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日々、想定外。44

Category: 日々、想定外  



月に2、3度しか会えねぇ俺達にとって、2ヶ月なんてあっという間に過ぎ去り、とうとう牧野がNYへ旅立つ時が来た。

「司、そんな不機嫌な顔しないの。」

「うるせぇ。元はと言えば姉ちゃんが悪いんだからな。」

「だってしょうがないでしょ。
私だってつくしちゃんの事気に入っちゃったんだから。」

プライベートジェットを前にして、ギリギリまで牧野を取り合ってもめる俺と姉ちゃん。

そんな二人を呆れた目で見ながら、
「道明寺、仕事はいいの?」
と、平気な顔のこいつ。

「しばらく会えねぇのに仕事なんかしてられっか。」

「あんたってほんと……。
社長に言われたでしょ、お互いを高め合えるベストな存在になりなさいって。
だから、今まで通り手を抜かないで頑張ってね、あたしもNYで頑張るからっ。」

そう言って俺を見上げるこいつに、これからは会いたくてもそう簡単に会えないと思うと胸が痛い。

「ちょっとこっちに来い。」

「え?なに、道明寺っ。」

俺は牧野の腕を取ると、姉ちゃんや西田がいる場所から離れ、ジェットの影に隠れるように牧野を立たせた。

「寂しくなったらいつでも電話しろ。」

「うん。」

「会いたくなったらいつでもすぐに駆けつける。」

「うん、うん。」

「男が寄ってきても気安く話すんじゃねーぞ。
むこうの奴等は挨拶でスキンシップを取ろうとするからな、常に離れて距離を保て。」

「あんた、何言って……」

「それと、むこうで働く日本人の男には注意しろ。
日本の共通の話題があるから、それを利用しておまえに近付いてくるかもしんねぇ。
だから、」

「道明寺っ!」

まだまだこいつに言ってやりたいことがある。
それを遮るように牧野が俺のネクタイを下に引っ張った。

「道明寺。
もう、そういうのは何回も聞いたから大丈夫。
それより、もうすぐ離陸する時間なの。
……今度会えるときまで、ちゃんと充電して。」

そう言って口を小さく突き出す牧野が凶悪に可愛くて、完全にスイッチオン。

こいつの腰を引き寄せて唇を重ねていく。
何度もその輪郭を確かめるように、
何度もその柔らかさを確かめるように。

「牧野、俺との約束、分かってるよな?」

「うん、……分かっ……てる。」

キスの合間に交わす言葉。

「3年だぞ。3年以上は待てねぇからな。」

「うん。……分かってる」


長いキスのあと唇が離れ、俺を見上げる牧野。
そして、ジッと見つめたあとフニャと顔が歪む。

「道明寺、
………ん……ふぇ……


「泣くな。」

「だって……ん……、
やっぱり……離れたく……ない」

さっきまで威勢よくしていたこいつの目から大粒の涙が溢れていく。

「ったく、おまえはいつもそうだよな。」

「なによ、」

「おまえのする事も話す言葉も、いつだって予想から外れる。」

「はぁ?」

「おまえと一緒なら、俺は退屈しねーよ。
おまえとの日々は、今までだって、これからだって、
いつだって想定外な事ばっかだからよ。」




俺たちの一年目は上司と部下として、
そして、二年目は恋人として、
そして、これからの三年目は婚約者として、


出会ったら最後、
俺はいつだって、こいつと一緒に。


「すぐに会いに行く。
行ってこい。」

「うん。行ってきます。」



日々、想定外     Fin


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 2018_04_13


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    2018-04-13 10:09  

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    2018-04-13 10:40  

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    2018-04-13 10:58  

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