FC2ブログ

時差恋愛 26

Category: 時差恋愛  



「彼氏と別れたなんて言っていたけど仲直りしたのね。」

道明寺とあたしの顔を見比べながら嬉しそうにそう言うママ。

「ママっ、それは、」
マズイ……そう思った時にはもう遅く、ママの言葉を聞いて道明寺がじっとあたしを見つめた。

無言のままあたしを見つめるその視線が痛くて、あたしは道明寺から目をそらすと、

「ママ、今日は泊まっていくでしょ?」
と、ママにヘルプを求めたというのに、

「ママはもう帰るわよ。」
と、部屋の隅においてある上着に手を掛ける。

「えっ、ちょっと、もう?」

「また来るわ。」

「ママっ」

「じゃあね。……道明寺さん、また今度ゆっくりと。」

道明寺に頭を下げてバタバタと玄関へと向かうママをあたしと道明寺が慌てて追い掛けて、
「じゃあね、戸締まりちゃんとするのよー。」
なんて言いながらあっという間に帰っていったママ。

閉められたドアを見つめながら玄関に立ったままのあたしたち。

「……道明寺は?帰らなくていいの?」

「ほんとか?」

「明日も仕事でしょ?」

「さっきの話、ほんとかよ。」

噛み合わない会話。
分かってる。道明寺が何を聞きたいのかは分かってる。

一度だけ道明寺に視線を合わせると、あたしはそのままリビングへと戻った。
テーブルには食べたあとの大きな鍋と食器がそのまま置かれてある。

あたしがその鍋に手をかけると、
「俺がやる。」
と言って道明寺がキッチンへと運んでくれる。
その後ろ姿に向かってあたしは言った。

「ごめん。一ノ宮さんに別れたいって言った。」

その言葉に、キッチンに鍋を置いた道明寺がゆっくりとあたしの方を向き、
「何があった。」と少しだけ怒ったように言った。

「別に……、」

「理由もなく別れねーだろ。」

「そうだけど、……言いたくない。」

他に好きな人がいて、それがあんただなんて口が裂けても言えない。

「一ノ宮は?あいつは納得したのか?」

「友達に戻るとは言ってくれたけど、」

「けど?」

「……諦めない、とも言われて。」

そのあたしの言葉に、はぁーーー、と盛大にため息を付く道明寺。

「ごめん。ほんとにごめん。」

「あ?」

「あたしには一ノ宮さんは勿体無いから大事にしろってあんたに忠告されたのに、結局傷つけることになって、…ほんとごめん。」

そう言うあたしに、道明寺は
「俺に謝んな。
それに、……俺的には安心したっつーか。」
と、意味不明な言葉を言いながらリビングのソファに座り、その横をポンポンと叩きあたしに座れと合図する。

「あたしの家なんですけど。」

「いいから、座れ。」

相変わらず俺様の道明寺の隣に座ると、今度は真面目な顔であたしに聞いた。

「あの日、あのパーティーの日、やっぱ一ノ宮と何かあったのかよ。」

「え?」

「おまえ泣きそうだったから。」

道明寺と椿さんのツーショットを見るのが辛くて会場を飛び出したあの日。

「違う、一ノ宮さんは関係ない。」

「じゃあ、なんで途中で抜け出した?」

「それは、……もぉー、なんか、自分でも分からなくて……、椿さんと話したり……、あんたの顔見たり……あたしには関係ないのに、……けど、それが原因って訳じゃなくて……、」

「待て待て、分かるように話せって。」

「だからっ、んー……椿さんが…素敵過ぎるっていうか、」

「姉ちゃんが?」

「うん、……そう。……えっ?姉ちゃん?」

「おまえが言ってる椿って、俺の姉ちゃんだろ?」

「えっ?……へ?」

「おまえまさか知らなかったのかよ。
道明寺椿、俺の姉ちゃんだ。」

「えっ、えぇーーー!」

自分でも信じられないくらい大きな声で叫んでた。
道明寺にお似合いだと思っていたあの優雅で美人の女性がまさか道明寺のお姉さんだったなんて。
バカみたいに悩んで苦しくなって、終いには道明寺に「人の心配してないで、彼女が取られないように自分の心配しろ」なんて暴言まで吐いたあたし。

「おまえさ、この前も思ったけどよ、姉ちゃんが俺の彼女だって勘違いしてねぇ?」

「えっ、…してないよ。」

「絶対してるだろ。
この前も彼女のこと泣かせるようなことしたら許さねぇとか言ってたよな。」

「それは……、」

至近距離で問い詰められると逃げるしかない。
これ以上聞かれないように逃げようと立ち上がりかけたあたしの手をグイッと掴み、さっきよりも近くに座らせる道明寺。

「なぁ、ちゃんと整理しようぜ。」

「ん?」

「おまえは一ノ宮と別れた。
おまえが勘違いしてた俺の彼女っつーのは姉ちゃんの事だった。」

「ん、まぁ、そう……かも。」

「そして、ここからが大事だからちゃんと聞けよ。」

そう言うと、道明寺は一度だけあたしから視線をそらし、大きく息を吐いた。

「俺はおまえと一ノ宮が別れた事にホッとしてる。
なぜなら、俺はおまえが好きだから。
そして、おまえも俺を好きだ。」

「……え?……はぁ?ちょっと待って、」

「待たねぇよ。
おまえとはこれ以上タイミングを逃したくねぇ。
高校のときも、再会してからも、きちんとお互いが言葉にしてこなかったからややこしくなっちまった。もう一度言う。
俺はおまえが好きだ。
おまえは?」

道明寺のこんな顔を見るのははじめて。
いつも自信満々なこの人が、余裕の無さそうな顔であたしを真っ直ぐに見つめてくる。

その表情と低音で伝えられた言葉に、もう嘘は付けない。

「あたしも、……あんたが好き。」



お待たせしました。
いつも応援ありがとうございます。








関連記事
スポンサーサイト




 2018_12_08


Comments

嬉しい😆 

こんばんは!
更新ありがとうございます😊。
そしてやっと、やっと2人が(^^)❣️
めっちゃ嬉しいです!

続きも楽しみにしています!
F
Fumee  URL   2018-12-08 17:17  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2018-12-08 20:44  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2018-12-08 21:26  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2018-12-09 14:08  

 管理者にだけ表示を許可する


09  « 2019_10 »  11

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
CPはつかつくオンリーです。
司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

最新トラックバック

フリーエリア

お金がたまるポイントサイトモッピー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR




PAGE
TOP.