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時差恋愛 10

Category: 時差恋愛  



それは懐かしい高校最後の年に出会った女の姿だった。
 
「…道明寺。」

未だかつて俺をそう呼んだ女はこいつがはじめて。

「司と牧野さん、知り合いだった?」

一ノ宮が俺たちの顔を見ながらそう聞く。

「いや………。」
「いいえ……。」

知り合いかと聞かれればそうかもしれねーけど、それも8年前のたった数カ月だけの関係。

「牧野さん、それどーしたの?」

牧野の手には小さなブーケが握られている。

「あっ、さっきチャペルでブーケトスしてたので参加したら取れちゃって。」

「ほんと!すごいじゃん。」

「へへへ、こんなのはじめてです。」

「ブーケ取れたってことは、いい事ありそうだね。」

「そうですかね。そうならいいなぁ。」

こいつが一ノ宮が言う『返事待ち』の女か。
一ノ宮の顔を見ればかなり惚れてる事が分かる。

「そうだ、司。
改めて紹介させてもらうよ。
こちら、牧野つくしさん。
薬剤師なんだ。うちの新しいプロジェクトのお手伝いをしてもらってる。」

一ノ宮のその言葉にペコリと頭を下げた牧野。

「司も知ってるだろうけど、今度うちの会社、化粧品も手がけることになったんだ。そのプロジェクトを親父から俺が任されることになって、若い女性の薬剤師でチームを作って開発してる。
牧野さんはその中の一人。いつもは大学病院の薬局で働いているけど、月に数回研究に参加して貰ってるんだ。」

「化粧品業界に名乗りを上げたっつーのは聞いてる。」

「そうか、良かった。
実は、その事で司に相談したいことがあったんだよ。」

「あ?俺に?業界違いだろ。」

「まぁ、そうだけど、司、〇〇ネットの神崎社長知ってるよな?」

「ああ。昔からうちにも出入りしてる。」

「その神崎社長のネットショップでうちの商品を出してもらう事になったんだが、どうもあの社長には手を焼いてる。
まぁ、簡単に言えばナメられてるってところか。」

「やりそうだな、あのオヤジなら。」

神崎と言えばタチが悪いことで有名だ。
販売元に無理を言って安く仕入れ、ネットで商品を売って利益を上げている。

それだけじゃなく、最近では酒の席での悪い噂もチラホラ。
接待を要求し、豪遊三昧だとか。

「なんで神崎なんかと組んだんだよ。」

「しょうがないよ。
あそこの広告力は大きいからね。
新参者としては頼るしかない。」

一ノ宮も親父からのプレッシャーがかなりあるんだろう。

「俺に何してほしい?」

「来週、神崎社長とうちのプロジェクトメンバーで一席設けることになった。
司も知ってる通り、俺、酒がダメだろ。
だから、同席してくれないか?
神崎社長も道明寺財閥の御曹司がサプライズゲストならおとなしくしてるだろ。」

「……しょうがねーな。あとで西田に伝えとく。」

「サンキュ。
……あれ?牧野さん、どこ行った?」

俺との話に夢中になってた一ノ宮の傍にはあいつの姿がない。

「また、どこかに行ったか……」

キョロキョロとあたりを眺める一ノ宮に、俺は指を指しながら言った。

「あそこで食ってる。
デザートプレート二枚目だぞ。バカかあいつっ。」



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    2018-04-24 22:41  

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