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ホワイトデーの当日。
あたしと道明寺との約束は夕方から。

その前に、滋さんと道明寺はパーティーに出ると言っていった。
同じパーティーかは分からない。
滋さんが気になると言っていた相手が道明寺とは限らない。

けれど、最近の二人の様子から、違うという結論は何度考えても出せなかった。
昨夜からずっとこの事ばかり考えていて殆ど眠れず頭が痛い。


もしも、二人が付き合うとしても、何も行動してこなかったあたしが悪い。
もう手遅れなんだよと道明寺から冷たくされても文句は言えない。

今更後悔しても遅いけど、道明寺の優しさに甘えてた自分が憎い。



部屋の時計を見るともうすぐ2時。
もうパーティーは始まっているはず。

ソワソワと落ち着かない自分に、「落ち着け」と言い聞かせるよう、甘ーいピーチティーをカップに注ぎソファに座った。

とりとめない会話がテレビから流れてくる。
お茶と暖房の暖かさで体がホカホカとしてきて、
昨夜寝れなかったつけが回ってきた。

少し眠ろう……そう頭では分かっているのに、
神経が休もうとしない。






眠れずぼぉーとしたまま3時間が過ぎた頃、
道明寺からメールの着信。

「少し遅れる。
あとで迎えに行くから用意して待ってろ。」


とにかく、道明寺に会って確かめることしか今のあたしには出来ない。

考えすぎて強くなっている頭痛と、
道明寺にこれから会う緊張で、
手足の先が冷たくなってくるのがわかった。






「着いたぞ。」

メールが鳴って、窓からマンションの下を見ると、
いつもの車がとまっていて、その側に道明寺が立っている。

あたしは急いで部屋を出ると、
階段を駆け下りて行った。


「おまえっ、あぶねっ、そんなに急いでくんなって!」

「だって……、」

「転んで怪我するぞっ。」

「ん。」

あがった息を整えて、まっすぐに道明寺を見る。

「…どーした?」

「し、滋さんと会ってきたの?」

「おう、どうしてそれ知ってる?」

「滋さんから聞いてたから。」

そう答えるあたしに、道明寺はクスっと笑い、
「あいつの頼みは聞いてきた。」
と、優しく言う。

「…いいの?」

「あ?」

「道明寺、ここにいていいの?」

「どーいう意味だよ。」

あたしの言葉に眉を寄せるこの人。

「滋さんの頼みって、道明寺と一緒にいることじゃないの?」

「あ゛?」

「滋さんの気になる人って道明寺でしょ?」

一度堰を切ると溢れるのを止められない言葉たち。


「告白されたの?」

「…おまえ、」

「なんて答えたの?」

「牧野」

そして、もう一度聞く。
「道明寺、……ここにいていいの?」

泣くつもりなんてさらさら無いのに、視界がゆらゆらと揺れるから情けない。

こんな顔は見られたくない。
そう思って咄嗟に下を向くあたしに、

「どーしょもねー奴。」
そう呟いた道明寺はあたしをすっぽりと腕の中に閉じ込めた。

いつもは隣にいる道明寺から香る香水のにおいが、
今はあたしの全身を包むように香る。

「一人で勘違いして、一人で泣いたりすんなよバカ。
滋に何聞いた?」

「気になる人がいるって。
今日のパーティーで告白するって。」

「で?それが俺?」

「…違うの?」

抱きしめられたまま、少しだけ顔をあげてそう聞くと、

「滋はそんなに馬鹿じゃねーだろ。」
と、あたしの頭を軽く小突く道明寺。

「どこからどーみてもおまえにしか興味のねえ俺に、告白しようなんて思うか普通。」

「そ、それは、」

「あいつが気になってるのは、俺の知り合い。
パーティーで紹介してくれって言われて、まぁ、滋にはちょっとした借りがあるからよ」

そうなんだ。
そういう事だったんだ。

道明寺の口から真相が聞けて、一気に今までの緊張が溶けていく。

すると、道明寺の腕に包まれているこの状況が急に恥ずかしくなる。

慌てて離れようとするあたしを、さっきよりも強い力で引き寄せた道明寺は、ニヤッと笑ってあたしの耳のそばで囁いた。

「泣くほど心配だったか?」

「っ!ちょ……」

