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つくしと2度目の籍を入れ、甘い生活がはじまって早3ヶ月。
今日は久々に二人とも休みの週末。

俺の頭の中では、遅くまでベッドで過ごし昼近くにカフェでブランチ、そしてブラブラと二人でウインドショッピング……なんてことを想像していたのに…………。

目が覚めるとベッドにはすでにつくしがいない。

「つくし?」

「…………。」

「つくしっ?」

「あ、おはよ。起きた?」

そう言ってベッドルームの奥にあるクローゼットから姿を現したつくしは既に着替えも軽いメークも済ませている。

「んだよ、もう用意したのか?」

「ん、約束の時間に遅れちゃう。」

「……約束の時間?」

「あれっ?忘れちゃった?
今日は坂東先生とランチの約束してるって言ったでしょ。」

「あ?聞いてねーよ!」


いや、ほんとは聞いたかもしんねぇ。
でも、都合の悪いことはスルーだ。

「もう少しで行くからねあたし。」

「行くからねって、おまえ一人で?」

「そうだけど?」

何が?みてぇーな顔で俺の方を見るこいつ。

「まさかおまえら二人で会うのかよ。」

「…………そろそろ行くね。」

「おいっ!」

完全に逃げ腰のこいつの体を押さえ込み、俺も付いていくのを了承させ、それが嫌なら浮気と見なすと脅し、やっと30分後に二人で部屋を出た。



待ち合わせのカフェに着くと、坂東ドクターとその横には友香の姿。
久々に4人が揃い近況を話し合ったあと、おもむろにドクターが言い出した。

「道明寺さん、30分だけ牧野先生をお借りしてもいいですか?」

「…………あ?」

自分でもおとなげねぇって分かるほど不機嫌な声の俺。

「借りるってなんだよ。」

「デートです。」

「デートっ?てめぇ。」

悪びれもせずつくしとデートしたいなんて言い出しやがったドクターに軽くキレる俺の腕を掴み、
「30分ぐらいいいでしょ。
行きましょ、先生。」
そう言って勝手に立ち上がるつくし。

「おいっ!」

「友香さん、このバカのことよろしく。」

「は~い、いってらっしゃい。」

怒鳴る俺なんて無視して、カフェから出ていく二人。
それをケラケラと笑って見ていた友香が俺に聞いてきた。

「司さん、新婚生活はどうですか?」

「どうって、」

言葉になんて出来ねぇよ。
心でそう呟いた俺に、

「プッ……ほんと意外だなぁ~。」
と、クスクス笑う友香。

「なにがだよ。」

「だって、いつもクールな司さんが、つくしさんの事になるとデレッとしたり、ニヤけたり、怒ったり……。
あたしが知ってる司さんとはまるっきり違うんだもん、妬けちゃうな。」

「……うるせぇ。」

「あたし、てっきり司さんが出会ってすぐに『友香さん』って下の名前で呼んでくれたから、脈ありだなんて勝手に思ってたけど、この間、父から聞きました。
あたしのこと『坂東』って呼び捨てにしたら父から怒られたんですって?
自分のことを呼び捨てで呼ばれてる見たいで嫌だって。
半強制的に『友香』って言わせるようにしたって父が笑ってました。
やっぱり事務次官には逆らえない?」

「……そーじゃねーけど、事務次官に会えばおまえの話もするし、その時にやっぱ『坂東』じゃまずいだろ。」

「そーですよね。でも、それですっかりあたしは騙されちゃった。
……でも、つくしさんが現れて、自分が勘違いしてたって痛いほど分かりました。
司さんのつくしさんに対する熱~い視線は一度もあたしに向けられたことはなかったですもんね~。」

そう言ってまたケラケラ笑う友香。
そんなこいつに俺は心のなかで言う。
それだけじゃねーよ。
おまえを『友香』って呼び捨てで呼んでたのは、確かにおまえに愛情を感じてたからだ。
でも、それはつくしに対するものとは全く違って、まるで妹のような存在だって思ってたからだけどな。




