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小話 2

Category: 小話  


時期、設定はお任せします。

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カツカツカツカツ……。
商店街からほど近い築20年のマンションの2階。
そこが俺のねーちゃんの部屋。

階段を上り、もしも何かあったとき用に持たされた合鍵を鍵穴に入れると、ドアは既に開いている気配。

ねーちゃん、帰ってきてるのかな?
「ねーちゃん!」
部屋の奥に問いかけると、

「おうっ、弟か?」
そう言ってねーちゃんの彼氏、道明寺さんが顔を出した。

「あっ、こんばんは。いらしたんですね。
ねーちゃんは……。」

「あいつなら、まだ帰ってきてねーけど、今メールで仕事終わったって入ったからもうすぐ帰ってくると思うぞ。」

「そうですか。
……いや、また出直してきます。」

「いいから入れ。」
道明寺さんは俺の返事も聞かず、部屋に戻っていく。


ねーちゃんと道明寺さんが付き合いだしてもう4年。世界的に有名な道明寺さんに対して、ねーちゃんはどこにでもいる普通のOL。

弟である俺でさえ、何度も二人の交際を疑ったが、こうして実際ねーちゃんの部屋にいる道明寺さんを見ると、なぜだかほっと安心する自分がいる。

「元気だったか?弟。」

「あっ、はい。道明寺さんもお元気そうで。」
緊張のあまりワケわからない返事を返すが、

「おう。」
道明寺さんはそれだけ言って綺麗に笑った。


ほんとにどうして神様は不公平なんだろう。
男の俺から見ても、こんなに綺麗な人はいないと思うぐらい整った顔。
引き締まった体。
そして、生まれ持ったオーラ。

そんな道明寺さんが、こんな2DKのマンションの小さなテーブルにあぐらをかいて座ってるなんて…………。

「お茶でも入れましょうか?」
俺は道明寺さんの目の前に座ることが居たたまれなくなって、慌ててキッチンに向かった。

すると、キッチンのテーブルに高級フルーツショップの紙袋が置かれてあり、チラッと見ただけでも数種類のフルーツがぎっしり入っている。
そしてその横には、ねーちゃんの好きそうなゼリーやらジュースが綺麗に並べられている。

それを横目に、俺はやかんを火にかけようとしたとき、
「弟、俺そこまで出てくるから。」
道明寺さんが言った。

「えっ?帰るんですか?」

「いや。そろそろあいつが帰ってくる頃だから、バス停まで見に行ってくるわ。」

「っ!道明寺さん!そこまでしなくていいです!ねーちゃんなら自分で帰ってこれますからっ。」
道明寺さんに向かえに行かせるほどバス停が遠くもないし、この辺は商店街の近くで人通りも結構あって、暗くなってもさほど危険な場所ではない。

「とにかく、お茶入りましたから座って飲んで下さいっ。」
慌てていれたから、薄いお茶になったのは勘弁して欲しい。

道明寺さんに強引にお茶を差し出して、自分もお茶を一口飲んだ。

「サンキュ」
そう言って道明寺さんはお茶に口を付けながらも、高価そうな腕時計をしきりに見て時間を気にしている。
そんな姿に迂闊にも見惚れてしまい無自覚に口が滑る。

「…………道明寺さん、いつもそうなんですか?」

「ん?何がだ?」

「いつも、ねーちゃんのことバス停まで迎えに行ったりしてるんですか?」

「いや、今日はたまたま俺も自分で運転して来なかったから、あいつの職場まで迎えに行ってやれなくてよ。」

「もしかして、いつもは職場まで車で迎えに行ってるんですか?」

「ああ。」

「…………道明寺さん、甘すぎます。
どう考えても、ねーちゃんより道明寺さんの方が忙しいに決まってるし、ねーちゃんの職場なんてここから歩いても15分ですよ。
バスなら二つ目です。」

「ははっ、確かにな。甘いかもな。」
そう言いながら、道明寺さん自身が甘い顔で笑う。

「あれだって、道明寺さんが買ってきたんですよね?毎回ですか?あんな高級なもの。」
キッチンに置かれた高級フルーツが入った紙袋を俺が指差して聞くと、

「メロンって一万円もするんだな。
自分で買ったことねーからさすがにビビったわ。」また笑う。

「一万円のメロンって!
ほんと、道明寺さん、ねーちゃんに甘すぎですからっ。」

「これも、たまたまだ。あいつ風邪気味だって昨日の電話で言ってたから、買ってきてやっただけ。」

「ねーちゃんなら、千円のメロンで充分です。」

「ははっ、だな。そーだな、弟。」




俺が何を言っても、道明寺さんは優しい目で綺麗に笑う。
昔からねーちゃんに惚れていると豪語するだけあって、甘々なのは変わらない。
こんなに大事にされて、ねーちゃんはちゃんと応えれているのだろうか。



