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近況

Category: 未分類  



こんにちは。
いつもご訪問ありがとうございます!

妊婦の私からご報告が有ります。
実は以前も話しましたが、今回の妊娠はつわりがひどくダウンしています。
なんとか食べれるものと水分で生きてきましたが(笑)どうやら限界のようで、週末を挟み病院にお世話になることになりました。

つわりが落ち着くまで入院する予定です。
『俺の彼女』が途中でして気になるところですが、まぁ、司くんなんとかつくしと初夜を迎えれたので、このタイミングで少しお休みさせて頂きたいと思います。

出産予定は12月の終わり(もしかしたらつくしと同じ誕生日になるかも!)なので、もうそろそろつわりも落ち着くかと思いますが、それまでもうしばらく時間をください。


いつもいつもご訪問頂きましてありがとうございます。
体調が整いましたら、また格好いい司を書きたいと思います。


司一筋。

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 2016_06_24







メープルのプライベートルーム。
ここに誰かを入れるのは初めてで、もし入れるなら牧野だけと決めていた。

カードキーでドアを開け、部屋に入るなり今日初めてのキスをする。
これから朝までずっと一緒にいれるのに、この一瞬さえも離れるのが惜しいほど、俺はこいつが愛しい。

ようやく離した唇で、
「俺は向こうのシャワー使うから、おまえはここの使え。」
そう言うと、コクコクと牧野が頷いた。








俺から遅れて5分。
バスローブ姿の牧野がバスルームから出てきた。
同じバスローブに身を包むとそれだけで照れ臭い。

「少し飲むか?」

そう言ってシャンパンが入ったグラスを渡すと、
少し口につけた後、一気に空けるこいつ。

「おいっ、」

「ん、美味しい。」

「おまえ、意外に強い酒だから、一気に飲むな。」

「だって喉乾いてたから。もう一杯欲しいな。」

普段舐めるほどしか飲まない酒なのに、2杯も飲ませるのは気が引けるが、それでも頬を赤くして俺にグラスを差し出すこいつが可愛くて、
「少しだけだからな。」
と言いながら2杯目を注いでやる。

渡してやったグラスを再び口につける牧野は、
「やっぱり美味しい。」
そう言いながら、ごくごくといいスピードで飲んでいく。

それを横で見ていた俺は、あともう少しでグラスが空になるところで、牧野の手からグラスを奪い取った。

「飲みすぎだ。」

「……2杯ぐらい、」

「ダメだ。おかわりは……後でな。」

そのあとのこいつの文句は俺の口で塞がれて聞こえない。
ほんのりシャンパンの香りが残る牧野の体を抱き抱え、ベッドまで運ぶと、

「……電気、消して。」
と、最後のこいつのお願いを聞いてやり、俺たちの初めての夜は始まった。






バスローブの下の牧野の体は、想像以上に柔らかく温かかった。
緊張した体を全身余すことなく解かして、お互い十分に準備が整ったあと、ゆっくりと牧野の中へ入った。

頭の横に置かれた牧野の手に指を絡め、優しく腰を上下すると全身の熱が一気にそこへ集まるような快感にのまれていく。

くちゅりと濡れた音と牧野の堪える小さな吐息に、なんとも言えない罪悪感と幸福間に酔いしれる。

「大丈夫か。」

「……う…ん。」

頬を染め、目を潤ませ、下から俺を見上げる牧野の指が俺にしがみつき、そしてもう片方の手は自分の顔を隠すように口元に置かれた。
牧野の顔をよく見たい俺は、その手をどけようとして掴むも、嫌々と首をふるこいつ。