俺たち二人がカフェで時間を潰しているうちに、入り口から坂東ドクターとつくしの姿が見えた。

「お待たせ。」

そう言って俺のとなりに立つつくしの手をとり、ギュッと握りながら、

「4分遅刻だ。」
と腕時計を大袈裟に見せながら俺も立ち上がる。

「これ、坂東先生に買って貰っちゃった。」
そう言って紙袋を少しだけ開いて俺に見せるつくし。

「かわいいでしょ?」

「ああ。」

そこには、小さな靴と小さな帽子が入っている。

「道明寺さん、今度帰国したら、赤ちゃん、抱っこさせてくださいね。」

「考えとく。」

俺はそう言い残し、軽く片手をあげ坂東ドクターに挨拶すると、つくしを連れてカフェの出口へと向かう。

「ちょっと!司っ!」






坂東ドクターは来月から2年間の海外研修に旅立つ。
友香も新しいことに挑戦するため日本を離れる。
そして、つくしの腹のなかには俺たちの愛の証が育っている。


みなそれぞれ次のステップへと歩み出し、過去よりも今、今よりも未来に向けて進もうとする。


だが、決して変わらないものもある。


俺のつくしに対する気持ち。
それは、過去も現在も、未来も、決して変わらねぇ。
俺の運命の女はただ一人、あいつだけ。








何度でも……


Fin





何度でも……お付き合い頂きましてありがとうございました。
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 2016_05_10






ステージの上から満面の笑みで俺を見ながら、
「司、婚約おめでとう!」
と、いい放つ姉ちゃん。

開いた口が塞がらねぇ。
あれほど姉ちゃん自身が言ってただろーが。

つくしをこの場に連れてくるつもりはねぇと言った俺に、久しぶりに姉ちゃんの旦那である義兄さんもつくしに会いたがっているから、少しでいいから顔を出してほしい。
目立たないようにパーティーの終盤でいいから。
シンプルなドレスで俺と離れていれば気付かれることはないから…………、

そう言っていたのは姉ちゃんだよな?

それなのに、ステージの上から俺とつくしを交互に見ている姉ちゃんの視線で、俺から離れた場所にいるつくしの存在に周りのやつらも気付きはじめてザワつきだした。

そんな俺らに追い討ちをかけるように姉ちゃんが言う。

「つくしちゃん、ステージに上がってくれない?
皆さんにご紹介したいの。」

「えっ!」

戸惑うつくしに俺も黙っちゃいねぇ。

「姉ちゃんっ!」

怒鳴る俺を無視して更に姉ちゃんが続ける。

「いいから、こっちに。」

その有無を言わせねぇような口調に、さすがのつくしも恐る恐るステージに上がり、それを他の奴らが固唾を飲んで見つめる。

「つくしちゃん、今日は私のバースデーパーティーに来てくれてありがとう。
せっかくだから、皆さんに自己紹介していただけるかしら?」

「えっ……お姉さん。」

「そうだわ。
NYから私のお友達もたくさん来てくれてるの。
だから、せっかくなら英語でお願いできるかしら。」

その姉ちゃんの言葉に固まるつくし。
ちくしょー、姉ちゃんっ!
何がしてーんだよっ!

ステージの上で固まるつくしを助けに行こうと動き出そうとした俺の肩に、いつのまにか側まで来ていたババァが手を乗せ、
「最後まで見届けましょう。」
と静かに言った。


ステージ上では困った顔のつくしがそれでもマイクの側まで行き、
「こんにちは。牧野つくしと申します。
……自己紹介といっても、医師をしているくらいで、特に……。
あっ、それに、ごめんなさい。
英語は中学生レベルなので、……勘弁してください。」
そう言ってペコリと頭を下げる。

