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小話 14

Category: 小話  



『ドクター!』のお話に出てくるハマドと数年ぶりに再会した設定ですよっ。



※※※※※※※※※※※※※※※


今日はつくしの誕生日。
食事を終え、二人でメープルのバーでゆったりお酒を楽しんでいると、

「司?」
と、アラブ系訛りの英語で話しかけられた。

「おう、ハマド!」

「久しぶりだね、元気かい?」

「ええ、ハマドは?」


久しぶりの再会。
数年前、ハマドの会社と大きな取引を成功させ、彼とはそれからの付き合いだ。
何度か仕事で会っていたが、その後ハマドはアジア圏での仕事を任されるようになり、今は家族と共に中国にいると聞いていた。

ハマドの傍らには女性の姿。
その女性に視線を移すと

「わたしの妻です。」
と、ハマドが優しく笑いかける。

俺はハマドの奥様と握手を交わしたあと、後ろを振り向き、
「私の妻も紹介します。」
と言って少し緊張気味のつくしを立たせた。



俺とつくしが結婚して2年。
まだまだ新婚気分も抜けず、こいつとの甘い生活で毎日が幸せな日々。

ハマドと久しぶりの再会と言う事もあり、お互いの妻を交えて一杯やることにした。

「司に偶然あえて嬉しいよ。」

「ええ。日本には仕事で?」

「そう。司は?今日は……」
俺とつくしを伺うように聞くハマド。

「今日は妻の誕生日なんです。」

「おー、そうだったのかい!
それじゃ、何かお祝いさせて貰わなくちゃいけないね。」
ハマドは奥様と嬉しそうに頷くが、

アラブ系訛りの英語に付いていけないつくしは、俺の顔を見てキョトンとしている。

「おまえの誕生日だって言ったらお祝いするって。」

「えっ、言わなくてもいいのに。」

困った顔のつくしに苦笑する。
今日だって、誕生日を二人で祝おうと誘った俺に、
「つい数日前にクリスマスで二人で出かけたばかりでしょ!お義母さんに怒られちゃう。」
と、俺を睨んでたこいつ。

ハマドが立ち上がり、バーカウンターで何やら言ったあと、俺達の前に小さなホールケーキが運ばれてきた。
そこにはハートのロウソクも立てられている。

「おめでとうございます。」
カタコトの日本語でハマドがつくしに言うと、

「ありがとうございます。」
とはにかむつくし。

「司、ハッピーバースデーの歌は送ったのかい?」

「いや、歌ってないよ。」

「日本では歌わないの?」

「まぁ、家族や友達には歌うけど…」

「じゃあ、司が愛を込めてここで一曲どう?」

正面に座るハマドがそう言っていたずらっ子のように笑い、隣りに座るつくしがキョトンとした顔で俺に聞く。

「なんて言ったの?」

「俺に1曲歌えって。」

「えっ?」

「バースデーソングを。」

つくしの顔色を伺うようにそう言うと、こいつは即答で言いやがる。

「絶対にやめて。」

「なんでだよ。」

「歌ったら殺すからね。」

こういうとこが堪らなく可愛いと思う俺は、何年たってもこいつにベタ惚れだ。
「分かってる。」という代わりにつくしの頭をポンポンと撫でてやると、それを見てハマドが言った。

「司、もしかして彼女があの時の?」

あの時の……、そう聞かれて何年か前の事を思い出す。

あれは、ハマドとの交渉が決裂した日の夜、このバーで悪酔いしていた俺はビジネスモードからプライベートモードに切り替わったハマドを相手に愚痴を漏らした。

『何年たっても同じ女を愛していて、どうしても俺はあいつしか考えらんねぇ』と。

その事をハマドは言ってるんだろう。

「はい。」
そう答えてつくしを見ると、ハマドの奥様と慣れない英語で楽しそうに話している。

「想いが通じたってことだね。」

「ええ、ようやく…俺のものに。」

そう答えたあとハマドに促され軽くグラスを合わせる。

「僕はね、あの夜、ここで司に会っていなければ道明寺HDとの仕事は引き受けるつもりはなかったんだよ。
正直言うと、僕は君のことを信用していなかった。生まれも育ちも根っからのサラブレットの司は、仕事のセンスも良いから苦労知らずだっただろ?
それが良くも悪くも仕事に出ていた。全力さが見えなかったんだよ。」