「道明寺さん、俺やっぱり今日は帰ります。」
道明寺さんに会えただけで胸がいっぱいになった俺がそう言うと、

「飯食っていけよ。もうすぐあいつも帰ってくるぞ。」

「いや、俺はいいです。二人で食事に出掛けるんですか?」

「いや、あいつなんか作っておくって言ってたから、用意してあると思うけど。」

そう言ってキッチンの方に目を向けた道明寺さん。俺もつられてキッチンに目をやると、さっき使ったやかんの横に、蓋をしたフライパンが置いてある。

俺はキッチンに行き、そっとその蓋を開けると、
中には…………麻婆豆腐。
道明寺さんに麻婆豆腐。
ねーちゃん、どんな神経してんだよっ。

「道明寺さん、今日は外に食べに行った方が良さそうですよ。」
フライパンの蓋を持ったまま振り返って言う俺に道明寺さんは近付いてきて、フライパンの中を覗いている。

「ねーちゃん、最近麻婆豆腐に凝ってるのかな。この間来たときも麻婆豆腐作ってあった気がする。」
俺がそう呟いたとき、玄関でドアが開く音がした。

「ただいまー。」
ねーちゃんが帰ってきた。

「進?来てたの?」

「うん。母さんからいつものぬか漬け預かってきた。」

「ほんと?嬉しい。」
そう言って喜ぶねーちゃんの顔は、冬空の中歩いてきたからか頬と鼻のてっぺんが赤い。

「道明寺、待たせてごめんね。お腹すいたでしょ。すぐにご飯にするから。」
急いでコートを脱ごうとしているねーちゃんに、道明寺さんが近付いていく。

そして、その大きな手でねーちゃんの顔を挟み込み、頬を包んだ。
「寒かったか?赤くなってる。
風邪気味だって言ってたのに、迎えに行けなくてわりぃ。」

「ううん、大丈夫。」


俺がいるっていうのに、こんな風にさらっとかっこいい動作と台詞を言えるのも道明寺さんだから許される。

「着替えてくる。それからご飯にするね。」

「今日、あれだろ?」
フライパンを指差して言う道明寺さん。

「あっ、そう麻婆豆腐。
たまたま豆腐があったから作ったの。
道明寺、好きでしょ?」

「おう、すげー嬉しい。」



あー、そういうことか。
最近、ねーちゃんが麻婆豆腐に凝ってたのは道明寺さんのためか。
たまたま豆腐があったから、とか言ってるけど今日のために作ったのは間違いないし、それを道明寺さんも分かっている。

普段から道明寺さんに食べさせるために練習してたのか、それともいつ来てもいいように作って待ってたのか…………どちらにしても、ねーちゃんも甘い。

いつも口げんかばかりしている二人だけど、お互い甘々なのかもしれない。
道明寺さんは表に出すタイプだけど、ねーちゃんは裏で。



「道明寺さん、やっぱり俺帰ります。
ねーちゃん!俺帰るわっ。」
このままいたら、二人の甘々を見なくちゃいけないことになる。

「えっ!ちょっと待って、着替えてるから、」
奥からねーちゃんの声が聞こえてくるけど、俺は自分のコートを持って玄関に向かった。

靴を履いていると後ろから道明寺さんが来て

「弟、これ持っていけ。」
そう言って紙袋を手渡してくれる。
中身を見ると、あのメロン。

「いや、いいです!こんな高いもの。
ねーちゃんに買ったんでしょ。」

「いいんだよ。あいつには千円のメロンでも買ってやるから。」
そう言ってイタズラっ子のように笑う道明寺さんもすごく絵になっている。

「…………ありがとうございます。」

「おう。」

道明寺さんに頭を下げて玄関を開いたとき、急に名前で呼び止められて、今日一番の道明寺さんの甘い顔を見た。




「進、……もう少ししたら、あいつと結婚しようと思ってる。
そしたら、ほんとの弟になってくれるか?」
まるで、プロポーズのようなその言葉。


もちろん、俺は出会った頃から決めている。
いつでもまっすぐで一途で、常にねーちゃんを大事にしてくれる道明寺さん。
地位とかお金とか権力とか、そんなものは関係ない。一人の男として尊敬している。
だから、なんの迷いも不安もない。



「ねーちゃんのこと、よろしくお願いします。」








いつか、道明寺さんに聞いたことがある。
ねーちゃんのどこがいいのかって。
そしたら道明寺さんは、その時も綺麗に笑いながら言っていた。

「俺にとって運命の女だ。」


未だにその言葉の意味が分からない俺だけど、いつか俺にも運命の女が現れたとき、その意味が分かるのだろうか…………。





ハッピーバースデー司。
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 2015_01_30





はい。こんにちは。
司一筋の管理人、司一筋です。
まずはじめに、今日の野獣と秘書、短かったですか?ですね。。。
区切りのいいとこで切らせて貰いましたので、少し短いですが、お許しを~。


そして、そして、先日書きました化粧かぶれですが、やっと治りましたよっ。
まだ赤い部分もありますが、なんとかみられる顔に戻りました。

たくさんのメッセージありがとうございました!
メッセージを読んで、意外に皆さんも化粧かぶれの経験があるんだなぁと知りました。
いつも普通に使ってるものにも、危険がいっぱいですねっ。
身をもって体験致しました!

お気をつけくださーい。



ではでは、この場をお借りしましてコメントお礼とさせていただきます!
そうそう、明日はなんと司の誕生日ですか。
甘いお話しを……とリクエスト頂いています。
書けるかな……書けるといいなぁ……
お風呂で考えてみます!



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 2015_01_30






俺が日本に帰国して9か月。
牧野と付き合いだして約半年。

もうすぐ俺の誕生日が近付いてきたある日、NYのババァから一通のメールが来た。
「25歳の誕生日はNYで盛大なパーティーを開く予定なので、そのつもりで。」と。



俺は物心ついた頃から誕生日といえば、邸に大勢の人達をよんで、パーティーが行われるのが当たり前だった。
けど、それも高校生ぐらいになると気恥ずかしさと鬱陶しさから、毎年はじめの挨拶だけをして、その場を逃げ続けていた。

そして、NYに渡ってからはそれも完全に拒否し、誕生日は一人で静かに過ごすかF3と飲みに行く程度で特別な日だという感覚は全くなかった。

が、今年は違う。
2週間前のクリスマスも年末の牧野の誕生日も二人で甘い時間を過ごした。
プレゼントもレストランの予約もいらないと言い張った牧野に、俺はシェフに特別に作らせたケーキと小さなピンクダイヤが光るネックレスを渡した。
その時に、牧野が
「道明寺の誕生日には何が欲しい?」
と聞いてきた。
なにも要らねぇ。おまえと過ごせるならそれが最高のプレゼントだ。そう思っていたはずなのに…………。


