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エンドライン 16

Category: エンドライン  



「ちょっと!なんで道明寺まで入ってくんのよっ。」

「うるせー、またあの客に怒られるぞ。」

あたしがホテルの部屋にカードキーをかざしたのと同時に、道明寺まで部屋に入ってきたのだ。

そしてズンズンと中まで勝手に入り込んで、ベッドに座りだす。

「ほんと、信じらんない…。」
そう呟くあたしに、

「狭い部屋だな。」
と、言ったあと今度はゴロンとベッドに横になった。

「道明寺っ!」

「なんだよ、うるせーな。」

「なんだよじゃないでしょ!
勝手に寝ない!」

「別に眠る訳じゃねーからいいだろ。
これでも心身共に疲れてんだよ。」

「じゃあ、さっさと帰りなさいよ。」

「はぁー、急激に睡魔が襲ってくるな。」

「バカっ、靴脱がないでよっ!」

ゴロンと横になりながら靴を脱ぎだす道明寺。
この男はあたしをからかっているのか、本気なのか。

その時、あたしの鞄の中から携帯の音が聞こえてきた。

「電話なってるぞ。」

いい逃げ道を見つけた道明寺は、早くでろよと何だか楽しそう。

鞄から携帯を取り出し画面を見ると、そこには『ママ』の文字。

「ヤバイ……。」

「誰だよ。」

「……母親。」

「まずいことでもあんのか?」

大アリだ。当の本人がそれを一番分かっていない。

「道明寺、静かにしててよ。
ぜーったい声出さないでね!」

「分かってるから、早くでろ。」

相変わらずベッドにゴロンと横になったままの道明寺を、あたしは睨みつけながら部屋の入口まで移動すると、
「もしもし」
とママからの電話に出た。



明日は東京に帰る予定。
仙台のマンションも引き払い、完全に明日から10年ぶりに東京人になる。

実家は進夫婦と2世帯住宅なので、そこに厄介になるつもりはない。
新しい職場の病院から近いマンションも契約済だ。

でも、久々に仙台に来て、パパやママ、進たちにもお土産をたくさん買い込んだので、明日はそのまま実家に泊まる予定にしている。

東京に着く時間や、夜ご飯は何が食べたい?なんて取り留めない会話をママとしたあと、電話を切って部屋の中まで戻ると、
そこには相変わらずベッドに横になる道明寺の姿。

でも、さっきと違うのは、
目を閉じ、穏やかな顔で、規則正しく寝息をたてて眠っている。

「ほんと、信じらんない…」

さっきも言ったこの言葉は、今回はこの人に聞こえないように心の中で呟く。

部屋にベッドはこのひとつだけ。
気持ち良さそうに眠るこの男を叩き起こすのは、いくらあたしでも気が引ける。

シャワーを浴びてベッドで寛ぐはずだった仙台最後の夜は、

顔だけササッと洗い、小さなリクライニングソファで眠る夜になりそうだ。



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 2019_08_23


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