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仙台のホテルで、牧野と一緒に過ごした日から2週間。
完全にあいつは俺を避けてやがる。

「俺たち、きちんとやり直してみようぜ。」
俺のその言葉に、

「……考えとく。」
とだけ答えた牧野。

前回は断られたから、今回の『考えとく。』と言うのはかなりの進歩だろう。

けど、
帰りの新幹線で強引に聞き出した携帯番号に、何度かけてもあいつは出ねえ。

それならば…と留守電に
『電話に出ねぇなら、職場に行くぞ。』
と、残した途端、あいつからの着信があった。

「もしもし。」

「道明寺、なんか用?」

開口一番、キレてんじゃねーよ。

「用があるから電話してんだぞ。」

「なに?」

「今日、デートしようぜ。」

「…はぁー。」

ため息付いてんじゃねーよ。

「あんたの用ってそれ?」

「ああ。」

「………」

「7時には仕事終わらせるから、どこに迎えに行けばいい?」

「………○○駅の前にいるから。」

会社近くの駅を指定した牧野。
その返事に思いっきり顔が緩む俺。

「分かった。じゃあ、後でな。」

「ん。」

こんな会話一つでバカ見てぇに胸が鳴る。
こういう気持ちは10年ぶりで、今も昔も相手はあいつ。

それが、『愛』なのかはまだ分かんねぇけど、
俺の胸が痛いほど鳴るのは、あいつだけらしい。







待ち合わせの7時に駅前に行くと、ワンピース姿の牧野が立っている。
その姿にいちいち心臓がうるせぇ。

俺に気づいた牧野が車に近付いてくるのを見て、俺は運転席から降りた。

「わりぃ、待ったか?」

「…ううん。」

そのまま助手席の方へまわり、ドアを開けて牧野を車に乗せると、もう一度運転席に戻り車を走らせる。

そんな俺をじっと見つめる牧野の視線に気付き、
「どうした?」
と、聞くと、

「……別に。」
と、慌てて俺から視線をそらすこいつ。

「プッ……なんだよ」

「なんでもない。」

「見惚れたか?」

からかって言ったつもりのその言葉なのに、
「…かっこいいじゃん。」
と、真顔で言われてまたもや心臓が壊れそうになる。

「おまえっ、急にそういう事言うなっつーの。」

「えっ?はぁ?いや、そーじゃなくてっ、ご、ご、誤解だしっ。」

「誤解?」

「かっこいいって言うのは、だから、そのぉ、動作がスマートだなぁって意味!
車にエスコートする動作が様になってたから思わず言っただけで、深い意味はないしっ。」

ムキになってそう弁明するこいつの顔が少し赤くて、めちゃくちゃツボる。

「別に理由なんて関係ねーし。」

「はぁ?」

「どんな理由だとしても、おまえがかっこいいって思ってくれるなら、俺は嬉しいんだよ。」

たぶん、こんな言葉、もう一度言えと言われたら、恥ずかしさで死ねる。
けど、言わねーとこいつには伝わらねぇし、言ったあとで自分も気付く。
『こいつ以外には口が避けても言わねーだろうな。』





和食が食える店を予約しておいて正解だった。

目の前の女は、どの料理も「美味しぃー」と目を細めて喜んで食っている。

「相変わらず美味そうに食うよなおまえ。」

「そう?でも、ほんと美味しい。
日本を離れて一番悲しかったのは、日本食が食べられなかったこと。」

「海外派遣はおまえの希望だったのか?」

「んー、そうだけど、尊敬する先輩に付いて行きたくて。」

「それって…そいつとデキてたからじゃねーよな。」

急に不機嫌になる俺に、無言のまま睨みつけるこいつの顔は、「バカじゃないの?」と言っている。

「男だろそいつ。そいつに付いていきたいって言ったら、そういう理由じゃねーのかよ。」

「どーしてそーなるのかなあんたは。」

「……じゃ、……他にいたのか?」

「はぁ?」

「だから、…他に付き合ってる奴いたのか?
この10年、おまえの側にどんな奴がいた?」

緊張なんてほとんどした事が無い俺なのに、今この言葉を発するのに、声が微かに震えやがる。

そんな俺を、牧野が困った顔で見たあと、
「道明寺、」
と、呟いた。

この先はたぶんイエローカードだ。
この顔の時のこいつは、ろくな事を言わねぇ。

「道明寺、あたしたち、」

「確かめる事もだめかよ。」

「え?」

「俺は、おまえといると痛ぇくらい心臓が鳴る。それは、『刷り込み』だっておまえは言うかもしんねーけど、だとしても、苦しくて堪んねぇ。
だから、きちんと確かめさせてくれ。
それが『愛』なのか、『思い込み』なのか、きちんとおまえと向き合って確かめてぇ。」

口に出してみて思う。
昔も今も変わんねぇ。
いつだってこいつ相手だと誤魔化しがきかねぇ。

隠してたって口を開けば溢れ出してくる。
どうしたって磁石のように惹かれていくこの想い。


そんな俺の言葉に、牧野は一つ大きく息を吐いたあと言った。

「今度は、中華に連れて行って。」

「…お、おう。
いつ行く?明日でいいか?」

「はぁ?来週でいいでしょ。」

「あ?じゃあ、明日はどうする?」

「えっ?だから、次会うのは来週でいいって。」

「ふざけんなっ!」

「道明寺、声うっさい。」




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Author:司一筋
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