何度でも……33

Category: 何度でも……  





つくしと2度目の籍を入れ、甘い生活がはじまって早3ヶ月。
今日は久々に二人とも休みの週末。

俺の頭の中では、遅くまでベッドで過ごし昼近くにカフェでブランチ、そしてブラブラと二人でウインドショッピング……なんてことを想像していたのに…………。

目が覚めるとベッドにはすでにつくしがいない。

「つくし?」

「…………。」

「つくしっ?」

「あ、おはよ。起きた?」

そう言ってベッドルームの奥にあるクローゼットから姿を現したつくしは既に着替えも軽いメークも済ませている。

「んだよ、もう用意したのか?」

「ん、約束の時間に遅れちゃう。」

「……約束の時間?」

「あれっ?忘れちゃった?
今日は坂東先生とランチの約束してるって言ったでしょ。」

「あ?聞いてねーよ!」


いや、ほんとは聞いたかもしんねぇ。
でも、都合の悪いことはスルーだ。

「もう少しで行くからねあたし。」

「行くからねって、おまえ一人で?」

「そうだけど?」

何が?みてぇーな顔で俺の方を見るこいつ。

「まさかおまえら二人で会うのかよ。」

「…………そろそろ行くね。」

「おいっ!」

完全に逃げ腰のこいつの体を押さえ込み、俺も付いていくのを了承させ、それが嫌なら浮気と見なすと脅し、やっと30分後に二人で部屋を出た。



待ち合わせのカフェに着くと、坂東ドクターとその横には友香の姿。
久々に4人が揃い近況を話し合ったあと、おもむろにドクターが言い出した。

「道明寺さん、30分だけ牧野先生をお借りしてもいいですか?」

「…………あ?」

自分でもおとなげねぇって分かるほど不機嫌な声の俺。

「借りるってなんだよ。」

「デートです。」

「デートっ?てめぇ。」

悪びれもせずつくしとデートしたいなんて言い出しやがったドクターに軽くキレる俺の腕を掴み、
「30分ぐらいいいでしょ。
行きましょ、先生。」
そう言って勝手に立ち上がるつくし。

「おいっ!」

「友香さん、このバカのことよろしく。」

「は~い、いってらっしゃい。」

怒鳴る俺なんて無視して、カフェから出ていく二人。
それをケラケラと笑って見ていた友香が俺に聞いてきた。

「司さん、新婚生活はどうですか?」

「どうって、」

言葉になんて出来ねぇよ。
心でそう呟いた俺に、

「プッ……ほんと意外だなぁ~。」
と、クスクス笑う友香。

「なにがだよ。」

「だって、いつもクールな司さんが、つくしさんの事になるとデレッとしたり、ニヤけたり、怒ったり……。
あたしが知ってる司さんとはまるっきり違うんだもん、妬けちゃうな。」

「……うるせぇ。」

「あたし、てっきり司さんが出会ってすぐに『友香さん』って下の名前で呼んでくれたから、脈ありだなんて勝手に思ってたけど、この間、父から聞きました。
あたしのこと『坂東』って呼び捨てにしたら父から怒られたんですって?
自分のことを呼び捨てで呼ばれてる見たいで嫌だって。
半強制的に『友香』って言わせるようにしたって父が笑ってました。
やっぱり事務次官には逆らえない?」

「……そーじゃねーけど、事務次官に会えばおまえの話もするし、その時にやっぱ『坂東』じゃまずいだろ。」

「そーですよね。でも、それですっかりあたしは騙されちゃった。
……でも、つくしさんが現れて、自分が勘違いしてたって痛いほど分かりました。
司さんのつくしさんに対する熱~い視線は一度もあたしに向けられたことはなかったですもんね~。」

そう言ってまたケラケラ笑う友香。
そんなこいつに俺は心のなかで言う。
それだけじゃねーよ。
おまえを『友香』って呼び捨てで呼んでたのは、確かにおまえに愛情を感じてたからだ。
でも、それはつくしに対するものとは全く違って、まるで妹のような存在だって思ってたからだけどな。




俺たち二人がカフェで時間を潰しているうちに、入り口から坂東ドクターとつくしの姿が見えた。

「お待たせ。」

そう言って俺のとなりに立つつくしの手をとり、ギュッと握りながら、

「4分遅刻だ。」
と腕時計を大袈裟に見せながら俺も立ち上がる。

「これ、坂東先生に買って貰っちゃった。」
そう言って紙袋を少しだけ開いて俺に見せるつくし。

「かわいいでしょ?」

「ああ。」

そこには、小さな靴と小さな帽子が入っている。

「道明寺さん、今度帰国したら、赤ちゃん、抱っこさせてくださいね。」

「考えとく。」

俺はそう言い残し、軽く片手をあげ坂東ドクターに挨拶すると、つくしを連れてカフェの出口へと向かう。

「ちょっと!司っ!」






坂東ドクターは来月から2年間の海外研修に旅立つ。
友香も新しいことに挑戦するため日本を離れる。
そして、つくしの腹のなかには俺たちの愛の証が育っている。


みなそれぞれ次のステップへと歩み出し、過去よりも今、今よりも未来に向けて進もうとする。


だが、決して変わらないものもある。


俺のつくしに対する気持ち。
それは、過去も現在も、未来も、決して変わらねぇ。
俺の運命の女はただ一人、あいつだけ。








何度でも……


Fin





何度でも……お付き合い頂きましてありがとうございました。
気に入って頂けましたら、ランキングに参加していますのでポチっとして頂けたら嬉しいです!



関連記事
スポンサーサイト

 2016_05_10


Comments

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-10 18:52  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-10 20:31  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-10 21:41  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-10 22:29  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-10 22:34  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-11 00:07  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-11 09:45  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-11 20:37  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-13 18:34  

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
    2016-05-19 02:24  

 管理者にだけ表示を許可する


05  « 2018_06 »  07

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

プロフィール

司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
CPはつかつくオンリーです。
司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR




PAGE
TOP.