「まぉ、確かに、そうだったかもしれません。」

「けれど、あの日、どうしても彼女が欲しい、どうしても彼女じゃなきゃ駄目なんだって酔いつぶれてる司を見て、人間味を感じたなぁ。
一気に司に興味が湧いたよ。この男にも本気になるものがあるんだってね。」

そんなハマドの言葉に俺は迷わず返す。

「俺の人生で、本気になったのはつくしに対してだけですから。」

本気……という言い方が合っているのかは分からない。
仕事に対しても俺なりに真剣に取り組んできた。
俺には仕事しかねえと思ってたから。

けど、そんな俺をつくしはいつもいい意味でぶち壊してくれた。

「俺はつくしを10代で本気で好きになり、20代で本気でもう一度ぶつかりにいった。
そして、これ先も俺はつくしだけを本気で愛します。」

そう言う俺に、
「つくしは世界一幸せ者だね。」
と言ってハマドは笑った。



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 2019_09_07


小話 13

Category: 小話  



「道明寺さんはお酒好きの女性をどう思います?」

「俺は、…いいと思いますよ。」

「ホントですかぁ、良かった〜。
もう一杯ワイン頂いちゃおうかな。」

「どうぞどうぞ。」



茶会の帰り。
違う流派の家元である進藤家のお嬢さんを連れてメープルのバーで一杯していると、
偶然仕事終わりの司とばったり会った。

お嬢を司に紹介すると、ほろ酔いのお嬢はさらに顔を赤くして司との出会いを喜んでいる。

「総二郎は何のむ?」

「ああ、俺はロックで」

かなり早いペースで酒が進む俺達。
そして、お嬢から冒頭の発言。
ビジネスモードの司はいつもより紳士的だ。
甘えるような目つきで司にそう聞くお嬢は、すっかり司に落ちたようだ。


「司、今日はメープルに泊まりか?」

「ああ。」

「あら、道明寺さん今日はここにお泊まりなんですね。実は私も今日はこちらに予約してあるんです。」

「そうですか。それならゆっくり出来ますね。」

「はい、……良ければ、遅くまでお酒にお付き合いして頂けます?」


何かを期待した目のお嬢。
司、頼むから泣かせるなよ。



そう思った矢先、
バーの入り口で見知った顔が登場する。


「牧野。」

「道明寺、ごめん遅くなって。
西門さん、一緒だったの?」

そう言って駆け寄ってくる牧野は、スーツ姿で仕事帰りなのだろう。

俺の隣りに座るお嬢に気付き、
「あっ、お邪魔してすみません。」
と、慌てて頭を下げる牧野に、

「遅かったな。おまえも座れよ。」
と、司が自分の隣へ強引に座らせる。


司、牧野が来た途端、その甘い顔はやめろ。
ったく、何年たってもおまえは変わんねぇ。


「おまえ呑んできたのか?」

「だって、呑み会だって言ったでしょ。」

「聞いたけど、おまえが呑むとは聞いてねぇ。」

「はぁ?」

険しい顔で司を睨みつけた牧野は、
「私もカクテル一杯のもうかな。」
なんて言いながらドリンメニューを見ている。

隣のお嬢は……と言うと、
すっかりさっきまでの甘えた顔は息を潜め、
司と牧野を困惑した顔で見ている。

はぁーーー、
夢物語はここでジエンド。
現実を教えてやんなきゃな。


「お嬢、こちら牧野つくしさん。
俺達の英徳の後輩で、弁護士をしている。
そして、……司の彼女。」

「あー、……そうですか。」


司、おまえはこうやって何人の女を悲しませて来たんだよ。
恋愛っつーのは、そんなに一途に貫かなくてもいーもんじゃねーの?

