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5年前、あたしは道明寺がNYに行く直前に、告白して振られた。

それでも、どうしてもあいつを忘れることが出来なかったあたしは、そのあと1年半かけて、道明寺のことを想いながら木と草花を植えた。
そこは、道明寺が使っていた邸の東の角部屋から一番よく見えるガーデンスペースに。
パパの仕事の手伝いをしながら、コツコツと一人で作業してきた唯一の場所。

5年たった今、その木々や草花が、あたしが思い描いていたように成長をとげ、色鮮やかに咲きほこり、邸に溶け込んでいる。

いつか、NYから戻ってきたらこの角部屋から道明寺に見て欲しいと願って作ったスペースだったけど、まさか、この部屋があたしたちの新居となるなんて夢にも思ってなかった。



あたしたちがはじめて結ばれたあの日、
ようやく日が明け始めた頃、あたしは昨夜の緊張と体の気だるさから、なかなか起き上がることが出来なかったが、隣に横たわる道明寺が目覚めているのは、なんとなく気配で気付いていた。

昨夜のことが頭に浮かび、恥ずかしくて目を開けられないあたしは、道明寺の胸に顔をうずめて寝たふりをしていた。

その時、道明寺があたしの頭を撫でながら、
「牧野、俺は責任とるからなっ。」
そう呟いたように聞こえた。

あたしはその言葉の意味を深く追及することなく、再び深い眠りについたが、あとになって、
その一言がとんでもない意味を含んでいたことを
あたしは知らされるのだった。



あたしたちが付き合って1ヶ月。
心も体も結ばれて2週間。
あたしと道明寺は…………婚約した。
結婚式は5ヶ月後のあたしの誕生日。

道明寺の突拍子もない婚約話に、あたしは絶句したが、

「俺はおまえに責任とるって言ったろ?
寝たふりしてたけど、おまえも聞いてたよな?
今更、待ったはなしだぞ。
おまえはすぐ逃げるからな。
どーしても無理だ、嫌だって言うなら、俺も考え直す。けど、俺たちもうお互い知りすぎてるよな?これ以上、時間をかける必要はねえと思ってんだけどよ。」

あんたの言うことはごもっともだ。
けど、相談と言うものはないのか、相談は!!

あたしの心の声は駄々漏れだったようで、
「相談なんかしねーよ。
なんたって、俺には切り札があるからなっ。」

道明寺はそう言って、胸元のポケットから名刺ケースを取り出した。
その中から小さく折りたたまれた紙切れが1枚。
それを丁寧に開き、あたしの右手をとって、手のひらにのせた。

それは忘れもしない5年前にあたしがあげた
『なんでも一つ言うことを聞く券』


「今、1枚使うぞ。」
そう言って、あたしを見つめる道明寺。

「牧野、俺は一生おまえを大切にする。
だから、俺と結婚しろっ。」
命令口調は相変わらず。

「どんだけ、俺様なのよっ。
信じらんない。」

「牧野、返事は?」
言ってることは俺様だけど、あたしを見つめる目は不安げで、どうしようもなく胸が締め付けられる。

「……わかったわよ。
言うこと聞けばいいんでしょ。」
あたしのその言葉で花が咲いたように笑う道明寺が心から愛しい。
あたしから、道明寺の胸に飛び込み、ギュッと抱きつくと、道明寺もあたしのことを頭からすっぽり抱きしめてくれる。


「牧野、愛してる。」
あたしが一番欲しかった言葉。

「あたしも…………愛してるよ。」






あたしの恋愛は、全然シナリオ通りには進まなかったけど、でもそれでいい。
結果は望み通りになったから。

ねぇ、道明寺、知ってる?
あたしも、ずっとずっと前からあんたしか考えられないってこと…………。



Fin






終わってしまった。
終わらせてしまいました~。
なんだか、書いてる自分が一番寂しいです。

お付き合いありがとうございました!

