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nephew 9

Category: nephew  




昼休憩。
自作の簡単なお弁当を食べたあと、隣の席の事務のえみちゃんが差し入れしてくれたクッキーを囲み事務所で談笑していると、携帯がなった。

画面を見ると『俺様』

慌てて席をたち事務所を出て、廊下の隅で携帯を耳に当てる。

「もしもし。」

「俺だ。」

「どうしたの?」

こんな時間に道明寺から着信があるなんて珍しい。
だからか、何かあったのかと不安になる。

そんなあたしに道明寺は予想もしない『提案』をしてきた。
邸で暮らさないか。
しかも、それが道明寺のお母さんからのお願いだという。

泊まったことさえこの間が初めてだというのに、暮らさないかなんて予想もしなかったあたしは、黙ったまま答えに詰まる。
そんなあたしを誤解したのか道明寺は、
「おまえが嫌なら無理しなくてもいい。」
なんて呆気なく言う。

嫌ではない。
むしろ、子供は大好きだしこっちまでパワーを貰えるようで一緒にいると楽しい。
でも、期待されるほど一緒に過ごす時間があるかどうかも分からないし、宗太くんもそれを望んでいるかどうか…………。

そんなあたしの不安をこの人は一蹴する。

「迷ってるなら邸に来い。
宗太のためになれるかなんてどうだっていい。
俺のために邸に来い。」

その言葉を聞いて、あたしは自分に嘘をついていたことに気付いた。
あたしが迷ってるのは宗太くんのことじゃない。
道明寺があたしが邸で暮らすことをどう思ってるのか……その事が不安だったんだって。


あたしたちはもう8年の付き合い。
その間何度も同棲や結婚の話をしてきた。
大学を卒業したらすぐに結婚しようという道明寺を説得して就職したあたしは、無事に司法試験にも合格し弁護士として歩み始めた。
そうして時間にもゆとりが出来はじめた頃、今度は道明寺の仕事が忙しくて結婚どころではなくなった。

出張、出張が続く毎日で、日本にいる時だけあたしの部屋に泊まる生活。
一週間近くもあたしの部屋に来ることもあり、まるで同棲しているかのような時期もあった。

それがここ最近お互い仕事も落ち着いてプライベートな時間も作れるようになり、週末のデートや仕事帰りの待ち合わせなど普通の恋人のような付き合いが出来るようになった。

昔よりも時間にも気持ちにも余裕が出来たはずなのに、
なぜか少しだけ不安だった。
なぜなら…………、
道明寺が『結婚』も『同棲』も言わなくなったから。

昔と変わらずほぼ毎日電話やメールはするし、出張でもない限り週末は少ない時間でも会いに来る。
一緒にいれば相変わらず何もしないなんてことはなく、休みの日の前日は寝かせてもらえないことも多々。

だから、浮気や愛想をつかされたとは思ってないけれど、昔のようにあたしと『一緒にいたい』という気持ちは薄いのかなぁ、なんて思ったりもしてた。

だから、電話の、
「俺はおまえと一秒でも長くいてぇ。」
その道明寺の言葉が素直に嬉しくて、

「牧野さん、なんかいいことありました?」
なんて、席に戻ったとたんえみちゃんに聞かれるほど顔が紅潮してたあたし。









道明寺の電話から3日目。
金曜の夜に道明寺邸へと行くことが決まった。
道明寺も仕事を早めに切り上げてあたしの部屋まで迎えに来てくれるらしい。

すぐに戻って来れるとはいえ、ある程度の荷造りをして部屋で待っていると、ベルと共に道明寺が部屋に入ってきた。

「早かったね。」

「おう、早めに切り上げた。
用意出来てるか?」

「うん。」

「運転手に荷物運ばせる。」
そう言って道明寺は携帯で運転手を呼ぶ。

「あんた、自分の車で来なかったの?」

「ああ、出先からそのまま直帰したからな。」

そう言うのと同時に部屋の外から声がかかり馴染みの運転手さんが顔を出す。
ペコリと頭を下げると向こうもニコリと笑いながら丁寧に頭を下げてくれる。

「これ、車に運んでくれ。」

「はい、かしこまりました。」

「運んだらそのまま少し待機しててくれ。」

「はい。」

道明寺の指示に従い荷物を持って部屋を出ていく運転手さんを見送り、あたしも最後の手荷物をかき集めて部屋の戸締まりを確認していると、
すっとあたしの側に来た道明寺が後ろからあたしを抱きしめてきた。

「ど、道明寺っ?」

焦るあたしなんてお構い無く、そのまま壁へと追い詰めると、クルリと反転させられて抵抗するまもなく唇を奪われる。

「……んっ……道明寺ぃ……」

抗議の声も虚しく、キスだけじゃ止まらない道明寺は、あたしの服の中にまで手を差し入れてきて、ブラの隙間から入り込んでくる。

「ちょっ……道明寺っ!」

「んだよ、少しはおとなしくしろ。」

「バカっ、おとなしくなんてしないっ!
あんた何してるのよっ。
運転手さん待ってるでしょ!」

「待機させてるから問題ねぇ。」

「待機って……あんた計画的犯行ってこと?」

「さすが弁護士。」

「うるさいっバカ!」

文句を言うあたしの口を塞ぎながらクックッと笑う道明寺は、それでも止めなくて、左手はもうあたしのスカートを下着が見えるほどまくりあげている。

「……道明寺……ほんとに、……これ以上は、」

頭では絶対今は無理だって分かってるのに、器用にあたしの弱いところをついてくる道明寺の手に、頭がクラクラしてきて、お願いだからこれ以上は……と懇願するしか出来ないあたし。

