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パーティーの出席者は、西田から300人ほどだと聞いていたが、実際は500人近くいるようで、
政界、財界の顔が知れた人物も数多く来ていた。

ババァが俺もここに連れてきたと言う事は、堂前会長をはじめ、トップの連中に挨拶をせざる終えないのは分かっていたが……だりぃ。

牧野とのデートのはずだった今日、キャンセルしてくれと渋々電話した俺に、「分かったよ〜。」なんて明るく言いやがるあいつ。

その態度が気に食わねぇ俺は、
「遅くなってもおまえの部屋に行く」とキャンセルを撤回してやった。



パーティー会場の中央にひときわ大きな人の輪ができていて、その中心には、ある省の副大臣も務める若手の議員が立っている。
その周囲を財界のトップやそのご婦人たちが囲む。

ババァが俺に目配せしたあと、その輪に近付いて行った。

「道明寺社長、ご無沙汰しております。」

「こちらこそ、ご無沙汰しておりました。」

ババァの登場で周りの奴らが一歩下がるのが分かり、ババァの存在は相変わらず大きいようだ。

「おー、これは珍しいお方もご一緒で」
その副大臣の言葉に一斉に俺を見る奴ら。

「どうも、道明寺司です。」
軽く頭を下げた俺に、

「お会いできて光栄です。」
と、深々と頭を下げる副大臣。

そこに、
俺らの後方から
「なにやら、楽しそうだねここは。」
と、低い声がし、

振り向くと、ダブルのスーツにゴールドの装飾品をセンスの欠片もねぇ組み合わせでジャラジャラと身につけた堂前会長の姿があった。

その会長に副大臣が言った。
「お義父さん、」

あー、そうだったか。
確か、この副大臣と堂前会長の娘が先月婚約を発表したのを思い出した。

交際3年などと記事にはあったが、政略結婚なのは見え見えだ。
堂前会長は一代で築きあげた成金なので、代々由緒ある家系の婿が欲しかったのは間違いない。

副大臣の方も家系には問題ないが、金銭的に厳しい状況が続いていた為、堂前会長の娘との縁談はおいしかったはず。


「ご婚約おめでとうございます。」
改めてババァがそう声をかけると、

「いやぁ、娘が選んだ男を否定は出来ないだろう。」
なんて、鼻の下を伸ばしながらやらしく笑う会長に吐き気がする。

そんな俺に、
「そういえば、ご子息にもめでたい話題が出てたようですが?」
と、話が振られた。

「…ええ、まぁ。」
歯切れ悪く答えるババァ。

「お相手はどちらの方ですか?」

「……高校の後輩だそうです。」

「そーですか、それは良い。英徳の出身なら間違いないですね。
確か、菱川社長のご子息も英徳を出た吉澤社長の娘さんと結婚したはずですし、金山建設のお嬢さんも英徳の同級生と婚約されてますね。」

「……、そうですか。」

「道明寺社長も司くんの結婚が決まれば、ますます安泰ですな。」

堂前会長のその言葉に周りの奴らがにこやかに頷くのが分かる。
その雰囲気をぶち壊したのは怪しい笑みを浮かべた副大臣だった。


「確か、お相手は牧野さんでしたよね?
英徳では有名だったらしいですね。
一般家庭からの受験で入学し、3年間バイトをして必死に学費を稼いだガッツのある女性として、今では伝説にもなっているそうです。」