「牧野?どうした?」

「……ううん。」

それでも、手をどけないこいつに、もう一度
「嫌か?」
そう聞くと、

「……違う。……声、……声が出ちゃうから。」
と、予想以上に堪んない答え。

そんなことを聞いて、「そうか。」とおとなしく納得出来る男なんていねぇだろ。

さっきまで優しく揺らしてた腰を奥まで突いて、牧野の両手を頭の横に固定してやる。

「……ンッ……ヤッ……道明寺っ……」

「声ぐらい聞かせろよ。」

「……アッ……ンッ……」

部屋に響く水音と、甘い牧野の声。

どんなに俺が優しくしても、
初めてだから、痛みもあるだろうし、
恥ずかしさと緊張で気持ちいいなんて思えないだろう。

けど、
おまえが好きで、愛しくて、堪んないという気持ちを全身で感じてもらいてぇ。

絡まる指、名前を呼ぶ声、重なる唇、触れる手、
その全部に思いをのせて。


「牧野……愛してる。」




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 2016_06_21







大勢の学生の前で俺のことを『道明寺』と呼び、邸に行ってもいいかと親密さを自らアピールした牧野は、俺の目から見ても相当に頑張った。
その勇気がめちゃくちゃ可愛くて、今まで待った甲斐があったと嬉しさが込み上げる。

牧野の講義か終わるのを待って、予定通り邸に向かった俺らは、俺の部屋のソファに並んで座り、牧野が言う『見るはずだったDVD』を今まさにこれから見ようとリモコンのボタンを押したとき、

抜群のタイミングで部屋のドアがノックされ、こっちの返事なんて聞く気もねぇ奴等が乱入してきやがった。

「よっ、お二人さん。」

「堂々、交際宣言したから早速ラブラブしてるって訳か?」

分かってるなら邪魔するなっ、とこの乱入してきたバカお祭りコンビに声を大にして言ってやりてぇ。

「おまえら何しに来たんだよっ。」

「おいおい司~、冷たいこと言うなよ。
せっかくおまえらがこれから堂々と交際出来ることになったんだから、お祝いぐらいさせてくれよ。」

「いらねぇ、帰れ。」

「牧野、おまえに特別にケーキ買ってきてやったぞ。
食うだろ?」

そう言って総二郎がケーキの箱を牧野に掲げて見せると、この女は釣られねぇ訳がない。

「食べる。」

即答しやがる牧野を横目でギロッと睨んでやると、

「DVDはいつでも見れるから、ね?」
と、論点ずれまくりのこいつ。


そうじゃねーだろ。
DVDなんて関係ねぇ。
俺はおまえと二人きりで過ごしてぇんだよ。

そんな男の機微も欲望もこいつには届くはずもなく、総二郎に渡されたケーキの皿を嬉しそうに受け取る牧野。

そんなこいつに、総二郎とあきらの目を盗んで、
あー、と俺は口を開けてやる。

ん?と最初は戸惑ってた牧野も、意図を理解したのか顔を赤くしてクリームが乗ったフォークを俺の口に入れた。

甘いケーキは俺の好みじゃねーけど、
でもこの食い方なら、悪くねぇ。







散々俺の部屋で寛いだお祭りコンビは、タマに誘われるがまま夕食まで食いやがり、結局帰ると言い出したのは8時過ぎ。

やっとここから牧野と二人きりになれると思ったのに、
「あたしもそろそろ。」
と、こいつまで立ち上がる。

引き留めたいのは山々だが、実家暮らしに加え、この間俺の招いた誤解から3日も外泊させた手前、強く引き留めることも出来ず渋々俺の車で牧野の家まで送ることにした。

あっという間に実家の前につき、車から降りたこいつを正面から見つめる。

そういや、今日はキスさえもしてねぇ。
出来るなら、軽く触れるだけでもしたい。
けど、ここは実家の前だ。
牧野はそういうことに結構神経質で、実家の近くでは車の中でも抵抗があるらしい。

