日々、想定外。16

Category: 日々、想定外  


新居であるマンションの部屋で、小さなソファに腰を下ろし振り返る。
はぁーーー、怒涛の3日間だったなぁ。


3日前、副社長のご厚意に甘えスイートルームで一晩過ごしたあたしは、会社につくなり西田さんに数枚の資料を渡された。
そこには、マンションの物件がずらり。

「あのぉー、…これは?」

「新しく入居するマンションの候補です。
どれも今日の夜から入れるよう手配してあるので、牧野さんのお好きなものを選んでください。」

そう言う西田さんの言葉がうまく飲み込めないあたしに気付いたのか、少しだけ口元を緩め、

「副社長からお達しがありましたので。
今のマンションではセキュリティに問題がある為、会社のことも考え引っ越しをしていただく事になりました。」

と、突然の引っ越し宣告。

「えっ、えーと、今日ですか?」

「今日です。」

「に、荷物の整理も、」

「業者に手配させますので、牧野さんは今日から3日間有給を使ってください。」

「は?……はい。」

空き巣騒動で3日間お休みしていてようやく職場復帰したというのに、早くも1日目で3日間の有給休暇を取ることになったあたし。

その日の内に引っ越し業者があたしの荷物を手早く新居へと移動し、次の日は契約手続きや住所変更などに追われ、3日目にようやく少しだけ新居に必要な物の買い出しに出ることが出来た。


ソファに深く座り天井を見あげる。
前のマンションより少しだけ広い新居。
家賃は同じだからお得だし、会社からも近い。

2日目の夜、引っ越しが無事に済んだことの報告に西田さんに電話をした際、
「こんないい物件、探して頂いてありがとうございます。」
と、お礼を言ったら、

「副社長のお陰です。」
と、返事が帰ってきた。

「副社長…ですか?」

「そのマンションの経営者が副社長のお知り合いでして、築年数もかなり経ちますので安く借りれる事ができました。」
と、予想外な応えが帰ってきた。

今回のことで副社長にはかなりお世話になった。
普段は横暴で陰険で嫌味な男なのに、
時折優しい所が顔を出す。

「優しさが一番似合わない男なんだよねぇ。」

思わず悪態が口から漏れたけれど、
今回は認めざる負えない。
副社長にきちんとお礼を伝えなきゃ。


そして、3日目の今日、新居の買い物帰りに、普段は足を踏み入れることのないブランド店へ寄り、迷いに迷った末、小さな感謝の印を買ってきた。

テーブルの上に置いてある小箱。
手のひらにおさまるその箱には、あたしの1ヶ月のお給料の3分の一もする贈り物。

男の人にプレゼントを買うなんて初めてで何を買えばいいのか分からなかった。
まして、なんでも手に入るあの男。
こんなもので喜ぶなんて決して思っていないけど、普段からシャツの腕元にカフスピンを付けているのを知っていたから、これぐらいしか思い浮かばなかった。

副社長のことだから、鼻で笑うかもしれない。
それでもいい。
お礼はしたからねっ!そう言って貸しはチャラにしたい。

そう思えば、この出費は安いものよっ。
そう自分に言い聞かせ、ベッドに潜り込んだ。




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