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日々、想定外。23

Category: 日々、想定外  

 

あのコンビニでの事件は、自分の気持ちを自覚するのに十分すぎるほど効果があった。

一瞬にして背中を濡らした嫌な汗。
離れ難くて堪らなかったマンションの前。

俺は牧野が…好きだ。
これが恋なのか愛なのか、めんどくせぇ事は分かんねーけど、
あいつの側にいたい、守りたい、そう思わせる女だっつーことは間違いない。

それは俺にとって『好き』なんていう安っぽい言葉だけでは片付けらんねぇほど強烈な感情だった。

自分の気持ちを自覚したら話しは早い。
隠す必要もねーし、あとはひたすら攻めるだけ。

そうなって、やっと類の言葉が身にしみる。
『相手が牧野なら相当手強い』

だろーな。
あの鈍感女。
まともに攻めても逃げられるだけか。

上司として嫌われてるとは思わねーけど、
一人の男として好かれてる自覚は全くねえ。
だからといって、回りくどい小細工なんてしてらんねーから、想いのままやるしかない。


今までは何気なく過ごしていた日々も、好きだと自覚した女が隣にいるだけでバカみてぇに心臓が鳴る。

寝不足だと言って車で目を閉じた長い睫毛。
エレベーターのボタンを押すちいせぇ手。
名前を呼ぶと俺を見上げる仕草。

意識すればするほどドツボにはまる。
無意識に煽るな、鈍感女。




そんな浮かれっぱなしの俺の前に、
朝から渋い顔の西田が現れた。

「副社長、ちょっとお話が。」

「なんだ?」

この声のトーンで西田が来るときは要注意だ。

「実は、香港で進めている球場の件で……」

「どうした?」

自然と俺の声も低くなる。

香港の球場といえば、今道明寺が抱えている案件の中でも最重要案件だ。

アジア最大の球場施設の建設とその中に作られる大型テーマパークについて来月にもプレゼンが開かれる。
道明寺はなんとしてでもこの案件を手に入れて、香港にも手堅い地盤を作りたい。

そんな重要案件について西田が浮かない顔をしているのは何か問題が起きたからだろう。


「実は、我が社のプレゼン内容が他社に漏れた可能性があります。」

「あ?」

「他社のプレゼンとうちのプレゼン内容が酷似しているとの情報がありまして…。」

「まさか、萩原建設か?」

「…はい。」


萩原建設にプレゼン内容が漏れた。
意外にもそれほど驚かなかった。
なぜなら、萩原建設といえば、うちのマーケティング課長の五十嵐と親しい奴がそこにいる。

最近の五十嵐は、不穏な行動をしているとあきらからもタレコミが入っていた。あいつが他社に漏らしているのか。
五十嵐にはもうすでに見張りを付けている。
漏洩については調べれば分かることだが、もう一つ俺には気になることがあった。

それは、五十嵐は牧野と繋がっている。
以前、牧野の身辺調査をした際、
五十嵐と牧野がここ最近二人で食事に行っていることが分かった。

仕事ではそんなに接点のない二人。
そんな牧野と五十嵐の関係は……。


仕事も恋愛も一筋縄じゃ、いかねーらしい。


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 2018_03_14


Comments

想定外 

やっとNo18の続きを読ませていただきました。新しい切り口の内容に面白く読ませていただいておりましたが、なかなか続き更新されなくて寂しかったです。
此の後のお話の転回を楽しみにしています。

私は暗い内容は苦手なので、明るくて微笑ましいような想定外のようなお話を嬉しいでです。
此れからも続きを楽しいみに待っています。。
みっちゃん  URL   2018-03-15 06:43  

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