日々、想定外。15

Category: 日々、想定外  


最近の副社長は少し……おかしい。
面と向かってそう言うと、殺されかねないので胸の内にしまってあったが、

昨夜、牧野さんから電話があり、メープルのスイートルームにいると聞いて『やっぱりな……』と複雑な気持ちになった。

坊っちゃんの秘書になって5年。
副社長と呼ぶようになってもうすぐ1年。
常に、司様の変化には誰よりも敏感に気を配ってきた。

だから分かる。
司様の牧野さんに対するかすかな感情の揺れを。

牧野さんを第二秘書として自分の補佐役に置いたのは彼女が誰よりも適任だと思ったからだ。

仕事上、パーティーなどで女性同伴で出席しなければならない集まりに対して、司様は物凄く嫌な顔をする。
「近寄りたくもねぇ女と行くぐらいなら、欠席する。」
と、いつものわがままが顔を出し、度々手を焼いていたのだ。

だから第二秘書を選ぶ際、仕事上のいざこざを引き受けて貰えるよう絶対に女性にしようと思っていた。
そして、人選で最も配慮した部分は、
司様に好意を持たない女性を選ぶこと。

女性に付きまとわれるのを過剰に嫌がる司様。
秘書であれ少しでも好意がある素振りを見せれば嫌悪感を隠さないであろう。

その点、牧野さんは適任だ。
秘書課に配属された事も予想外だった上、司様の秘書に選ばれたと伝えたときの彼女の反応と言ったら、

今思い返しても笑ってしまう。

相当嫌そうな顔で頭を抱える彼女を見て、ここまで司様を毛嫌いする女性も珍しいと思ったものだ。

だから、彼女の事は心配していなかった。
サバサバとした性格で司様ともうまく接してこれていた。

だが、ここにきて想定外の反応を見せたのは、牧野さんではなく、まさかの司様だったのだ。

時折見せる牧野さんに対する柔らかい表情。
彼女が近付くことに警戒心を表さない態度。

そして、昨夜ご自分のプライベートルームに牧野さんを泊まらせたと知り、私の予想は決定的となった。

司様は、
牧野さんが好きなのだ。

まともに恋愛などしてきていない司様にとって、好きな女性ができるのはいい事なのだが、

相手が良くない。

自分の部下であり、秘書という仕事上のパートナーだ。
その女性に手を付けたと分かれば良からぬ噂が飛び交う。

司様のお立場も守りたいわたしだが、それ以上に牧野さんの事を守りたい。
まじめで真っ直ぐな彼女が、傷付かないように……。

秘書室のデスクに座る牧野さんをチラッと見つめながら、こめかみを強く押した。



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