「何で今更NYで誕生日なんてしなきゃなんねーんだよっ。」
今日も仕事帰りに牧野の部屋に寄った俺は、ソファに深く座り込み愚痴をこぼす。

「……まぁ、色々あるんでしょ、きっと。」

「なんだよ、色々って。」

「だから、会長も久しぶりに会いたいんじゃない?道明寺に。」

「あり得ねぇ。……おまえも一緒に行こうぜ。」

「それこそ、あり得ねぇ。」
俺の真似をして言ってくるこいつ。

「チッ。おまえはそれでいいのかよ。
俺と過ごせなくても構わねぇの?」

「まぁ、あたしの誕生日じゃないしね。
それに、すぐ戻ってくるでしょ?」

「当たり前だろ。
あー、やっぱ西田に言って、おまえも同伴させるかな。
どうせ西田と桜井のどっちかは付いてくるんだから、それをおまえにしてもいいんじゃねぇ?」

「ダメです。あたしは内担当秘書ですからっ。」


相変わらず公私混同の全くない牧野。
1歩仕事モードに入れば、その鉄壁は崩されることなく、俺の甘い誘いにも乗ってこねぇ。
会社でも隙を見て公私混同しまくる俺に、いつも睨みをきかせて秘書面してきやがる。


「仕方ねーな。すぐ帰ってくるから、そしたら誕生日の穴埋めしろよ。」

「穴埋めしろって、あんたが穴開けてるんでしょ。ほんと日本語弱いんだから…………。」

「うるせー、とにかく帰ってきたらお祝いしようぜ。」

「ん、わかったわよ。それで?
欲しいもの決まったの道明寺?高いものは無理だからね。普通のOLが買えるぐらいのものにしてよね。」

「ああ。もう決まってる。安心しろ、金はかかんねーから。」

「なによ。それが一番恐いんですけど……。」








「プレゼントは決めた。
この先、死ぬまで俺の誕生日はおまえと過ごす。なぁ?簡単だろ牧野。」



牧野に言ったこの言葉。
この日、この時まで、俺にとってそれがいとも簡単なことだと疑いもしていなかった…………。




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 2015_01_30





突然、笑い出した姉ちゃんに牧野と佐々木も驚いた顔で見つめているから、もう白状するしかねえ。

「姉ちゃん、いい加減にしろよなっ!
ったく、悪ふざけし過ぎだろ。」

「プッ……、司がここまで追いかけてくるとは思わなかったわ。」

ただでさえ、どこにいても目立つ姉貴なのに、こんな所でコーヒーを飲んでいて浮かない訳がねえ。社食にいる社員たちが、みんな好奇な目で並んで座る俺たちを見つめている。

はぁーーー。
思わず深いため息をついた俺の目の前に、突然姉ちゃんが身を乗り出してきて、
「こんにちはー。私、司の姉です。
はじめまして~、まっきーさん?」
そう言って握手を求めるように牧野に手を差し出す。

おいおい、どんな自己紹介だよっ、と口を挟もうとしたが、姉ちゃんの迫力に押されたのか、牧野も素直に、
「あっ、こんにちは。…………牧野です。」
そう言って差し出された手を握ってやがる。

「牧野さんって言うのね~。司ったら全然教えてくれないから。まっきーって呼ばれてるの?」

「あっ、はい。あっ、いえ。
……同僚にだけです、そう呼ばれてるのは。
でも、どうして?」

「さっきから話してるの盗み聞きしてたのよ。
隣の男性にまっきーって呼ばれてたでしょ?」

「あー、はい。」

「私もまっきーって呼んでいいかしら?」

「姉ちゃんっ!」
慣れ慣れしーんだよ。俺さえも呼んでねぇのに、なんで姉ちゃんが呼ぶんだよっ。
そう言ってやろうかと思ったが、ここは社食。
ぐっと我慢して、

「とりあえず、姉ちゃん。もう気がすんだだろ?休憩時間も終わりだ。
牧野、佐々木、仕事に戻るぞ。」
俺はそう言って牧野の腕を引き上げて強引に立たせた。

俺の命令に牧野と佐々木が立ち上がると、姉ちゃんも渋々立ち上がり、
「わかったわよ。今日はこれぐらいで帰りまーす。まっきー、今度ゆっくりお話ししましょ。
連絡先教えてくれる?うるさい司なんて抜きにして、女同士でおいしいものでも食べに行きましょ。」
そう言ってウインクまでしてやがる。

「姉ちゃんっ!」
俺は声を張り上げて抗議したが、その俺の背中をこれでもかってくらいの馬鹿力で思いっきり叩いて、帰っていきやがった。

まぁ、いつものドロップキックが飛び出さなかっただけ、姉貴も場所を考慮したんだろーけどよっ。








「すごいお姉さんですね…………。」

オフィスに戻るエレベーターの中、佐々木が遠慮がちに言ってくる。

「……昔からあんなんだ。」

「……そうですか……。」

沈黙。

「それにしても、……まっきーって呼んでいい?って、初対面ですよね。」

「…………。」

「俺とまっきーの会話も盗み聞きしてたって自ら白状しちゃってたし…………」

「…………。」

「ほんと、飛んじゃってますね、お姉さん。」

「……ああ。昔からぶっ飛んでる。」






エレベーターから下りると、佐々木が気をきかせて、小走りで秘書室へ戻っていった。

俺は牧野に視線を移すと、牧野も無言で俺を見る。
俺はそのまま牧野を近くの会議室に押し込めると、至近距離でもう一度こいつの表情を見つめた。

「なんつー顔してんだよ。」

「っ!……どういう意味ですか。」

「なんでそんな不機嫌なんだよ。」

「別に、期限悪くなんてありません。」

「休憩中だ、敬語やめろ。」

「……バカ道明寺。」

「あ?なんだよそれ。」

「バカバカっ。」
言ってることは腹立つが、むくれてるこいつもすげーかわいい。

「なに怒ってんだよ。」
そう言って、更に距離を詰めてやる。

「……お姉さんが来るなんて全然聞いてなかった。教えてくれたら、もっと綺麗な服装で来たのに……。お化粧だってちゃんとしとけばよかった。」

「そんなことかよ。」

「っ!そんなことって。すごく大事なことなんだからっ!」

「別にどーだっていいことだろ。」

「…………。」
無言で睨み付けてくるこいつ。

「俺にはその野暮ったいスーツも、してんだかしてないんだか分かんねぇ化粧も、全部かわいく見えんだけど、やっぱ俺はおまえが言うように、バカなのかよ。」

「…………。」

「姉貴にどう見られようが構わねぇ。
俺がおまえがいいって言ってんだから、
それでいいんじゃねーの?」

「…………。」
それでも無言のこいつには、行動で分からせるしかねえ。

今朝味わったばかりの牧野の唇をゆっくりと舐めていく。
すぐに抵抗してくるこいつに、少しだけ唇を離し、言ってやる。

「休憩中だ。少しぐらい充電させろ。」


「…………ほんと、バカ。」







おまえのバカバカは、もう聞き飽きたんだよ。
最近は、好き好きにしか聞こえねぇ。






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 2015_01_29






今がチャンスとばかりに秘書室に乗り込んだ私は
「失礼しま~す。」
と言って、部屋を見渡すと、そこには西田さんと女性が一人。

ん?この人が司の彼女?

