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久しぶりに二人で迎える朝。
布団の温かさと、隣にいる牧野のぬくもりが気持ちよすぎて、なかなか目を開けられない。

ウトウトしてる俺のとなりで牧野が動く気配がして、俺もゆっくりと瞼を開けようとしたとき、

「信じらんない」と牧野が呟いた。

その声で俺も覚醒し、

「どうした?」と聞き返す。

「もうっ、信じらんない。」

再びそう言って、部屋の中を見つめている牧野の目線をたどると、
玄関にはこいつのかばんと俺の靴が重なるように置いてあり、そこからベッドまでの道筋に、
牧野のヒールが片方ずつ投げ捨てられ、俺のジャケット、牧野のブラウス、俺のベルトとワイシャツ、牧野のズボンとブラ、そして、ベッドの横には2枚のタオルと牧野のパンティ…………。

昨日の俺たちは、玄関から『直行』したあとも、シャワーを二人で浴び、朝方まで何度も愛し合った。

「道明寺、着替えどうする?」

「ああ。これはさすがに着れねぇな。」

脱ぎ捨てられ、悲惨な形になっている昨日の服たち。

「西田に持ってきてもらうしかねーな。」

「えっ?ヤダヤダ。どうしよ。」

「何でだよ。」

「だって!着替え持ってきてなんて頼んだら……そのぉー……なんかバレバレだし……。」

「バカ。バレバレでいいんだよ。
彼女の家に泊まって何がわりぃんだよ。」

そだけど、そういうことじゃなくて、でも、だって……を繰り返すこいつをベッドに残し、俺は携帯で西田に連絡する。

牧野の心配はよそに、西田は淡々と
「30分ほどでマンションまでお持ちします。」
と、ピザのデリバリー並みの回答をした。

俺が電話をしている隙に、牧野は俺の横を通り抜け、シャワーに行ったのか、水音が聞こえてきた。

俺はもちろん躊躇することなく、後を追った。





西田が持ってきた服に着替え、牧野が作るボンビーな朝食を久しぶりに食った。
ごはんに味噌汁、魚とネバネバ納豆。
相変わらず色気のねえ飯だけど、すげーうまい。
俺もこんなのがうまく感じるようになったんだから、相当こいつにイカれてる。

「道明寺、今日の服はそれなの?」
ラフなジーンズにセーターの俺。

「これでもアルマーニだぞ?」

「いやっ、そういうことじゃなくて。
…………アルマーニって、あんた!
…………仕事は?」

「今日は休みだ。」

「休み?そうなんだ。」

「どこ行く?どこに行きたい?
おまえの行きたいとこに行こうぜ。」

「えっ?いいの?」

「ああ。もうおまえに恋人ごっことか言わせねぇから。」

「…………。道明寺、おかわりは?」
俺のからになったごはん茶碗を見て、聞いてくる牧野に、

「少し頼む。」
そう言って、茶碗を渡すと、ごはんをよそいに席をたつ。

その時、
「映画がいいな。」と呟くのが聞こえた。

「映画?」

「うん。NYで見た映画が、もう一度見たい。」
ごはん茶碗を俺に渡しながら、

「面白そうだと思ってNYで見たけど、あたし英語そんなに得意じゃないから、字幕なしじゃちんぷんかんぷんだったし。
だから、ちゃんと字幕付で見たいの。」
と言う牧野。