そんなあたしに、
「どうせ、邸に戻ったら宗太に邪魔されて出来ねぇだろ。
だから、俺的には今してぇーんだけど。」
と、相変わらず色気駄々漏れの顔で迫ってくる。

「ムリムリ。」

「無理じゃねえー。」

「ダメだって!」


ここまで言えば無理強いはしないのは分かってる。
でも、先週も……してないし、その前はあたしの生理でずっと出来なかったし、ここ数週間道明寺に我慢させてる自覚があるだけに、申し訳ない。


邸で暮らすようになったら、
こういう問題はどうしたらいいんだろう。
道明寺のキスを受け止めながらそんなことを考えているあたし。



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 2015_12_30


nephew 8

Category: nephew  




牧野と久しぶりにゆっくりとデートをする予定だった週末は、結局宗太のお守りで二人きりになることはほとんど出来なかった。

でも、はじめて牧野が邸に泊まり俺の部屋にずっといる。
そのことが無性に嬉しくて、こんなにも癒されることなんだと改めて気付かされた。


あれから、4日目。
宗太の様子が…………おかしい。


いつもは、俺が帰ってくるのを待ちわびてエントランスまで駆けてきたり、食事中もタマやババァに今日学校であったことを楽しそうに話していたはずなのに、ここ数日は自分の部屋に引きこもっているか、姉ちゃんの病室に入り浸っているらしい。


「今日もあいつはいねーのか?」
朝食の時にそこにいるはずの宗太の姿がないのを見てタマに聞くと、

「昨日も病室に泊まったようですよ。」
と、困った顔で答えるタマ。

「学校は?」

「学校には行ってますけど、昨日は頭が痛いって早退してきて部屋でゲームをしてました。
ここにきて、ホームシックにでもなってしまったんでしょうかね宗太坊っちゃんは。」

「ただのサボリだろ。」

「そうだといいですけど、日に日に元気がなくなってるようで、タマもどうしたらよいのか。」

そんなことをタマと話していると、ダイニングにババァが入ってきて自分の席に無言で座った。
タマがババァにコーヒーを出すのを見計らって、俺は席を立とうとしたとき、それを制するようにババァが言った。

「司、ちょっと時間いいかしら。」

「あ?……今か?」

「ええ、そうよ。座って。」

こんな時間にババァに呼び止められて話があるとすれば仕事のことではなさそうだと直感し、嫌な予感がする。

「実は、…………牧野さんのことだけど、」

「なんだよっ。あいつのことで今更グダグダ言われる筋合いはねーよ。」

嫌な予感があたって、話の内容も聞かずに怒鳴る俺に、

「はぁーーーー、まったくあなたって人は。」
と、なぜか呆れ顔のババァと、それを見て苦笑するタマ。

「なんだよ…………牧野がどうかしたのかよ。」

「ええ、彼女に折り入ってお願いがあるんですけど、その前にあなたに話を通しておかないとまた暴れると思って。」

「暴れるって……。とにかくっ、お願いっつーのはなんだ?」

ババァが牧野に頼みごとをする、そんなことは今まで一度だってなかったし、その内容は予想もできない。

「実は、宗太のことなんだけど、」

「宗太?」

「ええ。最近、椿にベッタリで病室から離れられないのよ。
ホームシックにかかっているようで椿も困っているわ。
この間の週末にあなたと牧野さんと過ごしたことがよほど楽しかったようで、一気に静かになったこの邸が寂しくて仕方ないみたい。
そこで、私からのお願い……、
牧野さんさえ良ければ、しばらくこの邸で一緒に暮らして頂けないかしら。」

「…………。」

「仕事も私生活も今まで通りで構わないわ。
ただ、時間があえばこうして一緒に食事をして、宗太と他愛のない時間を過ごして貰えたら嬉しいの。」

「でも、いくら宗太の為だからって、牧野の負担が重すぎるだろ。」

「ええ、それはわかってるわ。
でも、将来のためにはここでの生活に慣れておくのもいいかと。」
そう言って意味深にニヤリと笑うババァ。


牧野がこの邸で暮らす。
それは、結婚まで叶わぬ夢だと思ってたこと。
それをまさかババァから提案されるとは。


「これでも、宗太のことを言い訳にして、あなたに協力してあげてるつもりよ。
この間のデートの埋め合わせに、二人で旅行に行きたいからって仕事の休みを要求してたけど、仕事の都合上、今はそれは無理よ。
でも、私の提案なら、毎日仕事から帰ってくれば彼女に会えるわよね?どう、悪くないでしょ?」


