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日曜の朝から仕事を休むのはいつぶりだろうか。

遅めの朝食をとるためダイニングへ向かうと
タマも驚いた顔をしてやがる。

「坊っちゃん、今日はお休みですか?」

「ああ。」

「…具合でも悪いのですか?」

「いや、」

むちゃくちゃ元気だ、とは口にしなかった
けれど、これから牧野とデートの俺は
いつもより上機嫌。

それを不審に思ったのか、タマが怪訝な顔で言う。

「最近の坊っちゃんはなんか変ですね。」

「あ?」

「朝帰りはするし、日曜のこんな時間に邸にいるし、顔が緩みっぱなしだし。
なんですか?もしかして彼女でもできましたか?」

何が悪くてそんなに不機嫌になるんだよ…と言ってやりてぇほどタマが俺を睨んでくる。

「わりぃかよ!」

読みかけの新聞をテーブルに置きながらそう答えると、なぜか悲しそうに俺を見つめるタマ。

「近い内、タマにも会わせてやるよ。」

「……いえ、結構ですよ。」

「なんでだよ。」

その質問には答えずに、俺のカップにコーヒーを足そうとするタマ。
そんなタマに言ってやる。

「あいつもタマに会いたいって言ってるしな。」

「こんな老いぼれババァの事まで話してるんですか。」

「クッ……ああ。
老いぼれババァの事を先輩って呼ぶのはあいつくれぇだろ?」

「……っ!
坊っちゃん、もしかして、つくしですか?!」

その質問には、今度は俺が答えずに、
軽く手を上げてダイニングを出る。






牧野と待ち合わせて、少し遠出のデートを楽しんだ。
買い物をして、食事をして、
最後は全長300メートルにもなるイルミネーション通りを二人でゆっくりと歩く。

「寒くないか?」

「うん、大丈夫。」

牧野の手を握り自分のポケットへ。
そんな小さな事にいちいちはにかむこいつが可愛い。

「あの頃よりイルミネーションの数も増えてない?」

「そうだな。かなり豪華になってるだろ。」

このイルミネーションを二人で見るのは初めてではない。
そう、俺たちが離れる選択をしたあの日、二人で並んで歩いたのだ。

「なんかさー、」

「ん?」

「また別れようって言うつもり?」

「あ?」

「だって、あの時もこのあと、振られた訳でしょあたし。」

「……それは、まぁ、そのぉ、」

「今日ももしかして、やっぱり別れようって言うつもり?」

そう言って俺を見上げて口を尖らす牧野。
そんなこいつの頭をひと撫でして、言ってやる。
「バカか、言わねーよ。
もう2度と言わねぇ。
それに、あの時だって確信があったから言ったんだよ。」

「確信?」

「ああ。」

「信じれば、絶対に叶うって。」

俺はそう言って、今日のためにオフィスから持ってきたあのおみくじをポケットから取り出した。
その淡いピンクのおみくじを見て、牧野が小さく
「あっ、これ、」
と、呟く。

「おまえも持ってるだろ?」

「えっ、なんで知ってるの?」

「なんて書いてあった?」

近藤から、牧野がこれを財布に入れて持っていると聞いたとき、確信した。
こいつもこれに書かれていることを今でも願っていると。


俺は自分のおみくじを開くと、
そこに書かれている「恋愛」と「待ち人」の欄を牧野に見せた。

「恋愛」
今も先にも今の人が最上。
時間はかかるが迷うな。

「待ち人」
必ず戻る。信じよ。


「あの日から俺はずっとこれを信じてた。
絶対に叶うって。」

そう言う俺を牧野はじっと見つめる。
その目には涙が浮かぶ。

「泣くなって。」

「だって……。」

そう言った後、牧野は自分のかばんから財布を取り出し、小さく折りたたまれたおみくじを出した。
それを丁寧に開き、無言で俺に渡す。


「恋愛」
結ばれる運命。信じなさい。

「待ち人」
必ず戻る。自分を変えよ。



「あたしも……信じてた。ううん、信じたかった。
道明寺と運命で結ばれていて、あたしが変わればまた道明寺と、」

そこまで言った牧野を俺は抱きしめた。






遠く、遠く遠回りをした俺達の関係。
けれど、ずっと信じていた。
いや、迷わなかったと言ったほうがいいのだろうか。

俺にはこいつ以外ありえねーし、
運命の女だと思ってる。



「もう、一生離さねーからな。」

「……ちょ、苦しいって!離してよー!」



Fin







いつも応接ありがとうございます。


結局、他人から見たら、ずっと甘い関係だった二人。
でも、めんどくさい二人なので、自分たちが納得しないとくっつかない。

つくし相手だとこうなる気がします。
読んで下さりありがとうございました★
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 2019_12_29