そう文句の一つも言ってやりたいのに、当の本人は相変わらず一人の女に首ったけだ。


牧野がカクテルに口をつけたのを見て、
「おまえどれくらい呑んできた?」
と、聞いている。

「ん?ビール2杯とサワー1杯かな。」

「飲みすぎだろ。」

「そう?皆と同じくらいだよ。」

「付き合いで飲むときは1杯だけにしとけよ。」

そう言ってせっかく牧野が頼んだカクテルも、司がガブリと飲む始末。

「ちょっ、もう!
西門さんもなんとか言ってやってよ。
この人、酷い偏見なんだから。
女が外で酒呑むのは気に食わないって。」

「司は案外そーいうとこ古いからな。」

「でしょ?考えが古いのこの人。」

そう言って口を尖らす牧野に、クスッと笑う司。
そして、俺でも見ていられねーくらい甘い顔で言う。

「別におまえ以外なら構わねーよ。」

「はぁ?」

「だから、おまえ以外の女なら、いくら呑んでも構わねぇって言ってんだよ。」

「はぁー、凄い差別。」

「あたりまえだろ。
好きな女が他の男の前で、酔って無防備になるなんてありえねぇ。
その代わり、俺と二人のときならいくらでも呑んでいいぞ。」


俺は、冒頭の会話を思い出す。
牧野以外の女は司にとって眼中にナシ。
好き放題しろって訳だ。

いい加減にしろよおまえ。
さっさと同じ名字になって、その大事な彼女を籠に囲ってしまえ。

そしたら、少しはそのデレッとした顔も引き締まるんじゃねーのか!



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 2019_08_10


小話 12

Category: 小話  



今日は俺の誕生日。
超高層マンションの最上階にある自分の部屋で
顔見知りだけをを呼んだ25回目のパーティー

「あきら、おめでとう」
「美作さん、おめでとうございます」

総二郎と桜子が柄にもなく大きな花束を持ち、
少し遅れてパーティーにやって来た。

「滋さんは?」
桜子のその問いに

「牧野とデザート食ってる。
類もその隣でウトウトしてるぞ。」
と、奥の部屋を指して答えると、

「えっ、先輩も来てるんですか?」
と、桜子が眉間にシワを寄せる。

「ああ。司からあんなに言われたのに、滋が言うこと聞かねーから。」
と、俺も参ったという表情を見せる。


今日のパーティーにはいつものメンバーに招待状を送っていたが、NY住まい3年目の司は来ないだろうと思っていた。
が、思いもよらず
「行くぞ。」
と電話がきて、

「来れるのか?」
と聞き返す俺に、

「久しぶりに顔見てぇし。」
と照れる台詞。

でも、これは俺にではなく、目に入れても痛くねぇほど惚れてる牧野に対してだと理解するのにそんなに時間はかからなかった。

パーティーの日の午前中には日本につく予定だったのに、天候不順で大幅に遅れ、さっき邸に着いたと連絡が来た。

その時にはすでに牧野はここに来ていて、その事を司に告げると、
「滋のヤローっ。牧野は俺が連れて行くからって言ったのに勝手に行きやがったな」
と、舌打ちしている。

今日は俺の誕生日だぞ。
頼むから乱闘だけはやめてくれ。
そう願うしかない俺。


今日の牧野は、司が今日の為に送ったという淡いパープルのドレス姿。
他の女性客はルームパーティーだという事で、肌の露出が高い中、牧野のドレスは肩もすっぽり隠し上品さが際立っている。

さすが、司のセンスだけあって、
幼児体型の牧野にもよく似合ってる。


今来た総二郎と桜子と共に、奥の部屋に行くと
滋と一緒にいると思っていた牧野は
男と何やら楽しそう話してやがる。

あれは、昔からの俺の知り合いで、気の優しい良い奴だ。
普通の状況なら、お似合いだと放っておくのだが、
相手が牧野だからそうも行かない。

この状況をあの野獣が見たら
暴れ狂うだろうから。

そう思って「牧野」と声をかけようとしたその時、
「滋てめぇぶっ殺すぞ」と、低い声が俺の耳に届いた。

後ろを振り向くと、
カジュアルなスーツ姿に身を包み、ポケットに手を入れて滋を威嚇する猛獣現る。

「お、おう、司来たのか。」

「ああ、遅れてわりぃ。
お前の好きなワイン、持ってきたから秘書の竹田に預けてある」

そう言って1本100万するワインをプレゼントに持ってきた司の視線はもうすでに牧野にロックオン。

「あいつは?」

「あー、俺の知り合い。
仕事関係で昔から世話になってる奴で、悪い奴じゃねーから大丈夫。」

と、なぜか必死にこの状況を説明する俺は
何に怯えてるんだよ。

「あら、司、早かったね〜。」

「滋、てめぇ勝手に牧野連れて来んな。」

「だって、司が何時になるか分かんないって言うから、せっかく可愛くドレスアップしたのに部屋で待ってるなんて勿体無いでしょ」

「そんで、連れてきたあとは放置かよ」

「んー、まぁ、つくしが可愛いから色んな虫が寄ってきちゃうのよね〜。」

これ以上、司を怒らせるな滋。
そんなハラハラしてる俺の横を通り過ぎた司は、まっすぐに牧野へ突き進む。

頼むからこんなところで喧嘩すんなよ。
そう心から願う俺の気持ちが通じたのか、
牧野に近付いた司は、さり気なく腰に手を回し、
相手の男に何かを言ったあと、部屋のバルコニーの方へと歩いていく。


