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何度でも……30

Category: 何度でも……  





部屋の中から聞こえてきたつくしの両親の焦る声に、俺は我を忘れて土足で駆け込んだ。

そして、部屋の扉を思いっきり開き中へ入ると、
そこには俺の予想していない光景が……。

あの冷血で傲慢、高飛車な魔女であるババァが、
つくしの家の狭いリビングの絨毯に手をついて頭を下げていた。

「…………おい、どういうことだよ。」

生まれてはじめてみるその光景に立ち尽くす俺。

「道明寺っ、お義母さんが……。」

困ったかおで俺を見つめるつくし。

「おい、ここで何してるんだよ。」

「あなたこそどうしてここに?
今は重役会議の途中じゃないのかしら?」

「……どいつもこいつもくだらねぇ話しかしねぇから、来週まで考え直してこいって解散させた。
っつーか、……まさか、」

「……まったく使えないわね。」


突然、今日の朝になって決まった重役会議。
来週にする予定だったその会議を突然早めると言ってきたから何か問題が起きたのかと思ったが、いざ行ってみるとグダクダとくだらねぇ話ばかり。
しかも、いつも重役会議には目を光らせて出席するはずのババァの姿もない。
おかしいと思っていたが、まさかババァが仕掛けた事だとは今の今まで気付かなかった。

ババァはここに来るために、急遽重役会議という名目をつくって俺を会社に縛り付けようとしたって訳だ。

「なんの真似だよ。」

「あなたが来たから全部台無しね。」

「あ?」

床に座るババァと立ったままそれを見下ろす俺に、

「道明寺さん、司くんも、どうかこっちに座ってくださいっ。」
と、つくしの親父さんがあたふたとソファを進める。

このまま立ち話も出来るはずがない。
俺は言われるがままソファに座ると、ババァも絨毯に置かれた座布団に座り直し、それを見たつくしが俺の足から靴を強引に脱がせると、
「お茶っ、あたしお茶いれてくるねっ!」
と、バタバタとキッチンに消える。



数分後、キッチンから人数分のお茶を持ってきたつくしがそれぞれに配り終わるのを見計らって、
「きちんと説明してくれ。」
俺はババァに向けてそう言った。

すると、その言葉に口を開いたのは、
つくしの親父さんだった。


「全部、わたしが悪いんです。」

「パパっ!」

「7年前、苦しむつくしの姿をこれ以上見たくないと、道明寺さんに頭を下げて別れてほしいと頼みに行きました。
あのときは、それがつくしのために一番いいと思ってたんです。

でも、二人がここまで強くお互いを想ってるとは思ってなかった。
つくしに、道明寺さんと一緒にいることが自分の一番の幸せだと言われて、本当に、あのときの事を後悔してます。」

そう言ってガクッと頭を垂れる親父さんに、今度はババァが口を開いた。

「子を想う親の気持ちは、いつだって複雑です。
私が牧野さんの立場だったら、きっと同じことをしていたはず。
だから、……今度はわたしの番です。」

そう言って座布団に座る体を少し後ろにずらし、もう一度手をついて頭を下げたババァ。


「今度は私がお願いする番です。
どうか、もう一度、つくしさんを息子に預けて頂けませんでしょうか。
司にとっても、つくしさんと一緒にいることが最大の幸せです。
ですので、」

そう頭を下げるババァに、
俺は不覚にも喉の奥が苦しくなる。

俺たちが結ばれて、そして別れたのは、
誰のせいでもねぇ。
あのときのあの状況が、そうさせただけで、
親父さんもババァも頭を下げる必要はどこにもねぇ。

ただ唯一、頭を下げるとすれば、
それは、



「お父さん、お母さん。
もう一度俺を信じて、俺につくしさんを下さい。
必ず幸せにします。」



唯一、頭を下げるとすれば、
それは俺しかいねぇ。



「つくし。
俺と結婚してくれ。」


俺は両親とつくしに向かって床に手をついて頭を下げた。






ババァはいつからこんなに人間らしい奴になったんだろう。

つくしの家でつくしの両親と俺たちと、テーブルを囲んで一緒に鍋を食うババァ。
途中で帰ってきた進が目を丸くして驚くほど溶け込んでやがる。

シルクのスーツが汚れるからと、つくしの母さんが箱にしまってあった新品のエプロンをババァに渡し、「はじめてだわ。」なんて言いながらエプロンを着けて鍋を食ってる姿は、驚きを通り越して愕然とさせられる。

つくづく思う。
この牧野家という存在は、どこまでもいい意味で道明寺家をぶち壊してくれる。



鍋の最後の閉めおじやを食ったあと、片付けをする間、邪魔だろうと少し外に涼みに出た俺を、追いかけるようにして玄関から出てきた進。

「食べ過ぎました?」

「ああ、久しぶりに鍋食った。」

「ほんとですか?
うちなんて、週に3回鍋の時もありますよ。」

そう言って笑う進。

「もうすぐ夏ですね。」

「そうだな。」

「……また、道明寺さんと花火が出来るんですね。」

「……だな。」

花火と言えば空に打ち上がるものしか知らなかった俺に、手持ち花火を教えてくれたのは進だった。

「進……、」

「はい?」

「これから俺たちは一生の付き合いだ。
よろしくな。」

「はい。」




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お待たせしました。更新遅くなりました。
皆さんお休みはどう過ごされていますか?
私は去年の今頃は「総務課の牧野さん」を書いていたようです。
今年は「何度でも……」。
全く違うストーリーなんですが、長い歳月の間、お互いを想っている二人という点では同じです。

来年も、そんな二人を書いていたいなぁと改めて思うゴールデンウィークです。

さて、そろそろこのお話も最終話ですね。
次回のお話ですが、まだ決めかねています。
皆さんの期待にすべて答えることはむずかしいのですが、何かリクエストありましたらコメント頂けたら嬉しいです。
ストーリーでもいいですし、こんなシチュエーションはドキドキするといったシーンでもいいですし、何かヒント頂けたら、嬉しいです。

細く長く書き続けたいと思っていますので、これからも応援お願いいたします!





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