ああ、想像しただけで……悪くない。
毎日、声だけでも聞ければいい方なのに、この邸に牧野がいるなんて。


「牧野には俺から話す。
少しでも難色を示したら、そこでこの話はなしだ。
それでいいか?」

「ええ、もちろん。」






その日の昼に牧野の携帯をならす。

「もしもし。」

「俺だ。」

「どうしたの?」

日中に電話をかけることはほぼないからか、驚いた声のこいつ。

「今、少しいいか?」

「うん、1時までなら。」

そこで、今日の朝ババァから聞かされた『お願い』を牧野に話す。
話終えた俺に、牧野は黙ったままだ。

「…………。」

「無理ならはっきり言ってくれ。
おまえに強要するつもりはねーし、仕事のことだってあるしよ。」

「…………。」

それでも、電話の向こうの牧野は黙ったまま。
腕時計を確認すると、もうすぐ1時。

「返事はいつでもいい。
考えてみてくれ。」

「……ん。」

「じゃあな。」

「道明寺っ。」

「ん?」

電話を切ろうとした俺を牧野が呼ぶ。

「道明寺は……道明寺はどう思う?」

「どうって?」

「だから、……あたしが邸にいることで宗太くんが元気になると思う?
具体的に何が出来るかなんて分からないけど、それでもいいと思う?」

真面目なこいつらしく、自分が宗太の為になれるかを気にしてる牧野。
そんなこいつに、俺は言ってやる。

「おまえが迷ってるなら邸に来い。
宗太のためになれるかなんてどうだっていい。
俺のために邸に来い。」

「ちょっと、あんたの為って趣旨が違ってくるでしょ。」

「違わねーよ。
俺はおまえと一秒でも長くいてぇ。
だから、」

そこまで言ったとき、電話の向こうで1時を知らせるベルがなる。

「あっ、道明寺、1時だから仕事に戻るね。」

「おいっ、まだ話の途中……、」

「フフフ……あんたのストレートな気持ちはよく分かったから。
お母さんに伝えて。
『今週末に行きます。』って。
じゃあね、」


言いたいことだけ言って、一方的に切れた電話。
でも、その最後の言葉が甘く俺の耳に残る。






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 2015_12_29






昨日に続き、更新をお休みさせて頂きます。
仕事は一段落ついたのですが、気を利かせてくれたのか旦那様がクリスマスプレゼントに温泉旅行をプレゼントしてくれまして、ただいま札幌へ逃避行中です。

ほんとは仕事の疲れや忘年会での二日酔いで、家でまったりしたかったのが本音ですが(笑)、旅行大好きの相方に付き合ってきますよっ。

ボーナスも出たので、中国人並みに爆買もしてやろうと意気込んでる私に、
「それはやめようね。」
と、渋い顔してなだめる旦那。

しょーがないから、爆食いだけにしておきます。

では、温泉から帰りましたら頑張りますので、少しお休みくださーい。
よろしくっ!


司一筋



 2015_12_27


nephew 7

Category: nephew  




結局、付き合って8年目にして初めて邸に牧野を泊まらせたのに、一緒に寝ることさえ出来なかった俺たち。

なぜなら、あのあとダイニングでシェフが用意したデザートを食べた俺たちは、車の中で爆睡して眠気が完全に吹っ飛んでいた宗太に、遅くまでトランプに付き合わされたのだ。

「もう一回、もう一回」
とおねだりする宗太に、

「あと一回だけだからねっ。」
と言いながらも最後まで付き合ってやる牧野。

そうして、結局12時近くまで遊んだ奴等は、俺が飲み物を取りに少し目を離した隙に、ベッドでトランプを握ったまま眠りに入ったようだ。

そんな二人を壁にもたれながら苦笑して見つめる俺に、いつのまにか部屋に入ってきていたババァが声をかけてきた。

「すっかりなついたようね、牧野さんに。
今日はあなたたちの時間を邪魔して悪かったわ。
牧野さんもせっかくの休みなのに、子供の相手をさせられて気分を害したんじゃないかしら?」

「そんな女じゃねーよ、あいつは。」
今日一日の牧野を思い浮かべて即答する俺に、

「フフ……そうね。」
と言って笑いながら立ち去るババァ。
そして、数歩進んでから急に振り返り、

「そういえば、私はダメだと言った覚えはないわよ。」
と突然怒ったように言い出した。

「あ?何がだよ。」

「タマから聞いたわ。
牧野さん、本当にここに泊まるのは今日が初めてのようね。
あなたたち、付き合って何年になるのかしら。
彼女がこの邸に出入りするのをまだ私が反対するとでも思ってるの?」

「……思ってねーよ。けど、あいつにはあいつなりにケジメがあるんだろ。」

「ケジメ?」

「……ああ。いくら付き合いが長くても、結婚前の女が相手の実家に泊まりに行くのはどうのこうのって、いつも昔くせぇこと言ってる。」

「フフ……相変わらず、頑固なようね。
でも、…………うまくいってるのよね、あなたたち。」

「どういう意味だよ。」

「いえ、長々と付き合ってるようだけど、いつになっても関係に変化がないようだから気になってたのよ。
弁護士として一人立ちした彼女に愛想でも尽かされたんじゃないかって。」

「うるせぇ。
心配してもらうようなことは何もねーよ。」

「そう、それはよかった。」


フフフ……と意味深に笑いながら、今度こそ部屋から出ていくババァを見つめ、こんな会話をババァとする日が来るとはあの頃の俺には想像できねぇことだと一人苦笑する。

ババァの言うとおり、もう俺と牧野の間にはなんの障害もない。
付き合いが長くなって今の位置関係がベストだと思う半面、あいつを道明寺の姓にして一緒に暮らしたいとも強く思う。


