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「なぁ、」

「ん?なぁに?」

「ここから、どうすりゃいーんだよ。」

「だから、そぉーっとベッドに寝かせて、気付かれないように腕を取るの。」

「さっきからやってるけど、こいつすぐ気付いてバタつくぜ?」

「あのね、気付かれないようにするにはコツがあって……、」



日曜日の午後。
午前中、良いだけ俺とつくしを邸の庭に連れ回して遊んだせいか、2歳児の怪獣は俺の腕の中でお昼寝中。

そろそろ寝たかと思ってベッドに置こうとすると、すぐに気付いてぐずりやがる。
もう3度目のトライも失敗に終わり、仕方なくつくしに助けを求めた。


「まずはゆっくりベッドに下ろしてみて。
その時重要なのは、だっこしてるように思わせることっ。
体をくっ付けたまま自分も一緒に横になるの。」

「…………こうか?」

「うん、まぁまぁ。」

なんだよ、まぁまぁって。

「そうそう、いい感じ。
そして、そこから焦らずゆっくりと抱いてる腕を引き抜く。」

「そこが難しいんだよっ。
それしようとすると、すぐ気づきやがる。」

「まだまだ修行が足りないんだな。
ほら、ゆっくり、そう、焦っちゃだめ。」

つくしに見守られながらゆっくりと結の体の下にある自分の腕を慎重に引き抜く俺。
今度は成功か?

そう思ったとき、三連敗したときと同じように、
フニャフニャとぐずりだす結。

はぁーーーー、またかよ。
そんな俺に笑いながら、
「見てなさい。先生がお手本を見せますから。」
とかなんとか言いながら得意気に結をあやして、あっという間にベッドに寝かせるつくし。

ほらね?
と、俺を見上げながら口を動かすこいつに、
マジすげぇ。
と、返してやる俺。




つくしにそっくりな黒髪を肩まで伸ばした俺らの天使。
やっとお昼寝してくれたそんな小さな怪獣を眺めながら、ソファに深く座り隣のつくしを引き寄せる。

「司、疲れたでしょ?」

「ああ。すげー疲れた。
でも、……悪くねぇな。」

「うん。」

日差しが差し込む穏やかな日曜の午後。
結が生まれてからずっと、日曜はこうして3人で過ごしてきた。


「司も少し眠ったら?」

「そうだな。つくし、俺のことも寝かしつけて。」

「っ!はぁぁ?……バカっ」

こんなことですぐに赤くなるこいつは、出会った頃からずっと俺を虜にして離さない。

「結が起きたら大仕事残ってるからね。」

「ああ、分かってる。」

そんな会話をしてお互いクスクス笑う俺たち。


このお昼寝タイムが終わればそこからが俺のもう1つの出番。
それは、結が生まれてからずっと変わらない。


「おまえも入るだろ?」

「なんでよっ。あたしは着替え担当のはずでしょ?」

「3人で入ればお湯だって少なくて済むだろ。おまえの好きな『節約』だな。」


小さな愛しい怪獣が目覚めれば、日曜恒例のお風呂タイム。
それが、俺の大仕事。





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これにて『牧野と言う不思議な生き物』完結です。
応援ありがとうございました。

はじめての妊娠話がこんなストーリーになってしまいましたが、切なく、甘い二人に仕上がっていると嬉しいです、

次回作はもう決めています。
最近、大人のつかつくが続いていたので、少し若返りさせまして(笑)、大学生の二人という設定。

原作のように山あり谷ありで、強烈に惹かれ合いながら『彼女』『彼氏』になったわけではなく、なんとなく『側に置いてもいい女』ぐらいの感覚でつくしを『彼女』と呼ばせている司。

そんなバカでどうしようもない『彼氏』と、
そんなバカに振り回される可愛い『彼女』。

今回はつくしちゃんに頑張ってもらって、結構積極的に動いてもらうつもりです。


ここまでストーリーが浮かんでいるのに、いつものように、まだ1話も書いてませんよっ!
はいっ、大至急取り掛かりますっ!
ラジャー!