ああ。おまえあのとき映画館で泣いて見れなかったんだろう?あん時、気づいてやれなくてごめんな。

「わかった。今日は映画に行くぞ。」

すげー嬉しそうに頷く牧野。

「ねぇ、道明寺、たくさん恋人らしいことしようね。映画行ったり、買い物したり、待ち合わせて食事とか。手を繋いで散歩も。
イベントは出来るだけ二人でしたいな。」

「却下だ。」

俺のこの言葉に、今までの嬉しそうな顔が曇る。
そんな顔させたくて言ってんじゃねーよ。

「なぁ、牧野。
今おまえが言った事は、俺もしたいと思ってるし、ちゃんとしようぜ。
でも、俺はもうやなんだよ。
おまえと『恋人』の関係じゃ。

俺はこの先もおまえ以外あり得ねぇし、離すつもりもない。
絶対におまえに後悔させねーから、

おれと結婚してくれねえか?」

心底驚いた表情の牧野は、俺の突然のプロポーズに戸惑っているようだが、
俺は本気だ。

日本に帰ってきてからずっと考えてた。
おまえが何よりも大事で、幸せにしたい。
俺にもう一度チャンスをくれるなら、一番側で見守りたいと。


「本気で愛してる、牧野。」
ありったけの愛を込めて伝える。

その言葉にうっすら涙を浮かべて答えてくれた。
「はい。…………お願いします。」


ボンビーな朝食を挟んで向かい合いながらする
プロポーズ。
俺には不釣り合いなシチュエーションも、こいつが相手ならしょうがねぇ。

だって俺はこいつなしでは生きていけねえほど、惚れてるしイカれてる。



「映画のあとは、指輪見に行くぞ。」








Fin







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 2014_11_01



久しぶりに抱き締めた牧野の体。
いつもの『あの』香りがして、安心するとともに嬉しさが込み上げる。

牧野を腕の中に閉じ込めたまま、俺はどーしても気になってしょーがねぇことを口にした。

「なぁ、牧野。昨日のあいつ、誰?」

「えっ?あぁ、同僚。」

「同僚?……どんな関係だよ。」

「だから、ただの同僚だって。」

「あいつおまえのこと好きなのかよ。」

「違う違う!彼は新婚ホヤホヤなの。
あたしなんか、眼中にナイナイ。」

「じゃ、なんでおまえらあんな時間に一緒にいたんだよ。」

「あー、だから…………やっぱり誤解してたよね。生徒にちょっと色々あって、遅くまで学校にいたのよ。だから帰りは送って……道明寺っ?」

急に抱きしめる腕に力を入れた俺に、牧野は声をあげる。

「すげー……焦った。あれ見て、俺すげぇ焦った。あいつと付き合いはじめたかと思って。」

俺がそう言うと、今度は牧野の方からぎゅっと俺に抱きついてきた。

「道明寺。…………あたしわがままだけど、いいの?」

「あ?」

「あたし、あんたが……好き。
忘れようと頑張ったけど、どうしても好きなの。でも、あたしわがままだから、あんたにも同じように好きでいて欲しいし、ちゃんと伝えて欲しい。前みたいな関係は……嫌なの。」

そう言う牧野。
俺は抱きしめる腕をほどき、正面からこいつを見つめ、

「牧野。俺はおまえに出会ってから、おまえのことだけを見てきた。
それはNYにいるときも変わらずにずっとだ。
けど、好きだ、会いたい、愛してるって電話で口にすると、ほんとにおまえを抱きしめたくなって……辛かった。
だから、……ごめん。おまえを傷つけてごめん。