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 2014_11_13



その『四角いパッケージ』を見て、かたまる俺と牧野。
その金縛りから解けたのは、俺が先だった。

パタン。
冷蔵庫を閉める音が部屋に響く。
「あいつら……全く。
こんど会ったら、ボコボコにしてやる。」
俺は牧野の頭をポンっと軽く叩き、
「気にすんなっ。」と、回れ右をしてリビングに戻ろうとしたその時、俺の服の裾を牧野が引いた。

「…………牧野?」

「…………道明寺、…………泊まってく?」

「ーーーーーーっ!!おまえ、そういうこと言うと、俺マジで本気にするぞっ。」

「…………本気だもん。」

俯いて小さく呟く牧野。
俺からは頭のグリグリしか見えねえ。

「……牧野、俺、これ以上おまえに触れたらもう我慢できねーと思う。
途中でやだって言っても止めてやれねぇぞ。」

「…………うん。」

「いや、ちがうっ、ごめん。
こんな風に言いたいんじゃねぇんだよ。
牧野、俺はおまえが好きだ。
好きだからめちゃくちゃおまえに触れてぇと思ってる。
だけど、周りに流されるんじゃなくて、ちゃんとおまえがそういう気持ちになるまで、待つつもりだから。」

「道明寺は?……道明寺は今じゃないと思ってる?」

「……いや、俺はいつでもおまえがいいって言うなら、おまえとそうなりてぇと思ってるけどよっ……。」

「……あたしも、……大丈夫。」
やっと顔を上げて俺を見つめてくる牧野。
その顔は、唇をきつく閉めて何かを決心したかの表情。おまえ、ほんとにわかってんのかよ。
これから、エッチなことしようって時に、そんな負けてたまるか!みたいな顔してる女なんて、おまえぐらいだぞ。

「ほんとに……いいのかよ。」

「うん。……っん、…………んん……」

それ以上は、もう何も言わせるつもりはねえ。
牧野の唇を、俺のそれで少し強引に塞いだ。

今日はじめてのキスも冷蔵庫の前だったが、あの時とは比べ物になんねぇくらい、深くて濃厚なキス。
ねじ込んだ舌で口内を舐めまわし、牧野の舌を絡めとる。
部屋にはちゅ、くちゅとやらしい音が響き渡り、余計に俺を興奮させた。

キスをしながら、牧野の服の裾から手をいれて、直に肌に触れようとしたとき、
「道明寺、シャワー浴びさせて。」

「待てねえ。」

「ダメっ、お願い。」

「一緒に入るか?」
ニヤッと笑って言ってやると、牧野は「バカ。」と小さく呟き、俺の腕の中からするりと逃げていき、バスルームに駆け込んだ。

すぐに顔だけひょっこりと出して、
「道明寺、先に入る?」
と、聞いてくるが、
「おまえの後でいい。」と、言って俺は冷蔵庫をあけた。








ベッドに横たわらせた牧野は、緊張してるのか
ガチガチなのが伝わってくる。
それを見て俺は今まで聞きたくても聞けなかったことを口にする。

「牧野、……はじめてか?」

「…………うん。ごめん。」

「なんで、謝るんだよっ。すげー嬉しい。」

「だって……男の人ははじめての女なんて、めんどくさいって思うんじゃないの?」

「他のやつらは知らねぇけど、俺はそんな風に思わねーよ。
逆に、おまえは相手の男がはじめてだって聞いたら、めんどくせーか?」

「そんなことっ、ありえない。」

「なら、お互い様だ。」

「……えっ?道明寺も?」

「俺はおまえしか興味ねえって言ったろ。」



会話はそこまで…………。
俺ははじめて触れる細くて白い牧野の首筋に舌を這わせ、牧野が着ている薄手のワンピースを脱がせていく。

ブランケットの中でショーツだけの姿になった牧野の素肌に手をかけ、その柔らかな2つの膨らみに触れる。
「……んっ……」
すげー柔らかい。
俺の手の中で自由に形を変えるその膨らみは、想像していたよりも、ずっと手に馴染む。

首筋から徐々に唇を移動させ、胸元にたどり着くと、その先端を口にふくむ。
牧野がイヤイヤと首をふるが、その行動とは裏腹に、先端は固く主張してきてその頂きに舌を絡めると、
「あっ、…………や……んっ…………」
と、牧野が甘い声で鳴いた。
その声に煽られて、俺の両手は牧野の体中をはいまわる。

「……道明寺、……もうっ、ダメ……」
「まだ、何もしてねーよ。もっと色々させろっ。」

俺はそう言って、唯一牧野が身に付けている布の中に手をいれた。
「だ……めっ、……道明寺っ」
焦ったような牧野の声を聞くほど、どうしたらもっと乱れさせれるか、どうしたらもっと気持ちよくさせれるかと、余裕が出てくる俺。