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 2015_11_10






その連絡が来たのは、ちょうど午後の商談に向けてオフィスを出た時だった。

「支社長、病院から連絡が。」

西田が慌てて俺に電話を差し出す。

「俺だ。どうしたっ?」

「坊っちゃん、タマです。
つくしが破水しました。
陣痛もかなり強くなってます。
もしかしたら、早いお産になるかもとドクターが。」

「分かった。
つくしの両親は?」

「はい。つくしにずっと付き添ってくれています。
楓奥様もジェットでこちらに向かっていますので、もう少しでこちらに着くころかと。」

「タマ、俺が行くまで頼む。」


今朝つくしを病院へ送り届けた際、
『仕事、途中で放り出して来たら、ただじゃおかないからねっ。』
と、あいつに念を押された手前、ここで商談をすっぽかす訳には行かない。


「支社長、どうなさいますか?」

「もちろん…………仕事に行くぞ。」

「はいっ。」








商談を終えてすぐに病院へと向かったが、つくしはすでに病室から分娩室へと移動したところだった。
分娩室の前ではつくしの両親とタマが落ち着かない様子でソワソワと歩き回っている。

「道明寺さんっ!」

「遅くなりましたっ。」

つくしのパパにそう言って頭を下げた次の瞬間、俺の耳にかすかに小さな泣き声が………。

ハッとして顔を見合わせる俺たち。

その泣き声は、子猫のように小さくて、でもしっかりとした産声。

「つくしっ!」

思わずそう叫ぶ俺の前で、分娩室の扉が開き、
「おめでとうございます。
元気な女の子です。」
と、伝える看護婦の姿。


これが、俺に守るものがもう1つ増えた瞬間だった。







「わりぃ、遅くなったな。」
すべての処置を終えてベッドに横たわるつくしに、俺はそう言って頭を撫でた。

コクンと頷くこいつの胸の上には、タオルにくるまれた生まれたばかりのガキ。

「ちっせぇー。」

「司、だっこしてあげて。」

「お……う。」

つくしから渡されるそのちいせぇ体を俺は恐る恐る胸に抱く。

「おまえは随分お利口さんだな。」
ガキにそう呟いてやると、

「ん?」
と、笑いながら聞き返してくるつくし。

「医者が言ってた。
初産でこんなに早く生まれるのは珍しいって。
つくしに痛い思いさせねぇように、急いで生まれてきたんだろ?おまえは。」

「そうなんだぁ、お利口さんか。」

ガキの顔を覗き込んで、幸せそうに笑うつくしを見ると、今まで生まれてきてこんなに幸せを実感したことがあっただろうかと自分自身に問う。

「つくし。」

「ん?」

「ありがとな。」

「……うん。」

もう一度頭を撫でてやり、今度は腕の中にいるガキにも言ってやる。

「ありがとな。ゆい。」

「…………つかさ?」

「こいつの名前、『ゆい』にした。
『結ぶ』と書いて『ゆい』。
こいつは、俺とおまえを結びつけてくれた天使だからな。」



『結ぶ』と書いて『ゆい』。
迷わなかった。これ以外、考えられなかった。
自然とその名前がすぐに頭に浮かんだ。
『結』




たぶん、この腕の中の小さな『結』が、
今までもそうだったように、これからも俺とつくし、そして周りのものを幸せへと導いてくれるんだろう。




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あと1話でラストになります。
司の子育てシーンも読みたい……と数多くのコメント頂いておりましたが、チラッとさわり部分でラストにしたいと思っています。