俺はおまえをずっと愛してる。

おまえは?」

俺の問いに

「あたしも……愛してる。」

そう言って、はにかんで抱きついてくる牧野。
俺が大好きな表情で一番いって欲しい言葉を言いながら。


ソファに座る俺と、床に膝をついたままの姿勢で抱きついてくる牧野。
俺の足の間にこいつの体があり、俺はそのまま牧野を引っ張りあげて、膝の上に座らせる。

膝の上で横抱きにされた牧野は、
「道明寺っ!」ってバタバタ暴れるが、

「足が痛ぇから動くな。」っつーと、ならおろせっだの言い張ってるが、
顔の高さが同じになったことを良いことに、俺はもう一度牧野を抱き寄せて、首もとに顔をうずめた。

俺が送った香水の香りだけじゃなく、牧野本来の甘い香りがして、離れられない。
そのまま首に唇を押し当てると、

「ちょっ、道明寺っ。」と、焦った声を出すこいつ。

「何もしねーよ。」

「……してるでしょ、もうそれが。」

そんな牧野を横目に、俺は唇を耳へと移動させる。牧野のやわらかい耳たぶをペロリと舐めながら、もう一方の耳を手で優しく愛撫すると、牧野の体がビクッと震える。

耳を舐めながら、手を首から鎖骨へと這わせると、

「道明寺、ダメッ。」と甘い声。

あぁ、わかってる。おれもダメかもしれねぇ。
このままこいつに触れてると、抑えがきかねえ。
いくら個室だからって、こんな場所じゃ牧野を不安にさせるのはわかってる。

俺はそのまま牧野の耳元で、

「このまま、メープルに部屋とるか?
それとも、邸に来るか?」

そう言うと、こいつは少し考えてから頭をブンブン振りやがる。ったく、どうせろくな返事をしないんだろ、おまえは…………と、思ったとき、

「うちに行こ。
あたしのマンションに来て。
…………今日は泊まれるの?」

顔を赤くしてそう言う牧野に、俺は一瞬固まり、ガタガタと理性が崩れていくのを感じながら、牧野を引き寄せ少し強引に唇を奪った。

軽く抵抗してくる牧野の腕も優しく押さえ込み、牧野の甘い口内を舐めまわす。
そのまま、手を服の中にしのばせて、こいつの体を堪能したいと思うが、そんな気持ちをなんとか押さえ込んで、

「おまえの部屋に行くぞ。」

そう言って、俺は牧野を抱き上げた。






部屋に着くと、玄関に入るなり俺は牧野に襲いかかる。
キスをしながら、牧野が持っているかばんを床に置かせ、正面から抱き上げた。
俺の首に腕を絡ませ、両足を開かせると、
「イヤっ、……こんなの……」と、恥ずかしがる牧野。

服はきっちり着込んでいる俺らは、はたから見たらただの赤ちゃん抱っこのようにしか見えないが、俺の腰は完全に硬く膨れ上がっていて、牧野にもそれを押し付けているから、俺の興奮が伝わっているはず。

「んっ…………ふ…………んん。」

牧野からキスの合間に甘い声が漏れはじめ、ここで押し倒したい衝動にかられるが、
俺はいじわるく、

「どこでする?」と、聞いてやる。

すると、
「えっ?どこでって?」と、トロンとした目で見つめてくる牧野に、

「ここの玄関か、リビングのソファ、シャワーを浴びながらっつーのもいいけどよっ。」という俺。

今までもそんなシチュエーションでしたことはあったけど、いつも恥ずかしがって抵抗するこいつ。
はじめは抵抗しても、すぐに気持ちよくなってトロトロになるこいつを知っている俺は、
牧野の「イヤ」は認めない。
むしろ、興奮するセリフ。

「えっ、……普通にベッドっていうのはないの?」予想通りの反応に俺は、

「じゃあ、1回目はベッドなっ。
2回目は俺の好きなところでさせろ。」


そんな会話をしながら、俺たちは奥の部屋へと向かった。






本番なしでも、ラブラブ度が伝わればいいなと思って書いてます。
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 2014_11_01



西田さんに再び連れてこられた場所は、
ホテルメープル。

西田さんに促され、車をおりると
「私はここで失礼致します。
バーでお待ちですので、煮るなり、焼くなり、
牧野様のお好きなようにして下さい。」

言われた意味がすぐにピンとこないが、そう言うだけ言って、西田さんは帰ってしまった。
残されたあたしは、とりあえずバーに行くしかない。
バーでお待ち?誰が?……首を傾けながらエレベーターに乗り込んだ。