牧野のそこはすでに熱く湿っていて、思わず俺は顔がゆるむ。
「痛かったら言えよ。」
はじめて触れるそこは、すげーあったかかった。
指にまとわりつくねちょねちょした感触と、たった1本の指でも、グイグイ締め付けてくる快感。
まだ入れてもいねえのに、わかる。
そこが、とんでもなく気持ちがいいってことを。



それからはもう夢中だった。
慎重に腰を沈めた俺は、その快感にもっていかれないよう、耐えるのに必死だった。
はじめのうちは浅い呼吸を繰り返してた牧野も、だんだんと甘い吐息にかわり、その最中なんども俺の名を呼ぶ。

「おまえの中、すげーきもちー。」
耳元でそう囁くと、こいつの中がキュッと狭くなるのがわかる。
「バカ、締め付けんなって」

限界だ
頭の中まで痺れるような快感が体中に走り、俺は腰に溜まっていた物質を牧野の中に吐き出した。








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 2014_11_13



30分って言ったら、ほんとに30分きっちりに帰ってきやがったあいつら。
リビングのローテーブルに鍋の用意をして、そこに二人で座る俺らを見て、

「なんだなんだ?司、襲ってなかったのかよ?」

「つくし、無事だった?」

と、俺を猛獣扱いする総二郎と滋。

当たり前だろっ。
いくら俺でも、この状況で手を出すほどバカじゃねーんだよ。
それに俺は焦るつもりもねえ。
こいつに触れたいのは本心だけど、牧野を不安にさせたり、怖がらせてまで、自分の感情を押し付ける気はさらさらない。

やっと心が通じた俺らには、まだキスぐらいでも充分だったし、それを拒否しないで受け入れてくれる牧野が愛しくて堪らねぇ。



類と桜子も合流し、俺らの『お祝い』とやらは続いたが、一切俺と牧野のことに触れないこいつらに、どこがお祝いなんだよっ、とツッコミたい感情にとらわれるが、でも俺たちを見つめる目がみんなあったけー。
それだけで、充分だ。

それに、バタバタとキッチンとリビングを行き来している牧野も、どんなに他のやつらが座る場所を移動しても、必ず俺のとなりに座ってかわいい顔で、へへへと笑う。
それだけで、あぁおまえは俺の彼女なんだなって、実感がわき顔がゆるむ。


夜11時を回った頃、『お祝いの会』はお開きとなった。
みんなバタバタと帰る用意をはじめ、マンションのちっせー玄関に次々と向かう。

俺も帰る用意をして玄関まで来たところで、最後に牧野に、
「あとでメールする」と言って
頬をひと撫ですると、顔を赤くして
「うん。」と頷いた。

そして、靴をはこうとしたその時、突然類が
「司、ここからは二人にしてあげる。
俺らからのお祝いだからねっ。」と言い出した。

ポカンとしてる俺に、
「もう、牧野のこと泣かすなよ。」そう言うと
「じゃあなー。」
と、一斉に手をふって帰っていくやつら。

ドアがバタンと閉まって、呆然と立ち尽くす俺は、ふと我にかえり後ろにたつ牧野の顔をチラッと見ると、
「帰っちゃったね、みんな。」と呟いた。

「ああ。」

「…………道明寺は……どうする?」

どうする?って言われても、そりゃあおまえと一緒に朝までいたい。そしておまえがいいっていうなら…………おまえが欲しい。
でも、俺はこんな風になるなんて思ってなかったから、そのー、男のマナーというか、アレを持ってきてねーし。
いくら責任を取る気があるって言っても、ゴムを付けないのはマナー違反だろ。

「もう少しゆっくりしたら、俺も帰るよ。」

「……うん。じゃあ、お茶でもいれるね。」
そう言って、リビングに戻る牧野の後をおう。


改めて二人でリビングのソファに座ると、二人がけのソファなだけあって、思いの外体がちけぇ。
牧野がいれてくれた紅茶を飲みながら、隣に目をやると、牧野の指に絆創膏が二ヶ所はってある。
俺は、その左手をとって
「どうした、これ。」と聞くと、

