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エンドライン 17

Category: エンドライン  



朝目覚めると、見慣れぬ天井と部屋の圧迫感に、一瞬まだ夢を見ているのかと思っちまった。

そして数秒後、現実に戻った俺は
「マジかよ…」
と、ベッドの上で深くため息が漏れる。

ゆっくり視線を横に移すと、ベッドの側にあるリクライニングソファに眠る牧野の姿。
小せえ身体がそのソファにピッタリ収まってる。

昨夜、この部屋に入ってこいつとじっくり話そうと思った所に、牧野の母親から電話が入った。
牧野が電話している10分ほど、軽く目を閉じて待っていようと思ったはずが、まさか朝までぐっすり眠っちまった。

ここ数日、激務だったから疲れていた自覚はある。
週末に仙台に来るため仕事を急ピッチで片付けてきた。
そうして取った休みだって言うのに、爆睡するってどんだけだよっと頭を抱えたくもなる。

ベッドの上に起き上がり、実際頭を抱え込む俺に、
「起きてたの?」
と、牧野の声が響いた。

「お、おう。」

「今、何時だろー。」

「もうすぐ6時だ。」

「ん。」
そう小さく返事をしてまた目をつぶる牧野。

「牧野。」

「…んー?」

「こっちで寝るか?」

「んー、大丈夫。まだ早いから道明寺も寝たら?」

「ああ。おまえベッド使うか?」

「こういうの慣れてるからあたしは大丈夫。」

「でも、狭いだろ。」

「道明寺には狭くて無理。
だから、あんたはベッド使って。」

目を閉じ、半分眠りに入りながらそう言う牧野。
この状況で警戒心の欠片もねえ。

そんなこいつを見ていると、分からせてやりたくもなる。
俺は男なんだぞ…と。

俺はベッドから立ち上がり、ソファで寝ている牧野の側まで近付くと、一気にその小せえ身体を抱き上げた。

「わっ!えっ、なにっ!」
俺の腕の中で、驚いて目を開ける牧野。

そんなこいつを今度はベッドにゆっくり下ろしてやり、俺もその横に寝ころがる。

「ど、道明寺っ。」

「なんだよ。」

「なにっ、何すんの。」

「こっちの方が広くて寝やすいだろ?」

「はぁ?」

こいつを困らせてやろうと、ちょっとしたイタズラ心でやったはずなのに、
至近距離でこいつに睨まれると、
俺の方がその視線に耐えられねぇ。

この狭い密室で、ベッドに二人並ぶ態勢で、まっすぐ俺を見つめる牧野。
感じたこともねーほど、心臓が鳴る。

「牧野。」

「……。」

「寝たふりすんな。」

そう言う俺に、こいつはコロンと背を向ける。
相変わらず可愛くねぇ態度だけど、相変わらず俺はこいつのそういう所が猛烈に可愛く思えるバカだから。

「おい。聞けよ。」

「……。」

「無視するなら、襲うぞ。」

小さくビクッとしてんじゃねーよ。

「5.4.3.2……」
カウントダウンをしてやると、ようやくこっちに向き直り、

「なによっ」
と、怒鳴るこいつ。

「クックッ…朝から元気だなおまえは。」

「うっさい。あんたが朝から大きな声出させる事するからでしょっ」

そう言って怒る牧野の髪が、乱れて頬にかかっている。
そんなこいつに俺は無意識に手が伸びる。

頬にかかる髪をゆっくりと持ち上げ耳の後ろへ流してやると、さっきまで怒ってたこいつの顔が少しだけ赤くなったように思える。

やっと自覚したか?
男と二人きりでいるって事を。

「牧野。」

「…ん。」

「もう一度言うから、今度は『うん』って言えよ。」

「え?……。」

「俺たち、きちんとやり直してみようぜ。」



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 2019_08_25


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