バーに着くと、西門さんが入り口に立っているのが見えた。

「西門さん!」

「おう!牧野、どーした?」あたしの出現に驚く西門さん。

「いや、あのー……西田さんが……」

「あーー。そういうことか。ハハハ。
わかった。そういうことなら、おまえに任せるわ。」

「あのぉ、全然話が読めないんですけど。」
そんなあたしに西門さんは、

「牧野、ちょっとこっちに来い。」

そう言って、西門さんは指をチョイチョイと奥の個室へと向ける。

「……?」
訳がわからないあたしは、西門さんについてその部屋に向かうと、初めて入るその個室の中には、
長いコの字型のソファに寝転がる道明寺の姿。

「西門さん?」

「こいつ、珍しくすげー飲んで、おちた。
西田に迎えに来るよう頼んだんだけど、おまえに託したらしいな、
…………牧野、おまえ司になんかしたのか?」

「えっ?何も…………してないはず?」

「なんだよ、その答えは。
司がこんなになるのは、おまえの事しかねえと思うんだけどなぁ。」

思い当たることが多すぎて、あたしはまともに西門さんの方を見れない。

「牧野…………どーする?司」


あたしは目の前の道明寺を見つめる。

どーするって…………。

その時、西田さんの言葉を思い出す。

煮るなり、焼くなり、…………

「西門さん。あたし、……食うことにする。」

「はぁ?」

「へへっ。いいの、いいの。こっちの話。
……道明寺の事はあたし任せて。」

そう言って笑うあたしに西門さんは、
「これ以上、いじめんなよっ。」
と言って手をヒラヒラさせ帰っていった。






西門さんが帰ったあと、あたしはゆっくりと道明寺に近づいた。
酔って寝てしまったのだろう、あたしが近づいても起きる気配はない。

あたしは道明寺が寝ているソファの横に膝をついて、眠っている道明寺をまじまじと見つめた。


ほんと綺麗な顔だよね。肌もツヤツヤだし、羨ましい。
いつもより呼吸が速いね。酔ってるからかな。
少し痩せた?ごはんちゃんと食べてる?
どうして言ってくれなかったの?
仕事のこと。あんたの口から聞きたかったな。
香水ありがとね。すごく気に入ってるの。
…………ねぇ、道明寺、
あたしのこと……本当に……


「なに泣いてんだよ。」

えっ?その声にハッとして道明寺を見ると、いつのまにか目を覚ましてこちらを見ている。

「なんで泣いてんだよ。
泣きてぇのは俺だぞ?」
すごく優しい声で言う道明寺。

その言葉で、あたしは自分が泣いていることに気付いた。
慌てて、手で涙をぬぐい下を見る。


「泣き顔もかわいいな。」

「っ!……バカ。」

「怒った顔もかわいい。」

「酔っぱらい。」

「口がわりーのもかわいい。」

「バッ…………うっ。」

ソファに横になったままの道明寺と、その横で床に膝をついたままのあたしの目線はちょうど同じ高さ。
その距離はすごく近くて、今にも重なりそうなのに、あたしは臆病で近づけない。

でも、このままじゃ道明寺がNYにいた頃の自分と何も変わらない。
だから、あたしは勇気を出して、
今まで聞きたくても聞けなかった質問をしてみた。



「道明寺…………あたしのこと好き?」

「すげー好き。」

「どこが好き?」

「全部。」

「あい……してる?」

「ああ。愛してる。」

「どのくらい?」

「知りてーの?」

そういうと同時にガバッと起き上がった道明寺は、あたしを強く抱き締めた。

「ここで教えてやろーか?」

「酔っぱらい!」

「酔ってねーよ。
…………おまえの気持ちも聞かせろ。」





聞かなくたって分かってるでしょ、バカ!







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 2014_10_30



昨日、あんなことがあって、きっとあいつは誤解してる。

でも一日たって冷静になってみると、あれでよかったのかもしれないと思える。
酷い女だと思われてもいい。
すぐに新しい彼氏を作ったと軽蔑されてもいい。
悲しまれるより、憎まれた方がずっといい。