「あー、仕事で枝に引っかかっちゃって。
たいしたことないの。
たまたまグローブしてなかったから。」
と言う牧野。

「ったく。気を付けろよ。
…………それにしてもちっせー手だな。
それに、ほせー指。」
そう言いながら、俺はこいつの指を一つ一つ撫でていく。
別に深い意味はねぇけど、牧野は

「道明寺、やめてよ。くすぐったい。」
と、手を引っ込めようとするから、俺はその手を思いっきり引っ張り寄せると、体ごと俺の腕の中にポフっと転がり込んでくる。
俺は牧野を優しく抱き寄せ、

「牧野、好きだ。」

「…………うん。」

「おまえは?」

「…………うん。」

「フッ、なんだよ、うんって。」

「……そうだよってこと。」

俺の胸に顔を埋めている牧野は、恥ずかしいのか全然顔をあげねーから、俺は横から耳に優しくキスをする。
すると、くすぐったそうに首を縮めてるその隙に、正面から顔を覗きこんで、唇にキスをした。

何時間か前にしたキスで、少し緊張が溶けたのか、俺の舌が入り込んでも唇をかたく閉ざすことなく、俺の執拗な愛撫を受け入れてくれる。

深く長いキスが続き、俺はソファの上に優しく牧野を押し倒し、真上から見つめると、俺の目を真っ直ぐに見て、
「道明寺、……好き。」
と、今日最大級の爆弾を投げつけてきた。

俺のリミッターが切れる音と同時に、俺の携帯が鳴り出した。
無視しようと思ったが、牧野が目で「出ろ」と言うから、仕方なく携帯の画面を見ると、あきらからだ。

「もしもし。」

「おう、司。さっき言うの忘れたけどよ、俺らから、お祝いのプレゼントあったんだわ。
冷蔵庫の卵が置いてある場所に入れてあるから、使うか使わないかは、おまえ次第だぞっ。
じゃあな、弟よっ。」

なんだよ、プレゼント?
卵?

「誰?美作さん?」

「ああ。お祝いのプレゼントがあるってよ。
冷蔵庫の卵のとこに置いたらしい。」

「えっ?なんだろー」

そう言いながら立ち上がる牧野について、俺もキッチンへとむかい、冷蔵庫を開くと、
きれいに並ぶ卵の横に、小さな四角いパッケージがふたつ。

そう、俺の暴走を唯一とめていた男のマナーであるコンドーム。
それを見て、かたまる俺ら。




これはもう、してもいいってことだよな?
兄貴たち。






司がはじめてお祭りコンビを兄貴と認めました(笑)

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 2014_11_12



2週間の出張をあと3日残すだけとなった日、俺の携帯に総二郎から着信があった。

「おう。司、久しぶりだな。NYなんだって?」

「ああ。」

「ところでよ、俺らお祝いしてやろうと思ってんだけど、司いつ戻るんだよ?」

「あ?なんのお祝いだよ。」

「もちろん、司と牧野がめでたくくっついたお祝いに決まってんだろ。
司が帰ってくる日にあわせて、みんなで牧野のマンションでお祝いしてやるよ。」

「バカ、いらねーよ。おまえらはぜってー来んなよ。
俺さえもまだあいつのマンションに入ったことねーんだから、余計なことをすんなっ。」

「無理だぞ。もうみんなに話まわってるからな。帰ってくる日、決まったら教えろよ。
牧野のマンションで集合なっ。」

言いたいことだけ言いやがって切った総二郎に俺は頭を抱えながら、牧野の携帯にコールする。

「もしもし?」

「おれだ。」

「元気?」

「元気じゃねーよ。おまえ、総二郎に付き合いだしたこと言ったのかよ。
おまえのマンションでお祝いするって、アホなこと言ってるぞ。」

「あー、ごめん。滋さんに聞かれたから話したら、あっという間にみんなに広がって……。
道明寺が帰ってくる日にみんなもうちに集まるって……。」

「はぁーーーーーー。」
俺は深いため息が出る。

「ごめん。…………道明寺、ごめんね。」
電話の向こうで牧野が小さく呟く。
そんな声を聞きたくて電話したんじゃねぇ。

「怒ってねぇよ。気にすんなっ。
…………でも、二人だけで会いたかったんだよ、俺は。」

「…………道明寺、なんかスケベなこと考えてない?」

「あ?」

「だって…………この間のキスだって……」

「考えてるに決まってんだろ。」

「えっっ!!」

「プッ。おまえ声でかすぎ。鼓膜破れるだろーが。
…………でも、少しぐらいいいだろ?
俺はおまえに触れたいと思ってる。」
ストレートにぶつけると、

「触れたいって!!もうっ、このエロオヤジ!」
そう言って、牧野はブツッと電話を切った。
エロオヤジ…………。
あの焦った声が笑えるよ。
まぁ、あいつのそばにいられるなら、他のやつがいたってどうでもいい。
日本帰国まで、あと3日。