そんなつくしに周囲から渇いた笑いが洩れ、ヒソヒソと棘のある言葉が聞こえてくる。

「じゃあ、つくしちゃん。
私からひとつお願いがあるの。
誕生日プレゼントが欲しいんたけど。」

「えっ?プレゼントですか?」

「そう。
そこにピアノがあるから、一曲私のためにひいてくれないかしら。
選曲はつくしちゃんに任せるわ。」

俺はその姉ちゃんの言葉を聞いて、頭を抱える。
つくしの音楽センスは最悪だ。
結婚してた当時もグランドピアノを前に「チューリップ」でさえ弾けなかったあいつ。
そんなつくしを姉ちゃんも知ってるはずなのに。

「お姉さんっ、あたし無理です!」

「簡単なのでいいのよ?
バースデーソングは?」

「無理です無理ですっ。
猫踏んじゃったでさえ弾けないのにあたし。」

その言葉に今度は会場がドッと沸く。
つくしはしきりにペコペコと頭を下げ、最後は俺の方を見て「ごめん。」と小さく口を動かした。

「つくしちゃん、相変わらずで私は嬉しいわ。」

「え?」

「皆さん、改めてご紹介します。
こちらが司の婚約者であり元の奥さんであるつくしちゃんです。
ご覧になった通り、つくしちゃんは英語はもちろん日本語以外はからっきしダメ、ピアノも弾けないどころか、クラッシックを聞けばすぐに睡魔に襲われちゃうような子なんです。
けど、私も司も……そんな彼女が大好き。
彼女の明るい性格と、芯の強さ、清い心に惹かれっぱなしなんです。」

そう言ってつくしの肩を抱く姉ちゃん。

「家柄や財産、教養など、皆さんの噂話は尽きないようですけど、今後一切、そのようなことはご心配していただかなくて結構よ。
司が選ぶ女性は昔も今もつくしちゃんしかいない、それが答えです。
つくしちゃんは今のままで充分魅力的だし、司は呆れるほど彼女しか見えないみたい。
皆さん、今後、彼女を苛めるようなことがあれば、道明寺を敵に回すことになるってことを忘れないで頂きたい。」

そこまで強い口調で会場のやつらに言ったあと、
「さぁ~、では、最後にダンスでパーティーを締めたいと思いま~す。音楽お願いできる?」
そうスタッフに合図を送ったあと、

いつものテンションで、
「つくしちゃん、もちろんダンスも苦手だったわよね?」
と、マイク越しに聞く姉ちゃんに、

俺もババァも、もう苦笑するしかなかった。




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 2016_05_07







つくしとの再婚話は順調に進んでいる。
思いがけず両家の顔合わせを済ますことができたあの日から、お互い新たな生活へ前向きに歩き出した。

新居は俺のマンション。
邸で暮らすことも考えたが、つくしの仕事のことも考えて近い方がいいし、何より二人だけの甘い時間を満喫したいと俺が我儘を言った。

籍は2か月後の大安吉日にいれることに決め、今は最後の恋人期間を楽しんでいるところだが、そうウカウカもしてられねぇ。

徐々に再婚話を聞き付けた奴らが探りをいれてきている。
7年前と違うことは、つくしが医者として立派に成長しているということだけで、他は何も変わっていない。

家柄、財産、教養…………。
また、同じことでつくしを苦しめたくはない。









30歳を過ぎて、今更バースデーパーティーもねぇだろ。
そう思ってる俺の手には、今まさにバースデーパーティーの招待状が握られている。
送り主は、姉ちゃん。


「司、今年は盛大に私のバースデーパーティーを開くわよっ。」

「今更、なんでだよ。
姉ちゃんもいい歳なんだから家族でやればいいだろーが。」

「久しぶりにパァーッとみんなを呼んでやりたくなったのよ。
司も来なさいよ。つくしちゃんもね!」

「あいつは行かせねぇ。」

姉ちゃんのバースデーパーティーには、それなりにかなりの人が集まるだろう。
そこにつくしが行けば、7年前と同じようにあいつに嫌がらせをするやつがいるかも知れねぇ。

「司、……少しだけでいいから、二人で顔出してちょうだい。
それが、私へのプレゼントよ。」

俺の気持ちを知ってか知らずか、姉ちゃんはそう言って電話を切った。







パーティー当日。
つくしの衣装は姉ちゃんから事前に届いていた。
そのシンプルなドレスに身を包み、パーティーが終わるギリギリの時間に会場に入ると、想像以上の出席者に驚いた。
さすが、結婚しても道明寺家の一人娘。