キスは無理でも、せめてハグくらい……、
そう思い、ゆっくりと牧野の体を引き寄せると俺の腕の中にしまいこんだ。

今日のこいつは意外とおとなしく、されるがまま黙っている。
それをいいことに、更に強く抱きしめた俺は、何気なく実家の方に目を向けた。
そして、気付いた。

「なぁ、誰もいねーの?」

「ん?」

抱きしめられたまま俺を見上げて答える牧野。

「おまえの家、真っ暗じゃん。」

「あー、うん、今日は誰もいないの。」

「どこいった?」

確か、もう9時は過ぎている。
この時間に誰もいないのは珍しい。
すると、こいつの口から思いがけない言葉が出てきた。

「パパとママは会社の旅行で家族同伴してる。
進は友達と2泊で山登りだって。」

俺を見上げてそう答える牧野と、そんな牧野を至近距離で見つめ返す俺。

「なぁ、ってことは今日は誰も帰ってこねーってことか?」

「……そうだけど、」

「早く言えよっ!」

「はぁ?」

突然怒鳴った俺を不思議そうに見つめる牧野に俺は言った。

「誰もいねーなら、……いいだろ?
おまえのこと、帰したくねぇ。」

「えっ……、」

「……ダメか?」


俺の言葉にゆっくりと下を向くこいつ。
そして、そのあと小さくコクコクと頷いた。


「……マジ?いいのか?」

……コクン。

「このままメープルでいいか?」

……コクン。

「行くぞ。」


こいつにだけ聞こえるようにそう囁くと、牧野の手を握り、さっき降りたばかりの車に乗り込んだ。



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 2016_06_16






道明寺いつだってそう。
横暴でわがままで自己中なくせに、
どうしようもないほど…………優しい。

付き合ってることを内緒にしたいと言ったときも、あいつは納得出来ないと言ったけれど、結局はこうして最後の最後まで約束を守ってくれる。

あたしが勝手に誤解して3日も電話に出なかった時も、ひとつも責めずに迎えに来てくれた。

今思えば、付き合ってからあたしは道明寺から貰ってばかりで返すと言うことをしていないような気がする。
元々の性格が正反対で、愛情表現の仕方が180度違うあたしたちだけど、でも、『貰う』ということがこんなに嬉しいことだと言うことをあたしは道明寺から教わった。

だから、今度はあたしが返す番。






香苗さんと別れて道明寺を探すためキャンパス内を歩き回る。
ちょうどお昼時で、いつものカフェテリアを覗くと、F4が揃って2階の専用スペースへ上がるところだった。

あたしは急いでカフェテリアに入ると、階段を半分ほど上がった道明寺に向けて大きく叫んだ。

「道明寺っ!!」

そのあたしの叫び声に、道明寺だけじゃなく、その場にいる学生が一斉に振り向いた。
天下の道明寺司を呼び捨てにする人は、どこを探してもこのキャンパスにはあたししかいない。

「……牧野?」

驚いた顔でそう呟く道明寺に、

「あ、あ、あのね、お昼……お昼ご飯一緒に、ど、ど、どう?」
と、吃りながらもなんとか言うあたし。

「……あ?」

「だ、だから、お昼食べた?」

「まだだけどよ、」

「じゃあ、一緒に食べよう。」

あり得ない会話を繰り広げるあたしたちのことを、ジロジロと好奇の目で見つめる学生の視線に耐えきれず、あたしは急いで道明寺の側まで行くと、腕を取り階段の上へと進もうとしたとき、道明寺の目が怪しく光るのが見えた。