どうみても司より歳上のその女性は目鼻立ちのくっきりした派手な美女。
なくはないけど、想像と違うかなぁなんて思っていると、西田さんが
「何かご用ですか、椿さま。」
と問いかけてきた。

そこで気付いたが、私は彼女の名前も知らない。
「いえ、あのね、」
なんて言っていいか分からず口ごもるが、こんなところで時間をかけてる場合じゃない。
いつ、司が追ってくるかわからないから。

「秘書の方って、こちらの方だけかしら?」
私のその問いに西田さんともう一人の女性が顔を見合わせている。

「いえ、もう一人いますが。
ちょうど昼休憩で出ています。」
女性が答えてくれる。

「あら、そうなの。いつ頃戻るかしら?」

「今行ったばかりなので…………。
でも、今日は社食って言ってましたから早いと思いますけど。」

「社食?社食って、あれよね?
会社の中にあるレストランってことでしょ?
何階かしら?」

「34階ですが…………。」

「ありがとう!
あっ、司が来たら通りの向こうにあるレストランにでも行ったって答えてくれる?」

「はぁ。」

「じゃあ!」



目指すは社食。
ドキドキしちゃう。
彼女に会えるってことも楽しみだけど、社食に行くなんてはじめてのこと。
あっ、また名前聞くの忘れちゃった!


そんなことを思いながらたどり着いた社食は、
これまた私の想像とは違った。
さすが道明寺HDの社食。
そこらのレストランよりも広さも品数も半端じゃない。
ここで彼女を探すのは至難の技でしょ。

どうしたものかと考えていると、
「あのぉー、何かお手伝いしましょうか?」
男性が声をかけてきた。

「えぇ。秘書室の方を探してるんですが。」

「あぁ、それならあそこに座ってる二人がそうです。呼んできましょうか?」

「いえ、結構です。」

「あのぉー、社内の方ですか?はじめて、お見掛けしましたけど。…………お綺麗ですね。」

「あら、それはどうも。」

こういうのには慣れている。
どこに行っても目立っちゃうからしょうがない。
コーヒーを手にもって、教えられた通りに向かい合って座っている男女の所まで行くと、
彼女の一つ席を空けて隣に座った。
自然と二人の会話が聞こえてくる。

「まっきー、珍しいよねお弁当じゃないの。」

「そうですか?」

「うん。月水金はお弁当って決まってるでしょ、いつも。なんかあったの?」

「…………。」

「まっきー、そこで顔を赤くするのはおかしいでしょ。」

「っ!赤くしてませんっ。」

「いや、真っ赤。
ちなみに、アシストしたのは俺だからね。」

「なんですか、アシストって。」

「いや、まぁ、こっちの話。」




へぇ~、見た目はすっごく普通の子。
しいて言えば、今までの司の人生の中で一番接点のなかったタイプかな。
この子がほんとに彼女なのかしら。
聞き耳を立てながら、隣のこの子に集中してるとなにやら周りがザワザワ騒がしくなってきた。

すると、彼女の向かえに座る男性が急に、
「副社長っ!」と大きな声をあげた。

見ると、社食の入り口に司の姿。
プっ……見つかっちゃった!
ポケットに手をいれて、ヅカヅカとこっちに向かって来た司は、側まで来ると私のことを一睨みして、私と彼女の間にある一つだけ空いた席に座った。

「副社長、どうしたんですか?」
彼女が司に聞いている。
その光景を社食にいる社員が物珍しそうに見ている。

「いや、別に。昼飯食いに来た。」

ぷっ…………。噴き出しそうになるのを必死にこらえる私。

「ここに?昼御飯を?副社長が?」
彼女も困惑気味。

「ああ。」

「…………何食べるんですか?
注文の仕方、知ってます?」

「…………。」

「っていうか、さっき会食から戻られたばかりですよね…………。」





「ぷっ…………あははははーー!」
こらえきれずに噴き出しちゃった私。



だって、はっきり言えばいいじゃない。
姉貴がおまえを品定めに来たって。
心配だから追いかけてきたって。





こんな、社食になんて来たことない男なのに、彼女のためなら大勢いるランチタイムでも構わず来ちゃうんだ。
彼女の前なら、そんな男の顔するんだ。
…………本気なんだ…………。


