彼と彼女の一年間 21






道明寺の声に振り向くと、そこには明らかに不機嫌顔のこの男。

「なっ、なに?」
思わずそう聞き返すあたしに、

「おまえはまだ仕事が残ってるだろ。」
そう言って、
「そう言うことで、飲みには行かねーから。」
と、西岡さんに勝手に断りの返事をする。

仕事が残ってる?
あたしに?
道明寺が何を言っているのか分からずフリーズしてるあたしなんて無視して、今度はあたしの手を引くとズンズンと歩き出す。

中庭を抜けて、もう暗くなったレストランの前を通り、メープルが立ち並ぶ小路を歩く間もあたしの腕を掴んだまま何も言わずに早歩きで進む道明寺。

ようやく、超VIP専用の宿泊部屋がある西館が見えてきた頃、
「ちょっと、……ねぇっ!どこにいくの?」
と、切れた息でなんとかそう聞くと、道明寺が立ち止まりあたしの方を向いて言った。

「おまえな、フラフラ男の誘いにのってんじゃねーよ。」

「……へ?」

道明寺が言っている意味も、なぜそんなに不機嫌なのかも理解できないあたし。

「こんな時間に誘われて、はい行きます、なんて軽々しく言うなバカっ。」

「はぁ?バカ?
なんであんたにそんなこと言われなきゃなんないのよっ!」

「おまえが大バカだからだろーが。
あいつと付き合ってるのか?
好きなのか?
あいつの前でヘラヘラ笑いやがって。」

そう言って頭をクシャクシャとかき混ぜながら、呆れたように大きくため息をつく道明寺。
そんな道明寺を見て、そこまであんたに言われる筋合いはないと、あたしも言わなくてもいい言葉が口をつく。

「あんただって人のこと言えないでしょ!」

「あ?」

「あんただって、滋さんの前ではデレデレしちゃって、あたしにはスキンシップ禁止とか言っておきながら、滋さんとはいつも一緒にくっついてるじゃない。
付き合ってるの?
滋さんが好きなの?」

たった今、言われた同じような言葉を道明寺に言い返す。
すると、怒った顔であたしの目を睨んだあと、あたしの肩をグイッと強い力で掴んだ。

その時、咄嗟に頭をよぎったのは、
……殴られるかも。

高校時代、目障りな人を次々と退学へと追いやったこいつ。
実際に暴力を振るったところは見たことがないけれど、気に食わない相手なら何でもするはず。

殴られるかも……と思ったあたしは、目をギュッとつむり身構えていると、そのまま肩を強く掴まれたまま後ろにあるメープルの木に背中を押さえつけられた。

そして小さく一言、
「俺の前だといつも怒ってんのに、他の男の前でヘラヘラしてんじゃねーよ。」
そう言ったあと、

あたしをメープルの木と道明寺の体の間に包み込み、突然激しく唇を重ねてきた。

何が起こったのか理解できないあたしは、目を見開いたまま猛烈に抗議するけど、あたしの腕は道明寺にとられ木に押さえつけられ、あたしの体は、器用にあたしの足の間に割り込んできてる道明寺の片足に拘束されて逃げ場を失っている。

重ねられた唇は、人生初めてのキスのあたしにとってどうしたらいいのか分からないほど長く激しくて、思わず握られた手にギュッと力が入ると、それを感じたのかようやく道明寺の唇が離された。

そして、そのまま至近距離の体勢で道明寺があたしの顎に手をおき、もう一度顔を上げさせられた瞬間、今度はさっきとは違う優しいキスが降りてきた。

何度も角度を変えて、まるであたしの唇の感触を楽しんでいるように軽く合わされるキス。
そして、押さえられていた手と、拘束されていた体は道明寺の腕の中に包まれ、まるで恋人通どおしの甘いキスのよう。

どれぐらいそうしていたか。
数秒なのか、数十分なのか、
初心者のあたしはそんな事を考えるほど余裕もなくて。
道明寺の唇が離された頃には、自分でもわかるほど体がほてり目が潤んでいた。

そんなあたしを見て少しだけクスッと笑ったあと、
「部屋にいくぞ。」
そう言って道明寺はフワフワとした体のあたしを西館のエレベーターへ押し込んだ。




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 2016_08_23


Comments

 

きた(゚∀゚)ーこの展開➰ 好きです。
このまま一気にいってしまえ➰ 司くん~⤴
 
nao  URL   2016-08-23 19:33  

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