出勤するとデスクの上に雑誌が積み上げられていた。

いよいよ、出来たか……。
そう思ったと同時に、玉城が
「刷り上がってきました。
表紙の道明寺さん、かっこいいですね。」
と、彼氏の俺からしたら妬けるセリフ。

けど、その雑誌を一部手に取り眺めると、
その表紙には道明寺司という人物の魅力が一面に写し出されている。

「近藤、おはよう。
それ、なかなかいい出来じゃないか?」

「部長、おはようございます。
思った以上にいいですね。」

「今日、先方に見せに行くんだろ?」

「はい。
道明寺さんにも確認して頂きます。」


今日は、午後から道明寺さんとアポをとってある。
再来週の発売前に、本人に目を通してもらいOKをもらいたい。

「私も一緒に行っちゃだめですか?」

「ダメだ。自分の仕事があるだろ。」

「ケチっ……。」

誰にも聞こえないようにそう言って抗議する玉城に、

「彼女が他の男に会うのに浮かれてるのを良しとする男はいないぞ。」

と、少しだけ彼氏の顔をのぞかせてやる。





道明寺さんとの約束の時間に会社へ向かうと、いつもの西田さんという秘書の方がオフィスへ通してくれた。

「会議が長引いておりまして、10分ほどお待ち頂くかと思いますがよろしいでしょうか?」

「もちろんです。」

西田さんが出ていったあと、
持参した出来上がったばかりの雑誌を応接テーブルに置き、出されたコーヒーを飲んで時間を潰しながら、オフィス内をキョロキョロと眺める。

シンプルにまとめられた家具。
そのどれもが一級品なのだろう。

壁に設置された大きなガラス張りの棚には、
たくさんの盾が並べられている。

俺は立ち上がり棚まで歩いていくと、その並べられた盾を観察してみる。

英語で書かれたそれらは、俺には解読できないものばかりだけれど、経営学を修めた者に与えられるMBAの盾もあり、きっとここにある全てがものすごく価値のある資格なのだろう。