「逃げんなって。答えろ。」

耳にかかる道明寺の息と低音の声に、体が熱くなる。

抱きしめられたまま顔を上げると、あたしを見つめる道明寺と視線が絡む。

熱っぽい目でじっとあたしを見たあと、
急に腕を緩めて
「牧野、行きたいとこ決めたか?」
と、視線をそらして言う。

もっとあのままでいたかった。
道明寺の腕の中に包まれていたかった。


「…ううん、決めてない。
でも、……欲しいものがある。」

「欲しいもの?ああ、何でも買ってやるよ。」

そう言って嬉しそうに笑う道明寺。
あたしは大きく息を吸い込んで言った。

「欲しいものは物じゃなくて、言葉なの。
今からあたしが言う事に、イエスで答えてくれる?」

「…あ?」

「道明寺、
好き…なの。
あたしと付き合ってください。」


1年前、道明寺があたしに言ってくれた言葉。

『牧野、お前が好きだ。付き合うぜ。』

それをそのまま、今度はあたしから。


道明寺からの返事は、
ただ一言『イエス』を期待していたあたし、

けれど、実際は違った。



返事の代わりに、
道明寺に体ごと引き寄せられ、
そのまま唇を優しく塞がれる。

キス……、
ようやく思考が追いついた頃、
少しだけ離れた唇の隙間から


「イエスに決まってるだろ。」
と、道明寺が言った。

それを聞いた途端、なぜかあたしは力が抜けて目の前が真っ暗になった。




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 2020_05_25





ホワイトデーを4日後に控えた休日。
久々に滋さんと桜子とカフェでデート。

「はい、これ。」
と言って滋さんが私と桜子に、先日の温泉旅行で撮った写真をくれる。

「なかなかよく撮れてるでしょ?」

浴衣姿の3人が少しお酒のせいもあって、頬を赤らめている笑顔の写真。
残念ながら今回優紀は来れなかったけれど、あたしの親友と呼べるのは彼女たちだけ。

だからこそ、この間感じた胸の痛みは無かったことにしたかったのに……。

「あたしね、気になる人が出来て……。」
と、恥ずかしそうに滋さんが言う。

「えっ、だれ〜。」

「それは、まだ言わないっ。」

「ちょっと、言わないってそれはなしですよ。」

「ホワイトデーにちょっとしたパーティーがあって、その時に告白しようかなと思ってる。
うまく行けば、夜まで一緒にーーーなんてねっ。
だから、告白が成功したら教えるから!」

「ほんとですかー。」

キャッキャッと盛り上がる滋さんと桜子。
滋さんに好きな人か……。
初めて聞く滋さんの恋愛話。
本当なら喜んで聞きたいはずなのに、
あたしは胸が痛すぎて俯くだけ。

なぜかと言うと、昨夜の道明寺からの電話。

「14日、空いてるか?」

「14日?」

「おう。
一応、バレンタインにチョコ貰ったから、お返しにどこか好きなとこ連れてってやる。」

「好きなとこって……。」

「昼に少しだけパーティーに顔出さなきゃなんねーけど、その後は空いてるから、終わったら連絡する。」


昼のパーティー。
やっぱり滋さんの好きな人とは、道明寺だろうか。
最近の二人を見ていると、そう感じるのは間違っていないような気がする。


「つくし?」
ぼぉーっとするあたしに滋さんが笑顔で声をかける。

「あっ、ごめん。」

「つくしは?
つくしはホワイトデーどうするの?」

「えっ、」

もしも、もしも滋さんが道明寺に告白して、
もしも、もしも道明寺がOKしたら、
その後は二人で過ごすのかもしれない。

「つくし?」

「あ、あたしは…………何も予定ないよ!」


大きな声でそう言い切るあたしを、滋さんと桜子が困った顔で見つめた。









「西門さん。」

「ん?」

「………。」

「おい、生きてるか?」

「西門さん。」

「ん?」

「…………。」

「だからなんだよっ!」


大学の中庭。
ベンチにぼぉーっと一人腰掛けていると、ふらっとどこからか西門さんがやってきて、あたしの隣にどかっと座った。
暇なのか?とからかうように聞いてくる彼に、あたしは冒頭の「西門さん。」と無意識に名を呼ぶ。