次回作のストーリーが頭にグルグルしておりまして、早く吐き出さねばっ。
では。



 2015_11_09







それは突然やって来た。

「つかさ……つかさっ、」

「……ん……」

「つかさ、ねぇ、起きて。」

「……どう……した?」

目を開けると、俺を見つめる愛しい女の姿。
そんなつくしを寝ぼけながら無意識に抱き寄せてキスをすると、

「ちょっ、つーかさっ!」
と暴れるこいつ。

「なん……だよ。」

「あのね、お腹。お腹が少し痛いの。」

「っ!」

俺はその言葉にすげー勢いで起き上がった。

「マジかっ?大丈夫かっ?
生まれそうなのか?!」

「いや、落ち着いて!
まだ生まれないと思うけど、でも、痛みの間隔を計ってみたら15分間隔で来てるから、もしかしたら陣痛が始まったのかも。」

壁の時計を見ると早朝5時。

「とりあえず、タマが起きてるはずだから連れてくる。
おまえはここにいろ。
用意ができたらすぐに病院に行くぞ。」

「うん。」


そこからは、大変だった。
早朝から俺が邸の中を歩き回ってることで、使用人たちにも何があったか伝わった。

「坊っちゃん、お産はまだまだ時間がかかりますからとにかく着替えてくださいなっ。」
ソワソワと落ち着きのない俺に、つくしの着替えを手伝いながらタマが呆れてやがる。

とにかく、NYのババァと、つくしの実家には連絡を入れた。
西田にも携帯で事情を話す。

「……キャンセルしろ。
今度、俺から詫びの連絡しとく。」
今日は午後から大事な約束があった。
半年がかりでアポを取り付けた相手。
でも、どちらが大事かなんて分かりきったこと。

西田との電話を切った俺に、つくしが言う。
「司、今日は大事な日でしょ?
あんたは仕事に行ってきて。」

「あ?ふざけんなっ。
行くわけねーだろ。」

「何言ってんのよ。
支社長がそんな簡単に仕事放り出していいと思ってんの?
あたしはタマさんもママもいるから大丈夫。
司はいつも通り仕事してきて。」

「どっちが大事だと思ってんだよっ。
仕事のことは気にすんな。」

「ダメっ。」

「うるせぇー。」


行け、行かない、で言い合いになる俺たちにタマがわざとらしく大きなため息をつく。
そして、
「坊っちゃん、初産はかなり時間がかかります。
今日中には生まれないかもしれませんよ。
だから、とりあえず仕事に行かれては?
つくしの様子は随時連絡しますから。」

その言葉にうまく丸め込まれ、俺は結局、つくしを病院に送り届けたあと、いつも通り仕事をするはめになった。


午前中は会議が2つ。
午後からは会食を含めた商談が1つ。

その間もちょっと気を緩めると意識はつくしへと飛ぶ。

「西田、何か連絡来てねーか?」

「いえ、今のところは。」

「電話壊れてねーよなっ?」

「大丈夫です。」

「病院に電話してどんな様子か確認しろ。」

「5分前に確認したばかりです。」

「3分間隔で確認しろ。」

「…………。」

無言で俺を見つめる西田の目は、思いっきり呆れてやがる。
ったく、こいつには俺の気持ちなんてわかんねーんだよっ。

そう思いながら相変わらず無表情の西田を睨みつけてやると、次の瞬間、西田の携帯が鳴り響いた。

あまりの驚きに携帯を落としそうになるこいつ。
そして、辛うじてキャッチした携帯を素早く耳に当て、

「はいっ!西田ですっ!
生まれましたか?奥様はご無事ですかっ?」

と、こいつからは聞いたこともねぇような動揺っぷり。

「…………失礼いたしました。
はい……はい、…………では、来週の火曜日、3時で了解しました。」

どうやら、仕事の電話だったようだな。
それにしても……プッ……クックックッ……。

こいつもポーカーフェイスでうまく隠してやがるけど、内心は俺よりも重症かもな。
電話を切った西田に言ってやる。

「西田、少しは落ち着け。
初産はな、時間がかかるらしいぞ?」






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 2015_11_08







ようやく先週から同居をはじめた俺たち。
牧野の仕事も無事に産休に入り、やっと結婚生活がスタートした。



「支社長、今日のスケジュールですが、」

「西田、今日は何時に帰れそうだ?」

「はぁ、順調にいけば11時までには……」

「ふざけんなっ、10時には邸に着くように調整しろっ。」

そんな悪態をつく俺に、日に日に西田の顔が崩れ、終いには情けねぇ顔で、
「支社長っ、お願いですから仕事中は奥様のことはお忘れください。」
と懇願してきやがる。


起きて待っててくれるつくしのためにも、なるべく早く帰りたい。
でも、手は抜いてねぇ。
ババァに文句の言われるような仕事をしてたら、それこそつくしに矛先が行きかねない。



