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デンジャラス ワールド 18






今日はあと2つ社内会議に出て、その後NYとのテレビ会談、そして先週の事業報告書に目を通して……日付が変わる頃までオフィスから離れられねぇなと思いながら大きく息を吐いたとき、

ドンドンっと、西田にしては威勢のいいノック音とともに歓迎してねー客が来た。

「司~、お疲れ~。」

「滋っ、なんの用だよっ。」

「ちょっと休憩しない?」

そう言って勝手に応接セットのソファに身を沈め、
「このソファいいよねー。
あたしのオフィスにも欲しいけど、ちょうどいいサイズがないのよ。」
と、ブツブツ言ってやがる。

「滋、おまえと遊んでる暇はねえ。」

「少しくらい休憩したら?
西田さんに聞いたら、お昼もほとんど休まず働いてるらしいじゃん。」

「やることが一杯あんだよ。
うまくいけば今日中になんとかなるから邪魔すんな。」

書類に目を落としながら滋の顔も見ずにそう言う俺に、

「へぇー、いいんだ。
司、今あたしと休憩しないと後悔するよ。」

「しねぇ。」

「する。絶対する。
だって、つくしについていい情報あるんだけどなぁ~?」

その滋の言葉に思わずガバッと顔を上げる俺。
そして、無言で立ち上がると滋の正面のソファに腰を下ろして言った。

「15分だ。
15分だけ休憩する。」

「そう?じゃあ、コーヒーでも出してくれる?」








秘書が持ってきたコーヒーに口を付け、
「さすが、豆もいいもの使ってるわ。」
と言った後、唐突に、
「つくしと付き合うことになったの?」
と、俺に滋が聞いてきた。

「…………。」

「だよね~。どう見ても昨日のあの雰囲気じゃ、つくしは司のこと好きって感じじゃないもんね。」

「うるせ。」

「あのさぁ、教えてよ。
女嫌いの司が、いつの間につくしと知り合って恋に落ちたの?」

『恋に落ちた』なんて改めて言われるとゾワッとするほど恥ずい。
けど、目の前の女はそう簡単に引き下がるほどおとなしいヤツじゃねぇ。

「教えないと、情報はあげないよ。」

ほらな?やっぱり。
仕方なく、すげー大雑把に牧野との出会いを話し、理屈じゃねーけど、あいつが気になって一緒にいると楽しくて、女として意識してると話す俺に、

「あたしにも桜子にもグラつかなかった司がつくしに落ちるとはね。
でもね、さすがあんたはいい目をしてる。」
そう言って親指を立てて俺に見せる滋。
そんなこいつに、俺は目線をそらして

「おまえの知りたいことは話した。
次はおまえの番だ。
その……いいことっつーのは何だよ。」

そう聞くと、
「ねぇ、司。
ジムに通わない?」
と、あまりに唐突な誘い。

「ジム?邸にあるから必要ねぇ。」

「つくしと一緒でも?」

「…………詳しく話せ。」



3ヶ月ほどまえ、
「職場がデスクワークばかりで最近運動不足だ」と話すつくしに滋が都内の人気があるジムに誘った。
それをみて類も「楽しそうだ。」とあれよあれよという間に入会し3人で仲良く通っていたが、そのうちカップル限定のストレッチクラスを強く勧められ、類の又も「楽しそうじゃん」の言葉に牧野と週一で行くことになった。

だが、相手はあの類だ。
フワフワと気ままに暮らしてるあいつに、週一で同じ時間にレッスンを受けるなんて事は到底無理で、すぐに「俺飽きた。」が始まった。
前金を払って全部で8回のレッスンの内、3回しかまだ消化していない。

そこまで話した滋は、俺のことを見て、
「類くんの代わりにつくしのパートナーを司にお願いしたいなぁと思ってるんだけど、司は邸に完璧なジムがあるから、興味ないよね~?」
と、さっきの失言を持ち出してきやがるが、

「まぁ、あれだ。
邸のマシンがだいぶ古くなってきてんだよ。
だから、参考までに行ってやってもいいぞ。」
そう言うと、「へへへぇ」と笑いながら、
「お礼は後でいいから。」
と、片手をあげた。


「じゃあ、早速明日からだから。」

「明日っ?」

明日もすげー仕事が詰まってる予定。

「やめる?」

「うるせー、行く。」

今日は徹夜決定だな。

そう頭でスケジュールを組み直した俺の目の前で、
「つくしに電話しとこー。」
と、言いながら滋が携帯をかけ始めた。





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昨日はお休みしてごめんなさーい。
お待たせしました。
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 2016_02_13


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    2016-02-13 10:44  

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    2016-02-13 21:33  

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