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彼と彼女の一年間 6





どうしてこんなことになってしまったのだろう。


到底くつろげるはずもない大きな部屋のソファに座り呆然とするあたし。

突然のお見合い話はたったの一週間で同居にまで進展してしまった。
マンションの前はマスコミの取材陣でごった返し、実家も包囲されている。

あそこならと、優紀の家に逃げ込もうとしたが、そこもダメ。
行き場を失い途方にくれたあたしに道明寺の秘書だという西田さんが声をかけてきた。

『道明寺邸で奥さまがお待ちです。』

そうして連れてこられた場所がここ。
あたしと道明寺の為の新居だというこの部屋はリビングだけでも信じられない広さ。
そして、対面式のキッチンとミニバーのような空間も。

そのだだっ広い部屋でポツンとソファに座るあたし。

さっき社長が来て言った。
『婚約期間は1年。
私を助けると思って、司と付き合ってもらえないかしら。
途中、どうしてもあなたが無理だと思ったら、その時は潔く諦めるわ。』

それは、あたしが今まで知っている社長の顔ではなく、一人の母親としての顔だった。
社長の唯一の汚点であるあのバカ息子が、ここまで社長を苦しめている……そう思うと、『無理です』という喉まで出ていた言葉をどうしても吐き出すことが出来なかった。

それに、さっき電話したときのパパとママの反応!
『つくしっ、どうして黙ってたのよこんな重要なことっ!
道明寺さんとお付き合いしてたなんて~。
婚約したってことは、もちろん結婚するのよね?
そしたら、道明寺つくしになるのよね?
キャー、パパっ、大変よっ!
つくしがほんとのシンデレラになるのよ~。』

そんなハイテンションの両親に、本当のことが言えず電話を切った。
とにかく、この悪夢から早く目を覚ましたい。
ベッドに入り一晩寝れば、きっと悪夢は終わっているはず。

そんなことを思いながら、あたしはゆっくり立ち上がり、広いリビングの隣にある部屋の扉を開けてみた。

そこはベッドルームだった。
たぶんキングサイズのベッド。
間近では見たこともない大きなベッドに艶のある寝具。

思わず、「凄い……」と呟いたあたしの後ろで、

「おい。」
と、声がした。

驚いて振り向くと、いつのまにかそこにはスーツ姿の道明寺。
ネクタイを緩めながらあたしを睨んでいる。

「どけっ、邪魔だ。」

「あっ、……ごめん。」

言われるがまま扉から離れたあたしに、
「人の部屋、勝手に覗いてんじゃねーよ。
おまえのベッドルームはあっち。」
そう言ってリビングを挟んで反対側の扉を指差す。

そして、完全にネクタイを首から外すとあたしに向かって言った。

「俺はおまえのプライベートに興味はねーから、おまえも俺のプライベートに首を突っ込むな。
お互いの部屋には絶対入らねぇ。
リビングも俺が帰ってくる夜10時以降は使用禁止だ。」

「…………。」

「それと、過剰なスキンシップはやめてくれ。
パーティーの時に腕を組む以外、俺に触るな。」


そう言って、ベッドルームへ消えていく道明寺。
残されたあたしといえば、

何が起こったのか理解するまで30秒。
そして理解した後は、目の前の扉に一発蹴りをいれた後、

「それはこっちの台詞だっつーの!
スキンシップ?誰があんたとするかっ。
こっちから願い下げよっ!」

そう言い捨てて、自分のベッドルームへとズンズン歩き出した。




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 2016_07_26


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