俺とは少し離れて会場に入ったつくしもその豪華さに驚いているよう。
キョロキョロとあたりを見回してるあいつに苦笑しながら、やっぱり俺の側から離れるなと近付こうとしたその時、俺の存在に気付いたのか、周りのおやじや女たちがぞろぞろと俺の回りを囲む。

確かこいつは、去年縁談を持ち掛けてきたタヌキおやじで、こっちは最近ブレーク中のモデルの女。
つくしを見たあとだからか、こいつらのケバケバしいドレスとメイクに吐き気がする。

チラッと視線をつくしに移すと、そんな俺の苦労も知らず、料理を美味しそうに大口開けて食べる姿に思わず笑っちまった。

ったく、俺が女に囲まれてるっつーのに、おまえは心配じゃねーのかよ。
少しは嫉妬しろよ、バカ。

そんな緩んだ俺の顔を見て、周りの女たちが勘違いしたのか、馴れ馴れしく体を寄せてくる。
「道明寺さん、このあと何かご予定は?
もしよろしければいいお店知ってるので行きません?」
耳元で囁かれるそれに、鳥肌がたつ。

「そういえば、道明寺さん。
先日の雑誌、拝見しました。
大胆に愛の告白もされていましたけど、あれは前の奥さんへですよね?
確か前の奥さんは、一般の方でサラリーマンの娘だと聞きましたが?」

「私は彼女の家がかなりの地主で不動産の資産があると聞きましたけど?」

相変わらずつくしへの興味は尽きないらしく、こいつらは何年たってもありもしねぇ噂話をでっち上げる。

この際、ここではっきり言ってやろうか。
サラリーマンの娘だろーが、大地主の娘だろーが、どっちだって構わねぇ。
俺はあいつの、


そこまで頭で言葉を並べたとき、ステージの上にスポットライトが光り、その中に姉ちゃんが微笑みながら現れた。

そして、突然俺に向かって言った。

「皆さん、ここで皆さんにご紹介したい人がいます。
私の弟である道明寺司と、彼の婚約者のつくしちゃんで~す。」




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 2016_05_05







部屋の中から聞こえてきたつくしの両親の焦る声に、俺は我を忘れて土足で駆け込んだ。

そして、部屋の扉を思いっきり開き中へ入ると、
そこには俺の予想していない光景が……。

あの冷血で傲慢、高飛車な魔女であるババァが、
つくしの家の狭いリビングの絨毯に手をついて頭を下げていた。

「…………おい、どういうことだよ。」

生まれてはじめてみるその光景に立ち尽くす俺。

「道明寺っ、お義母さんが……。」

困ったかおで俺を見つめるつくし。

「おい、ここで何してるんだよ。」

「あなたこそどうしてここに?
今は重役会議の途中じゃないのかしら?」

「……どいつもこいつもくだらねぇ話しかしねぇから、来週まで考え直してこいって解散させた。
っつーか、……まさか、」

「……まったく使えないわね。」


突然、今日の朝になって決まった重役会議。
来週にする予定だったその会議を突然早めると言ってきたから何か問題が起きたのかと思ったが、いざ行ってみるとグダクダとくだらねぇ話ばかり。
しかも、いつも重役会議には目を光らせて出席するはずのババァの姿もない。
おかしいと思っていたが、まさかババァが仕掛けた事だとは今の今まで気付かなかった。

