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小話 7

Category: 小話  



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******************



「道明寺っ、」

「おまえ、俺との約束忘れたのかよっ。」

「だって!」

「だってじゃねーよ。
これで3回目だぞっ。」

「はぁー、あんたね、普通に働いてたらこういう事はよくあることでしょ!」

「他のやつは普通のことでもおまえはダメだ。」

「はぁ?あんたのわがままに付き合ってらんないのっ。」

「うるせぇ。俺の彼女なら俺のルールに従えっ。」

「……それ、本気で言ってる?」

「本気だ。それが出来ねぇなら…無理だろ。」

「無理って…あんた、どーいうこと?
それって別れるってこと?」

「……ああ。そういうことになるかもな。」

道明寺邸の東角にある俺の部屋。
ここで俺は付き合って随分立つ愛しい女と口論中。

「それ以上、おかしなこと言ったら怒るよあたし。」

「俺はおまえ以上に怒ってんだよっ。」

「あんた、本気で言ってるの?」

「おまえがそのつもりなら…別れてもしょーがねーだろ。」

バカみたいなことで喧嘩して、この口からアホな言葉が次々と出ちまう。

「帰れよ。」

「道明寺っ!」

「いいから、帰れっ。」

「ほんとに帰るからねっ、
……、あんたなんかもう知らないっ。」

泣くかと思った。
完全に泣かせたと思った。
けど、あいつは必死に我慢して、怒ったまま部屋を出ていく。

一人残された俺は、ムシャクシャした気持ちのまま皮のソファにドカッと寝転んだ。

久しぶりのデートのはずだった。
約束の時間の少し前にあいつから
「少し遅れる。」という電話の向こうで、
「牧野さん、約束あったんですか?」と男の声。

それに、「大丈夫、大丈夫。」
と、返事をしたまま電話を切りやがった牧野。

俺の頭はブチ切れた。
約束の場所に遅れてやってきた牧野の手を強引に握り、無言のまま邸に連れてきた。





おまえがわりぃ。
俺はむちゃくちゃ怒ってんだよっ。

そう頭の中で何度も言い続けても、あいつの今にも泣きそうな怒った顔が離れない。

ったく!バカか俺はっ。
ソファから思いっきり立ち上がり牧野のあとを追った。








「ったく、おまえの家はここかよ。」

「……うっさいバカ。」

帰ったはずの牧野は、タマの部屋のこたつに入り俺をすげぇ怒った顔で睨みつけてくる。

「牧野、」

「別れた女に気安く話しかけないでっ。」

「おいっ。」

「何よっ。
道明寺が別れるって言ったんだからね!
あとで無かったことにしようなんて、問屋が許さないんだからっ。」


人の部屋まで来て喧嘩を続ける俺たちに、タマがやれやれという顔で、黙って部屋を出ていくのが見える。

「………。」

「………。」

「牧野、おまえさ、」

「道明寺、」

「……。」

「…………お腹すいた。」

「ん?」

この状況で、突然拍子抜けするような事を言うこいつに、俺の返事もマヌケ。

「おまえ、めし食ってねーの?」

「当たり前でしょ。
今日はあんたとご飯食べる約束だったんだから。」

「あいつと先に食ったんじゃねーのかよ。」

「だからっ!
吉田くんは職場の後輩だって何度も言ったでしょ。
仕事で小さな失敗をしたから慰めてただけ。
コーヒー一杯飲んだだけで、どーしてあたしは別れ話されなきゃいけないのよっ。」

「けど、3回目だからな、おまえとその吉田っつー男が二人で会うのは。」

「だーかーらっ、働いてればそういう事もあるでしょ!
そんなに、あたしが信用できない?
本気で別れたいって思ってるの?」

「……バカか。」

「バカはそっちでしょ。
ほんと、……バカじゃないの。
……ほんと、やめてよね、そーいうこと言うの。
今度別れるとか言ったら許さないからっ。」

「泣くなって。」

「バカ。」

「ああ。分かったから。泣くな。」

カッコ悪くてこいつには言えねぇけど、
『別れる』っつー、言葉を口にしただけで、
心臓がはち切れるほど痛くて痛くて堪んなかった。

「牧野、」

「なによ。」

「言った自分がすげぇ苦しくて死ぬかと思った。
二度と言わねぇ。
だから、」

「今日は道明寺のおごりだからねっ。」

「ったく、…いつもおごらせろって言ってんだろーが、バカ。」

最後のバカは自分でも赤くなるほど甘い声。

「めし、行くぞ。」

「ん。
タマさんも誘う?」

「ふざけんな。おまえと二人がいい。」

「つい数分前に別れるって言った口はどの口よ。キャー…やめてっ、分かったからおろしてよ!」


ちいせぇこいつの体を強引に抱えてタマの部屋を出る。



牧野、
何度言い合って、何度喧嘩しても、
俺は、やっぱりおまえしか考えらんねぇ。

だから、この先もおまえを泣かせるかもしれねぇ。
けど、そのあと笑わせるのも、必ず俺がする。




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    2018-04-07 20:48  

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