「道明寺さん、暴れなかったですね。」
俺と同じ気持ちだったのか桜子もホッとした声を出す。

「ああ、まぁ、あいつら久しぶりの再会だし、
自らムード壊すほどバカじゃねーだろ司も。
俺らも座ってゆっくりしよーぜ。」

そう言って俺たちは部屋の大きなソファに寛ぐ事にした。
今日は午前中の雨が嘘のように晴れて、空には満開の星が出ている。

部屋は大きなガラス張りになっているので、部屋の中からもその美しさが見て取れる。

それぞれがグラスを手に持ちながら外に目をやると、
そこにはバルコニーにいる司と牧野の姿もはっきり見える。


2人向き合って何やら言い合ってるあいつらは、
まさか喧嘩でもしてんのか?と思ったその瞬間、
司がさっとかがみ、牧野に軽くキスをした。

それを見て、総二郎がヒューっと口を鳴らし、
「見せつけてくれるじゃん」と言う。

あの道明寺司が、女にキスをしたとなれば
パーティーに来ている奴らもコソコソと
視線を窓の外に向け始める。

そんな中、当の本人たちはと言うと、
キスをした司を見上げて牧野が何か抗議したのか、司の胸を軽く叩き、部屋の中を伺う様子を見せる。

そんな牧野の怒った顔を両手で包み込む司は、
さらに上を向かせてさっきよりも長いキス。

「おいおい、どこまでやる司くん。」
総二郎は完全に面白がっている。

「あいつらはこっちから見えてるの知らねぇんじゃねーの?」

「そうかもしれないですね。先輩見られてたら絶対にあんなことさせないと思いますよ。」


その総二郎と桜子の会話に俺はピンときた。
司は確実に確信犯だろう。
この部屋を内装するときにこの窓のことで司に相談したのを思い出した。

司の邸にある大きなバルコニー付きの部屋はガラス張りになっていてカーテンが付いていない。
夜でも開けっ放しか?と聞いたとき、
「特殊なガラスを使っていて、中からは外が見えるが、外からは中が見えないようになっている」
と司に教えてもらい、
この部屋も同じガラスにしたのだ。

ということは、今あそこでキスをしている司は、
中にいる俺たちから完全に丸見えなのは承知のはずだ。

知らないのは牧野だけ。
牧野からしたら、ガラスは真っ暗でまさか見られているとは思っていないだろう。


司からの長いキスに牧野が暴れだし、
唇を離した司は俺らが見た事もないような
甘い顔をしてやがる。

牧野に胸を強く叩かれ抵抗されても、嬉しそうに笑いながらその手を包み込み、牧野の顔を覗き込みながら笑う司。

全く……。
遠距離で喧嘩ばっかして、甘い雰囲気も出さねぇくせに、二人でいる時はラブラブなのかよあいつらは。

俺はグラスを総二郎に預けると、離れたソファに座る男の所に近付いた言った。


「わりぃ、見ての通り、牧野は俺のダチの大事な彼女なんだ。あいつは絶対に牧野を手放さねーから、おまえも違う女あたってくれ。」


遠距離恋愛中の司と牧野。
俺は相変わらずあいつらのキューピット役のようだ。


お久しぶりです。なんとか生きております笑
皆さんもお元気でしょうか?