そんな葛藤を繰り返してきた俺は、今目の前に写るベッドに眠る牧野と宗太を見つめながら、
これが俺らの日常になったらいいなと
強く思っていた。




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 2015_12_25


nephew 6

Category: nephew  




宗太のわがままとババァの一言で邸に初めて泊まることになった牧野は、タマが用意したパジャマに袖を通し俺の隣に座っている。

「あんた、さっきから何ニヤニヤしてんのよ。」

「あ?別にニヤニヤしてねーよ。」

「してるでしょ、自分の顔、鏡で見なさいよ。」

いつもは牧野の部屋でしか見れねぇ寛いだこいつの姿を、俺の部屋で見れることに緩む顔が抑えられねぇ。

「そろそろ寝るか?」

「そう?もう寝る?」

「ああ、今日は疲れただろ。」

このあとも疲れさせることをする気マンマンの俺は、ソファから立ち上がり牧野の腕を取りベッドルームへと行こうとした時、

「じゃあ、明日ね道明寺。」
と、可愛い顔でサラッと言い出すこいつ。

「あ?おまえどこ行くんだよっ。」

「え?隣の部屋。」

「なんでだよ。」

「なんでって、タマさんがあたし用に用意してくれてるから。」

なんか問題ある?っつー顔してそう言うこいつ。
俺はそんな牧野を見て、ハァーーーとあからさまにため息を付いてやる。

「まさかここまで来て別々に寝るわけじゃねーよな?」

「…………あんたもしかして、一緒に寝るつもりだったの?」

まさか……と言わんばかりに俺を見上げるこいつに、俺ははっきり言ってやる。

「当たり前だろバカ。
せっかくの休みなのに、全然二人きりで過ごしてねーじゃん。
まだ、……おまえにキスもさせてもらえてねーんだけど俺。」

「ちょっ……待って、道明寺。」

「今日一日ずっと待たされてるぞ。
俺の言うこと聞く約束だよな?」

ソファに牧野を押し倒し、文句を言わせる前に唇をふさぐ。
こんなに一日中一緒に過ごして、ここまでお預けを食らわされたのは初めてかもしれない。
でもその甲斐あって、我慢した分ご褒美は甘く俺を痺れさせる。

薄く開いた唇を割って舌を挿れると、温かく湿った牧野の舌に下半身が急激に反応する。

「ん……ふ……」

「牧野……」
耳元で名前を呼ぶと潤んだ目で俺を見つめ返してくるこいつに、堪らずにパジャマの上から手を這わせ胸の膨らみをまさぐる。
手に馴染む柔らかさがダイレクトに伝わり、いつものように固く立ち上がる蕾を今すぐ口に含んで刺激してやりたい、甘い声を出させたい、そんな熱い衝動にかられる。

そんな欲求がこいつにも伝わったのか、パジャマの裾から手を差し入れて、ブラジャーを引き下げた俺に、
「道明寺……待って……」
と、焦った声を出す牧野。

「待てねぇ。」

「ん……だめ……」

それでも抵抗するこいつに、俺は
「おまえは我慢できるのか?」
と、聞いてやる。

さっき触っただけでもビンビンに固くなってる乳首。きっと下の方はもうビチョビチョに俺を受け入れる準備が出来ているはず。
あとは、俺だけが知ってるこいつの性感帯をいつものようにゆっくり時間をかけて刺激してやれば、気持ち良く果てるはず。

「こんなになってんのに、途中でやめるのか?」
固くなった乳首をコリッと指先で摘まんでやると、ピクッと反応する可愛い女。

そんな牧野に、
「俺はしたくて堪んねぇ。」
と、ガチガチになった俺のものを腰に擦り付けてそう言うと、赤くなりながらもコクンと小さく頷いた。

それを合図と理解した俺は、ソファの上で再び牧野に口付ける。
今度は待ったなしのやらしい大人のキス。

付き合って8年目。
牧野の体を知ってもう5年以上たつのに、いまだに体を重ねるたびに鳥肌が立つほど興奮する。

今日はどんな風に牧野を甘く鳴かせてやろうか…………、
キスをしながら頭の中は乱れるこいつを想像していると、



トントン……トントン……扉の向こうから
「坊っちゃん、いらっしゃいますか。」
と、現実に俺を引き戻すタマの声。
トントン……トントン


「っ!道明寺っ。」

「…………チッ。」

無視しようとする俺を睨む牧野。
それに観念して、

「なんだよっ。」
と、不機嫌な声で扉の向こうに声をかけると、

「椿さまがつくしに、今日のお礼としてデザートを用意していますので、ご一緒にダイニングにいらしてください。
宗太坊っちゃんと奥さまもすでに席についています。」
と、ありがた迷惑な余計なお誘い。

「ったく、……こんな時間に……」
愚痴らずにはいられねぇ俺は、ソファに寝転んだままの牧野を見下ろすと、

「デザート?」
と、さっきまでの優艶な顔はどこかに吹っ飛んだ嬉しそうなこいつ。

「食いてぇ?」

「う……ん。……道明寺は?」

「俺はおまえが食いてぇ。」

「……えへへー……。」


わざとらしく笑って誤魔化しやがる。
そんな愛しい女を見ていると、
まぁ、男の欲望は今日は我慢してやるか……と、
脱力してソファに沈む俺。






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メリークリスマス。
皆さんに少しでも甘いつかつくを…………。
私からのプレゼントです。







 2015_12_24


nephew 5

Category: nephew  



「それなら、僕もつくしの部屋に泊まる。」

当たり前……みたいな顔してそう言い出す宗太に俺は思わず怒鳴ってた。

「宗太っ、ガキだからってわがまま言ってんじゃねーぞ。
俺はな、月に何日もねえ牧野との貴重な休みを他の誰にも邪魔させねーからなっ。
何のために寝る間も惜しんで仕事してると思ってんだよっ。俺は誰がなんと言おうと、今日は牧野と過ごす!」

