FC2ブログ

エンドライン 4

Category: エンドライン  



ババァから珍しく個人的なアドレスにメールが来たのが1週間前。

『先日の旅行でお世話になった方に、改めてご挨拶したいので同席するように』
その短い文章と、都内のフレンチレストランが記されていた。

1ヶ月ほど前にババァがアフリカから帰国した。
現地で熱を出し、帰国した時もまだ体調が悪かったため、
空港でかなり足止めをくらい、なんだかんだ病院でチェックを受けた。

幸い感染症などの心配もなく仕事復帰したババァに、
「もういい歳なんだから無理すんな。
しわ寄せが俺にきてたまったもんじゃねぇ。」
と嫌味を言ってやると、
「悪かったわ。現地でもある方にかなりお世話になったのよ。」
と、いつになく神妙な雰囲気だったババァ。


待ち合わせのレストランには時間に余裕を持って到着したにも関わらず、ババァの前にはもう客が座っていた。

俺からは後ろ姿しか見えないが、ショートボブの華奢な女。想像していたよりもずっと若い。
ゆっくりと近づいていき『お待たせしました』そう声をかけると、その女が驚いた顔で振り向いた。


「っ!」


そこにいるのは10年ぶりに会う牧野の姿。
絡み合う俺達の視線。
先に反らしたのはこいつからだった。

「あのっ、あたし帰ります!」

焦った声でババァにそう言った牧野の言葉を無視し、ババァは俺に向けて言った。

「司、覚えているわよね牧野さんを。
アフリカで体調を崩した私を診察し、自宅に泊めてくださったの。
本当にお世話になったわ。あなたからもお礼を。」

まさか、まさか、こんな状況でこいつに会うとは思いもしなかった。
しかも、あれだけ引き離そうと必死だったババァが、俺の前にこいつを連れてくるなんて。

だから、
「なにを企んでる?」
この言葉が出てきたのは自然の流れでしかない。

「司、とにかく座って。」

「うるせぇっ、作り話も大概にしろ。」

アフリカでの体調不良もデタラメの作り話だったのか。
思考がどんどん絡まっていく俺に、

「他の方が見てるから…とにかく座って。」
と、牧野の静かな声が響いた。





俺達のギクシャクした雰囲気とは裏腹に、料理が一定のスピードで運ばれてくる。

俺も牧野もその料理に少しだけ手を付けては、フォークとナイフを置くという動作を繰り返し、
ようやくデザートまでたどり着いた。

その間、ババアが俺の誤解を解くようにアフリカでの事情を話している。
どうやらそこに嘘はなく、本当に偶然の出会いだったらしい。

そこまでは分かった。
ただ、どうしても納得が出来ない。

「どうして俺をこの場に呼んだ?」

二度と会うなと言って、10年前俺達を引き離そうとしていたのはババァの方だ。
それなのに、世話になったお礼にわざわざ俺を牧野と引き合わせる必要があるだろうか。

そんな俺の問いにババァが言った。

「自分のしてきたことを棚に上げて何を言い出すのかと怒られるのは承知の上で言うわ。
もう一度、結婚を前提に付き合ってみてはどうかしら。」



応援よろしくお願いします★


関連記事
スポンサーサイト




 2019_08_04


Comments

連続更新ありがとうございます😊 

こんにちは!

雨の日の別れは、涙無くして読めなかったです。
どちらも辛すぎて‼️

そんな別れを経験した2人が大人になって、これからどんな展開なのか?ドキドキしています。
そして、楓さん!やはり、行動あるのみですよね!
司一筋さんの楓さんは、司への親心とつくしちゃんへの思いが溢れてて大好きです!

これも、お見合い?なのかしらね(^^)❣️
あー、続きがめっちゃ楽しみです‼️
Fumee  URL   2019-08-04 11:56  

 管理者にだけ表示を許可する


09  « 2019_10 »  11

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
CPはつかつくオンリーです。
司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

最新トラックバック

フリーエリア

お金がたまるポイントサイトモッピー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR




PAGE
TOP.