 2019_02_07


小話 11

Category: 小話  



昨夜はあのまま牧野の部屋に泊まった。
そして、今日はいつもより1時間早く起きて、熱いシャワーを頭から浴びている。

昨日の牧野はいつもと違った。
酒のせいなのか、総二郎のアホなアドバイスがきいたのか、いつもよりガードが低く俺の攻めを受け入れてくれる。

愛撫だけでたっぷり時間をかけた牧野の体は、指を入れただけでトロトロと溢れ出すほど敏感になっていた。

そんな牧野を見て限界の俺。
そろそろ中に挿れてもいいか……と準備をしようとした時、牧野が動いた。

かなり張りつめている俺のものを口に含みゆっくりと上下しはじめた牧野。
その動きに、堪らず声が漏れる。

「牧野、今日はヤバイ。
もうおまえに挿れたい。」

そんな俺の要求なんてあっけなく無視されて、下半身は熱を増す一方。
何年たっても牧野のその行為は、慎重にゆっくりと俺を傷付けないように優しくて、それがかえって焦らされているようで堪らない。
ずっとしてて欲しい…そんな気持ちにもなるが、もう限界がきてる。

「牧野、マジでヤバイ。」

「……ん。」

「んっ……もう、…離せ。」

「……気持ちぃ?」


バカ。
この状況でその上目遣いで、そんなこと聞くんじゃねーよ。
必死に抑えてたものが一気に溢れ出す。

「ヤバイっ、マジで離せ。」

「…。」

「うっ、…んっ、……それ以上したら出るぞ。」

これ以上はマジでヤバイ。。
そう思い牧野の身体を持ち上げようとした時、牧野の口内からゆっくりと引き離された俺のものは限界を迎え、先から白濁の汁が溢れ出した。

「バカっ、だから言っただろっ。
口あけろ。ごめんっ、牧野。」

かろうじて口内ではイッてない。
でも、口から抜ける寸前に漏れたのは自覚してる。

「ごめん、我慢できなかった。」

「大丈夫。」

「大丈夫じゃねーよっ。
おまえにそんなことさせたくねぇ。」

「うん、わかってる。
でも、大丈夫、……道明寺のものだから。」

俺はこの言葉を聞いて、
二度とこいつには2杯以上の酒は飲ませねぇって誓った。







熱いシャワーを浴びながら、そんな昨夜のことを思い出し再び熱をおびる下半身。
どんだけ俺は牧野に惚れてんだよ。


バスルームから出るとキッチンで牧野が朝ごはんの用意をしている。
そんなこいつに近付くと後ろから抱きしめて首に顔を埋めた。

「道明寺、仕事に遅れるよ。」

「ん。」

「ちょっと、聞いてる?」

「ああ。でももう少しだけ。」

俺より先にシャワーに入った牧野の体からは俺と同じボディーソープの香りがする。

「牧野。」

「ん?」

「……無理すんな。」

「……え?」

「総二郎がくだらねぇこと言ったかもしれねーけどよ、」

「…うん、」

「俺がおまえのこと一番よく知ってる。
口に出さなくても、おまえがちゃんと俺のこと
愛してるってのは分かってるからよ。」

牧野の頭のてっぺんに俺の顎を乗せながらそう言ってやると、

「あ、あ、愛してるって…。」
と、相変わらずおもしれぇ反応のこいつ。

「愛してねーのかよ。」

「……愛してるよ。」

「だろ?」

「バカじゃないの朝から。
早く用意しなさいよっ。
遅刻したら西田さんに怒られるのあたしなんだから。」

「愛してる、牧野。」

「だーからっ、分かったから、早く準備してっ。」



総二郎。
今回は許してやる。
でも、おまえのアドバイスはいらねーんだよ。
俺らは俺ららしく成長してるから、
心配すんな。




いつも応援ありがとうございます!

ヤバイものが書き上がりました。
書きながら反省してます。
 2018_07_17


小話 10

Category: 小話  



小話9の続きです。

………………………………………


道明寺はあれから20分ほどでお店に来た。

その頃にはあたしは完全に酔っ払い。
道明寺がいつも『2杯までにしておけ』という意味がやっと分かる。

あたしの顔を見るなり、
「俺のいない所で呑ますんじゃねーよ。」
と、西門さんに軽く蹴りを入れたあと、あたしの横にドカッと座った。

「どんだけ呑んだ?」

「…3杯。」

「ったく、相手が総二郎じゃなきゃ説教もんだぞ。」

「ごめん。」

さすがに自分でも酔ってることが分かるだけに、ここは素直に謝るしかない。

道明寺の腕に自分の腕を絡ませながら店を出ると、プライベートで道明寺が乗っている車が店の前に停められていた。

「おまえも乗ってくか?」
西門さんに道明寺がそう聞くと、

「いや、俺はいい。もう一つ約束があるからよ。」
と、相変わらずの返事をして笑いながらあたしたちを見送ってくれた。






「道明寺、こんな時間にごめんね。」

助手席から運転する道明寺にそう言うと、
無言でこの人はあたしの頭をクシャッと撫でた。

運転する横顔も、慣れた手付きも、どれも相変わらず見惚れるほど格好いい。

そんな道明寺をじっと見つめるあたしに、
「どうした?」
と、チラッと視線を向ける。

「道明寺、……西門さんがね……」

「総二郎が?」

「西門さんが……、」

あんたにちゃんと想いをぶつけろって。
道明寺は凄く喜ぶって。
ほんと?