「道明寺っ!」

ババァを前にして、恥ずかしいことを口走ってる自覚はあるが、それでも貴重な牧野との時間を邪魔させるわけにはいかない。

そんな俺らを見て、
「宗太、いい加減にしなさい。
つくしちゃんと司にはたくさん遊んでもらったでしょ?
今日はここで二人にバイバイしようね。」
と姉ちゃんが宗太に言い聞かせる。

「やだよ…………グス……まだ……遊びた……かったもん……グス……。」

「また今度にしよう。ね、宗太。」

「……グス……」

生意気な宗太の目から大粒の涙が溢れだす。
姉ちゃんにいい聞かせられ、泣きながらもなんとか頷く宗太。
それを見て、複雑な気分になる俺の腕を隣にたつ牧野が引っ張った。

「ねぇ、道明寺、……ダメ?」

「あ?何がだよ。」

「だから……」

「ダメだ。」

牧野の返事も聞かず却下する俺に、プーとふくれる牧野。

「可哀想でしょ。」

「甘やかすな。」

「甘やかすとか、そう言うことじゃなくて。
どうせ、明日は二人とも休みなんだし、あたしの部屋にお客さん用の布団もあるから。」

「…………、」

「ね?ダメ?道明寺ぃ。」

俺の腕にピタリと体をくっ付けて、ババァたちに聞こえないように小さな声で交渉してくる牧野。
その必死さも、その健気さも、許したくねーのに、許してしまうほどめちゃくちゃ可愛くて、
…………ちくしょー、
こうなったら、もう完敗するしかねぇ。

「あ゛ーーーっ、わかったよ!」

突然でかい声をだした俺に、隣の牧野だけじゃなく、ババァも姉ちゃんも宗太も肩をビクッと震わせて俺を見る。

「しゃーねーなっ!
牧野の頼みだから聞いてやる。
宗太!今日だけ俺たちと一緒に牧野の部屋に行くか?」

「……いいの?」

「よくねーよっ!
けど、こいつがそうしてやれって言うからしゃーねーだろ。
時間が勿体ねーから行くぞ。」

俺がそう言うと、すげー嬉しそうに俺の顔を見上げてくる牧野。
そんなこいつに、耳元で
「おまえの頼みを聞いてやったんだから、今度俺の頼みも聞けよ。覚悟しておけ。」
そう呟いてやると、その意図を理解してるのか赤くなるこいつ。

「つくしちゃん、ほんとにいいの?」

「はい。大丈夫です。
あたしの部屋狭いから宗太くんには窮屈かも知れませんけど、それでも良ければ。」

「ごめんねほんとに。つくしちゃんにまで迷惑かけて。」
そう言って姉ちゃんがベッドの上から牧野に頭を下げる。
その時、それを見ていたババァが、突然立ち上がり俺と牧野に向かって言った。

「牧野さん、あなたさえ良ければ今日は邸に泊まって頂けないかしら?」

「……え?」

「今日一日、宗太がお世話になって二人とも疲れているでしょ。
食事もまだよね?
宗太はあなたたちといられれば場所はどこでも構わないはず。
だから、あなたも今日は邸に泊まってゆっくり休んでちょうだい。」

「いえ、あたしは、」

「あなたと離れたくないのは宗太よりもこっちの大きな駄々っ子のようね。」

そう言ってババァが俺を呆れ顔で見る。

「いくつになっても私の言うことを聞かない司が、あなたの言うことは良く聞くのよ。
宗太が来てから駄々っ子が二人になって、私もタマも困ってたところなの。
牧野さん、大きい方の駄々っ子のお世話、していただけないかしら。」

ババァからの思いがけない提案に、
「はぁ、えーと、そのぉ、」
と、戸惑ってる牧野の手を握り、
「ババァからのお願いなら断れねーよな?」
とだめ押しの一言を俺が付け加える。

困った顔で俺を見上げる牧野の手を、恋人繋ぎに握り直しギュッと力を込めると、牧野は少しだけ微笑んで、
「じゃあ、お言葉に甘えて……、」
と、ババァにペコリと頭を下げた。






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 2015_12_22


nephew 4

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動物園からの帰り道、運転中の俺の携帯がなる。
画面を見ると姉ちゃんから。

ミラーを確認して停車させようとしたが、夕方の混んでいる時間帯でハザードをあげるタイミングがねえ。

「牧野、姉ちゃんから。」
仕方なく牧野に携帯を手渡すと、

「もしもし。」
と、電話に出る牧野。

「……はい、……いいえー大丈夫ですよ。気にしないでください。
お姉さんこそ、体調どうですか?
……あははっー、……ええ、……はい、……そうなんですかー、あははー……はい、」


姉ちゃんと牧野は仲がいい。
俺らが付き合いだした高校生の頃からその関係は変わらず、そのおかげで、何度も俺らのピンチを助けてくれた姉ちゃん。
今では俺よりも頻繁に姉ちゃんと連絡を取り合ってる牧野は、姉ちゃんのことを本当に慕っている。

電話を終えた牧野が俺に携帯を返しながら、
「お姉さんがね、宗太くんを今日は病院に泊まらせるからこのまま病院まで連れてきて欲しいって。」
と後部座席で疲れて眠っている宗太を見ながら言う。