それなのに、今日もまた同じ時間に道明寺からメールがきた。
もうこないかもしれないと思ってた。
どんな非難めいた言葉が記されているかと、開くのが怖かった。

少し躊躇しながら開いたメールには、


「牧野。やっぱり俺はおまえがいい。
どうしても、俺じゃ無理か?」


いつもの独り言ではなく、はじめて疑問系だった。
それを読んであたしは呟いた。

「バカ。ほんとバカ。
人の話、全然聞かないんだから。」







次の日、仕事から帰ったあたしは、自分のマンションの前で目を疑った。
そこに立っていたのは、
秘書の西田さんだった。

道明寺がいるのでは……と思ってキョロキョロあたりを見回したが、いる気配はなくその様子に気付いた西田さんが、

「今日は一人です。」と言った。

「あのー……、どうして……」戸惑うあたしに、

「牧野様。今日、これから少しお時間頂けますでしょうか。折り入ってお話ししたいことがありまして。」
有無を言わせぬ雰囲気。

「はぁ、……はい。」


そうして連れてこられた場所は、名の知れたホテルのバー。
案内されるままに、カウンターに二人で並んで座った。

「…………あのぉ、西田さん?」

「愛しています。」

「…………えっ!はぁ?あのっ!」

「あっ、いえ。言い方を間違えました。」

「牧野様。司様は心からあなたを愛していらっしゃいます。」

「…………。」

「少し長くなりますが、私の話を聞いて頂けますでしょうか。」
真剣な西田さんの問いかけに頷くしかなかった。

「今、司様と牧野様がどのようなご関係にあるかは分かりませんが、もしも牧野様が司様のお気持ちを少しでも疑っていらっしゃるならば、それは間違いです。」

「どういうことですか?」

「NYでの6年間、私はずっと秘書の立場から、
司様を見てきましたが、あの方の心にはいつもあなたの存在がありました。」

「それは…………ないです。
だってあたしたち、ほとんど恋人らしいことは何も……」

「そこが、あの方の不器用なところです。
あんなに頭がきれて、優秀なのに、牧野様のことになると不器用で臆病な方です。

牧野様、司様がNYでどのように生活していたか、ご存知ですか?

司様は、日本にいるあなたがありもしない噂で絶対に悲しまないよう、女性との接触はたとえビジネスでも、神経質になるほど避けておられました。

この6年、一度も噂や写真が出ていないのは、司様があなたを大事に思っていた証拠です。

それに、3年前の牧野様に送られた誕生日プレゼントを覚えていらっしゃいますか?」

「……はい。たしか、香水を……。」

「そうです。
誕生日プレゼントは毎年必ず、自分で選んで買いたいとおっしゃいまして、何日もリサーチしてご自分でお店まで行かれてましたが、3年前に送られたあの香水は、牧野様のためだけに作らせた、司様のオリジナルです。」

「えぇっ、そうなんですか?」

「はい。今でもつけてらっしゃいますね?
においで分かります。」

「…………はい。でも、なんで西田さんが?」

「フッ。NYではオフィスも車の中も、ご自宅もあらゆるところがこの香りに包まれていました。
ご自分は違う香水をつけてらっしゃるのに、
生活する空間はすべてこの香水にするよう、
司様は指示を出しておりました。」

「…………。」

「ビジネスでもおなじです。
牧野様との4年の約束の事は聞いております。
いつだったか、珍しく司様が私に弱音を吐いたことがありまして…………。
4年の約束が果たせなかった理由はご存知でしょうか?」

「いいえ。……理由なんてあったんですか?」

「はい。司様はちょうどその時、新しい事業に取り組んでいらっしゃいました。
その事業とは、犯罪や貧困で両親を無くした子供たちを、様々な企業のバックアップで、生活支援をしていくというプロジェクトでして、それに司様も参加されていました。

そして、その施設の一つ、道明寺グループが設立したスクールがちょうどその頃完成間近だったのです。」

「そうだったんですか。」

「…………つくし、です。」

「えっ?」

「そのスクールの名が『TSUKUSHI』です。
司様が名付けて、楓さまも認めてらっしゃいました。
この事業だけは完成させて日本に帰りたいとおっしゃって……。
たぶん牧野様に完成を喜んで頂きたかったのではないかと。」

「……知りませんでした。」

「私は、司様を尊敬しております。
一回り、いや二回りも年が私の方が上ですが、仕事では常に完璧を求めて手を抜くことはありませんし、プライベートでは、ただひたすら一人の女性を想う、芯の強い男性です。」