牧野のマンションでの集合時間は午後6時。
NY帰りの俺は別として、どうしてこんな早い時間に、よりにもよって大会社の跡取りたちが集合できんだよっ。
もう少し仕事しろ、仕事を。
そう思いながら、牧野のマンションに急ぐ俺。
右手には有名菓子店の箱。
牧野の喜ぶ顔を想像すると俺までにやけちまう。

部屋の前まで来ると、すでに中からガヤガヤと声が聞こえてくる。
あいつら、もう来てんのかよっ。

チャイムを鳴らすと、2週間ぶりに見る牧野。
はにかんだ顔が可愛くて、こいつの頭をガシガシかき混ぜてやると、
「どんな再会だよっ。」と、中からあきらが顔を出す。

部屋の中には、あきら、総二郎、滋が集まっていて、後から類と桜子がくる予定。
優紀は欠席だ。

俺ははじめて入る部屋の中を見回し、まっすぐキッチンへと向かうと、冷蔵庫に持ってきた菓子箱をしまう。

「道明寺?今日なべにしようと思ってるんだけど、それでいい?」牧野が聞いてくる。

「ああ。俺は何でもいい。」

「お腹すいてる?
今、ちょっと足りないものがあるから買い物に行ってくるけど、先に何かつまんでる?」

「買い物?何買うんだよ。」

「ぽん酢」

牧野が答えたぽん酢とやらが何なのか、俺にはさっぱりわかんねぇけど、

「おい!あきらと総二郎。ぽん酢買ってこい!」
と、俺はお祭りコンビに指示を出す。

「あ?ぽん酢?」あきらが顔をあげると、

「いいよ、いいよ。あたし、すぐそこのスーパーまで行ってくるから。」
と、慌てる牧野を無視して、

「ついでに滋も一緒に行ってこい。」
と、俺は3人にむかって言う、

すると、その俺の言葉で何かを察知した総二郎が、

「はいはい、司くん。
ようするに俺らが邪魔なんだろ?
30分だからなっ。30分で戻ってくるから、あんまり色々やるんじゃねーぞ。」
そう言って、あきらと滋を連れて部屋を出ようとする総二郎に、

「西門さん、待って、あたしも行くー!」
と、慌てる牧野の首に腕を絡ませ、
「おまえはお留守番。」と、言ってやる。



3人が出ていったあと、牧野はわざとらしくキッチンでバタバタと鍋の用意をしている。
その間、俺も部屋の中をウロウロ眺めていると、
「あんまりじっくり見ないでよっ。」と、
キッチンから声がかかる。

「ああ。わかってる。」そう言いながら、俺はリビングのソファに座ると、牧野がでけー声で
「道明寺!これ、道明寺が持ってきてくれたの?」
と、冷蔵庫の菓子箱を持ち上げて聞いてくる。

「ああ。おまえ好きだろ。」
そう言って、俺も冷蔵庫の前まで行くと、

「うん。ここのプリン、大好き」って、
俺を見上げて、すげー可愛く笑うこいつ。


30分…………。
あいつらが戻ってくるまで30分。
さすがに、そんな短い時間で、何かをするつもりはなかったけど、この女はそんな俺の『我慢』という努力を、一瞬で台無しにしやがる。

俺は冷蔵庫の前で俺を見上げてくる牧野に、覆い被さるように顔を近づけると、
「道明寺?」と、牧野が呟く。

その言葉さえも飲み込むようにキスをすると、
「みんな帰ってきちゃう」と、俺の胸を押し返す。

「あと20分は帰ってこねーよ。
有効に使おうぜっ。」
俺はそう言って、牧野の顔を再び上に向かせキスをした。




冷蔵庫の前でズルズルと座り込む俺ら。
ほんの少しの甘い時間。




やっぱりこれ以上のこと、司にさせます?