「ったく、俺はタクシーじゃねーんだっつーの。」

「いいでしょ。それに、あたしもお姉さんに会いたいし。」
そう言って俺の肩を、労うように軽く揉んでくるこいつに、

「しゃーねぇな。」
と、答えて病院へと進路を変えた。










姉ちゃんが入院してる病院に着くと、だいぶ眠ったせいか元気を取り戻した宗太は病室までの廊下を猛スピードでかけていく。
それを、
「病院の廊下は走っちゃダメっ!」
とか、なんとか言いながら一緒に激走する牧野。
そして、そんな二人の後ろ姿を見ながら、爆笑する俺。

病室につくとベッドに座る姉ちゃんと、いると予想してなかったババァの姿まであり、俺は咄嗟に緩んだ顔を引きしめ、牧野の横に並んだ。

「司、今日はごめんね。
せっかくの『で・え・と』だったのに。」
からかう姉ちゃんに、

「わりぃと思ってるなら、俺に休暇を与えるように隣にいる『社長』に言ってくれ。
牧野と旅行にでも行きてぇから。」
と、本音で返してやると、隣の牧野が赤くなって俺を睨む。

そんな俺に、
「相変わらず、ぞっこんね。」
と、呟いた姉ちゃんは、
「宗太、司とつくしちゃんにちゃんとお礼言いなさい。
『今日はありがとうございました』って。」
と、宗太に向けて言う。

すると、ババァの前だからなのか言われた通りに、『ありがとうございました。』とお利口さんに頭を下げて礼を言う宗太。

でも、それで終わらなかった。

「ママ、僕、今日は病院に泊まらないで邸に戻る。」

「え?」

「ね?いいだろ、つくし。」

その宗太の発言にそこにいる全員が固まった。

「…………っ!
てめぇ、気安く牧野のこと『つくし』なんて呼ぶんじゃねぇ!」

「いいだろ、だって、ママだってタマだって、みんなつくしって下の名前で呼んでるじゃん。」

「うるせぇ。他の男が呼ぶのは許せねぇんだよっ。」

「道明寺っ!」

ガキ相手に熱くなる俺を牧野が抑えるが、
それなのに、このクソガキは更に度肝を抜くことを言いやがった。

「ママ、僕は邸に戻るからママも赤ちゃんのためにゆっくり休んで。
僕のことは心配しなくても大丈夫。
つくしも邸に泊まるって言ってたから寂しくないよ。」

その宗太の突然の発言に今度は牧野がすげー慌て出す。

「いえ、そんな、あたし、邸に泊まるつもりなんてありませんからっ。ね、道明寺っ!」

同意を求められた俺も、
「ああ、泊まらねぇよ。」
と、答えると、

「だって、さっき車の中で司にぃがつくしに言ってたじゃん。
『今日は邸に泊まれ』って。」

こいつっ、起きてやがったのかよっ!
確かにここに来る前に車の中で牧野に、
『今日は邸に泊まれ』とは言ったけど、それはいつものじゃれあいで、今まで一度だって牧野が『うん』と言ったことはない。

牧野に言わせれば、
『親と一緒に暮らしてる家に、いくら付き合っているからと言って泊まりにいくのは……』
と、ババァに気を使っているらしく、
その代わり、俺が牧野の部屋に泊まるのが常。

だから、この宗太の発言は、牧野にとってはババァに変な誤解を与えかねない失言だ。
早めにフォローしておくのが先決。

「宗太、おまえの聞き間違いだ。
おまえはこのまま病院に残れ。」

「嘘だっ、絶対嘘だ!」

「嘘じゃねぇ。」

「…………でも、司にぃは明日も休みだろ?
なら、俺も邸に戻る。ねーいいでしょ、グランマ。」

出た。
こいつの『グランマ』。
グランマ=グランドマザー=ババァだ。

「都合が悪くなったからって、ババァに話をふるな。」
俺がそう言うと、

「だって司にぃが意地悪するからだろっ。
病院に泊まったって、遊ぶものなんてなんにもないし、廊下だって走っちゃいけないんだろ。
そんなところにずっといたらおかしくなるよ僕。」

