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エンドライン 15

Category: エンドライン  




「あんたの顔なんて二度と見たくないっ」

道明寺にそう言い放ち、足早に喫茶コーナーを出てエレベーターへと向かう。

怒り?悲しみ?
いや、どちらでもない。
強いて言えば、『無』の感情だ。

エレベーターが閉まる直前、ガタッと派手な音と共に大きな身体が滑り込んできた。

『無』のあたしとは対象的に明らかに怒ってる顔のこの男。

静かに扉が閉まるのと同時に、
「何階だ?」
と聞いてくる。

「12階」
ぶっきらぼうにそう答えると長い指で12のボタンを押した。

ゆっくり動く箱の中、あたしたちは無言で数字が上がっていくのを見ているだけ。
1分もしないうちに12のボタンが点滅し扉が開くと、そのままあたしはエレベーターを降りる。

それと同時に降りようとするこのバカに、
「ついてくる気?」
と、精一杯の嫌味を言ってやった。

「おまえに話がある。」

「あたしはない。」

「このまま終わりに出来ねーだろ。」

エレベーターの扉を堺にして睨み合うあたしたち。

「分かった。
あんたの言いたいことは何?」

「ババァとどんな取引したんだよ。」

「取引?」

「ああ。」

今の道明寺は本気で怒ってる時の顔をしている。
この人はどれだけ人を信じることが出来ない寂しい男なんだろう。


「道明寺。」

「……。」

「あたし、あんたが言う貧乏だけど、お金で簡単に動くような女じゃないよ。」

「あ?」

「どんな勘違いしてるか知らないけど、あたしはあんたのお母さんにお金で釣られた覚えはない。」

それだけ言って、あたしはくるりと向き直り部屋へと歩き始めた。

「おいっ、」

「……。」

「待てよ。」

あともう少しで部屋に辿り着くというところで、あたしの腕は道明寺に引かれ、廊下の壁に背中を押さえつけられた。

「ババァから金を受け取ってねーのか?」

「なんでお金を受け取る必要があるのよ。」

「けどっ、……あの時、……俺達が別れたあの時、
ババァから金が振り込まれたはずだ。」

お金?
……あぁー。
確かに昔、そんな事があったかもしれない。

「お金って、もしかして、500万?」

「やっぱおまえっ、」

「返したに決まってるでしょ。」

「あ?返した?」

「当たり前でしょ!
うちのママはあんたのお母さんに、頭から塩を浴びさせたくらいの人なの。
そんな人がお金を受け取るはずないでしょ。
しかも、引っ越し代に500万ってどんな金銭感覚してんのよ!」

あたしが東京を離れてすぐにパパの口座に500万が振り込まれていた。
送り主は『道明寺楓』
もちろん受け取る理由もないお金を貰うはずがない。

「今の話、ほんとか?」

「サイテー。」

「おいっ、」

「サイアク。」

「牧野っ」

この頭クルクル男は、中身もクルクルパーだったのだ。
軽蔑するように睨みつけてやると、ようやく自分の過ちを認めるかのように、

「頼むから俺の話、聞けよ。」
と、普段では見れないような困った顔をする。

「もう話は終わったでしょ。じゃあね。」

「おいっ」

「付いて来ないでよバカ」

「てめぇ」

ホテルの廊下でそんなやり取りをしているあたしたちの横で、部屋の扉が開き、
「あのぉ、静かにして貰えます?」
と、不機嫌そうなギャルが顔を出した。

「あっ、すみません!」
あたしは慌てて頭を下げると自分の部屋まで一気にダッシュで駆け出した。

すると、あたしの横になぜかクルクルパーも付いてきた。



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