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 2014_11_11



西田のヤロー、タイミングがわりぃーんだよっ。


あの日、牧野に『本命にしてあげる。』と言われたあと、邸に戻った俺に、西田から
「明後日からNY本社への出張が決まりました。」
と、電話が入った。

せっかく明日から、彼氏彼女の付き合いが出来るっつー時に、なんで俺は行きたくもねぇNYに行かなくちゃなんねーんだよっ。

一応、長々と悪態をついてやったが、あの鉄火面西田に通じるはずもなく、そそくさと電話を切られた。
イラついていた俺に、次の日の夕方、牧野からメールが入る。

「今日、佐伯さんにちゃんと話してわかってもらえました。」
たった一文だけの短いメールだったが、俺の機嫌を直すには充分だった。

「西田、今日は早めに帰るぞ。」
そう西田にいい放ち、出張前にあいつの顔を見るため、猛スピードで仕事にとりかかった。


牧野の仕事が終わる時間帯を見計らって、携帯に電話する。

「もしもし?」

「おれだ。」

「うん。」

「仕事終わったのか?」

「うん。今終わったとこ。」

「なら、あと1時間後におまえのマンションに行くから、少し会おうぜ。」

「えっ!マンションに?!」

あからさまに動揺する牧野に、
「部屋の中には入らねぇから、安心しろ。
10分でいいから顔見せろ。」

「…………。うん、わかった。」

あいつはどんだけ俺のこと警戒してんだよっ。
部屋に入らねぇって言ったとたんに安心した声出しやがって。
まぁ、今日は俺もがっつくつもりはねえ。
明日は朝から日本を離れなきゃなんねーし、今あいつの部屋に入っちまったら、帰れなくなる自覚はある。




約束の1時間後、牧野の部屋の前に立ちチャイムを鳴らすと、すぐに扉が開き、中からこいつが出てきた。
髪は濡れていて、それを後ろで一つにまとめ、部屋着なのか薄手のワンピースを着ている。

「もう、風呂入ったのか?」

「ん。仕事で泥だらけになったからシャワーだけ浴びたの。
もしかして、何回もチャイム鳴らした?」

「いや、今来たところだ。」

「よかった。」そう言って、笑う牧野が可愛くて、俺は思わずこいつを抱き寄せる。

「ちょっ!道明寺。」

「うるせー。近所迷惑だ。
…………なぁ、今日からおまえは俺のもんなんだよな?
だから…………いいよな?」

性急すぎるかと思ったが、もう我慢するのは限界だった。
牧野の顔を上に向かせると、ゆっくりと唇を重ねていく。

はじめての感覚に鳥肌が立つのを感じながら、その気持ちよさに溺れていく。
マンションの部屋の前で、誰が来るかわからないような場所で、俺は何度も角度を変えながら、牧野の唇を堪能する。

時々、牧野の手が俺の胸を押し返すが、その手も優しく包み込み、甘いキスを繰り返した。
どれぐらいそうしていたか、やっと唇を離した俺に、
「信じらんないっ、もう。」と、睨んでくる牧野の唇が、俺のかこいつのかわからない唾液で濡れているのを、俺は親指でなぞりながら

「明日からNYに出張になった。
おとなしく待ってろよ。」そう言うと、
気のせいか、牧野の顔が曇る。

「んな、顔するな。離れたくなくなるだろーが。」

「ちがっ。…………、いつまで?」

「2週間。」

「…………そっかぁ。…………待ってる。」


惚れてる女にこんな台詞を言われて、何もしねぇ男なんているのか。
さっきまで必死にかき集めてた理性を、こいつにズタズタに崩されそうになってる俺は、まだまだ子供なのか。

なんとか、理性を保ちながら、
「出張から帰ったら、すぐに会いに来る。
だから、その時は部屋の中に入れろよ。」

「なっ!そんな勝手に決めない…………」

なんか文句を言ってるこいつの唇を再びふさいで、俺は2週間分の充電をする。



ほんとは言ってやりてぇけど、こいつはすぐに逃げるから言わねぇ。

「帰ってきたら、部屋の中じゃなきゃ出来ねぇことをするつもりだ」と。


覚悟しとけ。





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司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
CPはつかつくオンリーです。
司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

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