ババァはここに来るために、急遽重役会議という名目をつくって俺を会社に縛り付けようとしたって訳だ。

「なんの真似だよ。」

「あなたが来たから全部台無しね。」

「あ?」

床に座るババァと立ったままそれを見下ろす俺に、

「道明寺さん、司くんも、どうかこっちに座ってくださいっ。」
と、つくしの親父さんがあたふたとソファを進める。

このまま立ち話も出来るはずがない。
俺は言われるがままソファに座ると、ババァも絨毯に置かれた座布団に座り直し、それを見たつくしが俺の足から靴を強引に脱がせると、
「お茶っ、あたしお茶いれてくるねっ!」
と、バタバタとキッチンに消える。



数分後、キッチンから人数分のお茶を持ってきたつくしがそれぞれに配り終わるのを見計らって、
「きちんと説明してくれ。」
俺はババァに向けてそう言った。

すると、その言葉に口を開いたのは、
つくしの親父さんだった。


「全部、わたしが悪いんです。」

「パパっ!」

「7年前、苦しむつくしの姿をこれ以上見たくないと、道明寺さんに頭を下げて別れてほしいと頼みに行きました。
あのときは、それがつくしのために一番いいと思ってたんです。

でも、二人がここまで強くお互いを想ってるとは思ってなかった。
つくしに、道明寺さんと一緒にいることが自分の一番の幸せだと言われて、本当に、あのときの事を後悔してます。」

そう言ってガクッと頭を垂れる親父さんに、今度はババァが口を開いた。

「子を想う親の気持ちは、いつだって複雑です。
私が牧野さんの立場だったら、きっと同じことをしていたはず。
だから、……今度はわたしの番です。」

そう言って座布団に座る体を少し後ろにずらし、もう一度手をついて頭を下げたババァ。


「今度は私がお願いする番です。
どうか、もう一度、つくしさんを息子に預けて頂けませんでしょうか。
司にとっても、つくしさんと一緒にいることが最大の幸せです。
ですので、」

そう頭を下げるババァに、
俺は不覚にも喉の奥が苦しくなる。

俺たちが結ばれて、そして別れたのは、
誰のせいでもねぇ。
あのときのあの状況が、そうさせただけで、
親父さんもババァも頭を下げる必要はどこにもねぇ。

ただ唯一、頭を下げるとすれば、
それは、



「お父さん、お母さん。
もう一度俺を信じて、俺につくしさんを下さい。
必ず幸せにします。」



唯一、頭を下げるとすれば、
それは俺しかいねぇ。



「つくし。
俺と結婚してくれ。」


俺は両親とつくしに向かって床に手をついて頭を下げた。






ババァはいつからこんなに人間らしい奴になったんだろう。

つくしの家でつくしの両親と俺たちと、テーブルを囲んで一緒に鍋を食うババァ。
途中で帰ってきた進が目を丸くして驚くほど溶け込んでやがる。

シルクのスーツが汚れるからと、つくしの母さんが箱にしまってあった新品のエプロンをババァに渡し、「はじめてだわ。」なんて言いながらエプロンを着けて鍋を食ってる姿は、驚きを通り越して愕然とさせられる。

つくづく思う。
この牧野家という存在は、どこまでもいい意味で道明寺家をぶち壊してくれる。



鍋の最後の閉めおじやを食ったあと、片付けをする間、邪魔だろうと少し外に涼みに出た俺を、追いかけるようにして玄関から出てきた進。

「食べ過ぎました?」

「ああ、久しぶりに鍋食った。」

「ほんとですか?
うちなんて、週に3回鍋の時もありますよ。」

そう言って笑う進。

「もうすぐ夏ですね。」

「そうだな。」

「……また、道明寺さんと花火が出来るんですね。」

「……だな。」

花火と言えば空に打ち上がるものしか知らなかった俺に、手持ち花火を教えてくれたのは進だった。

「進……、」

「はい?」

「これから俺たちは一生の付き合いだ。
よろしくな。」

「はい。」




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お待たせしました。更新遅くなりました。
皆さんお休みはどう過ごされていますか?
私は去年の今頃は「総務課の牧野さん」を書いていたようです。
今年は「何度でも……」。
全く違うストーリーなんですが、長い歳月の間、お互いを想っている二人という点では同じです。

来年も、そんな二人を書いていたいなぁと改めて思うゴールデンウィークです。

さて、そろそろこのお話も最終話ですね。
次回のお話ですが、まだ決めかねています。
皆さんの期待にすべて答えることはむずかしいのですが、何かリクエストありましたらコメント頂けたら嬉しいです。
ストーリーでもいいですし、こんなシチュエーションはドキドキするといったシーンでもいいですし、何かヒント頂けたら、嬉しいです。

細く長く書き続けたいと思っていますので、これからも応援お願いいたします!