猛スピードで仕事を片付け邸に戻ったが、俺らの部屋を覗いてみてもつくしの姿がない。
待っていればすぐに戻ってくると分かっていても、落ち着かない。
どうせ、いつものところだろう。
そう思いながら1階の西部屋に向かう。


「タマ、入るぞ。」

「あらまっ、坊っちゃんおかえりなさい。」

そう答えるタマの向こう側に、こたつに座るつくしの姿。

「おかえりなさい。」

「おう。」
俺はつくしにそう答えながら軽く頬を撫で隣に座る。

タマが淹れてくれたお茶を一口飲んだあと、今日1日うずうずとして堪らなかったことをつくしに聞く。

「どうだった?」

「うん。分かったよ。」
にっこりと俺に微笑むこいつ。

「どっちだった?」

「女の子だって。」

「マジかぁーー。」


今日は8か月目最後の検診日だった。
仕事の関係で付き添えない俺の代わりに、つくしとすっかり仲良くなりやがったタマが付いていった。

そして、今日は医師からガキの性別を聞くことになっていた。
俺は正直、男でも女でもどっちでもいい。

でも、周りがうるせぇ。
ねーちゃんは女派、タマは男派、ババァは意外にも女の子がいいと言った。
『あなたの遺伝子を受け継いだ男の子は大変そうだから』というもっともな理由で。

そんな派閥争いを嬉しそうに聞いているつくしを見ると、もうすぐ俺の手で小さなガキを抱く日がくるんだと、沸々と実感が沸いてくる。


「男派のタマとしてはガッカリか?」
こたつの正面に座るタマに聞いてやる。

「ええ、そうですねー。
今度こそ、道明寺家にまともな男子が現れると期待したんですけどね。」

「残念だったな。
でも、次に期待しろ。
タマの期待に添うよう頑張ってやる。」

「ちょっ!つかさ、あんた何言って……」

「さぁ、つくし部屋に戻るぞっ。
タマ、今日はサンキューな。」

「はいはい。あんまりイチャイチャし過ぎると、お腹の子供にも聞こえますからねっ、程ほどにっ。」

「ちょっ!タマさんまで変なことっ、」


ジタバタ暴れてるこいつの手をとって、タマの部屋から連れ出すと、自然に顔に笑みが漏れる。

女の子…………。
こいつと、そっくりなのが出てくるってことか?
悪くねぇな。






「ねぇ、つかさ。」

「ん?」

「子供の名前、司にお願いしてもいい?」

「あ?」

「産まれてくる子供に、教えてあげたいの。
あなたの名前はパパが付けてくれたんだよって。」



パパ…………。
それも、悪くねぇ。






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 2015_11_07







妊娠7ヶ月にもなると、お腹の膨らみも目立ってきたつくし。
最近では仕事の引き継ぎやら、引っ越しの準備やらで、バタバタと忙しそうにしているが、俺はもう、待ち遠しくて堪らない。

なんせ、惚れて惚れて骨抜きにされている女ともうすぐ一緒に暮らせる…………。
結婚してる奴が何言ってんだと笑われるかもしれねーけど、恋愛期間をすっ飛ばした俺らにとって、ここからが甘い時間の始まりと言っても過言ではない。

つくしと一緒に暮らすため、邸も大幅に改装した。
3つの部屋をぶち抜いて、俺ら専用のリビングやキッチン、書斎、子供部屋まで。
今までのシンプルな内装の俺の部屋が、今では温かみのある家族の空間に変化した。