ゆっくりとその棚を観察していると、
ふとその場に不釣り合いな物を発見する。

棚の上から2段目に飾られている観葉植物。
その植物の枝に何かが巻き付けられているのだ。

それは、よく神社などで見られる
「おみくじ」

おみくじを引いて、中を見たあと、神社にある木の枝にそれをぐるりと巻いて帰ったことは俺にもある。

そのおみくじが、この棚の小さな観葉植物にくくりつけられているのだ。

しかも、このおみくじはどこかで見たことがある。


そう思った時、
オフィスの扉が開き、
「お待たせしました。」
と、道明寺さんが入ってきた。

スーツのボタンを外しラフに着こなしている姿に
男の俺でも目を奪われるほど。

棚の前に立っている俺に少し驚いたような顔をした道明寺さん。
それに慌てて俺は言った。

「すごいですね、こんなに盾や表彰状があって。」

「まぁ、どれもが受ければ貰える資格です。」

と、道明寺さんは謙遜したが、そんなはずはない事ぐらい分かる。

道明寺さんが俺のそばまで来て、
棚の中を眺めながら、
「だいぶ古いやつもあるので。」
と、優しく笑う。

その顔が、なんだかいつもより穏やかで、
まるで牧野にだけ見せるような表情をしている。

だからか、俺は言わなくてもいい事まで言ってしまった。

「これは、おみくじですか?」

「あー、それ、……そうです。」

「これって、京都の○○神社のものですよね?」

縁結びで有名なその神社の名をいった俺に、
「よくご存知ですね。」
と、小さく笑う道明寺さん。



その神社のおみくじは少し他のものとは
違っていて、
紙自体がほんのりピンク色をしている
おみくじなのだ。

観葉植物にくくりつけられたそれも、
同じピンク色。

そして、俺がなぜそんな事を道明寺さんに
確かめたかというと。

「このおみくじを大事に持っている人を
知っているので。」

「……これを?」

「そうです。
ここに書かれていることをいつまでも信じて、
大事にお財布に入れてるんですよ。」


そのバカな同僚は、
入社2年目の時、同期の飲み会で、
他の部の奴にしつこく言い寄られていた。

それを俺が悪ふざけして、
「付き合っちまえ!」と言ったら、
いつになく怒って、そして泣きそうな顔で言った。

「ずっと好きな人がいる。
勇気が出たら、気持を打ち明ける。」

そう言って財布から取り出して見せたのが
このピンクのおみくじ。

あれからずっと、牧野の財布には
このおみくじが入っているはずだろう。



「もしかして、牧野か?」

「そうです。一度だけ見せてもらったことがあるんですよ。
たぶん今も大事に持ってると思います。
そこに書かれた言葉を信じてるから。」


俺がそう言うと、道明寺さんは棚の扉を開け
そのおみくじを枝から外した。
そして、綺麗に折りたたまれたそれを広げて
見つめながら、

「俺もこの言葉を信じてたから。」
甘い顔で、そうつぶやいた気がする。



いつも応接ありがとうございます!

ラストに向けて爆走中です。


 2019_12_27





休みの日、仕事の出張土産を持ってねぇちゃんのマンションに向かった。

朝イチでメールをしたけど返信なし。
留守ならポストに入れておけばいい。

マンション近くのドラッグストアに寄り、飲み物でも調達しようと思った俺の視線の先には、男性用衣料品の前で考え込むねぇちゃんの姿があった。

俺が呼ぶと、明らかにバツが悪そうに、
「進……。」と、答えるねぇちゃん。
その顔を見て、一瞬で事情を理解した。

かごの中には下着と靴下。
手にはシャツを2枚持っている。

「背は?」

「え?」

「だから、相手の人は身長どれくらい?」

「たぶん……180以上」

「じゃあ、そっちのLLサイズがいいよ。」

「……ありがと。」


ねぇちゃんがレジに行くのを見ながら、
へぇー、体格のいい人なんだぁ、なんて妙な気持ちになる俺。


店の外で待っているとレジ袋を持ったねぇちゃんが店から出てきた。

「進、どうしたの?」
いつもの調子に戻ったねぇちゃんが聞く。

「出張土産、持ってきた。」

「あー、ありがと。」

土産の袋を渡すと、さっきの買い物の荷物と両方で重そうだ。
けど、俺は持ってやらないからね。

どうやら、ねぇちゃんに彼氏ができたらしい。
嬉しいような、そうでないような。
どうしてもあの人の事が頭をよぎって複雑な気持ちになる。

ねぇちゃんが一歩を踏み出したならそれでいい。
俺がとやかく言う必要はない。

「じゃあ、また来るわ。」

マンションの前についた俺はそう言って軽く手を上げた。

そんな俺をじっと見つめた後、ねぇちゃんが言った。

「……寄っていく?」

「え?」

いくらなんでも、この状況で寄っていくほど図々しくはない。
それなのに、そんな事を聞いてくるとは相変わらず恋愛音痴なのか。

だから言ってやる。

「彼氏さん、いるんでしょ。
弟が突然現れたら気まずいだろ。
今度、ゆっくり紹介してよ。」

そんな俺に、ねぇちゃんがポツリと言った。

「……道明寺だよ。」

「……え?」

「だから、道明寺が来てるの。」

「道明寺って、…あの道明寺さんっ?」


何年ぶりかな。その名前をねぇちゃんの前で呼ぶのは。

「部屋にいるのは道明寺さん?」

「うん。…フッ……」

俺のあまりの驚きように笑う。
でも、その顔が幸せに満ちている。

「そっかぁ。
会いたいな……。」

「会っていけば?」

会いたい。
でも、やっぱり俺はそこまで図々しくはない。

「いや、今度にする。
でも、近い内、絶対会いたいって道明寺さんに伝えて!」

「うん、分かった。」


ねぇちゃんと道明寺さんが別れたと聞いたのはいつだったか。
自分が失恋したかのように、無性に落ち込んだのを覚えている。

俺にとっては、雲の上の人だけど、いつ会っても
「ようっ、弟。」
と呼ぶ道明寺さんを兄貴のように慕っていた。

いつも、心のどこかで男としての道明寺さんを目標にして進んできた俺。
そんなあの人にもう一度会える。


「ねぇちゃん、じゃあね。」

「うん、気をつけてね。」




いつも応援ありがとうございます!

 2019_12_26


お礼

Category: 未分類  



こんにちは。司一筋の管理人です。
いつもコメント、拍手ありがとうございます!
心から感謝しております。

昨日、いつも拍手コメントを残してくださる
方から「バカな男17」の拍手数が1000超えですね
とコメント頂きました。

普段、あまりコメント数を気にしていなかったもので
1000!と驚きと感謝でいっぱいになりました。

そんな私ですが、過去のお話を見てみると
拍手数が1000を超えているのが結構ありまして
私だけが無知だったのね……と反省しております

以下のお話は1000超え、またはもうすぐ超えそう
というお話です。
良ければ、まだ読んでいないよ…という方が
いらっしゃいましたら、お暇なときに
読んでいただけると嬉しいです!