そう心の中で呟く。




あたしのマンションについた頃にはもう12時近く。
明日も仕事だって分かってるけど、このままこの人と離れたくない。

鍵を開けて玄関に入ったところで、
「道明寺…」
と、小さく呼んだ。

「ん?どうした?具合悪いか?」

「違う。
今日、……泊まっていける?」

「……牧野?」

いつもあたしからこんなお誘いしたことはない。
あたしがする前に道明寺が強引に決めるから。
でも、今日はちゃんと言葉にして、

「泊まっていける?」
と、もう一度聞く。

「ああ。」

その返事と共にいつものように優しいキスが降ってきた。
初めてしたキスは何年前だっただろう。
でも、あの時と変わらず道明寺のキスはいつも優しい。
あたしに合わせてくれてるのが分かるキスに、今日はあたしもきちんと答える。

薄く開いた唇から道明寺の舌がすべりこんでくる。
それだけで全身が痺れてくるのは酔ってるだけだからではない。

道明寺の首に腕を回し、口内をねっとりと動き回る道明寺の舌に身を任せていると、一度唇を離した道明寺が、

「今日のおまえ、いつもと違うな。」
と、呟いた。

「……別に。」

「なんか、いつもより積極的じゃねぇ?」
からかう様に言った道明寺は、次に言ったあたしの言葉で一気に怖い顔に変わった。

「…西門さんに……」

そう言ったとたん、道明寺は眉間にシワを寄せて怒ったような顔で、あたしを腰から抱き上げた。
そして、ズンズンと部屋に入り、ベッドの上にあたしを座らせる。

「道明寺?」

「おまえ、さっきから総二郎が…って言うけど、あいつになんかされたか?」

「へ?」

「総二郎がおまえになんかしたのかよっ。」

玄関の明かりだけが差し込むベッドルーム。
その暗さだけでも分かる。
道明寺が怒ってる事。

「違うっ、ちがうよ。」

「ちゃんと話せ。」

「だから、違うって。
西門さんに、言われたの。」

「何、言われたんだよ。」

「……あんたに、ちゃんと好きだって伝えろって。
ちゃんと言葉と態度で伝えろって。」

「あ?」

突然の告白に拍子抜けしたようにベッドに座り込む道明寺に、西門さんと話した内容をポツリポツリと話し出すあたし。

全部話したあと、
「心臓が持たねぇ。」
と、道明寺が呟いた。

「え?」

「ったく、おまえは。
総二郎と二人で呑んで、寝落ち寸前まで呑みやがって、挙げ句の果にあいつの名前ばっか言うからよ、マジで…心配になるだろーが。」

今日は素直になって気持ちを伝えて、この人を喜ばせたいと思ったのに、結局はまた心配かけて不安にさせて。

いつもそんな風に、道明寺を満たせてあげれないあたし。


「道明寺…、」

「ん?」

「どうしたら、あたし、あんたを満たせる?」

「…牧野?」

「こんなに好きで堪んないのに、こんなに触れていたくて堪らないのに、いつもうまく言えなくて、だから、いつもあんたが心配し…」

そこまで言ったあたしに、道明寺が噛み付くようなキスをした。

さっきまでの優しいキスじゃなくて、激しくて余裕がなくて、それでいて
……やっぱり優しいキス。

そして、

「続きはあとでゆっくり聞いてやる。
だから、今は、……おまえが欲しい。」




西門さん。
やっぱりあたし、上手に伝えられなかった。
でも、それでも、8対2なんかじゃない。
それだけは言えるの。
だって、こんなにあたしの想いは溢れてるんだから。



応援いつもありがとうございます!

えーと、もう一話続きそうです。。。
 2018_07_15




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司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
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司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

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