FC2ブログ



急遽、桜子も呼んで滋さんのファッションショーが開かれた。

ファッションやメイクの事なら桜子が適任。
あれよあれよと滋さんは甘い雰囲気のワンピースに着替え、髪もアップに整えて貰っている。

その様子を鏡越しに見つめるあたしに、
「先輩もメイクしてあげましょうか?」
と、桜子がにっこり笑った。

「え?」

「だって、これから道明寺さんとデートでしょ?」

「あっ!」

時計を見るともうすでに5時を回っている。

「まさか、忘れてました?」

「いや、そーじゃなくて。
滋さんと道明寺がデートするって思ってたから…」

「えっ、なんですかそれ。」

事情の知らない桜子があたしの言葉に食いつく。

「…それは、」
モゴモゴするあたしの横で、

「あのね、つくしはあたしと司が付き合うって勘違いして焦ってここに来たって訳。」
と、呆れ顔の滋さん。

「どーしてまた、そんな突拍子もない勘違いを?」

「だって、最近二人が妙に仲良かったり、ホワイトデーに約束してるの聞いちゃったり。
それに追い打ちをかけるように滋さんが『好きな人が出来た』って言うから。」

「それで、先輩は不安になったって訳ですか。
それで、もしも道明寺さんと滋さんが付き合うって言ったらどうするつもりでした?」

桜子が真面目な顔で聞く。

「おめでとうって……いうつもりで来たの。
でも、……言えなかったかもしれない。
本当に二人が付き合うって聞いたら、あたし…」

きっと、うまく「おめでとう」なんて言えなかったはず。
だけど、「取らないで」なんてもっと言えなかった。

だって、今のあたしにはそんな事、言う権利がないから。

「ごめんっ、あたし帰る!」

「はいはい、私ももう帰るので先輩も乗っていきましょう。」

桜子に手を引かれ滋さんの部屋を出るあたしたちに、
「頑張って、ぶつかってきなさーい。」
と、滋さんがにっこり笑った。





桜子の車に乗り込んで、慌ててかばんから携帯を取り出すと、着信履歴には『道明寺』の名がずらり。

思わず
「ヤバイ…」
と、呟きながらかけ直すけど、道明寺は出ない。

それを見て、
「じっくりと怒られてきたらいいですよ。」
と、にんまり顔の桜子。

「分かってる、ごめん。」

「道明寺さんに言ってあげてくださ〜い。
一瞬でも疑われたなんて、道明寺さんも可哀想に、フフ…」

「だって……、道明寺のあんな顔見るの初めてだったから。」

この間見たあの時の表情が忘れられない。

「あんな顔って?」

「大学のカフェテリアで滋さんと道明寺が二人で話してたの。
その時の道明寺、照れたような、熱っぽいような、そんな顔で滋さんを見つめて会話してた。
あたしの勘違いならいいけど、道明寺はもしかしたら、」

そこまで言ったとき、
「その先は本人に聞いてください。」
と言って桜子がゆっくりと車を止めた。

あたしのマンションの前には、見覚えのある道明寺の車が停まっていた。
桜子にお礼を言って急いでその車に近付くと、
運転席のドアにもたれかかる様に立つ道明寺。

「道明寺っ!」

「牧野。」

怒られるのを覚悟して近付くと、次の瞬間予想もしないほど強い力で抱きしめられた。

「心配したんだぞ。」

「ん、ごめん。」

「なんで電話に出ねーんだよ。」

「ごめん、滋さんに用事があって…」

そんなあたしの頭をゆっくり撫でたあと、道明寺はあたしを解放した。

こんな風に抱きしめられたのは初めて。
その腕が離れていく事が寂しいと思うのは、
あたしの気持ちが正直になった証拠。


「電話くれてたのに、ごめんね。」

「いや、俺も途中で充電切れて使えなくなっちまったし。」

「ずっとここで待ってたの?」

「ああ。
今日はおまえと約束したからな。」


いつもそう。
道明寺は、いつもあたしにまっすぐに向ってきてくれる。
それなのに、あたしは小さな事で不安になったり疑ったり。

今度はあたしが向かっていく番。


「牧野、行きたいとこ決めたか?」

「…ううん、決めてない。
でも、……欲しいものがある。」

「欲しいもの?ああ、何でも買ってやるよ。」

そう言って嬉しそうに笑う道明寺。
あたしは大きく息を吸い込んで言った。

「欲しいものは物じゃなくて、言葉なの。
今からあたしが言う事に、イエスで答えてくれる?」

「…あ?」

「道明寺、」

「……。」

「好き…なの。
あたしと付き合ってください。」


1年前、道明寺があたしに言ってくれた言葉。

『牧野、お前が好きだ。付き合うぜ。』

それをそのまま、今度はあたしから。


道明寺からの返事は、
ただ一言『イエス』を期待していたあたし、

けれど、実際は違った。



返事の代わりに、
道明寺に体ごと引き寄せられ、
そのまま唇を優しく塞がれる。

キス……、
ようやく思考が追いついた頃、
少しだけ離れた唇の隙間から


「イエスに決まってるだろ。」
と、道明寺が言った。

それを聞いた途端、なぜかあたしは力が抜けて目の前が真っ暗になった




良ければポチっと応援お願い致します★


スポンサーサイト



 2020_02_22




01  « 2020_02 »  03

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

プロフィール

司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
CPはつかつくオンリーです。
司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

最新トラックバック

フリーエリア

お金がたまるポイントサイトモッピー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR




PAGE
TOP.