バカな男17 1123拍手
野獣と秘書31 999拍手
総務課の牧野さん54 1350拍手
ボイス34 959拍手
出来ない女としない男40 1114拍手
不埒な彼氏35 1044拍手
デンジャラスワールド41 990拍手
何度でも33 1493拍手
俺の彼女16 1238拍手
彼と彼女の一年間41 1719拍手


こうして書いてみると私本人も「意外〜」と
思ってしまうお話が多いのです。
ちなみに、不埒な彼氏の司くんは、
書いてる当初かなりの不評でしたが笑
私はこういう司くんが大好物でして、
書き上げてみるとラストに1000超えの拍手を
頂けて嬉しいです

今回、コメントくださいましたAromaさま、
ありがとうございました。
そして、いつもいつも来て下さり感謝しています。
この場を借りて御礼申し上げます。




ランキングにも参加させて頂いています。
不定期更新にも関わらず、皆さんポチっと
して下さり嬉しい限りです。



素敵なクリスマス、お過ごしください★


 2019_12_25




逃げるなら、逃がしてやってもいいと思ってた。

それなのに、
「……しよう。」
俺が言ったその言葉に、
ぎゅっと俺の服を握りしめ小さく頷いた牧野。

そんなこいつを横抱きに抱え、ベッドルームへ直行。ベッドの端に牧野を座らせ、濡れたままの髪にもう一度タオルを当てる。

そして、濡れたブラウスの1つ目のボタンに手をかけた時、
「自分で」
と、小さく言ってボタンを外そうとする牧野。

俺はその手を握り言った。
「俺にさせろ。
全部、俺が……したい。」

どこまで俺様なんだと言われても、それでいい。
最初から、最後まで、
何1つ逃さずに牧野を見たいから。








死にそうなほど緊張したのは最初だけ。
その後は、道明寺の吐息と共にゆっくりと身体が揺らされ、下腹部が痺れるようなおかしな感覚に襲われた。

道明寺とこうなる事に何1つ迷いはなかった。
だから、いつも逃げ腰なあたしだけど、
突然な誘いだったけれど、
迷わずに頷いた。




朝、目覚めると、
あたしを見つめる道明寺の視線とぶつかる。

「……起きてたの?」

返事は軽いキスで返される。

甘い……甘すぎる。
道明寺の仕草、視線、全てが甘くて、
胸がいちいちうるさい。

もう時計の針は10時を過ぎている。
眠りについたのが2時過ぎだから仕方ない。

二人でベッドを出ると、
洗面所の鏡の前で並んでハミガキ。
お客さん用に買っておいた歯ブラシを道明寺に渡し、お互いのそれに歯みがき粉をつける。

鏡に映る道明寺は上半身は裸のまま。
今更、急に恥ずかしさがこみ上げてきて、鏡に映る自分を直視出来ず、くるりと向きを変えて鏡を背にした。

そんなあたしの正面に道明寺が立つ。
お互い歯磨きをしたままなので言葉はなし。
でも、道明寺がゆっくりとあたしの髪を撫で、耳に触れる。

今までいろいろな道明寺の顔を見てきたけれど、
そのどれとも違って、
男っぽくて、……熱い。

その視線に耐えられなくなったあたしは、慌ててうがいをすると、
「先にシャワー使って。」
と言って洗面室から逃げるように出た。





コーヒーの準備をしようとキッチンへ行くと、
シャワーの音が聞こえ始めた。

あたしは少し考えたあと、急いで下だけ着替え、コートを羽織り、お財布をそのポケットに入れて部屋を出た。

向かうのは歩いて5分のドラッグストア。
10時を過ぎているから開いているはず。

店に入るとまっすぐに衣料品コーナーへと向かった。
男の人の下着を買うなんて初めてで、何を選んだら良いのかわからないけれど、
一番シンプルで、一番高いやつに……と、目についたものをかごに入れていくあたしの後ろで、


「ねぇちゃん?」

と、聞き覚えのある声がした。

「進……。」


「ねぇちゃん、……どうしたの?」

あたしの持つかごを見つめながらそう聞く進に、あたしは思いっきり目をそらすしかなかった。



応援いつもありがとうございます!

メリークリスマス









 2019_12_25




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司一筋

Author:司一筋
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