「西門さんと美作さんって仲いいですよね。」

「あ?なんだそれ。」

「いつも一緒で喧嘩しないんですか?」

「喧嘩ばっかだろ俺たち。」
そう言って綺麗に笑う西門さん。


「美作さんと同じ人を好きになって、喧嘩になったことあります?」

「……。
喧嘩になりそうなのか?」

「え?」

「だから、誰かと好きな人がかぶって、喧嘩になりそうなのか?おまえは。」

いつものからかうような表情ではなく、優しく目を細めてあたしを見つめる西門さん。

「喧嘩……にはならないと思います。」

「どうして?」

「どうしてって……。」

「おまえも好きなら、喧嘩してでも奪わなきゃなんねーだろ。」

こんな風にきちんと答えてくれるなんて意外だと思いながら西門さんを見つめると、

「そろそろ答えてやれよ、あのクルクル男に」
と、言いながら髪の毛をクルクルと巻く仕草をする。

それがおかしくてクスッと笑うあたし。

「で?おまえが喧嘩しそうな相手って?」

「……滋さん。」

「プッ……、そりぁ、楽しくなりそうだな。」


物凄く楽しそうな西門さんと、深いため息をつくあたし。



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 2020_02_14





バレンタインが終わり次はホワイトデー。

牧野に自分からチョコが欲しいと言って貰った以上、お返しは数倍にして返したい。
何がいいだろうか……と愛しい女のために頭を悩ませていると、

「ホワイトデーにあたしの頼みをきいて。」
と、違う女が近寄ってきた。

「またおまえかよっ。」

「ちょっと!この滋ちゃんに向かってそんな言い方するの司だけだからね!」

「うるせぇ、おまえと遊んでる暇はねーんだよ。」

「司、あたしの事邪険に扱っていいと思ってるの?
バレンタインデーに何をあげたか忘れたわけじゃないわよね。」

「……、牧野に言ってねーだろーな。」

「言う訳ないでしょ。
だから、ホワイトデーにあたしの頼みを聞いてよ。」


バレンタインデーに滋から牧野の水着の写真を貰ったなんて、他のやつには口が裂けても言えない。
滋に弱みを握られているとはいえ、こいつも共犯だ。

でも、もしバレたときは滋よりも俺が怒られるのは目に見えている。
だから、こいつを敵に回すのは得策じゃねえ。


「何が欲しいんだよ。」

「ふふふ……。」

「キモいから早く言え。」

「チッ……、あのね、司って的場さんと知り合いよね?」

「的場?的場って、的場建設の息子のか?」

「そうそう、それ!
その的場さんだけど、……あたしに紹介してくれないかな。」

なんだよ、そういう事かよ。
確か、この間のパーティーで的場に会ったときにも、あいつから滋の話をふられた記憶がある。

「知り合いなら自分で連絡しろよ。」

「知り合って訳じゃなくて……。
友達の結婚式で初めて会って話したらすごくいい人だなーと思って。でも、連絡先を聞かれなかったから脈なしかな。
でもさ、やっぱりもう一度会ってみたいなぁと思って、滋ちゃんのためにセッティングしてくれない?」

「あいつの親父は一癖も二癖もあるおやじだぞ?いいのかよ。」

「別に関係ないでしょ。
あたしが知りたいのは的場さん本人なんだから。」


どっぷりと贅沢三昧で育てられたお嬢様の滋。
だけど、こいつのこういう所がどこか俺と似ていて憎めねぇ所。

好きなものは好き。
外見や肩書にとらわれず、相手にまっすぐに向き合おうとする滋はある意味カッコいい。

「分かった。連絡しとく。」

「ありがとー!」









最近、道明寺と滋さんが二人でいる所をたびたび見かける。

何年も前から変わらない光景なのに、
一度気になりだすと、見かけるたびに胸が小さく痛む。

1ヶ月前、このカフェテリアで道明寺と滋さんが二人でなにやらコソコソやっていた。
携帯を見ながら滋さんが道明寺に笑いかけると、
道明寺も携帯を見つめ顔を赤くして照れている仕草。

あんまり見かけないその道明寺の表情が気になって、
二人の後ろから
「何やってるの?」
と声をかけると、明らかに慌てたように席を立ち帰っていった道明寺。

そして、今日。
また二人はカフェテリアで隣合い話している。
「ホワイトデーに頼みを聞いて。」
そんな会話が聞こえ、
あたしはそっと二人から離れた。


滋さん、道明寺にチョコあげたんだ。
いや、そうだよね。あたしにも友チョコ用意してくれてる滋さんだもん、道明寺にだってあげてもおかしくない。

ホワイトデーの頼みってなんだろう。
もしかして、デートとか?