あとは、こいつが引っ越してくるのを待つだけ。


「ねぇ、こんなに何から何まで新しくしなくても、今までの部屋で充分なのに……。」
と、日に日に改装されていく部屋を眺めて呟くつくし。

そんなこいつの手をとって、俺らのリビングになる予定の部屋に入り、ソファにつくしを座らせる。

「このソファも、もっと大きなものに変えねぇとダメだな。」

「はぁ?これで充分でしょっ。どれだけの人数が座れると思ってるのよ。」

「足りねぇだろ。ガキがここで遊んだりしたら喧嘩になるぞ。」

「……言ってる意味が分かんないんですけど。」

「だからっ、ガキが増えれば座るソファも部屋も狭くなるんだから、はじめからでけーのを用意しておいて損はねーだろ。」

「ガキが増えるって……まだ一人も生まれてないのに、」

「あ?俺は急ピッチで作る予定だぞ?」
そんな俺に、顔を赤くして、そして呆れた声で

「簡単に作るとか言ってるけど、産むのはあたしなんだからね…………。」
と睨むこいつ。


そんなつくしに、俺は渡しそびれていたあるものを、ポケットの皮財布から取りだし、握らせる。

「おまえの名前でカードを作っておいた。
これからはこれを自由に使え。」

「………あたし、ブラックカードはじめて見た…。」

「へぇー、良かったな。俺はブラックカード以外見たことねーよ。」

「嫌味な男。」

そんな小競り合いもこいつとなら甘い。

「ねー、これって限度額はいくらなの?」

「あ?限度なんて気にすんな。
俺も知らねーし。」

「……はぁーーー、なんだろ、この虚無間。
限度額を気にしながら買い物するってことを知らないなんて……。
ねぇ、司。
あたし、こんなカード使えないし、必要ない。
だいたい、買いたいものがあればその都度あんたに相談するし、小さなものなら今まで使ってた普通のカードで充分。
こんなカード、恐ろしくて持ち歩けないよっ。
だから、これは司が預かってて。」

そう言って渡したカードを俺に差し出すつくし。

「…………ったく、ほんとおまえは不思議な女だな。」

「はぁ?」

「だってそうだろ?
他の女なら、ブラックカードを渡して『好きに使え。』って言ったら泣いて喜ぶぜ?
それなのに、おまえはいらねぇ、だもんな。」

そう言ってつくしの肩に腕を回し、引き寄せると、そのまま耳にかぶりついてやる。

「ちょっ……やっ……つーかさっ。」

「……なぁ、おまえは何をしたら喜んでくれるんだよ。
どんなことが嬉しい?
俺はイマイチそういうおまえのことがわかんねぇ。」

情けねぇけど、俺はこいつの喜ばしかたも、何を嬉しく思うのかも、つかめねぇ。
そんなことに今更ながら気付き、引き寄せる腕に力が入る俺。

そんな俺に、
「いつもしてもらってるから大丈夫。」
と、小さくつくしが呟いた。

「……どういう意味だよ。」
思わず聞き返す俺。

「あたしは、……あんたのしてくれること全部に感謝してる。
遅くなっても必ず電話くれるところも、あたしのパパとママにいつも優しくしてくれるところも、こうやってあたしのことを真剣に考えてくれるところも、全部全部、……嬉しいと思ってる。
物もお金もかからない安上がりな女だからさっ。」

最後は照れ隠しなんだろう、そう言って俺を見上げてVサインを見せるこいつ。

「そんなことが嬉しいのかよ。」

「ん。」

「金のかからねぇ女だな。
でも、これは持ってろ。
俺のモチベーションが上がるんだよっ。」
そう言って返されたばかりのブラックカードを再びこいつに握らせる。

「モチベーション?」

「ああ。どんなに小さなもんでもこれで買え。
俺が働いてるのはおまえとガキのためだ。
おまえが使えば使うほど、俺の仕事のモチベーションが上がる。」

「……そういうもんなの?」

「ああ。おまえがどんだけ浪費しても困んないだけ俺が働いてやるから、安心しろ。」




つくしに握らせたブラックカード。
それは、俺とつくしの家族カード。
カードの手続きをしながらも、夫婦になった実感をひしひしと感じて、バカみたいに胸がなった俺。




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 2015_11_06




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プロフィール

司一筋

Author:司一筋
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