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エンドライン 10

Category: エンドライン  



「あたし、そろそろかえります。」

そう言った牧野の目はまだ赤い。
タマとの久々の再会は俺が思っていた以上に嬉しかったよう。
タマもいつ死んでもおかしくねぇババァだから、冥土の土産にこれぐらいしてやってもいいか。

「つくし、ご飯食べて行くかい?」

「いいえっ、大丈夫です。」

タマの誘いに慌てて断るこいつが気に食わねぇ。

「食っていけよ。」

「いいよ。」

「なんでだよ。」

「これから用事があって。」

時計を見ながら今度は鞄を肩にかけて立ち上がる。

「用事?」

「そう。じゃあ、あたしはこれで失礼します。」

「待てよ。」

「なによ、遅れちゃう!」

「用事って何だよ。」

「だからっ、人と会う約束してるの!」

なんだよ、そーいう事かよ。
一気に不機嫌になる俺を、タマが面白そうに笑いやがった。






「近くの駅まで送ってやる。」
と言われて道明寺の車に再び乗ってしまったあたし。
本当はまた乗せてもらうなんて不本意だけど、
なにせ、あのお屋敷の敷地から出るのだけでもかなり時間がかかる。
「皇居じゃないんだから……」なんて小さく悪態をつくあたしに、この人はとんでもない事を言い出した。


「おまえさ、仕事しばらく休んでるんだろ?」

「…まぁ、来月までは一応休暇で…」

「それなら丁度いいな。」

「へ?何が?」

「俺の治療に専念できるだろ。」

運転しながらそう言い切る道明寺。
意味がわからない。

「あんたの治療?」

「ああ。これ、おまえのせいでもあるからな。」

そう言って、主治医に処置してもらいガーゼが貼られた腕をあたしに見せる。

「ガーゼ、一応毎日交換しろって言われた。」

「うん。した方がいいね。で?」

「おまえがしろ。」

「……はぁ?」

10年たっても人ってこうも変わらない物なのか。
相変わらずこの人は俺様街道まっしぐらだ。

「ガーゼくらい自分で出来るでしょ!」

「片手で出来ねーだろ。」

「じゃあ、秘書の方にでも手伝ってもらいなさいよ。」

「道明寺財閥の副社長の体に傷跡作っておいてそんなに威張ってんのはおまえくらいだぞ。」

「き、傷跡って…」

確かに少しは残るかもしれない。
半袖になれば目立つ場所。
悔しいくらい、どこもかしこも綺麗な体のこの人に傷跡が残るのは……申し訳ない。


「…分かったから、あたしどうしたらいい?」

「毎日12時に会社に来い。」

「え?会社?」

「ああ。昼休憩の時間をおまえの治療タイムに充ててやる。」

そう言って目線だけあたしに向けて、
「わかったな?」なんて聞いてくる道明寺に、

あたしは久しぶりに呟いていた。

「ありえないっつーの!」



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