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時差恋愛 33

Category: 時差恋愛  


司が部屋を出ていった後、自室のソファに深く座り込んでいると、
司と入れ違いでタマが入ってきた。

私の様子を確かめながらも無駄口は一切なく
部屋の奥に置かれたドリンクスペースで
紅茶の用意を始めている。

そんなタマの後ろ姿に向けて聞いた。

「タマは知っていたのかしら?」

「…何がでございますか?」

「司のこと。」

その言葉だけで充分だったようで、タマは
紅茶を入れる手を休めて私の方へ向き直った。

「最近の坊っちゃんが何やら楽しそうなのは気付いていました。
仕事ばかりしか興味のない坊っちゃんが、休みの日に嬉しそうに出掛けていく姿は、どこから見ても幸せそうでしたからね。」

そう言ってタマがニヤリと笑う。

「会ったことはあるの?」

「お相手にですか?」

「ええ。」

これだけ雑誌に親密な所を撮られているのだから、この邸にもすでに出入りしているのかもしれない、そんな思いとは裏腹に

「いえ、ここに連れてきたことはございませんよ。」
と、言ったあとタマは私に背を向け、また紅茶を入れ始めた。


私は手に持っている書類をめくる。
そこには秘書に調べさせた『彼女』についての
すべてが書かれている。

どうやら調査済みなのは司も分かっていたようね。
何事も取引前の下調べが重要なのは、司もこの世界にいるだけあって納得しているよう。

書類の中にある屈託のない笑みを浮かべる彼女の写真を見ながら、さっき聞いた司の強い言葉を思い返していると、

「紅茶をどうぞ」
と言いながらタマがテーブルにそっとカップを置いた。

そして、立ち去ろうとしたその時、

「…あら、まぁ」
と小さく呟くのが聞こえた。

「どうしたの?」

「…いえ、…別に」

「この写真に見覚えが?」

私はタマの一瞬の目線の動きを見逃さなかった。
タマは私の手の中にある書類を見て、
「あら、まぁ」と呟いたのだ。

「彼女を知っているの?」

「…ええ、まぁ、そのぉ。」

「タマ、はっきり言って頂戴。」

私のお願いモードに屈したのかタマが話し始めた。

「彼女はもしかして牧野さんではありませんか?
確か、坊っちゃんが高校最後の年でしたから今から7、8年くらい前になると思いますが……」


その後、タマから聞いた話は、私にとって全くの初耳だった。
タマが入院していたときの同室だった女性の娘さんで、司も病院で何度か顔を合わせていた。

退院するときに邸の車で家まで送った事もあり、
その時に司から高校の後輩だと聞かされた。

その後すぐに渡米したので2人の関係が
どうなったかは知らない。

でも、その話の最後にタマが言った。

「坊っちゃんも案外見る目がありますね。」





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    2019-04-06 12:43  

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CPはつかつくオンリーです。
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