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ホワイトデーを4日後に控えた休日。
久々に滋さんと桜子とカフェでデート。

「はい、これ。」
と言って滋さんが私と桜子に、先日の温泉旅行で撮った写真をくれる。

「なかなかよく撮れてるでしょ?」

浴衣姿の3人が少しお酒のせいもあって、頬を赤らめている笑顔の写真。
残念ながら今回優紀は来れなかったけれど、あたしの親友と呼べるのは彼女たちだけ。

だからこそ、この間感じた胸の痛みは無かったことにしたかったのに……。

「あたしね、気になる人が出来て……。」
と、恥ずかしそうに滋さんが言う。

「えっ、だれ〜。」

「それは、まだ言わないっ。」

「ちょっと、言わないってそれはなしですよ。」

「ホワイトデーにちょっとしたパーティーがあって、その時に告白しようかなと思ってる。
うまく行けば、夜まで一緒にーーーなんてねっ。
だから、告白が成功したら教えるから!」

「ほんとですかー。」

キャッキャッと盛り上がる滋さんと桜子。
滋さんに好きな人か……。
初めて聞く滋さんの恋愛話。
本当なら喜んで聞きたいはずなのに、
あたしは胸が痛すぎて俯くだけ。

なぜかと言うと、昨夜の道明寺からの電話。

「14日、空いてるか?」

「14日?」

「おう。
一応、バレンタインにチョコ貰ったから、お返しにどこか好きなとこ連れてってやる。」

「好きなとこって……。」

「昼に少しだけパーティーに顔出さなきゃなんねーけど、その後は空いてるから、終わったら連絡する。」


昼のパーティー。
やっぱり滋さんの好きな人とは、道明寺だろうか。
最近の二人を見ていると、そう感じるのは間違っていないような気がする。


「つくし?」
ぼぉーっとするあたしに滋さんが笑顔で声をかける。

「あっ、ごめん。」

「つくしは?
つくしはホワイトデーどうするの?」

「えっ、」

もしも、もしも滋さんが道明寺に告白して、
もしも、もしも道明寺がOKしたら、
その後は二人で過ごすのかもしれない。

「つくし?」

「あ、あたしは…………何も予定ないよ。
誰にもチョコレートあげてないし、誰からもお返ししてもらう予定はないから!」


大きな声でそう言い切るあたしを、滋さんと桜子が困った顔で見つめた。









「西門さん。」

「ん?」

「………。」

「おい、生きてるか?」

「西門さん。」

「ん?」

「…………。」

「だからなんだよっ!」


大学の中庭。
ベンチにぼぉーっと一人腰掛けていると、ふらっとどこからか西門さんがやってきて、あたしの隣にどかっと座った。
暇なのか?とからかうように聞いてくる彼に、あたしは冒頭の「西門さん。」と無意識に名を呼ぶ。


「西門さんと美作さんって仲いいですよね。」

「あ?なんだそれ。」

「いつも一緒で喧嘩しないんですか?」

「喧嘩ばっかだろ俺たち。」
そう言って綺麗に笑う西門さん。


「美作さんと同じ人を好きになって、喧嘩になったことあります?」

「……。
喧嘩になりそうなのか?」

「え?」

「だから、誰かと好きな人がかぶって、喧嘩になりそうなのか?おまえは。」

いつものからかうような表情ではなく、優しく目を細めてあたしを見つめる西門さん。

「喧嘩……にはならないと思います。」

「どうして?」

「どうしてって……。」

「おまえも好きなら、喧嘩してでも奪わなきゃなんねーだろ。」

こんな風にきちんと答えてくれるなんて意外だと思いながら西門さんを見つめると、

「そろそろ答えてやれよ、あのクルクル男に」
と、言いながら髪の毛をクルクルと巻く仕草をする。

それがおかしくてクスッと笑うあたし。

「で?おまえが喧嘩しそうな相手って?」

「……滋さん。」

「プッ……、そりぁ、楽しくなりそうだな。」


物凄く楽しそうな西門さんと、深いため息をつくあたし。



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Author:司一筋
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CPはつかつくオンリーです。
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