そもそもお互いフリーなんだから、デートしたって変じゃないし、あの二人ならどこから見てもお似合いだろう。

今までそんな素振りも見せなかった二人が、ここ最近で急接近してそういう事になったのか。

そうだとしたら……、あたしは……。



今まで自分にいろんな言い訳をして「答え」を出してこなかったあたし。
でも、今、

あたしの意志とは関係なく、この胸の痛みが
「答え」なんだと思い知らされて、逃げるようにカフェテリアから出た。





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 2020_02_05





牧野の声に死ぬほどビビった。
ヤバイ……。

慌てて携帯をポケットにしまうと、
「俺、仕事だから先行くわ。」
と、逃げるようにカフェテリアを出た。

滋と秘密を共有するぐらいなら、写真なんて貰わなければよかった。
いや、でも、こんな牧野を見れるのは2度とねえかもしれない。





その週末、姉ちゃんがNYから一時帰国した。

大学のあと会社に寄り、9時を過ぎて邸に戻ると俺の部屋に勝手に入っている姉ちゃん。

「おっ、帰ってきてたのかよ姉ちゃん。」

「司、おかえり。遅かったわね。」

「おう、会社に寄ってきた。」

「偉いわね〜。着々と仕事覚えてるのね。」

そう言いながら、俺の頭をわざとにぐちゃぐちゃとかき混ぜる。

「これ、つくしちゃんにお土産。」

「またかよ。」

俺の部屋のデスクの上には綺麗に包装された包みが3個のっている。

「買い物してたら、つくしちゃんに似合いそうなもの見つけちゃって、つい買っちゃうのよね。」

「毎回だとあいつも困るぞ。」

「なんで?困ることあるかしら。」

俺が言うのもなんだが、姉ちゃんは超がつくほどのお嬢様。
プレゼントを貰って困るという感覚は持ち合わせていない。

「いつも姉ちゃんに貰ってるからって、お返し何がいいかってあいつに聞かれたんだよ。」

「え、ほんと?」

「あいつに気遣わせるな。」

牧野は、貰ってありがとう、だけで済ませる女じゃねえって事はこの1年痛いほど知った俺。
どこに行っても自分で金を払おうとするし、プレゼントも理由がなきゃ受け取らねぇ。

「相変わらずね。」

「あ?」

「相変わらず司は、つくしちゃんファーストなのよね。」


姉ちゃんには詳しい事は話してねーけど、お祭りコンビが口を滑らせて、
牧野に振られた過去は知られている。

「いつになったら彼氏に昇格できるのかしら〜。」

「知らねーよ。」

彼氏に昇格できる方法があるなら、俺が一番知りたい。

「押してだめなら引いてみろよ。」

「なんだよそれ。」

「知らないの?全くあんたって…。
好きだ好きだって押してばっかじゃ駄目なの。
時にはツーンと引いてみなさいよ。
そしたらつくしちゃんも不安になって落ちるかもしれないわよ。」