「牧野、今日は下で食おうぜ。」

「へ?」

「いつも同じ場所じゃ飽きんだよ。
だから、今日はおまえがいつも座ってる下の席で食おうぜ。」

そう言って階段を上がりかけていたあたしの体を強引に反転させ階段を下りさせる道明寺。
そして、いつもあたしが座ってる席に並んで腰を下ろすと、

「おまえ今日、バイトは?」
と、 聞きながら自然な動作であたしのお弁当を広げていくこいつ。

他の学生の注目を浴びながら悠長にあんたと会話するほどあたしの心臓は強くないっ、と訴えたいのに、そんなあたしのドキドキなんてお構いなしに、

「これ、新作?」
とか言いながら、あたしのお弁当のおかずを食べていく。

「ど、道明寺……」

「あ?なんだよ。」

「やっぱり上に行こう。」

この状況に堪らず、2階にあるF4専用スペースを指差しながら言うあたし。
そんなあたしに、道明寺が言った。

「おまえは何がしてーんだよ。」

「……え?」

「どうして俺を誘った?」

「…………。」


どうして、
こんな大勢の学生の前で、
噂になるのも承知で、
勇気を出して『道明寺』と呼んだのか。


答えは分かってる。




「道明寺、今日あんたの家に行ってもいい?」

「……牧野?」

「今日、バイト休みなの。
だから、この間見る約束だったDVD一緒に見よう。」



これが、
あたしが出来る精一杯の『交際宣言』。
それを、目の前のこの人は、


凄く嬉しそうに微笑んでくれて、
あたしの頭をくしゃっと撫でてくれた。






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 2016_06_13






3日ぶりのキャンパス。
あれほど学校とバイトは休まず生活してきたのに、色恋沙汰で3日も休むなんて……と、自分でも情けない。

自分自身に自嘲しながら、心を入れ換えてキャンパス内を歩いていると、なぜか周りの視線が痛い。
さっきからヒソヒソと何かを囁きながらあたしを見つめる学生たち。
その目は敵意というよりも、好奇に近い。

不思議に思いながらも講義を終えて、キョロキョロとキャンパス内を目的の人を探して歩く。
そう、あたしは香苗さんに会うために今日ここに来た。

香苗さんに会って、きちんと道明寺とのことを伝えたい。
逃げず、隠さず、道明寺が好きだと言いたい。

そう決意しながらキャンパス内を歩いていると、正面から目的の人、香苗さんが歩いてくるのが見えた。
彼女もあたしに気付き一瞬立ち止まったあと、まっすぐに近付いてくる。

「香苗さん、少し話出来ませんか?」

何度も練習したその言葉を口にすると、
香苗さんはいつもの愛らしいスマイルで、

「私も牧野さんにこれ、返したかったから。」
と、手に持つ袋を掲げて見せる。
そこにはあたしが貸したパーカー。

「あまり時間がないから、そこでもいい?」
と、香苗さんが指差したベンチに、あたしはコクンと頷いて、
「飲み物、買ってきます。」
そう言って近くのカフェテリアまで急いだ。








ベンチに並んで座り、あたしが買ってきたコーヒーに口をつける。
昨夜、何度も考えた。
香苗さんにどう話そうか、なんて説明しようか、
でも、いざ目の前にすると、そんな小細工は吹っ飛んで、素直に口から出たのは、

「ごめんなさい。」
その一言だった。

「フフフ……何に対しての『ごめん』なの?」

「それは、……あたし香苗さんに嘘ついてたから。
道明寺とのこと、黙っててごめんなさい。」

もう一度そう言って隣に座る彼女に頭を下げると、
「嘘つかれた覚えはないわよ私。」
と、香苗さんが言う。

「……え?」

「まぁ、はっきり付き合ってるって話してくれなかったのは寂しいけど、でも、どんなに否定されても司を見れば分かるしね。」
そう言ってクスクス笑う香苗さん。

「私ね、司のことは5才のときから知ってるの。
悪ガキだった幼稚舎の頃も、孤独だった思春期の頃も、全部見てきた。
だから去年のNYでのパーティーで久しぶりに会った司を見てびっくりしたわ。
穏やかっていうか、満ち足りたっていうか、簡単に言えば『幸せ』って顔に書いてあるかんじかな。これは女だなってすぐにピンときた。」

「女っ?」

「好きな人が出来たってことよ。
司のことをこんなに変えるような女がね。」

「はぁ……。」

自分のことなんだろうけど、まったくピンとこないあたしは腑抜けた返事しか返せない。

「なんか、そんな司見てると悔しくてね。
昔から知ってる私には全然構ってくれなかったくせに、彼女にはそんな優しい男の顔するんだーって。
そう思ったらその彼女の顔を見てみたいって思ったの。」

「へ?」

「だから私が日本に来た理由は、牧野さんに会うためだったのよ。
最初から司には彼女がいるって分かってたし、それが牧野さんだってすぐに分かった。
二人は隠してるつもりかも知れないけど、司を見ればバレバレ。
だってあいつ、牧野さんのことずっと目で探してるし、牧野さんが大切だって目が言ってるもんね。」