笑いながらもそんなことを思っていると、

「姉ちゃん、いい加減にしろよなっ!」

司が思いっきり不機嫌な声をあげた。





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 2015_01_28





3か月ぶりの日本。
今回の目的はただ一つ。

「司~、彼女、紹介しなさいよっ。」

「うるせーよっ。仕事中に突然来てなに言ってんだよ、姉ちゃんっ。」

「突然って、ちゃんと西田さんには言っておいたわよ?」

「あ?聞いてねーし。」

「電話で何時頃がいいかしら?って聞いたら、いつでもお好きなときにいらして下さいって言ってたわよ。」

「あのやろーっ。」

「なになに?来られてまずいことでもある?」

「……ねーよ。」

口調は相変わらず乱暴だけど、唯一の姉弟。
昔と変わらず、私にとってはこれでもかわいい弟なのよね。

「司、今日の夜、空けとくから彼女連れて食事にでも行きましょ?」

「っ!本気かよ。無理だな。」

「なんでよっ。」

「……急に言われてもあいつも困るだろう。
今度ちゃんと会わせるから。」

「今度って……。せっかくこの為に日本まで来たのに。」

「勝手に来んな。」

「何よっ、ほんとに紹介してくれないの。
このお姉様に紹介も出来ないような女なの?」

「ちげーよっ!」

「じゃあ、会わせなさいよ。」

「だからっ、」

「へ~、やっぱり紹介出来ないんだ。
もしかして、隠れて付き合ってるとか?
親に反対されてるの?恋人がいるとか?浮気?不倫?まさか出来ちゃった?」

「ちげーよっ!ふざけんな。」

「じゃあ、いいじゃない。」

「…………。」

「ね?ね?司くーん。」

「もぉーーーっ!まじでうぜーわ。
…………あいつに聞いてみる。」


やった!引っかかった。
少し煽って怒らせれば司は反発してやり返してくるのはお見通し。
本気で紹介出来ないような女性だとは思っていない。
だって、司の目を見ればわかる。
本気の恋愛だってこと。

「じゃあ、何時にする?
どこのお店がいいかしら。フレンチ?イタリアン?」

「……姉ちゃん。わりぃけど、一回頭の中空っぽにして聞いてくれ。」

「なによ。」

「俺が付き合ってるのは、姉ちゃんが想像してるような女じゃねぇ。
フレンチもイタリアンもどっちがどっちなのか分かってねーような女だ。
何食べさせてもおいしいって騒ぐような女だから、店の心配はしなくていい。
それに、急に姉ちゃんと食事って言われてもあいつを困らせるだけだから、食事は勘弁してくれ。
今度、ちゃんと前もって話しておく。
なぁ?いいだろ?」

「…………わかったわよ。
じゃあ、せめてどこの会社の娘さん?」

「だーかーらっ、ちげーって!
どこかの令嬢でも金持ちでもねーよ。
秘書だ秘書っ。」

言ってからしまった!みたいな顔してもダメですよ~。
もともとあんたがそういうお嬢様に興味がないのは分かっていたけど、叩けばすぐにポロリと白状しちゃうんだから。
秘書ね。ふ~ん。

「へ~、どこの会社の秘書?」

「…………。」

「どこで知り合ったの?」

「…………。」

「司、私、自分で調べようか?」

「わかったよ。…………俺の秘書だ。」


これには、さすがの私も驚いた。
自分の部下に手を出したのね~。
でも、それってことは、相手はすぐ近くにいるってことね。

「ちょっと、私、秘書室行ってきまーす!」

「バカ、姉ちゃん、やめろって!」

「顔見るだけ、ね?いいでしょ?」

「ダメだっ。」


ピピピピピピ…………。


私にとっては最強のタイミングで。
司にとっては最悪のタイミングで、オフィスの電話が鳴り出した。

「司、し・ご・と、みたいよ?」

電話を指差して言ってあげると、
はぁーーー、と盛大にため息を付きながら乱暴に受話器を取る弟を横目に、私は颯爽と秘書室に向かった。






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 2015_01_27





こんにちは。司一筋の管理人、司一筋です。

今日は早めにお詫びです。
今日の更新はお休みさせて頂きます!

なぜって、わたし今とんでもない顔なんです!
いつもだって?
違うんです。いつも以上に!

2週間くらい前から化粧品を変えて、すごく潤う~なんてウキウキで使っていたところ、二日前からなんだかムズムズカユカユしてきまして、
本日、大爆発ですよ。

ブツブツが頬にたーくさん。
もう鏡見たら泣けてくるくらいっ。
病院で薬も貰いましたが、目の中までなんだかムズムズしてきて、仕事も早退しちゃいました。

そして、見かねた上司に、
「明日も休みなさい」って嬉しい一言を頂き帰ってきました。

今日はゆっくり休んで、明日は更新しまーす。
楽しみに来てくださった方、ごめんなさい。
また明日、覗いてみてください。
ペコリ



ここから、素敵サイト様へ飛んでいけ~!



 2015_01_26






「道明寺、道明寺。」

耳元で愛しい女の声がする。
夢でもあいつを求めてるなんてどんだけなんだよ、と思ったとき素肌の肩に誰かの温もりを感じた。

「道明寺、起きてっ」
その声に現実に戻された俺は、やっと目を開けると、目の前に牧野の顔があった。

「おはよ。ぐっすり寝てたのにごめんね。
でも、そろそろ用意しないと……。」

「何時だ?」

「7時」

マンションに戻って着替えをしても充分間に合う時間。
それにしても、ぐっすり眠っちまった。
出張に行っても、場所が変わると眠りが浅くなる俺なのに、昨夜はよく眠れた。
心地いい疲れが全身を包むとともに昨日のことを思い出す。

「牧野、…………体、辛くねーか?」
俺のその問いに、恥ずかしくなったのか、

「早く起きて、遅刻しちゃうよ」
と言って俺の側から逃げようとするが、俺はその手を掴み逃がさねぇように抱きしめる。

「まじで、大丈夫か?
昨日は……加減してやれなくてごめん。」
優しくすると言っておきながら、あまりの気持ち良さに加減を忘れた自覚はある。

「…………大丈夫。へーき。
それより、服着てよっもう!」

牧野を抱きしめた俺は昨夜のままの素っ裸。

「なぁ、まだ時間あるからもう一回しようぜ。」
冗談のような本気のような俺の言葉に、

「バカっ!変態っ!」
予想通りの反応を見せるかわいいこいつ。


「道明寺、朝ごはん出来てるけど、食べてく?
って言っても普通のごはんしかないけどねっ。
道明寺の口には合わないかもしれな……」
ゴチャゴチャ言ってる牧野の言葉を遮り、

「食ってく。」
そう俺が言うと、

満面の笑みで
「うん。すぐ用意する。」
とパタパタ走って行きやがった。



牧野がいなくなってふと部屋を見渡すと、俺のスーツが綺麗にハンガーに掛けられている。
しかも、ワイシャツまでアイロンをしたのか昨日の皺はねぇ。
それを見ていると、部屋の向こうから朝食の香りがしてくる。