 2016_05_02







ババァに聞かれた
『再婚したいの?したくないの?』
という言葉と、
つくしの独り暮らしをするという話で、俺の決意は固まった。

もう一度、あいつにプロポーズする。


つくしが望まないのなら結婚にこだわらない。
このままあいつと今のままの関係でいい。
そう思っていたはずなのに、
触れれば触れるほど離したくなくて、
近付けば近付くほど俺のものにしたい。

つくしと出会ってからずっと、その気持ちは何ひとつ変わってねぇけど、でも、
7年前の失敗はもう繰り返さない。







つくしの勤務が休みだという日、俺の仕事終わりに俺の部屋で会う約束をした。
この日のために極上のワインと、らしくもねぇキャンドルまで用意して2度目のプロポーズを決行…………

の予定のはずが、夕方を少し過ぎた辺りにつくしから携帯に着信があった。
タイミング悪く、重役会議の真っ最中。
一時間遅れでかけ直すも繋がらない。

その30分後にかかってきたつくしからの電話に俺は耳を疑った。

「お母さんから会いたいって電話がきたの。」

「あ?」

「今からうちに来るって!」

電話の向こうで慌てた様子のこいつに、俺はまだ話がのみ込めねぇ。

「おまえの母親がおまえに会いたくて家に来るって?……クックッ……一緒に住んでるだろおまえら。」

つくしがちんぷんかんぷんな事を言い出したから、思わず笑った俺に、

「違うっつーのバカっ!」
と、すげー怒りだすつくし。

「あたしのママじゃなくて、おんたのお義母さんに決まってるでしょ!」

「……あ?……ババァが?」

「そう。さっき突然実家に電話がかかってきて、話があるから後でお邪魔しますって。
なに?なんだろう、話って。
あんたが雑誌でペラペラ喋ったから怒ったのかな?
あたしたちのこと反対しに来るのかな?
どうしよ………道明寺………どうしたらいい?」

珍しく弱気なつくしに、
「……大丈夫だ。」
と、自分自身にも言い聞かせるように俺は言う。

「ババァがどんな目的でおまえに会いに行くかはわかんねぇけど、俺たちのことはちゃんと説明したし、ババァも反対してねぇ。
俺もすぐにそっちに向かうから、おまえも心配すんな。
おまえの両親にもそう伝えてくれ。」

「……うん。分かった。……待ってる。」


ババァがつくしと両親に会いに行く?
俺に黙って、何をするつもりだ……。

俺は西田に「このあとの予定はキャンセルだ。」
そう告げると、車のキーを握りしめエレベーターに乗り込んだ。






つくしの実家の前に着くと、そこにはババァ専用の車が停まり中には運転手が待機していた。
俺に気付いた運転手は慌てて車から降り頭を下げる。

「いつからここにいる?」

「15分ほど前に到着致しました。」

「ババァ………社長は?」

「中に入られております。」

運転手のその言葉を聞いて俺はつくしの実家の玄関へと急いだ。
扉の横にある小さなインターフォンを押そうと手を伸ばしたその時、中からつくしの両親のでかい声が聞こえた。


「やめてくださいっ!」
「そんなっ、困りますっ!」



俺はその声を聞いて、インターフォンを押すことも忘れ、玄関の扉を思いっきり開くと、土足で部屋へと入っていった。





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司一筋

Author:司一筋
花より男子の二次小説サイトです。
CPはつかつくオンリーです。
司をこよなく愛する管理人の妄想サイト。

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