こんなときだけ生意気な口聞きやがって。

「うるせぇ、クソガキ。」

「司、言葉に気を付けなさい。」

「ププ……司にぃ、グランマに怒られてる。」

「うるせぇ。
とにかく、俺は今日は牧野の部屋に泊まる予定だから邸に戻っても俺はいねーぞ。
おとなしく病院に泊まってろ。」

これでどうだ。
クソガキも何も言えなくなっただろ?
勝ち誇ったようにそう言うと、

俺の予想に反してこのクソガキの目がキラッと光った。




「それなら、僕もつくしの部屋に泊まる。」








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「」
 2015_12_21


nephew 3

Category: nephew  




動物園に来るのは何年ぶりだろうか。
俺の人生の中で数えるほどしか来たことのないここは、いつも牧野と一緒だった。

始めてきたのは高校生の時の奇妙なダブルデート。
結局、牧野のダチの彼氏を殴ったことで険悪なムードになったが、あれは今思えばいい思い出だ。




「そろそろ疲れた?休憩しようか。」

園内をざっと歩いて見て回っただけなのに、それだけで二時間近くかかった。
週末だけあって親子連れが多く、どこも混んでいる。

「あたしジュース買ってくるからそこ座ってて。」
空いてるテーブルを指差して牧野がそう言うが、
疲れてるのはこいつも同じ。

「いいから、おまえも座ってろ。
俺が買ってくる。」

「大丈夫、あたしトイレにも行きたいし。
宗太くん何飲む?」

「果汁100パーセントなら何でもいい。」

「……そういうところが似てるわ。
道明寺はコーヒー?」

「おう。フラフラしねぇですぐ戻ってこいよ。」

「わかってるって。子供じゃないんだから……」

そうブツブツ文句をいいながら歩いていく牧野の後ろ姿を見つめて自然と笑みがもれる。
そんな俺に、

「司にぃ、あいつのどこがいいの?」
と、生意気に聞いてくる宗太。

「全部。」
即答する俺を驚いた顔で見たあと、

「どうせ、あいつもどこかのお嬢様なんだろ?
付き合うのだって、結婚するのだって、全部いつのまにか誰かに勝手に決められるんだろ?」
と、わかった口を聞きやがる。

「クックッ……ませたガキだなおまえは。
宗太、おまえは好きな女も自分で決めれねぇぐらい情けねぇ男なのかよ。
俺は牧野が金持ちだろうが貧乏だろうが構わねぇ。
ババァに猛反対されても諦めなかったぞ。」

「反対されたの?」

「ああ、すげーな。
ズタズタに引き裂かれた……けど、俺はどうしてもあいつ以外考えらんねぇから。
おまえもそれぐらい惚れる相手を探せ。
そうすれば、そんなバカみてぇなこと言ってらんなくなるぞ。」

俺はそう言って立ち上がり、向こうから両手に飲み物を持って歩いてくる牧野を迎えに行く。



俺もこいつに出会う前は恋愛も結婚も、ビジネスとしか見てこなかったし、そう教えられて育ってきた。
そんな俺が、地位も家も棄ててでも欲しいと思った唯一の女がこいつ。

まぁ、6才のガキにはわかんねぇだろうけど、宗太にもそういう女が出来たら、諦めんなと背中をおしてやってもいいぞ。





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 2015_12_19


nephew 2

Category: nephew  




牧野とのデートの日、遅めに起床した俺が部屋で身支度を整えていると、バタンッと派手な音がして宗太が部屋に入ってきた。

「ノックぐらいしろ。」
腕時計をつけながら宗太に向かってそう言ってやると、

「司にぃ、どこか行くの?」
と聞いてくる。

「ああ。」

「どこ?」

「ガキは知らなくてもいい。」

「ケチっ。そんな格好してるってことは仕事じゃないよね、遊び?僕も連れてってよ。」

「ダメだ。」

「なんでだよっ、休みの日ぐらいいいじゃん。」

「休みの日だからダメなんだっ。」

今日は牧野と今時期満開になっている桜を見に行く約束をしている。
近くまで車で行って、そこからは二人でゆっくり歩いて花見をするつもりで、服装もジーンズとラフなものを選んだ。

「行きたいっ!」

「ダメだ。」

「ケチケチケチっ。」

宗太相手にそんな言い争いをしていると、ノックと同時にタマが渋い顔で入ってきた。

「宗太坊っちゃん、無理を言っては行けません。
司坊っちゃんは忙しいんですから。
久しぶりに会う恋人とデートですものねー。」

「うるせぇ。」

「お父さんも仕事で、お母さんも入院してしまって独りぼっちの甥っ子をこんな広い邸に置いてきぼりにするくらいその恋人との時間が大事なんですよね?
宗太坊っちゃんは今日も一日、どこにも遊びに行けないのでタマと邸のお掃除でもしましょうか。あー、可哀想、可哀想。」

わざとらしく俺の方を見てそう言うタマと、俺を見上げて睨んでくる宗太。
そんなこいつらに、
「ガキのおまえが行っても楽しいとこじゃねぇから、おとなしく邸にいろ。」
と言い残して車のキーを掴んで部屋を出ようとしたとき、後ろで

「司にぃのバカっ。」
と、呟く声がする。

はぁーーーー。
いつも生意気なガキのくせに、本気で悲しいときはそうやって声を圧し殺して我慢しやがる。
そんなところが昔の自分とかぶって、強く出れないところが俺の弱点。

「…………ったく、わかったよ。
今日一日だけだからなっ。
とにかく、牧野に電話で話すからその間に用意してこい。
動きやすい服装で来いよっ。」

「よっしゃー!」

バカみてぇにはしゃいで部屋を出ていく宗太を慌てて追いかけながら、
「坊っちゃん、ありがとうございます。」
と、タマが笑った。









牧野のマンションの前まで迎えに行くと、すぐにパタパタと入り口から出てくる愛しい女。
いつもはおろしてる髪も今日は耳の高さくらいまで結び、靴もスニーカー。

助手席に乗り込んで、すぐに後ろの席にいる宗太に向かって、
「こんにちは。」
と、声をかけると、
宗太も小さく
「こんにちは。」
と答える。

「わりぃな、こんなことになって。」

「なんでよ、人数が多い方が楽しいでしょ。」

「おまえなぁ、仮にも久々のデートだぞ。」

「デートなんていつでも出来るじゃん。
それよりっ、宗太くんもいることだし今日の予定は変更して、動物園に行こう!」

「あ?」

「どう?宗太くん。それとも遊園地でも行く?
あたしね、本持ってきたんだぁー。
もうだいぶ昔に買った本だから古いかも知れないけど、進のとこの姪っこ連れて遊びに行ったときに買った本だからきっと役立つよ。
子供が喜びそうなスポット特集だから。 」

