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日々、想定外。20

Category: 日々、想定外  



今日は夕方から取引先の会長である方の出版記念を兼ねたレセプションパーティーがある。
秘書になる前はパーティーなど無縁の生活だったあたしも、ここ1年で大きなパーティーに何度も招かれた。

女性嫌いの副社長はこういう席に女性と同伴で出席するのを凄く嫌う。
かと言って、一人で出席すればあっという間に副社長とお近付きになりたい女性たちに囲まれてしまうのだ。

それを分かっている西田さんは必ずパーティーにあたしを同伴させる。
そして近付く女性たちの様子を見ながら程よいタイミングで、「副社長、お電話です。」とその場から離れさせるのがあたしの役目。

仕事の電話だと言えば、女性たちも「どうぞ。」と副社長を離すしかない。

副社長は成長した。
昔のようにあからさまに「ブスっ」「近づくなっ。」など暴言ははかない。スマートな動作で「失礼。」と言ってその場から立ち去る。
でも必ず帰りの車の中では、「おまえの声掛けが遅いんだよ。香水くせぇ奴らが近付いてきたらすぐに対応しろ。」と相変わらず悪態三昧なのだ。

今日も2時間近くパーティーにいる間に、若い女性の視線を釘付けにしていた副社長。
確かにこの人の醸し出すオーラは凄い。

真面目な顔をしていればクールだし、少し顔を緩めれば色気が出る。
そしてその近付きにくいオーラが何故か人を惹き付けるらしい。

あたしには全然分からない。
……なんて思っていたけれど、最近は少しだけ、
分かる。

この間、花沢類がオフィスに現れたときに副社長に「おまえは俺以外の前では愛想がいい」なんて言われたから、あたしも一応最近は気にしている。

副社長の前でもあまり事務的にならずに出来るだけ愛想よく……そんなあたしの努力を知ってか知らずか、

「プっ…朝から機嫌いいじゃん。」
なんて、車の中の至近距離で言われたら、なぜかこっちが赤くなってしまう。




パーティーが終わり車に乗り込んだのが9時。
あたしも慣れないロングスカートとヒールのせいか、疲れがどっと出た。
それと同時に飲み慣れないワインを飲んだからなのか、さっきからお腹の調子がよろしくない。


邸まではあと20分かかる。
ここの通りを抜けるとコンビニも少ない。

「副社長、あのぉ、ちょっとコンビニに寄ってもいいですか?」

「あ?どうした?」

「いえ、ちょっと……お腹の調子が…。」

「ったく、食いすぎだ。」

「違いますよっ。」

「分かった。行ってこい。」

「すみません。
林さん、次の信号左に曲がったらコンビニあるので寄って貰えますか?」

運転手の林さんに声をかける。この辺はついこの間まで住んでいたマンションの近くなので土地勘もある。なるべく駐車スペースの大きいコンビニを選んでとめてもらった。

「ありがとうございます。すぐ戻ります。」

あたしはそう言い残して急いで店内へと入った。





トイレは男子用と女子用が一つずつ。
その中間に手洗い場があり、トイレから出たあたしはそこでサッと身なりを整えるため鏡に向かっていた。

その時、鏡越しにトイレへ向かってくる人影が見えた。
30前後の男性。
何気なくその顔を見て、あたしは小さく「あっ」と叫んでしまった。

その声に男も鏡に写るあたしと目が合う。
そして、何かを思い出したように立ち止まった。

まずい……。
そう思ったのと同時にあたしの体がその男によって引っ張られた。
そして、男子用のトイレへと体を押し込まれそうになる。

必死に抵抗しても男の力の方がはるかに強い。
もうダメかも……
そう思ったとき、

「てめぇ、なにしてんだよっ!」

と、副社長の声が聞こえた。



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 2018_03_11


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    2018-03-11 16:47  

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    2018-03-11 17:15  

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