それはきっと道明寺だけじゃない。
あたしの目も物語ってる。
道明寺が大切だって…………。




ベンチに座るあたしたちの前を学生が何人も通りすぎていく。
そんな学生があたしに気付くと、さっきと同様ヒソヒソと何かを囁きながら見ていく。

さっき感じた違和感を、また同じように感じて首をかしげると、そんなあたしを見て香苗さんが言った。

「司、昨日フライングしたのよ。」

「え?フライング?」

「そう。昨日、図書館で私と勉強してるときに後輩が近付いてきて私たちに言ったの。
『二人は付き合ってるんですか?』って。
そしたら司、静かな図書館で大きな声で言ったの。
『俺が惚れてるのは牧野つくしだ』って。」

「えっ!!」

思わず大きな声で叫んだあたし。
それを見て香苗さんが、
でもね……と続けた。

「あいつ、そんなときでも牧野さんとの約束は守ったんだと思う。
『付き合ってる』とは言わなかったわよ。
ただ自分が惚れてるって。」


そう言ったあと、
「ほんとやってらんないわよね、まったく……」
と香苗さんが呟いた。





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 2016_06_10







牧野と3日ぶりに会いその体に触れると、安心感と同時に抑えてた欲望も溢れ出してくるが、
公園という場所では、これ以上深くすることも出来ず、欲望を抑えたまま軽いキスを繰り返す。

ようやく離した唇で、
「牧野……」
と名前を呼んだとき、
牧野の体から携帯の着信音が聞こえだした。

ポケットから携帯を取り出して画面を見た牧野は、
「ママから。」
と小さく呟き俺の顔を見る。

「出ろよ。」

「うん。」

そう言って携帯を耳に当てた牧野は、
「……うん、分かってる。……今日は帰るから。
……うん…………うん…………じゃあ、あとでね。」
と返事をしたあと電話を切った。

「母親、なんだって?」

「今日は帰ってくるのかって。」

「なんて返事した?」

分かっていながらそう聞く俺に、
「帰るって言った。」
と当たり前のように答えるこいつ。

そんな牧野をじっと見つめながら言ってやる。
「俺と3日ぶりに会ったのに、これで終わりかよ。」

「……え?」

「こんなお預け状態でさよならか?」

「…………。」

「場所変えて、この続きしようぜ。」

「……っ!」

俺が発した言葉の意味をようやく理解したのか、みるみるうちに顔を赤くするこいつに、今日は3日間俺を放っておいた罰として、更に追い討ちをかけてやる。

「俺との時間もちゃんと考えろよ。
こんな状態で帰れねぇっつーの。」

そう言って外壁に座る牧野の両膝を割り、俺の体を密着させる。
正直言うと、もうすでに反応仕掛けてる下半身をこれ以上刺激すると俺自身が辛い。
でも、この鈍感女にはこれぐらいしてやらねーと伝わらねぇ。

すると、いつもにも増して攻撃的な俺に、案の定すぐにテンパる牧野は、

「道明寺っ、待って!バカっ、こんなところで何してんのよっ。
それ以上近付いたら大声だすからねっ!」
と、俺を犯罪者扱いしやがる。

その必死な顔がめちゃくちゃ堪んなくて、そんなこいつに思わずクスッと笑いが漏れた俺に、

「……なに笑ってんのよ。」
と、睨む牧野。

「俺は犯罪者かよ。」

「そうじゃないけど……、」

「そんなに嫌か?俺とこういうことするの。」

自分でもずるい質問だってことは分かってるけど、こいつの気持ちをちゃんと知っておきたい。

「牧野、」

「……ごめん。」

「なんで謝る?」

「あたし、いつも言葉にしないから、あんたに誤解させてるかもしれないけど、……でも、ちゃんと考えてるから、道明寺とのこと。
……嫌じゃないよ……嫌なんかあるはずない。」


そう言って、牧野は辺りをキョロキョロと確認したあと、照れながらもゆっくり俺にキスをした。







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 2016_06_08






道明寺から逃げて3日目。
優紀が仕事に出掛けたあと、お世話になった部屋の掃除をしたり、使わせてもらった布団を干したり、冷蔵庫の食料の補充をしたり、いよいよ帰る身支度を始めたあたし。