応援よろしくお願いします★

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 2019_04_10





道明寺のお母さんと会ったあの日、
寝る間際に道明寺から電話があった。

「今日は疲れただろ。」

「ううん。大丈夫。」

そう言っていつも通り何気ない会話をするあたしたち。
でも、本当は1番聞きたかった事
『お母さん、あたしの事なんて言ってた?』

それなのに、あたしはそれを道明寺に聞けなかった。
いや、正確に言うと、聞かなくても分かったのだ。

道明寺の声を聞けば分かる。
お母さんはあたしたちの事を快く思わなかったのだろう。

道明寺との付き合いはとても幸せで満ち足りていたけれど、心のどこかでいつも覚悟していた。
道明寺は違う世界の人……。

だから、ついにこの時が来たのだと、涙は出なかった。

「また明日電話する。」

「うん。」

いつも電話を切るときの道明寺が言う言葉を、
あたしはあと何回聞けるんだろうと思いながら目を閉じた。






ババァに牧野との事を反対されても
俺の気持ちは1ミリも変わっちゃいねぇ。

一度会ったぐらいであいつの良さを否定されてたまるか。
もう俺も子供じゃねぇ。
人生の選択は自分で出来る。


強気の姿勢で立ち向かう事を決めた俺は、
ババァの事も牧野には話さなかった。
話せばあいつの事だから大袈裟に考えるだろうし、不安にさせる。



いつものように朝オフィスに入りスーツの上着を脱ぐと、デスクの上にレターが置いてあるのが目に入った。
それを手に取ると、すかさず西田が

「急遽、パーティーのお誘いがありまして」
と、そのレターに目線を移す。

「このパーティーはババァが行くんじゃねーのかよ。」

「その予定ですが、司様もご一緒にと社長からレターを受け取りました。」

西田のその言葉にはぁーーーとため息が漏れる。

最近はこういう事が多くなった。
今まではババァだけが出席していればいいパーティーも、俺まで行かされることが多くなった。

会社のトップもそろそろ代替りしてきている。
今から顔を広めて自分の代になった時のお膳立てが必要なのだろう。

「今日はどれぐらい出席する?」

「300名ほどだと聞いておりますが、堂前会長もお見えになりますので、もう少し増えるかと。」

堂前会長といえば、日本の企業トップを牛耳るジジィだ。
会長に目を付けられると、その後の仕事がやりにくい。

「しょーがねーな。何時からだ?」

「8時からです。」

西田のその言葉を聞いて、
牧野とのデートはキャンセルか……と
また深いため息をついた。



応援よろしくお願いします★

コメントにはお返事させて頂いておりませんが、毎日とても嬉しく読ませて頂いております。
久しぶりの更新にも関わらず、たくさんの方からのメッセージ嬉しかったです。
ありがとうございます!

 2019_04_08





それから2週間後、
私と司、そして牧野さんの3人はメープルで初顔合わせをしていた。

緊張している彼女を甲斐甲斐しくサポートする司は、今まで見たことのない優しい顔をしている。
我が子ながら手のつけようのない荒くれ者だった息子は今はもう過去の話なのだろうか。

1時間ほどの食事だったけれど、
それなりに彼女の人となりは見えた気がする。

多少おっちょこちょいな部分はあるけれど、
丁寧な言葉遣い、清潔感のある装い、
相手を立てる振る舞いは好感が持てた。

それに何より、司の彼女を見る目が愛情に溢れていて、このまま彼女との結婚が息子にとって1番良いことなのだと感じずにはいられなかった。




………………………………………


ババアと牧野が初めて顔を合わせた。
ババアの牧野に対する暴言を警戒していたが、
俺が今まで見た中で1番穏やかな顔をしていたかもしれねぇ。

メープルの前から牧野をタクシーに乗せ帰らせたあと、俺とババアは邸の車で帰宅した。

「少し話せるかしら。」

自室に戻る俺をそう言って呼び止めたババアは
ババアの書斎へ俺を引き入れた。


「牧野さん、素敵な方ね。」

「ああ。」

「彼女と話ができて良かったわ。」

書斎のソファに座った俺に、
いつになく優しい声でそう言った。




だが、俺が甘かった。
さっきまでの和やかなムード、
牧野を素敵な人だと言った言葉、
初めて聞く優しい口調、

そのどれもが次のババアの言葉によって打ち消された。


「彼女との結婚は諦めて頂戴。」

「……あ?」

「今、言ったとおりよ。」

「どういうことだよ!
てめぇ、マジで言ってんのかっ!」

想像もしなかった手のひら返しに、怒りが爆発する。

そんな俺を、なぜか悲しい目で見たババアはこう言った。

「あなたもきっと分かる日が来るわ。
彼女との結婚はベストじゃない。」


ベストじゃない。
それは、ババァがよく仕事上で使う言葉。
どんな案件も、最後の最後で決断を下すのはババァの役目。

その的確な判断があってこそ大財閥の道明寺が成り立ってきた。
それを誰よりも知っている俺は、

『ベストじゃない。』
その言葉の重さにめまいがした。






応援よろしくお願いします★

 2019_04_06




司が部屋を出ていった後、自室のソファに深く座り込んでいると、
司と入れ違いでタマが入ってきた。

私の様子を確かめながらも無駄口は一切なく
部屋の奥に置かれたドリンクスペースで
紅茶の用意を始めている。

そんなタマの後ろ姿に向けて聞いた。

「タマは知っていたのかしら?」

「…何がでございますか?」

「司のこと。」

その言葉だけで充分だったようで、タマは
紅茶を入れる手を休めて私の方へ向き直った。

「最近の坊っちゃんが何やら楽しそうなのは気付いていました。
仕事ばかりしか興味のない坊っちゃんが、休みの日に嬉しそうに出掛けていく姿は、どこから見ても幸せそうでしたからね。」

