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時差恋愛 12

Category: 時差恋愛  



並んで座った俺たちの前にグラスが置かれた。
神崎社長は、「まずは一杯」と言いながらそれにビールを注ぎ、
自分のグラスにも同じようにビールを注ぐと俺らが見ている前で一気にそれを空けた。

「さぁ、呑んで。
君たちがそのグラスを空けないと私も次にいけないからね。」

強制的にグラスを空けることを要求してくるクソ野郎。
そんな神埼にヘドが出る。
ここでブチ切れてもいいが、一ノ宮の面子を考えれば俺がこのオヤジにたてつくのは後々めんどくせぇ。

だが、問題はこいつ。
俺の隣でグラスを見つめながら固まる牧野。
俺一人ならいくらでも神埼の相手になってやるのに、こいつの酒の許容範囲が分からねぇ。

チラッと視線を送り、呑めるか?と小さく聞くとコクコクと頷いた。
一気にグラスを空ける俺と、ゆっくりだが一度もグラスを置くことなく空にした牧野。

そんな俺たちを見て、
「おぉー、気に入ったよ。」
と言いながら神崎が再びビールを注ぎやがった。

「社長、あまり呑みすぎると肝心の話が出来なくなりますよ。」

「ある程度呑まないと打ち解けた話なんかできないよ。
君たちまだ一杯しか呑んでないだろ。
さぁ、呑んで呑んで。」

そう言ってまたも自分のグラスに注ぎ一気に空ける。
相当、酒には自信があるのか、呑んでる割には目が冷静で酔っている様には見えない。
このままこいつの言い様に流されるのは避けたい。

「分かりました。
ですが、相手は俺だけで。
女性に酒を強要するのはスマートじゃありませんよ。」

「アハハ……、その通りだね道明寺くん。
なら、君が彼女の分も飲むと言うことでどうかな?」

「はい?」

「昔はね、年上の人と会食する時は、その人の酒の量に合わせなさいって教えられたもんだよ。
少なくてもダメ、多くてもダメ。
相手が呑んだら自分も同じように呑む。
それが、礼儀でありビジネスの基本だったけどな、今の若い人たちは違うようだね。
特に2世の坊っちゃんたちはそんな必要ないと思ってる人が多いみたいで、一緒に呑んでも面白くなくってねー。いや、一ノ宮くんや道明寺くんの事を言ってる訳じゃないんだよー。」

神埼のヤロー、完全にナメてやがる。
一ノ宮、わりぃ。
我慢するのは性に合わねーんだ。
ブチギレさせてもらうぞ。

そう思った時、隣の牧野が俺の腕を引いて言った。

「社長、今日は最後まで付き合います!
その代わり、ここにあるお酒だけにしてくださいっ。」

テーブルに並べられたビールや日本酒の瓶を指しながらそう言う牧野に、
「おいっ、」
と俺は慌てて言う。

ここにある酒がどれだけなのか分かってんのかよこいつは。
3人で空けてもかなりの量だ。

「面白いねぇ、君。名前は?」

「牧野です。牧野つくしです。」

「牧野さん、ビールから行く?それとも日本酒?」

「……に、日本酒で。」


神埼の挑発に乗り、まんまと日本酒を注がれている隣のバカに呆れた視線を送ると、
しょうがないでしょっ、って顔で俺を見つめ返し、
「あんた、お酒強い?」
なんて今更ながら小声で聞くこいつに、

「自分の心配だけしてろ。」
と、言い放ち一杯目の日本酒を一気に空けてやった。




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