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時差恋愛 8

Category: 時差恋愛  



狭い部屋に逃げ隠れたあたしたち。
廊下では時折バタバタと人の歩く気配。

「出ていかなくていいの?」

「ああ。
どうせ、パーティーに戻った所でうるせぇ女たちに囲まれるだけだ。」

あんなにきらびやかな女性たちを前にどんだけあんたは贅沢なのよっ、と言ってやりたいのを我慢して口を尖らせるあたしに、

「類が探してるか?」
と、道明寺が言った。

「あー、花沢類のこと忘れてた。」

「あ?酷え女だな。それでも彼女かよ。」

「はぁ?彼女って、あたしと花沢類はそんな仲じゃないし。」

「そんな仲じゃねえ奴が昼間っから非常階段で抱き合ってるかよ。」

「だーからっ、あれはダンスの練習をしてただけ。それに、あたしには好きな人いるしっ。」

思わず言った言葉に自分でもシマッタと思ったがもう遅い。

「へぇー、類はそのこと知ってるのか?」

「花沢類は関係ない。」

「類はお前のこと気に入って今日もここに連れてきたんだろ。なら、あいつにきちんと、」

「花沢類もちゃんと知ってるからっ!」

あたしはあんたが好きなのに、
あんたは勘違いのまま花沢類の心配ばかり。

「花沢類もあたしの好きな人、知ってるから心配しなくても大丈夫。」

「……類の知ってる奴か?」

「………。」

「まぁ、俺には関係ねーけどな。」

ここまで聞いておきながら、そう言って立ち上がった道明寺は、部屋のドアノブに手をかけた。
その時、あたしは叫んでいた。

「あたしってほんと……バカっ。
どうしてあんたなんかに、」

「……あ?」

「どうしてあんたの為なんかに、こんな不釣り合いな場所に来たり、踊ったこともないダンスを必死に練習したり……、ほんとバカみたい。」

もう自分でも支離滅裂な事を言ってる自覚はあるけれど、告白なんてする気もなかったし、告白の経験さえないあたしにとって冷静になれと言う方が難しい。

でも、言い換えれば今は最大のチャンスではないだろうか。
道明寺と二人きり、誰にも聞かれることなく好きだと伝えることが出来る。
それなら、勇気を出して、

「道明寺、」

震える声でそう呼んだあたしの声を遮るようにして道明寺が言った。

「おまえ、まさか……、
おまえの好きな奴って、」

「………。」

「俺か?」

「……う」

うん。と頷く寸前だったあたしに、

「いや、待てっ、答えるな。答えるんじゃねーぞ。」

「は?」

「答えなくていい。俺も聞かなかったことにする。」

「はぁ?なによそれ。」

「今の話はなかったことにしよーぜ。
そろそろ行くぞ。
類が心配してる。」


なによっ、何なのよっ。
答えるな?
俺も聞かなかったことにする?

ふざけんじゃないわよっ。
誰があんたになんか告白するもんですかっ!

最低な男っ!
二度と近寄るもんですかっ!



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