日々、想定外。11

Category: 日々、想定外  



「邸に行くぞ。」
本気でそう言った俺に、

「…はい?」
と、気の抜けたような返事の牧野。

「犯人も捕まってねーのに呑気にこの部屋で暮らす気かよおまえは。」

「…まぁ、犯人はつかまってませんけど鍵も付け替えたし、警察の方も夜は巡回してくれるそうなので、」

「こんな鍵、開けようと思ったら3分もかかんねーで開けれるぞ。それに、警察なんて24時間警備してくれる訳じゃねーだろ。
次は、朝起きたら犯人がおまえのベッドの横に立って笑ってるなんてこともあり得るかもしれねーな。」

心配してそう言ってやった俺に、
「副社長ってほんと性格悪いですよね。」
と、小さく呟くこいつ。

「うるせぇー。
とにかく、ここにはしばらく近付くな。
わざわざ来てやったんだからおとなしく邸について来い。」

「いやです。」

「あ゛?」

「お気遣いは感謝します。けど、無理です。」

「てめぇ、上司に歯向かうのかよ。」

「これはプライベートな問題ですからっ。」

「プライベートって……、
おまえが狙われた理由は別にあるかもしれねーだろ。」

思わず成り行きでそう口走った俺に、
「へ?」
と、でけぇ目をさらにでかくして牧野が俺を見上げた。



まじでやめろ。
まっすぐに俺を見つめるその目に、いちいち反応する俺の心臓。
抱きしめたいとか、キスをしたいとか、そんな甘い恋愛感情なら分かり易いのに、
中学生のガキみてぇに、意地悪して怒らせて、こいつの反応を楽しんでいる今の俺。

自分でもこの感情がなんなのか、分からないねぇ厄介だ。

でも、これだけは言える。
俺がここに来た理由は一つ。
こいつとの距離をもう一歩縮めたい。

「犯人がただ単におまえの部屋を狙ったのか、それとも道明寺財閥の秘書の部屋だから狙ったのか確かめる必要がある。
だから、今日はとにかく俺に付いて来い。」

自分でもズルい口実だとは思うが、犯人の犯行動機として全くない訳ではない。

道明寺というワードを出した途端、牧野の顔も引き締まり、
「……分かりました。」
と、小さく頷いたあと、

「でも、……」
と、今度は困ったような顔で俺を見上げた。

「邸に行くのはちょっと……。
会社から近いホテルを取るので犯人が捕まるまでそこで警察からの連絡を待ちます。」

邸に来るのは断られたが、
かえって都合がいいかもしれねぇ。

「了解。
ホテルまで送ってやるから準備してこい。」

あくまで業務連絡かのような言葉を返し、牧野が部屋の中に入って行ったのを見届けたあと、携帯を取り出しメープルの最高責任者の番号を押すと、

「30分後に部屋に入る。
適当に食事と飲み物、用意しておいてくれ。」

そう告げて深く息を吐いた。




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    2017-12-12 21:11  

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    2017-12-14 10:44  

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