そこまで話すと、西田さんの携帯が鳴り出した。

「失礼します」と言って出た西田さんは、
「予想しておりました。すぐにそちらに向かいます。」と話し、電話を切ると、

改めて私の方を向き、

「牧野様、もう一つ付き合って頂けますか?」

と、少し笑みを浮かべた。




西田さん、すごくしゃべりました(笑)
私はこの回をはやく書きたかったです。

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 2014_10_30



「月が綺麗だな。」
あのメールが送られてきた日からずっと、
同じような時間に道明寺からメールが送られてくる。

それはいつも短い文で、まるで独り言のようなもの。
今日もまた寝る寸前に、

「おまえがNYで見た映画、日本にもやっと来たな。」
そんなメールが届く。

あたしは一度もそのメールに返事をしたことはない。
でも、メールホルダにたまったあいつからのメールを、どうしても消せないあたし。








*********************
俺はあの日、牧野に
「月が綺麗だな。」と、メールを
送った。

部屋に戻った俺を、満月が出迎えてくれて、それはそれは綺麗な月だった。
思わず窓際に寄り、一人
「綺麗だな。」と呟いた。

もしも、このまま牧野と会えなくなったとしても、最後にあいつにどうしても言いたい。

「愛してる。」と。

でも、それを言えば更にあいつを苦しめることになるだろうか。

だから俺は、賭けた。
国語の教師のおまえになら伝わるだろうと。

「月が綺麗だな。」
「おまえを愛してる。」












********************
その日、学校が終わったあと、いつものように
8時頃帰宅したあたしは、夕飯とお風呂を済ませ、部屋でくつろいでいると携帯が鳴り出した。
知らない番号だったけど出てみると、あたしが担任をしているクラスの生徒の親からだった。

生徒がまだ家に帰ってきていないと言う。
時計を見ると、10時半。
連絡もなしにこんなに遅くなることはないし、
携帯も繋がらないと。

とりあえず、あたしは学校付近を見てまわると伝え電話を切り、慌てて家を出た。
学校に着くと、隣のクラスの同僚教師も待っていてくれて、二人で探しまわるが見つからない。

学校付近から少し足を伸ばし、繁華街に出てみて、カラオケ、ボーリング、ゲームセンターも見てみるが、どこにもいない。
二時間近く二人で探し回ったが見付けられなく、落胆しているところに、教頭から電話が入り、
「親御さんから生徒が帰宅したと連絡がきた。
友達の家にいたそうだが、本人も反省しているし、時間も遅いので、詳しいことは明日聞くことにしよう。」と。

もう日付も変わり、クタクタだったあたしは、同僚教師の車でマンションまで送ってもらうことにした。
あたしも疲れてぐったりだったが、彼も新婚なのに「災難だったね」なんて話ながらマンションの前に着いたとき、

マンションにあのダックスフンドみたいな車が止まっているのが見える。


まさか…………ね。


あたしが車から降りると、そのダックスフンド、いやリムジンの横に
道明寺が立っているのが見えた。


「道明寺?」

「おまえ…………どこ行ってた?」

「どこって、…………ちょっと。」

そう言って、同僚教師の車を見ると、
道明寺が彼に鋭い視線を投げた。

「な、なんかあったの?」

「滋がおまえに何回連絡しても出ねぇから心配して俺にかけてきた。」

「えっ?!」
あたしは慌てて携帯を取り出すと、そこには10回以上も滋さんからの着信。

「気づかなかったの!ごめん。」

「……滋に連絡してやれ。
牧野…………いや、いい……」
なにか言おうとしてやめた道明寺は

「西田、行くぞ。」
そう言って、リムジンに乗り込んだ。


リムジンと同僚教師の車が同時に左右に別れて
走り出すのを眺めていたあたしは、





「タイミングわるっ。
完全に誤解されたよねっ。」
と、呟いた。






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 2014_10_29




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司一筋

Author:司一筋
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