こんな風に、心から穏やかな時間を過ごしたのはいつぶりだろう。
いや、もしかしたらはじめてかもしれねぇ。
こんな風に誰かを好きになって、そいつを大切にしたくて、俺のものにしたくて、ずっと一緒にいたくて…………。
半年前の俺には考えらんねぇことばかりだ。

けど、一度知ったら手放せねぇかもしれない。
俺はこう見えて、一途な男だ。
熱しづらいけど、一度温めてしまえば冷めることはねーかもしれねぇ。







*************************

「甘いっ、甘すぎる。
チョコレートケーキの上にたっぷりの生クリームを乗せたぐらい甘いっ!」

「例えは悪いですけど、確かに甘いですね。」

今日の副社長は一段とまっきーを見る目が甘い。
何かあったのは確実だ。
しかも、それをアシストしたのはたぶん俺。

昨日、副社長に持たせた消毒薬と傷テープ。
あれを有効活用してくれたのなら本望です。
そう俺は心のなかで呟く。

桜井さんも副社長が醸し出す甘い雰囲気に耐えきれなくなって、秘書室に入ってくるなり自分のデスクに倒れこみ「甘い甘い」を連発している。

「あんなフェロモン出されたらどんな女もイチコロでしょ。それなのに、本人は超絶鈍感女、まっきーにしか興味なし。」

「桜井さん、まっきーに聞こえますから。」
トイレに立ったまっきーが帰ってこないかソワソワしてると、
そこに西田さんが入ってきた。
さすがに桜井さんも背筋を伸ばしてイスに座り直している。

すると西田さんが、
「今日の午後、大事な方が副社長に会いにみえますので、いらっしゃいましたら粗相のないようお願いいたします。」
そう言ってかすかに笑った。

「大事な方……ですか?お約束は何時に?」
俺の問いに、

「時間は決まっておりません。
椿さまはいつも自由な方ですので。」
と、西田さんが答えた。

「椿さま、ですか。」

俺と桜井さんは近くにあったメモ用紙にその名を書き写そうとしたとき、

「副社長のお姉様です。」

その西田さんの言葉に俺たち二人は同時に顔をあげた。





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 2015_01_25






せっかく必死に抑えてたっつーのに、こいつは意図も簡単にその努力を台無しにしてくれる。
そして、一度崩れてしまった理性は後には戻らない。



「んっ…………ぁ…………」
半月ぶりにする濃厚なキス。
部屋にピチャピチャと卑猥な音が響く。
牧野の手がやんわりと俺の首の後ろで組まれ、受け入れてくれてるとわかり更に深くなる。

牧野から漏れるわずかな甘い吐息に我慢出来なくなり、そのままソファに押し倒しながらも、牧野の唇から離れられねぇ俺。

「道明寺。」

「ん?」

「…………シャワー使う?」

「…………ああ、借りる。」

俺はそのままでも構わねぇ。いや、むしろここで待ったは辛いけど、お互いはじめてなんだから綺麗にするのも礼儀だろ。

俺の返事に、
「タオル出すね。」
そう言って起き上がる牧野。

そして、バスルームに向かった牧野だったが、少ししてちょこんとバスルームの扉から顔だけを出して「道明寺」と呼ぶ。

ソファに座ってた俺は牧野の方を見るが、下を向いたままで俺の方を見ようとしねぇ牧野に、
「どうした?」
そう言って近付くと、

「いや、あのね、着替えとか持ってきてないよね。当たり前だけどさ。こんなことになるなんて思ってないもんね。
…………明日、困るよね。仕事なのに。
やっぱり、今日は……やめとく?」
あり得ねぇ問いかけに、

「ふざけんな。こんな状態でやめれるかっ。
やっぱ、シャワーは後にする。
おまえに考える時間をやったら、ろくなこと考えねーだろ。」

そう言って、俺は牧野を抱き上げた。




ベッドに優しくこいつを下ろすと、スカートがめくれて白い太股が露になった。
それだけで、下半身に熱が集中するのがわかり自嘲するが、今日はその先も知ることが出来ると思うと堪らねぇ気持ちになる。

俺は再び牧野に覆いかぶさり口付ける。
薄く開いた唇に舌先を進入させると、
「ん・・・・ふ・・・」
抑えきれない甘い声を聞かせてくれるこいつ。

「牧野・・・・」

耳元に唇を寄せて、名前を呼ぶと少し首を縮めてビクッと反応するこいつの耳朶を口に含みながら
そっと、服の上から手を滑らせて、肩から背中、胸へと手を這わした。

服の上からでもわかる柔らかな体は、男のそれとは全く違い興奮させられる。
素肌に触れたい…………。
牧野のワンピースのボタンに手をかけると、
「自分で脱げるから」と小さく牧野が呟く。
それでも、二つ目のボタンを外すと、
「道明寺、…………スーツ皺になっちゃう。
せめて、そこのイスに掛けといて。」

牧野に言われて気付いたが、俺はまだスーツ姿のままだった。
牧野に触れたい欲求から自分のことにまで頭が回らねぇ。

恥ずかしそうにもう一度だけ、
「自分で脱いでるから。」
そう言った牧野に軽くキスをして、体を離しスーツを脱ぎ捨てた。

ほとんど裸になった俺は、ブランケットの中に入り込んでる牧野の側に滑り込むと、下着姿のこいつが恥ずかしそうに背を向けている。

俺は目の前にある牧野の背中に唇を這わせた。
ビクッと震えた牧野が、「道明寺」と呼ぶが、
返事の代わりに唯一残っている下着のブラのフックを外すと、肩から紐を落として、用を成さなくなったそれをベッドの下に放る。

そして、手で柔らかな膨らみにふれる。
はじめて触れるそれは、思った以上に柔らかく手の中からこぼれ落ちていく。
そして、先端の蕾を優しく指の腹で刺激してやると徐々に硬さを増してくるのがわかる。