そう言ってタマがニヤリと笑う。

「会ったことはあるの?」

「お相手にですか?」

「ええ。」

これだけ雑誌に親密な所を撮られているのだから、この邸にもすでに出入りしているのかもしれない、そんな思いとは裏腹に

「いえ、ここに連れてきたことはございませんよ。」
と、言ったあとタマは私に背を向け、また紅茶を入れ始めた。


私は手に持っている書類をめくる。
そこには秘書に調べさせた『彼女』についての
すべてが書かれている。

どうやら調査済みなのは司も分かっていたようね。
何事も取引前の下調べが重要なのは、司もこの世界にいるだけあって納得しているよう。

書類の中にある屈託のない笑みを浮かべる彼女の写真を見ながら、さっき聞いた司の強い言葉を思い返していると、

「紅茶をどうぞ」
と言いながらタマがテーブルにそっとカップを置いた。

そして、立ち去ろうとしたその時、

「…あら、まぁ」
と小さく呟くのが聞こえた。

「どうしたの?」

「…いえ、…別に」

「この写真に見覚えが?」

私はタマの一瞬の目線の動きを見逃さなかった。
タマは私の手の中にある書類を見て、
「あら、まぁ」と呟いたのだ。

「彼女を知っているの?」

「…ええ、まぁ、そのぉ。」

「タマ、はっきり言って頂戴。」

私のお願いモードに屈したのかタマが話し始めた。

「彼女はもしかして牧野さんではありませんか?
確か、坊っちゃんが高校最後の年でしたから今から7、8年くらい前になると思いますが……」


その後、タマから聞いた話は、私にとって全くの初耳だった。
タマが入院していたときの同室だった女性の娘さんで、司も病院で何度か顔を合わせていた。

退院するときに邸の車で家まで送った事もあり、
その時に司から高校の後輩だと聞かされた。

その後すぐに渡米したので2人の関係が
どうなったかは知らない。

でも、その話の最後にタマが言った。

「坊っちゃんも案外見る目がありますね。」





応援よろしくお願いしま〜す!

 2019_04_05





牧野と付き合い始めて半年が経とうとしている。

俺にもこんな平和な日々が訪れるのか…
と思うほど幸せな毎日。

相変わらず小さな喧嘩はよくするけれど、
牧野に対する愛情は微塵も変わっていない。
いや、ますます深くなる一方だ。

逃げも隠れもしない。
堂々と胸を張って牧野と付き合っていく。


そんな俺の気持ちを代弁するかのように
ある雑誌が俺達の日常をスッパ抜いた。

『道明寺司の一週間』というタイトルで
俺を付け回していたようで、
牧野との平日のデートから週末の部屋に通う
姿まで、きれいに撮ってやがる。

いつものスーツ姿やプライベートでしか
見せないラフな姿も撮れているのが話題になり、
発行して間もなく歴代部数を上回る売り上げ
だと西田から聞いた。

俺的には何も問題はねえ。
何度も言うが、牧野との付き合いは
逃げも隠れもしねぇ。
なんなら、世界中にアピールして
早々と結婚でもしたいと思ってるくらいだ。

たが、事はそんなに甘くない。
世間を賑わせてからすぐにババァから
呼び出しがあった。


「なにやら、最近あなたの周りが騒がしいようね。」

「別に構っちゃいねーよ。」

「と言う事は、あの記事は全面的に認める
ということかしら?」

「ああ、抗議する箇所はどこにもない。
強いて言えば、牧野の写真が実物よりわりぃー
とこくらいか。」

そう答える俺に、はぁーーーと深いため息を
付きながら呆れた目を向けるババァ。


「いつからお付き合いしてるの?」

「半年前」

「どこの娘さんなのかしら。」

「もう調査済なんだろ?」


バハァのやり方は分かっている。
俺をここに呼び出した時点で牧野の事は
すべて把握しているはずだ。


「はっきり言えよ。
俺をここに呼んだ理由は?」

「……あなたがそう言うなら、はっきり言わせて
もらうわ。これだけ世間を賑わせたのだから
もう彼女とは充分じゃないかしら。」

「あ?どういう意味だよ」

「この騒ぎがこれ以上大きくなると、
本来、あなたとお付き合いする女性が
良く思わないはずよ。」

「俺と付き合う女?」

「ええ、そうよ。
あなたにはきちんとした女性と付き合って、
きちんとした結婚をしてもらわなきゃ。」


当たり前のようにそう言うハバァに、
怒りを通り越して笑いがこみ上げる。


「きちんとした付き合い?
きちんとした結婚?
笑わしてくれるじゃねーかよ。
俺はあいつと別れる気なんてねーし、
それを俺に強要した時点で、何をするか
分かんねーぞ。」

昔の俺ならおとなしく従わされていたかもしれないが、
今の俺はある程度、道明寺財閥の中でも
力を持っている。
俺に反発されると困るのはババァの方だ。


「彼女のこと、本気ということかしら?」

「ああ。」

「どこまで話は進んでいるの?」

「まだ何も話してねぇ。
逆に言えば、話せば明日にでも籍を入れるかも
しれねーし。」

嘘じゃねぇ。
俺の中ではいつでも準備は出来ている。

「分かったわ。
でも、1つ覚えておいて頂戴。
あなたが選ぶ女性は、世間から見ると
道明寺財閥が選んだ女性なの。
いくらあなたが好きでも、その相手が道明寺財閥にふさわしいかどうかを判断する世間の目は厳しいわよ。」


そう真っ直ぐに俺を見て言うババァの言葉は
間違っちゃいねぇ。
俺が下す決断は、道明寺財閥が下した決断と同じ。

いつもなら反発してやるババァの言葉が
今はずっしりと重たく感じた。


応援お願いしまーす♡

誤字脱字、すみません。
訂正しました〜★
拍手コメント、本当にありがとうございます。
いつも嬉しく拝見しています。

 2019_04_03




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Author:司一筋
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