
と頼んでもいねーのに、勝手に連れて行かれる。

4〜5人が入るのに丁度いい大きさの和室の個室に誘導され、とりあえず腰を下ろした所で、
「優紀ちゃんに連絡するか。」
と、総二郎が携帯を取り出した。

その時だった。
どこからか、
「道明寺さんとは会ってるの?」
と、俺の名前が聞こえてきた。

その声に固まった俺達4人。
そして、

「んー、時々ね。」
と、間違えるはずもない牧野の声が、ふすまを隔てた隣の部屋からかすかに聞こえてくる。

あきらが無言で『隣にいるぞ』と目配せしたあと、総二郎が口に手を当てて『静かにしてろ』と俺に言う。

俺らの部屋の隣からダチと牧野の会話が微かに漏れてくる。

「道明寺さんと付き合うことにしたんだ。」

「…付き合ってはいないけど、」

「そうなの?でも二人で出掛けたりしてるんでしょ?」

「んー、」

「それって、付き合ってるんじゃないのー。
つくしさぁ、もう大人なんだからいいんじゃない?」

「え?」

「あの頃は高校生だったから何も出来なかったけど、今は二人とも大人なんだし、道明寺さんのお母さんも賛成してるなら何も障害はないでしょ。」

「それは、そうだけど……、でも、」

牧野の声は消えそうなほど小さくて、
それが俺の知りたい『答え』なのか。


「つくし、道明寺さんのことどう思ってる?」

「え?」

「好き?それとももう終わった人なの?」

「……。」

この沈黙が痛い。
思わず俯く俺の肩にあきらがそっと手を置いた時、牧野が言った。

「あたし、……耐えられないから……」

「つくし?」

「あんな辛い思いして道明寺と別れたのに、
また、もし、同じことになったら、あたし今度こそ耐えられそうにない。」

そう言って、ほんの少しだけ涙声のあいつの声に、俺は俯いていた顔をあげる。

「道明寺を忘れたくて日本を離れたのに、やっぱり一度会っただけで、胸が苦しくて。
刷り込まれてるのは完全にあたしの方。」

「刷り込まれてる?」

「そう。何度離れても、道明寺を見たらどうしても好きに」


そこまでが限界だった。
勢い良く立ち上がり、あきらの静止もきかずに、隣の部屋のふすまをガタッと開ける俺。

「キャっ、えっ、道明寺!?」
突然現れた俺達にすげぇ驚く二人に、

「いやぁー、たまたま隣の部屋で呑んでたところでよ〜」
と、総二郎が苦しいフォローを入れている。

でも、今の俺にはそんなのどうでもいい。

「わりぃ、牧野貰って行っていいか?」
ダチにそう聞くのと同時に、座っている牧野の手を掴むと、

「あっ、どうぞどうぞ」
と、まだ状況が掴めていないダチが答える。

「行くぞ。」

「へ?」

牧野を連れて部屋を出る俺に、
「司ー、お礼は今度でいいぞー。」
と、あきらの声が響いた。



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 2019_08_28


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