「……やっ。道明寺……」

その牧野の甘い声に堪らなくなり、体を俺の方に向けさせ、噛みつくようなキスを繰り返しながらゆっくりと両方の膨らみを揉んでやる。

「……ん、…………ふ……」
声を必死に抑えようとするこいつに、

「我慢すんな。声ぐらい聞かせろ。」
そう言ってやると、

「やっ、………ん………恥ずかしい。」
と、まだ抵抗する牧野が可愛くて、

「わかった。我慢出来なくしてやればいいんだろ。」
俺は胸の頂の硬く立ち上がった蕾を口に含みコロコロと転がしてやる。
片方は口に含み、もう片方は指で刺激してやると、牧野から抑えきれなくなった声が漏れ出してくる。

それをいいことに、俺は胸からわき腹、お尻へと手を滑らせていき体中にキスを落としていく。
徐々にブランケットから露になってくる牧野の体を目で、手で、唇で堪能していく。

「道明寺……やっ…………ん」

俺の唇が徐々に下に降りてきて、少し逃げ腰になってきた牧野の体にもう一度覆い被さり、
目を見て言ってやる。

「優しくする。どうしてもやだったら言え。」

牧野がコクンと頷くのを確認した俺は、内腿を優しく撫で、ショーツをするりと脱がせ、ベッドの下に放った。

ゆっくりと脚を開かせる。
はじめて触れるその場所は、温かく、そしてじっとりと潤っていた。
その潤いを助けに、ゆっくり中へと指を入り込ませていく。

きつい…………。
すげー、きつい。
牧野の体も緊張からか力が入っているのがわかる。

「牧野、痛いか?」

「……大丈夫。」

「ゆっくりやるから力抜け。」

入れた指を少しずつ回しながら、狭い道に隙間を空けるように動かしていく。
なんとも言えない温かさと滑り、凹凸に興奮が抑えきれねぇ。

どれぐらいそうしてたか、牧野の体から少しずつ力が抜けてきて、同時に溢れるように愛液が指を伝ってくる。
牧野に視線を向けると、目を潤ませ
もう一度「道明寺」と呟くのが聞こえた。

俺の理性が完全に崩れ落ちる。
すぐにでも牧野の中に入り込みたい衝動を必死で抑え、
「入って……いいか。」と聞く。

牧野の「うん」という返事を聞いた俺は、
財布の中から避妊具を取り出すと、乱暴に封を切り手早く装着した。

牧野の両脚を優しく開かせ、熱く昂ぶる自身を押しあてると、牧野から小さな声が漏れるが、そのままゆっくり沈みこませていく。

先の方から段々と包み込まれる感触に、全身に鳥肌がたつ。

はじめてだから、きついのはわかっていたが、そのきつさも心地いいぐらい気持ちがいい。
全部入ったところで、
「大丈夫か?」
牧野に聞くと、

「もうダメ。……動いちゃイヤ。」
潤んだ目で甘く訴える牧野。

「わりぃ。もう少しだけ挿れさせろ。
すげー気持ちぃ。」
そう言いながら、腰をゆるく動かしていく。

あまりにも気持ち良くて、動き続けたらあっさりと果ててしまいそうな感覚に陥るが、自己満足で終わらせたくはねえ。

動きを止めて、もう一度牧野を見つめる。
「牧野。つらいか?無理ならやめるぞ。」
おでこにキスを落としながらそう伝えると、

「ううん。大丈夫。……最後まで……して。」
相変わらずの無意識爆弾が投下される。

その言葉と同時に牧野の手が背中に回され、ギュっと俺にしがみついてきた。

充分に潤いを得た牧野の中は容易に俺を受け入れてくれている。
その内部は執拗に俺に絡み付いてきて、限界を知らせてくる。
動きを早めた俺は、あまりの気持ち良さに耐えることができず、牧野の中に放った。









隣で眠りに入った牧野の前髪を掻き分けてやる。
化粧を落としたこいつの顔は、すげー幼くて、今のように裸で抱き合っているとなぜだか罪悪感もよぎるぐれー幼い。

それなのに、体はちゃんと大人の女で想像以上だった。
欲を言えばもう一回抱きたい。
けど、疲れきって眠りについた牧野を起こす気はねえ。


牧野の顔を眺め幸福感に浸りながら、俺は変なことを思う。
はじめて、女を抱いた。
やり方も手順も誰かに教えられたこともないし、さほどそういった類いのビデオや雑誌を読んだ経験もねぇ。
それなのに、どんな風に触ってどんな風に動くのかは本能でわかっていた。

だけど、誤算だったのは、
それが愛しい女が相手だと、全身が痺れるぐらいの快感と幸福感に包まれ、胸が苦しくなるということは知らなかった。



どうか、自己満足でなければいい。
牧野も俺と同じように、今日のことを幸せだと感じてくれたら…………。






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 2015_01_24






牧野と微妙なスレ違いがあってから半月が経ったが、普段何気なくしていたスキンシップが少し減ったぐらいで、その他は通常通りに戻った俺ら。

今日は1日スケジュールが埋まっていて、朝から西田とオフィスの外に出ていたため、牧野とは顔を合わせていなかった。
夜8時を過ぎてオフィスに戻った俺は真っ先に牧野の姿を探す。
ほんとなら直帰しても良かったが、丸1日牧野の顔を見ないまま帰るのもなんとなく落ち着かねぇ。


オフィスに戻ると、佐々木がコーヒーを持ってきた。

「お疲れ様です。」

「おう、サンキュ。」

いつもなら牧野の仕事なのに佐々木が来るってことはあいつはいないのか。
佐々木に聞こうかと思った時、先に佐々木が口を開いた。

「副社長、牧野さんから聞きました?」

「あ?何のことだ。」

「……やっぱり。言ってないのか。
いや、牧野さん今日は早退しましたよ。」

「っ!あいつ具合悪いのか?」

「いえ、実は今日の昼休みにすぐそこのお店にランチに出たんですが、その帰りに自転車に乗った若者と接触して牧野さん転んだんです。
本人はなんともないって言ってましたけど、膝を少し擦りむいて血も出てましたので、帰らせました。」

