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日々、想定外。24

Category: 日々、想定外  


五十嵐には3ヶ月前から監視をつけていた。
他社の社員と頻繁に飲んでいるとあきらから情報が入っていたからだ。

牧野と奴との関係も気になってはいたが、仕事が優先。
ババァに日本支社を任されている以上、失敗は許されない。

だから、予め伏線も張っておいた。
社内プレゼン会議に五十嵐も出席するのは分かっていたから、プレゼン資料をA案とB案用意し、五十嵐にはA案が最終決定案だと信じ込ませたが、本当はB案が道明寺ホールディングスの最終決定案だ。

西田によれば、調査の結果、萩原建設に漏れた資料はA案。
五十嵐は俺たちの予想通りの動きをしてくれたって訳だ。

これで仕事はやりやすくなった。
五十嵐にはババァからの相応の処分が待っているのは間違いないだろうし、最大のライバルである萩原建設にもA案が渡ったということで隙が出るだろう。

「西田、このまま予定通り進める。
ブレゼンが終わるまでこの件は内密に。
それと、……牧野の前でもこの話は出すな。」

「はい。」


牧野と五十嵐が何度か食事に行ってることは調査資料を持ってきた西田も知っている。
牧野の事は全く疑ってはいないが、五十嵐が牧野に近付いた意図が分かんねぇ以上、あいつを巻き込みたくはない。迂闊に行動するのは避けたい。





********************


ここ数日、なぜか西田さんの態度に違和感がある。

どこが?と聞かれればうまく言えないけれど、
行動を監視されているような……。

朝、副社長を邸に迎えに行くのはいつもどおり私の役目だけれど、その後オフィスに入ってからの仕事を細かく調整されている気がする。

会議での資料も今まではすべて目を通すよう言われていたけれど、ここ数週間はほとんどを西田さんが管理して、私が目を通すのは半分ほど。
社内会議への同行も減った。

何か仕事で大きなミスがあったのだろうか。
心配になり、それとなく聞いてみたけれど、

「何も問題ありませんよ。」
と、いつも通りの言葉に頷くしかなかった。

そんな日々が数週間続いたある日、
違和感を決定づける事が起きた。

社内会議に出かけた副社長と西田さん。
同じ階にあるフロアへ資料整理のため行ったあたしは、会議に遅れて出席してきた部長と廊下で会った。

「お疲れ様です。」

あたしの声かけに、

「お疲れ様。会議始まってる?」
と、部長。

「はい。20分ほど前に始まりました。」

「別件で遅れてしまった。
牧野さん、悪いけど、水を一杯お願いできる?」

「はい。会議室にお持ちします。」

「ありがとう。」

そんな会話のあと、小さくドアをノックし、水を持って会議室に入ったあたしは、一瞬副社長の顔が曇るのを見逃さなかった。
そして、その後副社長の目線が西田さんへ移り、西田さんが素早くあたしへ近付くと、

「ご苦労様。」
と、あたしの手からコップを受け取った。

はたから見たら、なんてことの無い流れであるその行動も、秘書になってもうすぐ一年、あたしには分かる。

この場にあたしは居ては行けなかったんだ。



何がどうしてそうなったのか、
あたしには分からなかった。



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 2018_03_15


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    2018-03-15 21:20  

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