そう言って鞄からゴソゴソと2冊の雑誌を引っ張りだして説明する牧野。
そんなこいつに後ろから小さな声がする。

「僕、……動物園がいい。
今まで行ったことないから。」

その宗太の声に俺と牧野は同時に振り返る。

「おまえ、動物園も行ったことねーのかよ。」

「ちょっと、道明寺っ。
あんただって、高校生まで行ったことなかったでしょ。」

「うるせぇ。」

「宗太くん、じゃあ今日は動物園にしようか。」

「うん。」



結局、牧野とのんびり花見の計画は完全に流れた。
けど、動物園へ進路を変えて動きだした車の中、隣のこいつがご機嫌だからそれでいい。

今朝、俺が宗太も連れていくと電話したとき、こいつは迷うことなく「楽しみにしてる」と即答してくれた。
たぶん、その時点で花見の計画は変更してガキが喜びそうなところを考えていてくれたに違いない。

牧野が手にしてる雑誌の動物園のページには、最近気に入って使ってるキャラクターの付箋が貼られてる。
そして、最近では珍しいスニーカーとジーンズの服装に髪までアップにして……。


そんな牧野が愛しくて、宗太がいるのに思わず助手先に手を伸ばして牧野の手を握ると、少し驚いた顔で俺を見たあと、
「今日はそういうこと禁止です。」
と、可愛くねぇことを言った。




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 2015_12_18


nephew 1

Category: nephew  





いつものように10時を少し過ぎた頃邸に戻った俺を、エントランスで使用人たちが出迎える。

頭を深く下げて
「おかえりなさいませ。」
という使用人たちに、特に目を向けることなく通りすぎようとしたその時、
一番最後尾に並ぶタマの隣に、見覚えのある小せぇ体。

「司にぃちゃん、おかえりっ。」

「っ!宗太、どうしたおまえっ。」

相変わらず生意気そうなこのちいせぇガキは、俺の甥っ子の宗太。
そう、姉貴のとこの子供だ。

「司にぃ、おかえりなさいって言われてるんだから、挨拶ぐらいしたら?
それに、ポケットに手を入れて歩くのはダメなんだよ。」

やっと小学生になった6才のガキのくせに、口だけは達者でどうしようもない。

「うるせぇ。
ガキはさっさと寝ろ。」
俺がそう言ってやると、口を尖らせて、

「これから病院に行くんだ。」
と言う。

「病院?おまえ具合悪いのかよ。」

「違う。ママがこれから入院するんだって。」


NYに住んでいる姉貴は、今二人目を妊娠中。
あと数ヵ月で生まれる予定で、出産は日本ですることになっている。

「もう、生まれるのか?」
宗太の隣に立つタマに向かってそう聞くと、

「それが……、切迫早産の危険があって、急遽帰国して入院することになったんです。
先程、楓奥さまがお戻りになりましたので、これからご一緒に病院に付き添われるそうです。」

そのタマの言葉を聞いている宗太の顔が不安そうに歪んでいく。
そんなこいつの頭を撫でてやり、
「おまえも付いていくんだろ?
姉貴のこと頼んだぞ。」
そう言ってやると、

「わかってるっ。」
と、いつもの生意気な宗太に戻り、俺は笑いながら自分の部屋へと戻った。












「えっ、お姉さん大丈夫なの?」

「ああ。出産までは入院することになったけど、腹の子供は元気らしい。」

「そう、よかった。」

結局、あのあと姉貴はそのまま入院となり、残りの2ヶ月は病院で安静に過ごすことになった。

「宗太くんは?どうするの?」

「産後もしばらく日本にいる予定だから、宗太もこっちのインターナショナルスクールに半年だけ転入することにした。」

「へぇー、じゃあ、邸は賑やかになるね。」

「ったく、ガキ一人増えただけなのに、ババァもタマも振り回されてひでぇぞ。」

「あははは。」

3日ぶりに聞く牧野の声が、俺の体に染み渡っていく。
もう何年もこうしてこいつと付き合っているのに、いつも純粋に愛しく思える大事な女。

「牧野、」

「ん?」

「今度いつ会える?」

「んー、週末はゆっくり休めそうだから道明寺が空いてるなら、」

「じゃあ、土曜日の午後から月曜の仕事に行く時間まで何も予定入れるなよ。」

「フフ…………りょーかい。」



今年で27歳と26歳になった俺たち。
出会ったのが十代だから、もうかれこれ8年近くは一緒にいる。
その間、色々なことがあったけど、今はこうして誰に反対される訳でもなく、交際を続けてこれている。

ババァから交際の許しを得たすぐの大学時代は、早く結婚をしたくて堪らなかったが、弁護士を目指して頑張ってる牧野のためを思ってなんとか我慢した。

その後、晴れて試験に合格した牧野は司法修習生としてハードな生活に追われ、その頃俺も同じく日本支社長に昇格して忙しい日々を送っていたため、プライベートよりも仕事優先の日々が続き結婚のタイミングを逃してきた。

そして、ここ最近はお互い仕事も落ち着いてそろそろ……と環境は整っているのだが、恋人、強いて言えばパートナーとしての位置が確立してしまった今、何かのきっかけがない限り、牧野の生活を変えさせることに抵抗がある俺は、ここ2年近くは結婚の話を切り出せずにいた。


そんな俺たちの関係が、姉ちゃんの入院と邸で一緒に暮らすことになった宗太のおかげで大きく変わることになる。




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司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
CPはつかつくオンリーです。
司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

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