押してだめなら引いてみろ。
確かに、恋愛においてそれは有効な法則かもしれねぇ。
でも、

「俺は、好きな女にはいつでも正面から好きだって言っていてーんだよ。」
これが俺の恋愛の法則だから。


「はぁー、あんたって性格は難ありだけど、
彼氏にするなら合格よね。」

「なんだよ、それっ!」

「早く彼氏になれるといいわね。」

そう言いたい放題言ったあと、颯爽と姉ちゃんは部屋を出ていった。






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 2020_01_30




 
金曜の夜、いつものように牧野のバイトが終わる時間に合わせてメールをするが、
なかなか返事が来ない。

10時過ぎには「家に着いた。」とあいつから連絡があるはずなのに、今日は10時半を回っても俺のメールに返事はなし。

何かあったのか?
考えれば考えるほど落ち着かない。

しびれを切らして電話をかけてみるが留守電。
「すぐに連絡しろ。」とメッセージを残しても俺の携帯は鳴らない。

数分おきに何度もかけていると、ようやく携帯が鳴ったが、相手は待ちわびた女からではなかった。

「もしもーし。」

「……滋か?」

「司って、つくしのストーカーなの?」

「うっせぇ!もしかして牧野と一緒か?」

「そう。つくしなら今、お風呂に入ってる。」

「…あ?」

予想もしてなかった返事に戸惑う俺。

「つくしと桜子と3人で温泉に来てるの。
これから部屋でまったり呑もうかって時に、ストーカー並みに携帯がなるから誰かと思えば……。
つくしになんか用?」

「なんか用って、おまえが偉そうに言うんじゃねーよ。
バイト終わりに返信がねえから心配したんだぞ。」

「へぇー。バイトの日は毎日連絡するんだー。」

「……悪いかよ。まぁ、無事ならいい。
風呂から戻ったらメールだけしろってあいつに伝えろ。」

「はいはい、りょーかい。」

そう呆れたように返事をする滋に、柄にもなく弱い声が出る。

「滋……、」

「ん?なによ」

「変なヤローにちょっかいかけられねーように、あいつのこと頼む。」

女3人なら声をかけられないとも限らない。
あいつに直接言ってやりてぇけど、しょうがねぇ。

「あー、もうっ。
今日は強いお酒が呑みたいわっ。」

そう言ってブツっと切れた携帯を眺めながら、
今日は滋が暴れそうだな…と苦笑する。

その夜、牧野から短いメール。
「連絡しなくてごめん!
急に誘われて温泉に来てるの。
明日には帰るから。」






週明け、大学のカフェテリアに行くと滋と桜子、そしてF3が揃っていた。

「司〜、遅ーい。」
俺を見つけてそう叫ぶ滋に、

「英徳じゃねぇ奴に言われたくねぇ。」
と、悪態をついてやる。

牧野と桜子の二人と仲がいい滋は、自分の大学じゃない英徳にちょくちょく顔を出す。
もはや、このカフェテリアにこいつが座っていても、誰も気にも止めなくなった。

「司、これから仕事か?」

「ああ。」
あきらの問いに答えながら俺の視線はカフェテリアの入り口へ。
その視線に気付いた総二郎が、

「牧野か?」
と、聞いてくる。

「……まぁな。」

「牧野ならさっき第3講義室に入って行ってたぞ。」

「マジか…会えねーな今日は。」

このあと会社に顔を出す予定の俺は、
講義が終わるまで待っている時間はない。

「俺らもそろそろ行くわ。」

「おう。」

桜子とF3が立ち上がり、軽く手を上げてカフェテリアを出ていく。
残ったのは俺と滋の2人。

こいつと一緒にいるとろくな事がねえと心で呟いたとき、

「ねぇー、司ぁ〜。」
と、意味深に笑う滋。

「なんだよ、気味悪りぃーな。」

「あんたね、そんな事言っていいの?
司にいいものあげようかなーと思ってここに来たのに。」

「いらねーし。」

「ほんと?
絶対、司は欲しいって言うはず。」

そう言いながら自分の携帯を取り出してなにやら動かしている。

そして、ニンマリ笑ったあと
「この写真欲しくない?」
と、言って携帯の画像を俺に見せてきた。



それを見た俺は、
完全に固まった。



「おまえ、これ、」

「どう?レアでしょ。」

「……合成か?」

「んなわけないでしょ!
この間の旅行でプールに入ったときに撮ったのよ。
つくしの水着姿、可愛いでしょー。
欲しくないなら消すけど、どうする?」

滋の携帯には、ピンクの水着を着てプールサイドでくつろぐ牧野の画像。
上からのアングルで撮られたそれは、ちょうど胸の下までが入っていて、俺の想像よりもはるかに胸の谷間が……。


「司、鼻の下伸びてる。」

「…うるせぇ。」

文句は言ってやったが、伸びてる自覚はある。

「欲しい?」

「欲し……、いらねーよ!」

「そお?じゃあ、消すね。
でも、その前に類くんにもみせてあげよーっと。」

「おい、待て待て待て。貰う。俺がもらう。」

「クッ……、じゃあ、バレンタインデーのプレゼントって言うことで、ホワイトデーにはお返し期待してるから。」

早速俺の携帯に画像を送ったようで、俺の携帯が短く鳴る。
慌てて開くと、さっきの画像が。

「司も普通の男かー。やらしい。」

「てめぇ、」

そんなやり取りをしていた俺たち。
その後ろで突然声がした。


「ふたりしてコソコソ何してるの?」




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 2020_01_27




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司一筋

Author:司一筋
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