俺はそれを聞いて、携帯を開くが牧野から着信もメールもねえ。

「副社長にはメールでもしておいたらって言ったんですけど…………ないようですね。」

「ったく。連絡ぐらいしろよ。」
俺が呟くように悪態をつくと、

「桜井さんが傷口に付ける薬とテープを買ってきてくれてますので、牧野さんに渡して頂けますか?」
佐々木は柔らかい口調ながらも、俺に牧野の所に行けと命令しているように聞こえる。

「ああ。わかった。
わりぃけど、今日はこれで帰る。
西田に伝えといてくれ。」

「わかりました。」

足早に帰り支度をする俺を見て、佐々木が笑った。









オフィスからそのまま牧野のマンションに向かう。
電話してから行こうかと思ったが、連絡もしてこねぇあいつのことだから、俺が行くと言えば、来なくていいと遠慮するのは目に見える。

牧野のマンションに着いてチャイムを鳴らすと、
インターホンのカメラで確認したのか、慌てた声で
「道明寺っ?」と声がした。

「ああ。俺だ、開けろ。」

その言葉にバタバタと走ってくる音がしてガチャンと扉が開く。

「どうしたの?仕事終わったの?」
笑顔で出迎える牧野に

「どうしたのじゃねーよ。おまえこそ、何で電話してこねぇんだよ。」
ケガしたっつーのに俺に連絡もしねぇで、呑気に笑ってやがるこいつに苛立ちをぶつけると、

「…………ごめん。」
素直に謝る牧野。

それを見て俺もばつが悪くなり、
「入るぞ。」
それだけ言って返事も待たずに靴を脱ぐ。

そして、そのまま牧野の体を横抱きに抱き上げると、
「キャッ!なに?道明寺、下ろしてよ。」
バタバタと牧野が暴れるが、

「足、ケガしたんだろ?俺が運んでやる。」
ニヤつく俺に、

「擦りむいただけだから、歩けるっつーの!」
そう言いながらも、笑いながら俺に抱きついてくるこいつがめちゃくちゃかわいい。


横抱きにした牧野をリビングのソファに下ろす。

「とりあえず、傷口見せろ。」

ソファに座る牧野の正面に俺は座り込むと、ちょうどスカートをはいた牧野の膝が見える位置にある。
「血も出たのか?」

「ほんの少し。」

「桜井からこれ預かってきた。
消毒薬と傷テープ」

「ほんと?嬉しい。
シャワーで傷口は洗ったんだけど、小さなカットバンしかなかったからそのままにしておいたの。
ありがとー。」
そう言って俺の手から薬が入った袋を取ろうとするが、俺はその手を遮って

「俺が貼ってやる。」
そう言って薬とテープを取り出した。

「いいって!自分で出来るっ。」

「うるせー。やらせろ。
おまえさー、なんですぐに連絡してこねーの?
今回は小さなケガだったからいいけどよ、後で知らされる彼氏の身にもなれよ。
佐々木が言わなきゃ、俺は明日まで知らなかったかもしれねぇんだぞ。」
俺は、牧野の膝に薬を塗りながら文句を言う。

「後で電話するつもりだったもん。」

「後っていつだよ。」

「…………もう少ししたら?」

「信用できねー。」

傷口に薬は塗り終わった。
あとはテープを貼るだけ。

「わりぃ。もう少しスカートあげろ。
テープがくっつく。」
膝にかかるスカートを牧野が少しあげると、白い太股が見えてドキッする。

牧野の顔をチラッと見ると、明らかに顔が赤い。
その顔を見るとますます胸が激しく鳴ってくるが、必死に冷静さを保ってなんとかテープを貼り終えた。

このままここにいたら、この間のように抑えがきかねぇ。
またこいつにあんな顔をさせるぐらいなら、早めに帰った方がいい、そう思った俺は、

「よし、終わったぞ。
…………もう遅いから、また明日な。」
そう言って牧野から視線をそらし立ち上がろうとしたとき、

いきなり牧野が俺の手を取って言ってきた。
「道明寺、もう帰る?」

帰りたくねぇけど、帰らないとヤバイってことはわかる。
「…………ああ。おまえの顔見たから安心した」
そう言って頭を撫でてやると、

「仕事残ってるの?」
牧野が聞いてくる。

「いや、ねーよ。」

「……じゃあ、……ゆっくりしてく?」

「あ?」

「夜までゆっくりしてけば?」

「もう夜だろ。」

「そうじゃなくてっ。」

「なんだよっ。」

「だからっ!泊まってくって聞いてんの!」
でけー声で喧嘩でもしてんのかってぐらい怒りながら言ってるくせに、顔はすげー真っ赤なこいつ。

「おまえ、言ってる意味わかってんの?」

「……わかってる。」

「わかってねーよ。全然。」

「わかってるって。」

「なら言ってみろよ。」

「っ!」

「おまえさ、俺のこと信用しすぎ。
好きな女と一緒にいて何もしねえと思ってんのかよ。その気になれば、おまえのこと押し倒すぞ。泣いてもやめてやれねーぞ。
男ってそういうもんなんだよ。
だから、簡単に覚悟もねーのにそういうこと言うな。」
ひでー言い方だってことはわかってる。
けど、この間みたいに俺から逃げるぐらいなら、簡単に近付いてくんな。
そんな気持ちで牧野に伝えると、

みるみる内に目に涙をためて、俺を睨み付けてきた。
そして、
「バカっ!バカバカっ。
あたしは、あんたが好き。
一緒にいればいるほど好きになってどうしようもなくて。
だから、道明寺とそういう仲になりたいってずっと思ってたけど、この間は、この間は、
生理だったのっ!だから、せっかくそんな雰囲気になったのに申し訳なくて。
道明寺が押し倒してくれないなら、あたしから押し倒しちゃうんだからっ!」

俺の胸をドンドンと叩きながら、俯いて話す牧野の言動が凶悪にかわいくて、俺は全身から力が抜けてくる。

好きな女にこんな風に言われて落ちない男なんているのかよ。






「牧野、おまえさ、どこまで凶悪なんだよ。
可愛すぎだろバカ。」




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Author:司一筋
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