昨夜、明日はもう帰ろう、道明寺と向き合おうと決心したあと、携帯に何件も残る留守電のメッセージを再生した。
そこには、道明寺がなぜ香苗さんと抱き合っていたかの疑問に答えた道明寺からのメッセージもあった。

雨でキャンプが流れ、邸に戻っていた香苗さん。
それを知らなかった道明寺はあたしが来るのを待っていた。
そこに、あたしの服を着た香苗さんがいて……。
真相を知ったあたしは、早とちりした自分の行動に、一人布団の上で頭を抱えた。



次の日、近くのスーパーに寄って飲み物やおかし、優紀の好きなデザートなども買い込んで大荷物で優紀のマンションに戻っているところに、突然後ろから声がかかった。

「そんなに買い込んで、冬眠でもするつもりかよおまえは。」

その声にビクッと立ち止まるあたし。
聞き間違えるはずもない、道明寺の声。

「ったく、逃げ足だけは早ぇーんだよな。」

そう言って道明寺は後ろからあたしの両手に抱えた荷物を奪って
「行くぞ。」
と歩き出した。
突然のことに戸惑うあたしは、その場に立ち尽くしていると、
「来いよ。」
そう言って優しく笑う道明寺。

久しぶりに見る、前を歩く道明寺の大きな背中。
久しぶりに見る、優しく笑う顔。
そんな道明寺を見ていると涙が出そうになる。

優紀の部屋の前まで来ると、
「俺はここで待ってる。」
そう言ってあたしに買い物袋を手渡すと、玄関の横の壁に背中をついて腕を組んだ道明寺。

あたしは言われるがまま部屋に入ると、買い物してきたものを冷蔵庫に並べ、部屋を整え、3日間お世話になったこの部屋にペコリと頭を下げた。








優紀のマンションから歩いてほど近い、大きな公園にたどり着いたあたしたち。
その間も、道明寺は黙ったまま。

この3日間で道明寺からの着信は3桁になった。
その間、ずっとあたしを探してたんだろう、そう思うと、公園に入ってすぐに自然と口から、
「道明寺、ごめん。」
という言葉を発したあたし。

そんなあたしを一瞬じっと見つめたあと、手を引き公園の外壁のところまで連れていく。
そして、抱えるようにしてあたしをその外壁の石段に座らせた道明寺は、目の高さが同じくらいになったあたしの目をまっすぐに見つめて言った。

「3日間、何してた?」

「……優紀の家にいた。」

「その間、何考えてたおまえ。」

「えっ、何って…………、」

どう答えていいか迷ってるあたしに、道明寺は更に1歩近付き距離を縮めて言った。

「俺に会いたくなかったのかよ。
俺のことばっか、考えてたんじゃねーのかよ。」

その言葉はバカみたいに俺様なのに、
その言い方は切なくなるほど拗ねているようで、
あたしの目の奥にジワッと涙が溜まる。

「…………会いたかったよ。」

消え入りそうな声でそう答えたあたしに、

「俺も。会いたくて溜まんなかった。」

そうはっきりと返してくれる道明寺。
そんな道明寺にきちんと伝えたくて、

「……あんたのことばっかり考えてた。」

下を向いてそう続けたあたしに、

「俺も、おまえのことしか頭にねーよ。」

と、あたしの頬に手を添える道明寺。




こんな昼間に、
遊具で遊ぶ子供も、ジョギングする大人も、
たくさんにいる昼間の公園で、
絶対に、するような事じゃないのに、

重なったあたしたちの唇は、なかなか離すことが出来なくて、

あたしたちを囲む大きな木々たちに身を隠しながら、何度も何度もキスをした。






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 2016_06_06






「牧野っ!!」

傷付いた顔で俺の前から立ち去った牧野を呼び止めながらも、現実に何が起こったのかすぐに理解できなかった。

そんな俺を現実に戻したのは、
「司?」
振り向きながら不思議そうにそう呟く香苗の声だった。

「……おまえ、どうしてここに?」

「雨でキャンプ中止になったの。
それより、……牧野さん……」

「この服は?」

「あー、これ?
牧野さんが校内で貸してくれたの。
……もしかして、司、」

「チッ……、ハァ…………」

自分のバカさ加減に思わず舌打ちとため息が漏れる。
浮気を疑われるほど信用されてねぇとは思わねーけど、どんな事情があれ誤解を招く決定的な場面を見られたことに変わりはない。

