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日々、想定外。22

Category: 日々、想定外  


「おまえを一人にさせるのが不安でしょーがねぇくらい、俺が大丈夫じゃねーんだよ。」

昨夜、副社長があたしに言った言葉。

何度も何度も頭の中で繰り返し再生してみたけれど、その言葉の真意は読み取れない。

ただ、あの副社長の表情、あたしの頭を撫でる仕草、乱暴なのに優しいその声、
どれもが勘違いをしてしまいそうなほど、
……甘くて、思い出すだけで頬が火照るのが分かる。


きっと、警察沙汰の事件に遭遇するという非日常的なシチュエーションの中で、副社長を混乱させたのだろう。
その結果が、あの副社長の行動であり、
『誤解するなよあたし。』
と、自分に強く言い聞かせて眠りについた。




翌朝は通常通りの出勤。
ほぼ3時間ほどしか寝ていないあたしは、頭も体も絶不調。

同じように睡眠不足なはずの副社長はというと、邸にお迎えに行って出てきた姿は、
相変わらずいつも通りの完璧さ。

なんでよ、どーしてこの人はこうなの?

たまには目の下にクマ作ったり、疲れた表情で現れてもいいはずなのに、こんな時でも颯爽としていて嫌味でしかない男。

そんな副社長の後に車に乗り込んだあたしは、
「おはようございます。
昨夜はお世話になりました。」
と、昨夜から用意していた言葉を伝えると、

「なんだよ、機嫌わりぃな。」
と、あたしの顔を覗き込んで副社長が言う。

どうやら、あたしの心の声は態度に出てしまっていたらしい。

「別に、いつも通りです。」

「だな。いつも俺の前では機嫌わりぃもんなおまえ。」

ついこの間、俺の前では愛想が悪いなんて言われたばかりなのに、秘書として情けない。

「そういう訳じゃありません。
すみません。気をつけます。」

「おう、今日は素直じゃん。」

「……。」

「おまえ、怒ると鼻の穴広がってるぞ。」

「はぁ?」

「自分で気づいてねーみたいだから教えてやったんだよ。」

「……。」

「広がってるっつーの。」

あたしの顔を見て笑う副社長に、昨夜の甘い表情がリンクする。

この心臓のうるささはなんだろう。

「副社長、あたしで遊ぶのやめてください。
今日は寝不足で機嫌悪いので。」

「だな。わりぃ。」

いつもならこんな風に謝ったりなんてしない副社長が、またあたしの頭を軽くポンと叩きながら言う。

お世話になっておきながら八つ当たりなんてほんとどうしようもないあたし。

「すみません。
……副社長も寝不足ですよね。」

「ほとんど寝てねぇ。」

「えっ、ほんとですか?」

「ああ。」

「どうして……。
仕事してたんですか?」

「いや。」

あたしから目をそらして新聞を広げる副社長。

ただでさえ今日は仕事が詰まっていて激務だというのに、寝不足どころか寝ていないなんて。


「すみません。あたしのせいで。」

昨夜のことも、寝不足のことも、八つ当たりしたことも全部引っくるめてこの言葉しか出ないあたしに、

「だからおまえが謝ることじゃねぇ。」
と、新聞から目を話さずそう言う副社長。

あたしも素直に、
「はい。」
と小さく呟くことしかできないけれど、

その後の副社長の言葉に昨日からのモヤモヤが更に加速することになろうとは。


「それに、寝不足なのはおまえのせいじゃねぇ。
寝ようと思えばそれなりに時間はあったけど、眠れなかった。
あの犯人はぶっ殺してやりてぇけど、あいつのおかげで昨日はおまえといる時間が増えたから、まぁ、半殺しで許してやるか。」



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 2018_03_13


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    2018-03-13 22:36  

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