彼と彼女の一年間 39




牧野の両親に承諾を得た俺たちは、急ピッチで結婚へ向けて動き出した。

毎日、俺がどっさり取り寄せたウェディングドレスの雑誌や式場のパンフレット、新婚旅行のプランに目を通しながら、

「ジミ婚でいいんだけど、あたし。」
と、呟くこいつ。

「一生に一度のことだ、誰にも出来ねぇような式にしようぜ。」

「誰にも出来ないようなって、どんなのよ。」

「だから、それは、……例えばハワイを島ごと一週間貸しきって式をあげたあと俺たち二人だけで過ごすとか、それとも、ハリウッドの映画監督に頼んで俺たちの式を映画にしてもらうっていうのもいいかもな。」

俺的にはかなりマジで話してるつもりなのに、

「あり得ないっつーの。
あたし、もう寝るね。」
と、呆れ顔の牧野。



牧野がどう言おうと、結婚式もドレスもハネムーンも最高のものを用意する…………、

そう誓った俺に、

「副社長、6月はイタリアへ出張が決まってますが……。」
と、相変わらず顔色1つ変えずに西田が言う。

「あ?いつだよ。」

「月のほとんどは向こうです。」

「あ゛?」

西田の説明によれば、
再来年着工予定のホテル建設地の下見や不動産売買の会談、新しく手掛けたショッピングモールの偵察など、イタリアでの仕事を詰め込んだらしい。

「んだよっ、ちょうど婚約して一年経つのが6月だしよ、あれだろ?6月に結婚すると幸せになれるっつうジンクスがあるんだろ?」

「まぁ、そういう言い伝えもあるようですが。」

「なんとかスケジュール調整出来ねぇのかよ。」

「出来かねます。」

こういうときの西田の返しはすげぇ早い。

「チッ……」

「副社長、舌打ちはお止めください。」

「チッ……チッ……」

「…………。」




6月に最高に思い出に残る結婚式をあげたかったのに、仕事でそれどころじゃねーことが分かったし、俺は日本にさえいない。

これじゃ、あいつはすげー悲しむだろうな、なんて思いきや、
「そうなの?じゃあ、式は延期ね。」
と、いともあっさりしやがって。

「6月じゃなくてもいいのかよっ。」

「別にいいけど?」

「ジューブライドだぞ?」

「ジューン・ブライドね。」

「…………。」



俺だけか?
結婚式に向けて盛り上がりまくってるのは俺だけか?


「道明寺、もう遅いから寝るよ。」

「…………。」

「寝ないの?」

「寝るっ!」

「キャッ!……バカっ、どこ触ってるのよっ。」



俺はまだ諦めていねぇ。
この最高に愛しい女に、

最高の場所で、最高のドレスを着て、最高の式をあげさせたい。



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 2016_09_13


Comments

 

更新ありがとうございます(´◡`)
つくし、ド派手婚なんて興味なさそー(笑)
坊ちゃんのほうが断然ロマンチストですよね(。•̀ᴗ-)
家族だけのパーティーで十分つくしは喜びそうだけど、それじゃ坊ちゃんは満足しないだろうなー。
しかし、イタリア滞在、つくし同行しないですよね?
坊ちゃん我慢できますかー(笑)?
 URL   2016-09-13 11:50  

 

や~、坊ちゃん暴走してますね~
いっそ、イタリアで、ジューンブライドで、仕事して、新婚旅行は、仕事込みで、ヨーロッパ1ヶ月なら、楓ママが喜びそう(≧∇≦)
JUJU  URL   2016-09-13 12:36  

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