ポケットから携帯を取り出しながら、牧野が逃げた道を駆け出した俺。
頭上からは相変わらず雨が降り注ぐ。
そんな空を見上げながら、
『こんなはずじゃねーんだよ。』
と、甘い夜を期待してたさっきまでの自分に愚痴った。





*********************


「つくし、いつまでそうしてるつもり?」

飽きれ顔であたしを見つめる優紀の目が痛い。

優紀の家に転がり込んで2日目。
道明寺邸を飛び出して、結局はここに逃げ込んだ。

「道明寺さん、心配してるんじゃない?」

分かってる。
ここ2日で道明寺からの着信は見るのも恐ろしいほど積み重なっている。
でも、どうしても電話に出る勇気がでないのだ。

『別れよう。』
『香苗と付き合うことになった。』

その言葉を聞いたら、あたしはどうなっちゃうんだろう。
自分で自分が分からない。
でも、きっとヘラヘラ笑うんだろうな。

『分かったよ。あたしは大丈夫。
幸せにね。』

そんな嘘を口から並べながら、一人で泣くんだろうな。

そんなバカな自分を想像してると、
「つくし、顔がヤバイよ。」
と、呟く優紀。

「え?」

「さっきから、泣きそうだったり、怒ったり、時々ヘラヘラ笑ったり、見てるこっちが鳥肌たつわよっ。」

「……ごめん。」

心の葛藤が顔に出ていたらしい。

「優紀、……迷惑かけてごめんね。
明日には出ていくから。」

「いいの、いいの。
うちのことは心配しないで。
ようやく一人暮らし始めたけど、やっぱり寂しいのよね。
だから、つくしが来てくれて嬉しい。
いつまででもいてもいいわよ。」

進学よりも就職を選んだ優紀。
地元の信用金庫で働き始め、一人暮らしも始めた。

「優紀は彼氏とうまくいってるの?」

「私?
んーまぁー、うまく行くっていうのがどういうことか分かんないけど、私なりにうまくやってる。」

「どういう意味?」

「そもそも、私の彼氏は遊び人だから。
女の子と二人で食事にいくなんて当たり前だし。
ダメ男を好きになる癖は直ってないみたい。」

そう言って笑う優紀。

「それでいいの?」

「……うん、いいの。
だって好きなんだもん。
彼も好きだって言ってくれるし、今のところ彼女は私だけみたいだから。」

「…………そっか。」

「つくし、『好き』って気持ちは隠しても隠せないって私は思う。
道明寺さんから感じない?
つくしを好きだっていうパワー。」

道明寺があたしを好きだっていうパワー。

感じてる。
言葉だけじゃない。
いつだって全身で好きだってことを表してくれる道明寺。
それがあたしを安心させ包んでくれる。

それなのに、あたしは…………。
周りに嘘をつき、道明寺を好きだという気持ちを隠してきた自分。
そんなあたしは道明寺を安心させ包み込むことが出来ていたのだろうか。


「つくし、道明寺さんがほんとに浮気したと思ってる?」

「…………。」

「あの人、そんなことしないでしょ。
それはつくしが一番分かってるはず。
きちんと道明寺さんの話を聞いて、
そして、きちんと自分の気持ちもぶつけてみたら?」


あたしに洗い立てのパジャマを手渡しならそう言った優紀は、
「私はほんと、いつまででもつくしにここにいて欲しいと思ってるから。」

そう言ってヒラヒラと手を振り、寝室へと消えていった。




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 2016_06_03




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プロフィール

司一筋

Author:司一筋
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