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日々、想定外。36

Category: 日々、想定外  


否定も肯定もしなかったあの日以来、あたしたちの関係はほんの少し変わった。

「明日の夜、そっちに行くから空けとけよ。」
なんて、

当たり前のようにプライベートの電話からかけてくる副社長に戸惑いっぱなしのあたし。

はじめて二人で食事して、
店を出ると当たり前のように、手を絡め、
別れ際には
「他の男にキョトキョトすんじゃねーぞ。」
と、名残惜しそうに髪に触れた副社長。

今まで、まともに恋愛してこなかったあたしにとって、その視線や仕草の一つ一つが甘すぎて、
部屋に戻ってから自分の頬の熱さに、
「もう、ヤダ……。」と、呟く始末。

こんな風にバカみたいに悶絶してるのはきっとあたしだけなんだろうなぁ………。







そろそろ帰り支度を始めようかと思っていたオフィスに、また一人珍しい客が現れた。

「まーきの、元気?」

「花沢類!」

スーツをラフに着こなしながら笑顔で入ってくる花沢類は、椿さんに『お姉さん、お久しぶりです。』なんてペコリと頭を下げて、
「牧野、お腹すいた。」と、相変わらずのマイペース。

「つくしちゃんって、魔性の女なのかしら。」

「はい?」

「だって、つくしちゃんがここに来てから、司といい類くんといい、次から次へと男たちが来るのよね。」

「椿さん、冗談やめてください。
花沢類とは友達です。」

そんな会話をしたあと、あたしと花沢類は椿さんの好意で早めの夕食へとオフィスを出た。



二人で食事をするのは久しぶりだ。
この人といると自然とあたしもリラックス出来て、時間がゆったりと流れていく。
彼氏でもなく、かと言って友達と言うのが正しいのか、強いて言えば、年上の弟のような……。
この人に当てはまるジャンルなんてないのだろう。



「牧野、司とはどう?」

突然の質問に一瞬固まるあたし。

「どうって……、」

「付き合ってるんでしょ?」

「んー、……たぶん。」

最後の『たぶん』は自信のなさの表れか。

「司には会ってるの?」

「時々、ふらっと大阪に来るよ。」

「ふーん、意外にマメだねあいつも。」

そう言って左腕に付けてある腕時計を大事そうに見つめる花沢類。

「今日は週末なのに来ないの?」

「どうだろ…。
副社長も忙しいんじゃないかな。
ここ最近、電話だけでこっちには来てないから。」

何気なくそう答えたあたしに、
少しだけニヤッと笑った花沢類が、
「そう言えば、」と、楽しそうに身を乗り出してあたしに言った。

「今日はあきらと総二郎たちと飲みに行くって言ってたな司。」

「へぇー、そーなんだ。」

「最近、頻繁に3人で飲み歩いてるらしいよあいつら。」

「ふーん。」

「女好きの二人と一緒だから、女の子たちがたくさんいるところで遊んでるのかな司も。」

「…へぇー、そうなんだ、楽しそうだね。」

そう言えば、最近の副社長は「しばらく忙しい」という理由でこっちに来ていない。
頻繁に電話はあるけれど、離れていれば何をしているかなんて分からない。

「遠距離恋愛は難しいよね〜。」

「そうかもね。
っていうか、なんでそんなにニコニコしてるの花沢類。」

「そう?ニコニコしてる?」

「ものすっごく楽しそうだけど。」

「うん、楽しい。」

突然のご機嫌モードに反して、あたしはほんの少し不機嫌。
束縛なんてするつもりはないけど、あたしたち一応、これでも、付き合ってまだ2ヶ月なんですけど。
もう、飽きられたか?
それとも元々副社長は浮気症?

「牧野、顔恐い。」

「うるさいよ、早く食べないと冷める。」

そう言って鉄板の上のハンバーグを力いっぱい切り刻み口に入れたあたしの背後で、

「俺のいねぇ所で浮気かよ、おまえは。」
と、聞き慣れた声がした。

「っ!副社長っ。」
「司、元気?」

「元気じゃねーよ。
人の女、勝手に連れ出すな類。」

不機嫌そうにそう言って、あたしの隣にドカッと座る副社長。

「牧野、電話したんだぞ。」

「え?……すみません、見てなくて。」

「いつ仕事終わった?」

「1時間くらい前。」

「……なんで、おまえ不機嫌なんだよ」

さっきまでの花沢類との会話が頭から離れなくて、自然とぶっきらぼうになるあたしの顔を覗き込みながら副社長が言う。


「別に。」

「別にって、何怒ってる?」

「別に怒ってませんけど。
副社長こそ、忙しいのにこんな所まで来て大丈夫なんですか?」

「仕事は一段落したから、」

「仕事じゃなくて、……プライベートで。」

「あ?プライベート?
おまえ、さっきから何言ってんだよ。」

「忙しいなら、わざわざ会いに来なくてもいいですよ。」

可愛くない事言ってるのは分かってる。
素直になれない自分も嫌い。

そんなあたしを見ながら、相変わらずニヤニヤと楽しそうな花沢類が、
「司、これ返すよ。」
と、さっきまで大事そうに眺めていた腕時計をテーブルの上に置いた。


「しばらく使わせてもらったから、惜しいけど返す。
その代わり、牧野にイジワルしておいたから、司が機嫌直してあげて。
素直な牧野は凶悪だから、司、暴れないでよ。」


そう言って、、サッサッとあたしたちの前から去っていく花沢類。
イジワル?凶悪?
意味がわからないあたしは、その場に残されたまま。



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